2018年1月19日金曜日

【回転窓】現代版「背中を見て学ぶ」

陸上や水泳、スケートのような100分の1、1000分の1秒を争う世界では、体をいかに無駄なく動かすかが記録を左右する。記録保持者と同じ動きができればおのずと記録は伸びる▼記録保持者の動きを映像で分析してまねる。現代のアスリートは、そうした科学的トレーニングを積んだ結果、フォームがしっかりしており、大きなスランプに陥ることも少ないと聞いた▼アスリートほど精緻ではなくても、職人の世界で一流と呼ばれる人たちと同じように動くことができれば、技能を高めることができよう。憧れの職人の技を徹底的にまねることは、技能習得の近道ともいえる▼スマートフォンやタブレット端末などが普及した今は、映像を手軽に撮ったり見たりすることができる。一流の職人の技を収めた動画を技能習得に役立てようという活動を先日取材した▼国土交通省も、生産性向上の一環としてそうした活動を後押ししようと、職人の基礎的な技能を撮影した映像コンテンツを制作するなどの支援に乗りだした。「親方の背中を見て学べ」というかつての教育手法を現代版に置き換えた取り組みに期待しよう。

【コンプリートに挑戦を!!】横須賀市、トンネルカードの配布開始へ

1月22日から配布する全10種類の「トンネルカード」
(写真提供:横須賀市)
神奈川県横須賀市は観光振興策の一環で、市内のトンネルを紹介する「トンネルカード」を発行する。カードにはトンネルの写真とともに、所在地や特徴、歴史などを記載。22日から市内の飲食店10店舗で配布を開始する。自治体がトンネルをテーマとしたカードを発行するのは全国で初めてという。

 「日本一トンネルの多い街」と呼ばれる横須賀市には100カ所以上のトンネルが点在。そのうち、大正時代に造られた「船越隧道(ずいどう)」や東京湾唯一の無人島・猿島にあるトンネルなど10カ所を厳選し、製作した。

 カードは企画に賛同した飲食店10店舗で、トンネルをイメージした商品「トンネルグルメ」を購入すると入手できる。全種類を集めるとレアカードがもらえる。

 市の担当者によると、以前発行した市内のトンネルを紹介する「トンネルマップ」が好評だったことから、トンネルの観光資源としての魅力を認識し、カードの発行を決めたという。

【試作6作品、学生モデルがお披露目】全建協連とモード学園、2月に学生デザインユニの発表会

全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)は、東京モード学園と行っている「ユニフォームデザインプロジェクト」の発表会を2月15日に東京・西新宿にある同校のコクーンホールで開く。

 約500作品の応募の中から選定した最優秀賞(男性・女性用各1作品)、優秀賞(同各2作品)の計6作品の試作品を同校の学生がモデルとなって着用し、お披露目する。

 全建協連は、働き方改革の一環として「誰もが着たくなるユニフォームで業界のイメージを刷新!」をコンセプトにプロジェクトを実施中。同校に協力要請し、「おしゃれでかっこいい」と感じられる現場のユニホームを学生にデザインしてもらった。

 現在、ミドリ安全が6作品を実際のユニホームに仕立てている。発表会は、青柳会長の意向でテーマを「自信と誇りを着る」に設定した。デモンストレーションも行う予定で、行政や団体など建設業の関係者を招き、「身の回りからの働き方改革」を促すユニホームをアピールする

【自立飛行ドローンやAI画像解析の実験展開】三菱地所、東京・丸の内エリアを先端技術の実証フィールドに

三菱地所は、東京・丸の内エリアを先端技術の実証フィールドにする取り組みを展開している。

 自立飛行するドローン(小型無人機)を使ったインフラ点検業務や、人工知能(AI)による画像解析を活用した来街者対応といった技術の有効性を検証する。

 昨秋の「総合防災訓練」では、今後発展が予想される無線通信技術「LPWA(ローパワーワイドエリア)回線」で社員の位置情報を把握する実験も実施した。

 インフラ点検業務の実証は丸の内熱供給(東京都千代田区、辻正太郎社長)と、ドローンの安全飛行管理システムの開発などを手掛けるブルーイノベーション(同、熊田貴之社長)との共同で2月6日に実施する。

 JR東京駅近くの丸の内オアゾ周辺の地下にある熱供給用洞道内に自立飛行型ドローンを飛ばし、洞道内を往復させたり動画を撮影させたりする。衛星利用測位システム(GPS)が活用できない地下空間で、ドローンが自らの位置を認識しながら狭小な洞道内を自動航行するため、実験の難易度が高いという。

 22日には新丸の内ビルディング(東京都千代田区)で、ビル内のカメラで撮影した映像をAIが解析し、道に迷って辺りを見回すなど来街者の「困っている動き」を自動検知するシステムを検証する。従来は警備員が目視で行っていた見回りをAI分析で補助。きめ細かい状況把握や対応の実現などを目指す。実験は綜合警備保障らと共同で実施する。

 昨年のLPWA回線の実証実験では、大手町ビル(東京都千代田区)に設置した受信機で、ビルの内外にいるGPS端末を持った社員の位置情報を把握することに成功した。現在は、同回線の技術を他分野でも活用する方向で検討しているという。

2018年1月18日木曜日

【阪神・淡路大震災から23年】兵庫県ら「1・17安全の日のつどい」開く


 ◇次世代に経験と教訓語り継ぐ◇

 6435人が犠牲となり、2人が行方不明となった阪神・淡路大震災は17日、発生から丸23年がたった。

 兵庫県内の各地で追悼行事が行われ、県などが主催する「ひょうご安全の日 1・17のつどい」には、国や県、神戸市のほか東日本大震災や熊本地震の関係自治体などが参列。震災の記憶を風化させることなく経験と教訓を次世代に語り継いで、将来発生が予想される自然災害に立ち向かっていくことで誓いを新たにした。

 安全の日のつどいのテーマは「1・17は忘れない-『伝える』『備える』『活かす』」。恒例のメモリアルウオークをはじめ防災啓発展示や防災訓練が行われたほか、東北3県や熊本県の観光情報発信コーナーも設けられた。HAT神戸(神戸市中央区)の人と防災未来センター慰霊のモニュメント前で開かれた1・17のつどいには約1000人が参加。市内の震災未経験者が4割を超えるなか、小中高生など若者の参加も目立った。

 式典は午前11時50分に始まり、兵庫県議会の黒川治議長による開会の言葉に続き、正午の時報とともに犠牲者に黙とうをささげた。

 主催者代表の井戸敏三兵庫県知事は「これまでわれわれが積み重ねてきた復旧復興の歩みのなかに、今後の社会作りに生かすべき大切なものが凝縮されている。大震災を乗り越えてきた知恵と力を結集し、希望に満ちた兵庫の新時代を切り開いて行こう。震災の悲しみを風化させずに教訓と経験を語り継いで、安全安心な社会づくりに生かしていくことが被災地兵庫の使命だ」と力強く呼び掛けた。

 政府を代表して山下雄平内閣府大臣政務官は「災害が発生しやすい我が国では、防災は国家の基本的かつ重要な任務だ。災害から国民の生命・財産・生活を守り、安心して暮らせる社会を実現するために全力を注いでいく」と述べた。

地元の小中高生もメッセージを披露し、県立舞子高校3年の後藤謙太さんは「私たちのような震災未経験の世代が語り継ぎを始め、過去の教訓を未来に生かさなければなりません。今後必ず発生する災害からより多くの命を救うために、一人一人が防災に関心を持てるように私自身が語り継ぎます」と語り、神戸市立なぎさ小の児童らが被災者を勇気付ける曲「しあわせ運べるように」を合唱した。

 最後に、人と防災未来センターの河田恵昭センター長が「新たな災害に備えるには、さらに対策を進めなければならない。震災の教訓はすべての災害に通じる知恵だから」と「ひょうご安全の日宣言」を読み上げ、参列者が献花台に花をささげた。

【回転窓】北海道命名150年

かつての「蝦夷(えぞ)地」が「北海道」と命名されて今年は150年の節目に当たる。名付け親は三重県松阪市出身の探検家、松浦武四郎▼「北加伊道」など6案を明治政府に提案し、最終的に現在の名称となった。「カイ」という言葉に「この地で生まれたもの」という意味があると、アイヌ民族の長老から教わり、先住民族の存在を尊重する思いを込めたと言われる▼松浦は6回にわたって現地踏査を行い、地形やアイヌの暮らしなどを詳細に記録した。蝦夷地通として知られ、大久保利通や西郷隆盛らも情報を得ようと訪れていたという。踏査を通じ、現地の人々が搾取されている状況も目の当たりにした。改善を訴えたが、反発を受け、思うようにはいかなかった▼北海道は今月、命名150年事業のキックオフイベントを実施。松浦の生誕200年にも当たることから、松阪市も記念事業を展開する▼「住む人の命と文化を守るのが(行政の)最大の仕事と指摘した心優しい旅人」。長年研究した秋葉實さんは松浦をそう評していたそうだ。人に寄り添う精神を持って物事が進められているか。改めて考える機会にもしたい。

【中央径間はEU圏内3位の1120m】IHI、ルーマニアで長大橋工事受注

 IHIインフラシステムはイタリアの建設会社アスタルディとJVで、ブレイラ橋(ルーマニア・ブレイラ市)の建設工事をルーマニア道路インフラ公社から設計・施工一括(DB)で受注した。

 工期は18年1月~21年12月。完成後はルーマニア国内最長、欧州連合(EU)内で3番目の中央径間長を持つ橋梁となる。

 同国での橋梁工事受注はIHIグループとして初めて。海外での長大橋建設の技術力などが高く評され受注に至った。

 ブレイラ橋はブレイラ市と対岸を、ドナウ川をまたいでつなぐ長大橋。橋長1974メートル、中央径間1120メートルの規模。橋梁へのアプローチ高架橋と接続道路を含む総延長は23キロで、既存の高速道路に接続する。

 ブレイラ市からドナウ川対岸への移動はこれまで、100キロを超える迂回(うかい)路か、船を利用するしかなかった。橋梁が完成すれば交通の利便性が大幅に向上する。接続道路は既存の高速道路につながり、貨物流通の効率化や経済活性化に貢献する。

【あたたかくて快適】壇蜜さん、LIXIL施設で高断熱住宅体験

環境省の「省エネ住宅推進大使」を務めるタレントの壇蜜さんが17日、LIXILの製品体験施設「住まいStudio」(東京都新宿区)を訪れ、高断熱・高気密住宅の優れた性能を肌で感じた。

 壇蜜さんは担当者から、開口部と壁の断熱性を高めることが、長期的な光熱費削減や快適な暮らしの実現に大きく寄与するとの説明を聞いた。 

 その後、断熱性能の異なる窓や壁を採用した体験スペースに入り、窓際の寒さや結露の発生状況、室内の温度ムラなどを体感。

 アルミサッシや単板ガラスの窓を用いた居室と、断熱性の高いアルミ・樹脂複合サッシや複層ガラスを採用し、最近の省エネ基準を満たした空間とでは、室内気温に大きな差が生じることを実感した。

 同省は、家庭部門の二酸化炭素排出削減を図るためのキャンペーンを展開中。昨年10月、壇蜜さんを大使に任命。高断熱・高気密住宅の快適性やコストメリットを周知する広報活動を強化している。

【工高1年生40人を招待】埼玉建協、埼玉スタ改修・更新で現場見学会

 埼玉県建設業協会(星野博之会長)は16日、改修・更新工事中の「埼玉スタジアム2002」(さいたま市緑区)で現場見学会を開いた。埼玉県立浦和工業高校設備システム科の1年生40人が参加した。

 見学したのは、埼玉県が発注した▽埼玉スタジアム2002機械設備改修工事(施工・サイエイヤマト)▽同熱源設備改修工事(協和設備)▽同ITV設備更新工事(丸電)-の3件。

 見学会では、スタジアム内の会議室で施設の紹介ビデオを見た後、施工者による工事概要説明を聞き、各現場を見学した。

熱源設備改修工事は、既存の熱源設備機器の能力を増やすためガスタービンポンプチラーを6機設置するとともに、古くなった制御弁(約140個)を交換する。

 施工者からは「グラウンドのピッチの下にパイプが埋設され、冬は温水、夏には冷水を流している。芝の育成に重要なシステムで、現在夏の暑い時期の負荷が大きいため今回の工事の熱源設備の能力をアップさせる」と説明があった。

 中央監視盤など普段入れない場所も見学し「公園にいる人の顔まで認識できる」とカメラの性能の高さが紹介された。

2018年1月17日水曜日

【回転窓】趣ある字を万年筆で

哲学者で詩人の串田孫一(1915~2005年)に、仕事場に泥棒が入った時のことを書いたエッセーがある。盗られたのは万年筆とたばこの箱だけ。〈持っていくものが他になかったらしく…〉と振り返っている(『文房具56話』〈ちくま文庫〉の「萬年筆」)▼よその家に2度ほど忘れた時も〈仕事が出来ないので〉とすぐに引き返して取りに行ったというから、万年筆は欠かすことのできない商売道具であったらしい。まさに罪深い泥棒である▼数年来、万年筆がブームになっているとの記事を読んだ。手軽に買える安価な商品が火付け役となり、若者の間で人気を呼んでいるようだ。価格もさることながら、やはり他にはない書き味が好まれての人気であろう▼気に入った書き心地とデザインの一本を買い、使い続けているうちに自分だけの一本になる。万年筆にはそんな魅力がある。〈萬年筆の書き味についてはいろいろ意見があるけれども、どんなものでも使い慣れることが肝心〉と串田はつづる▼知人から今年頂いた年賀状の一枚に万年筆で書かれていたのは「今年は会えるといいね」。趣のある字が胸に響く。

【毎日が誇りまみれ。】秋田県仙北建協、業界PRホームページ開設!!

 秋田県大仙市や仙北市、美郷町の建設会社46社で構成する秋田県仙北建設業協会(佐藤吉博会長)は、協会活動や建設業の魅力を紹介するホームページを開設した。

 同協会は、16年度に県が推進する「建設業担い手確保育成支援事業」の実施団体として採択され、就業者の声を集約した「まちづくり現場レポート」ガイドブックやポスターの作成、さらに動画配信などを通して業界の魅力のPRに取り組んできた。

 ホームページの開設は一連の取り組みの集大成となるもので、ガイドブックを電子書籍で閲覧したり、工事現場で活躍する就業者の動画を視聴したりすることができる。協会の活動内容も広く紹介している。

 「毎日が誇りまみれ」で検索すると、ホームページにアクセス可能だ。動画共有サイトYouTubeでPR動画も公開している。

【坂戸工場新製造棟、奥村組で7月着工】明治、チョコ生産増強に270億円投資

明治はチョコレート関連商品の生産増強に乗りだす。

 総額約270億円を投じて坂戸工場(埼玉県坂戸市)に新製造棟を建設するほか、大阪工場(大阪府高槻市)に生産ラインを増設する計画。新製造棟の設計は日建設計、施工は奥村組が担当し、7月の着工を予定している。

 投資計画によると、坂戸工場には約210億円を投じて、新製造棟(6階建て延べ約3万平方メートル)を建設する。チョコレート以外の生産を行っている既存の製造棟を解体し、チョコレートの生産ライン(3ライン)が入った新製造棟に建て替える。20年1月から順次稼働を開始する。

 大阪工場には約60億円を投じてチョコレートの生産ラインを2ライン増設する。9月から順次稼働を予定している。

【日鳶連が国交省で披露】伝統の「木遣り」で新年祝う

 日本鳶工業連合会(日鳶連、清水武会長)は16日、牧野たかお国土交通副大臣を新年のあいさつで訪ね、伝統の労働唄「祝い木遣り」を披露した。日鳶連の地方組織に当たる東京都鳶工業会に所属する木遣り師が張りのある伸びやかな声でうたい上げた。

 木遣りは建設機械がなかった時代、大勢の労働者が資材を人力で運ぶ際に力を一つに結集させ、士気を高めるための「呼び声」としてうたわれた。始まりは鎌倉時代の1200年代とされる。

 あいさつした清水会長は「気持ちを新たにものづくり立国・日本を大事にして、文化の継承とともに安全を祈願し、頑張っていきたい」と新年の決意を表明。続いて木遣り師が祝儀の木遣り「千秋万歳」を高らかに披露した。

 牧野副大臣は「新年にふさわしい祝いの木遣りをご披露いただいた。これを受け国交省も今年1年無事故で、それぞれの分野で成果を上げていきたい」と答えた。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/外国人労働者の柔軟な導入策を

全国の建設現場で、外国人不法就業者に対するウサギ狩り式の取り締まりが真っ最中だ。昨年下半期から取り締まりが強化されており、大手専門業者100社中30社が取り締まりに掛かり、多くの建設現場が疲弊している。取り締まりに掛かった業者は、1回摘発されると2年間、制限期間中に追加摘発されれば3年間、外国人を雇用できない。

 大韓建設協会の関係者は、「全国に数十の現場を抱えている建設会社は、1カ所だけ取り締まりに掛かっても、全ての現場の外国人新規採用が禁止されるので致命的だ」と話す。

 大韓専門建設協会の関係者によると、「不法と合法の外国人を現場で区別するのが容易でない」「過料を1億ウォン以上納めさせられた業者もいる」という。

 韓国建設産業研究院のチェ・ウンジョン副研究委員は、「韓国人が避ける仕事が大変で賃金が安い職種は、外国労働者に依存するほかはない」として、建設業の特性を反映した柔軟な外国労働者導入方策が必要だと訴える。

CNEWS、1月8日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/三菱商事、ホーチミン市で住宅開発参画

 不動産開発を手掛けるフックカン社と三菱商事は、ホーチミン市8区の住宅開発プロジェクトを共同で推進することで合意した。

 「ダイヤモンド・ロータス・リバーサイド・コンプレックス」は投資額3000万ドル。同市人民委員会によると、2017年1~11月の不動産分野への海外直接投資は9億8440万ドルで全産業中最大となり、前年同期の3倍を記録している。

 今回のプロジェクトは米国グリーンビルディング協会が運用する建築環境性能認証制度「LEED」に基づいて開発される。両社は、同市内の1、2、8、10区、タンビン区、タンフー区などでの都市開発でも協力することを検討している。

セイ・ズン、1月4日)

2018年1月16日火曜日

【回転窓】レジェンドの心技体

約4週間後の2月9日、韓国の平昌(ピョンチャン)で23回目の五輪冬季競技大会が開幕する。既に競技施設は完成。比較的緯度が低く降雪量に不安の声があるものの、人工降雪機をフル活用して競技開催に備えているそうだ▼日本選手の活躍とメダル獲得に早くも期待が膨らむ。中でも現役でありながら「レジェンド」と尊敬を集めるノルディックスキー・ジャンプの葛西紀明選手の動向からは目が離せない▼史上最多8度目の冬季五輪。1992年のアルベールビル大会に19歳で初出場し、不惑を超えてなおトップレベルの成績を残し続ける。トレーニング方法や道具の進化などによって選手寿命が延びているとはいえ、四半世紀にわたって第一線で活躍するのは至難の業だ▼勢いと成長力の若手時代、技と力がバランスする中堅時代、そして年齢からくる身体の衰えを知識と経験、探求心でカバーする熟練の域に。長い競技生活を通じ心技体のバランスを絶妙にコントロールするすべを身に付けたのだろう▼心身の健康を保ちながら自らの能力を磨き続ける。多くの社会人にとって葛西選手の歩みは見習うべきところが多い。

【事業主体は大和ハウスら、総延べ14万㎡超】新さっぽろ駅周辺地区開発(札幌市)、19年にG街区着工へ

 札幌市厚別区の市営地下鉄東西線新さっぽろ駅周辺地区の市営団地跡地開発計画で、事業主体である大和ハウス工業を代表とするグループは、19年にも大学などの建設に先行着手する。

 計画地は「G街区」と「I街区」の二つの街区からなり、先行してG街区から開発を進め、総延べ14万平方メートル超の施設群を建設、22年4月の全体完成を目指す。G街区の造成設計はドーコンが、大学施設など3棟の建築設計はドーコンと大成建設が担当する。

 事業主体の構成メンバーは代表の大和ハウス工業と構成員の大和リース、新さっぽろ脳神経外科病院、新札幌整形外科病院、北海道ファーマライズ、記念塔病院の計6者。

 大和ハウス工業らのグループは、市有地である団地跡地を市から取得し、二つの街区に分けて大学や商業施設などを開発する。

 市へ提出した提案(17年4月時点)によると、計画ではG街区(厚別区厚別中央1の5、約1・6ヘクタール)に大学施設と産業連携施設の3棟総延べ2万0835平方メートル、I街区(厚別中央1の6、約3・9ヘクタール)に商業施設、マンション、ホテルなど7棟総延べ12万0503平方メートルを建設する。

 2街区での具体的な施設計画概要は、G街区が▽文系学部の校舎=6階建て延べ1万2176平方メートル▽看護学部の校舎=4階建て延べ7267平方メートル▽産業連携施設=2階建て延べ1392平方メートル。

 I街区が▽商業施設=地下1階地上5階建て延べ4万8702平方メートル▽ホテル=13階建て延べ1万3068平方メートル▽高層マンション=地下1階地上31階建て延べ2万9296平方メートル▽医療施設A=6階建て延べ9227平方メートル▽同B=6階建て延べ5483平方メートル▽同C=地下1階地上5階建て延べ6551平方メートル▽同D=7階建て延べ8176平方メートル。

 今後は12月に予定している都市計画決定を経て19年に造成工事を行い、19年内のG街区本体着手を目指す。I街区は19年以降に本体工事に着手する予定だ。施工者は未定。G街区は21年4月、I街区は22年4月の完成を目指す。

【池袋駅周辺のにぎわい創出めざす】東京・豊島区、「四つの公園構想」推進

ハレザ池袋の建物群と中池袋公園㊦の完成イメージ
東京・豊島区は池袋駅周辺で「四つの公園構想」を推進している。駅周辺に整備する四つの公園でそれぞれ特色ある文化イベントを展開し、魅力の発信やにぎわいの創出を狙う。4公園のうち、中池袋公園は7月に施工者を決める入札を実施し、同10月に着工する見通し。現在基本設計中の池袋西口公園は3~8月に実施設計をまとめる。防災公園は事業者を選定中。南池袋公園は開園済み。区は同構想を通じて、目指すべき都市像として掲げる「国際アート・カルチャー都市」を実現したい考えだ。

 中池袋公園は東京建物とサンケイビル、区が官民一体で進めている旧豊島区庁舎・公会堂跡地の開発プロジェクト「Hareza(ハレザ)池袋」(東池袋1丁目)の一環で整備する。現在は16年度にまとめた基本・実施設計を踏まえ、工事発注に向けた補足設計を進めている。ハレザ池袋を構成する劇場や映画館などエンターテインメント施設と連携したイベントを展開する方針で、19年8月の完成を予定している。公園単独の工事費は3・7億円を見込む。

 池袋西口公園(西池袋1丁目、3123平方メートル)は、既存の老朽化した公園施設を解体し、新たに円形の劇場広場を整備する。舞台(平屋160平方メートル)、楽屋や倉庫などの舞台周辺諸室(同70平方メートル)、トイレ(同80平方メートル)、観光案内所棟(2階建て延べ80平方メートル)で構成。基本設計を2月までにまとめ、実施設計後、19年1月の着工、同10月の完成、同11月の開園を目指す。概算工事費は26・8億円を見込む。イベントはフルオーケストラの演奏やバレエ、ミュージカルのほか、演劇やお祭りなどを想定している。

 防災公園は造幣局東京支局跡地(東池袋4丁目)の一部に整備する。統括・設計施工・維持管理運営を一体的に担う事業コンソーシアムを選定中で、20年4月の開園を目指している。16年4月にオープンした南池袋公園(南池袋2丁目)は、仮設の野外ステージや能舞台によるイベント、芝生広場が人気となっている。

【記者手帖】記憶持続し防災・減災

先日、東日本大震災の発生直後から港湾工事の専門家として航路啓開や復興に取り組んだ技術者を講師に招いた講演会の取材をした。東日本大震災は、発生から7年がたとうとしている。当時の悲惨な光景をテレビ映像で見た時の驚きが自分の中で薄らいでいることを実感し、反省した◆東日本大震災の発生時は、四国でも携帯電話がつながりにくくなり「どうしたんだろう」と思っていたら、東北地方で地震が発生し、大規模な津波が襲来していることをテレビが伝えてきた。画面を見ると、とても現実のものとは思えず、映画の特撮シーンを見ているような錯覚に陥ったことを覚えている◆四国では、南海トラフ巨大地震の発生が危惧されている。建物の耐震化や津波避難タワーの建設、避難路の整備などが進められるとともに、一般市民も参加する防災訓練も各地で実施されている◆大きな災害が発生すると、復興には膨大なエネルギーと時間を要する。自然の力には勝てないが、防災・減災への取り組みで被害を最小限にくい止めることはできる。その重要さを改めて感じた。(宮)

2018年1月15日月曜日

【回転窓】新たな一手「泊食分離」に注目

強い寒波が相次ぐ今冬。首都圏の近くでは昨年より2週間以上も早く全面滑走できるようになったスキー場もある▼日帰りも手軽でよいが、ゆっくり温泉に漬かって郷土料理を味わい、翌日もたっぷり滑ろうと宿泊するスキーヤー、スノーボーダーも少なくないだろう。好みの食事を近隣の飲食店で楽しめるプランを用意する宿が増えており、旅行客の多様なニーズに街ぐるみで応える取り組みが活発化しつつある▼そうした動きを察知した観光庁が地域の新しい活性化事業に乗りだす。宿と飲食店が連携し、宿泊と食事を別にした「泊食分離」を促す環境整備を一部で進めるという。18年度予算案に事業費を計上した▼飲食は重要な収入源だけに、料理自慢の宿には快く思わない経営者がいるかもしれない。それでも訪れる人の回遊性が増し、ファンを増やす宿や飲食店があるはず。食材や消耗品を共同購入する仕組みも整えるそうで、地域一帯の生産性向上が期待できる▼人口減少が進む時代。どの観光地も、旅人の心をつかむと同時に、サービスを提供する側の生産性向上が欠かせない。観光業の新たな一手に注目しよう。

【事業スキームなど調査・検討】筑波大学、新設アリーナ整備のアドバイザリー業務発注

筑波大学は12日、「アリーナ事業アドバイザリー業務」の委託先を決める公募型プロポーザルを公告した。茨城県つくば市に計画中のアリーナ建設で、事業の可否を決める判断資料の作成などを委託する。企画提案書を31日まで受け付ける。2月上旬に審査を実施する。結果の通知日は未定。契約期間は7月末まで。業務の予算額は3000万円(税込み)。

 業務では民設民営などの民間出資を視野に、建設費などの具体的な事業スキームを調査・検討する。

 参加は、本年度の全省庁統一資格または同大学の競争参加資格のうち、関東・甲信越地域の「役務の提供」の資格を持つ者から受け付ける。過去10年間で国や地方自治体、国立大学法人などで事業導入の可能性調査またはアドバイザリー業務の実績があることも求める。

 アリーナの建設候補地は、つくばエクスプレス(TX)つくば駅近くの職員宿舎敷地(吾妻2の10、敷地面積3万3449平方メートル)。商業地域に指定されており、容積率は400%、建ぺい率は80%が上限に指定されている。宿舎は18年度末までに廃止する予定。

 アリーナの収容人数は7000~8000人程度の規模を想定する。事業に着手する場合、早ければ20年度の完成を予定する。

【◎たいへんよくできました◎】国交省、「国土と交通の図画コンクール」表彰式開く

 国土交通省は12日、17年度「国土と交通に関する図画コンクール」の表彰式を東京・霞が関の同省で開いた。

 応募作品計2449点の中から最優秀賞に当たる国土交通大臣賞に6点を選んだ。大臣賞を受賞した1~6年生の6人(各学年1人)に、石井啓一国交相が賞状を手渡した。

 式典で祝辞を述べた石井国交相は、「皆さんのすばらしい作品に感心しました。これからも国交省の仕事に関心を持って下さい」と子どもたちに呼び掛けた。

 コンクールは全国の小学生を対象に毎年行っている。工事現場の様子や、道路などのインフラがある街の風景といった国交省の仕事に関係することを図画のテーマに設定している。

【中堅世代】それぞれの建設業・188

各社の安全衛生担当者が取り組む課題は確実に増えている
 ◇見えない所で現場の安全支える◇

 建設業界の安全衛生関係の団体で働いている真中幹夫さん(仮名)。最近、会員のゼネコン各社で安全衛生を担当している人たちの超多忙を心配している。

 会員会社の担当者と現場の視察に出向くと、社内で発生した安全上のトラブルで急きょ帰社する参加者が出ることが頻繁にある。安全衛生の担当者が担う業務は確実に増えている。にもかかわらず、施工部門に比べると人員の配置は各社とも必ずしも手厚いとはいえないようだ。「みんな大丈夫かな…」。団体に集う仲間のことが気になる。

 現場のパトロールや支店の指導は頻度が増す一方。市場の活況で各社とも多くの手持ち工事を抱えるだけに、経験や知識が豊富でも体力の衰えてきた高齢の職人や、経験の浅い若手技能者にも働いてもらわなければならない。事故が起きやすい状況と向き合う場面は増えている。

 制度や規制の見直しも進む。安全帯の胴ベルト型からフルハーネス型への移行や、義務化された化学物質のリスクアセスメント、さらには現場のメンタルヘルス対策の充実など、担当者が新たに対応を迫られる事項は枚挙にいとまがない。

 「現場の施工を熟知していることが最低条件。その上で、法規制に関する知識、他の部署と調整をしたり、社内にルールを徹底したりするマネジメントの能力も不可欠」。団体に着任する前の自身の経験と、奮闘している仲間の姿から、安全衛生部門の担当者に求められるスキルを改めてそう認識した。

 新しい制度や規制を施工現場で運用するに当たって、安全の重要性を痛感している現場担当者の多くは素直に受け入れてくれる。しかし、安全に配慮した生産工程が構築される裏側では、各社の安全衛生担当者が汗をかいている。そうしたことをもっと多くの人に知ってもらいたいとも思う。

 労働安全衛生法の改正によって、一定の有害性を持つ化学物質を扱う塗装や接着などの作業を行う際は、リスクアセスメントと併せてリスクのレベルに応じた安全衛生対策を講じることが義務付けられた。この新たな規制を現場でどう運用するか。多くのゼネコンの安全衛生担当者が頭を悩ませたが、各社の担当者間などで情報交換が進み、条件をクリアした運用方法が浸透した。

 フルハーネス型安全帯の着用を義務化する新規制では、安全帯の構造規格を改正するための検討などが行われている。新しい安全帯を適切に普及させるためにも、各社の担当者間での情報交換を促す必要があると考えている。

 「(安全衛生担当者は)もう少し日の目を見てもいいのでは」。外部の人からそう言われることもあるが、「安全部門が前面に出ることなく生産活動が続いていく環境の方が望ましい」と思う。だからこそ、業界の安全文化の醸成に懸命に取り組む各社の担当者の負担を少しでも減らしたい。これからも、そこに役立つ組織運営に努めるつもりだ。

【凜】先端建設技術センター・新井佐由美さん


 ◇業界の役に立てていると実感◇

 13年1月に立ち上げたセンター独自の新技術情報データベース「NETISプラス」に最初から携わった。

 二十数年前、センターに就職してから事務職として裏方の仕事に徹してきたが、当時の上司に「一般代表という気持ちで参加して」と言われて奮起。自分なりに車や家を買うつもりになっていろいろなサイトを検索しながら思いを巡らせ、「ボタンの位置、画面の色合い、使い勝手などを調べ、打ち合わせで意見を出すようにした」。

 NETISプラスには、国土交通省NETISの掲載期間が終了した技術や未登録でも掲載が可能。企業が開発した技術のPRなどに生かされている。

 昨年末の2カ月ほど、国交省版の掲載が終了した企業から、登録希望が殺到した。申請受け付けからサイトへの掲載までの事務を手掛けており、残業も増えて大変だったが、同時に「皆さんのお役に立てている」のだと実感できた。

 2人の子どもが小さいころ、仕事の繁忙期に職場へ連れてきたことがあった。迷惑になるのではと不安があったものの、職場の同僚は受け入れてくれた。子育てと仕事が両立できたのも、「周囲の理解と協力があってこそ」という気持ちが強い。

 長女は大学3年、長男は高校1年。子育てが一段落した今、次は自分が助ける番と、「職場で困っている人には、なるべく力になってあげたいと思っている」。

 (あらい・さゆみ)

【サークル】東鉄工業ロードバイク倶楽部「SUPER EXPRESS」

 ◇走りのお目当ては〝おいしいもの〟、みんなで楽しく風を切る◇

 13年の同好会発足は、代表を務める東京土木支店の宮田健太郎次長が「ダイエット目的で購入したロードバイクにすっかり魅了された」ことがきっかけ。15年に会社公認サークルとなり活動が本格化した。

 本社をはじめ横浜、東京土木、八王子、高崎、新潟の各支店に在籍する職員がメンバーで、17年12月時点の部員数は26人。年齢層は20~60代と幅広く、宮田代表は「『みんなで楽しく風を切ってライドしよう』『おいしいものを目指してグルメライドしよう』をモットーに、参加者全員が楽しめるようにしている」と話す。

 主な活動は2カ月ごとに関東地方を中心に80~100kmを走る定期ライドと年1回1泊で行う強化ライド。昨年の強化ライドは江の島から芦ノ湖まで、約60kmを走行するヒルクライムに挑戦した。

 これまでに「富士スピードウェイ走行会」や「佐渡島ロングライド(210km)」「ツールド妻有(130km)」などの大会にも参加。宮田代表は「長期休暇を利用して『しまなみ海道ロングライド』への参加を検討している」と話す。現在は1人だけの女性部員も募集中という。

【駆け出しのころ】小俣組執行役員積算購買部長・渡部慎哉氏

 ◇夢と希望を与えられる環境に◇

 専門学校を卒業する当時は建設業界の景気がまだ良かったこともあり、「何とかなるだろう」とすぐに就職する気はありませんでした。しかし、これを知って福島の実家から出てきた父親に「就職しろ」と怒られ、学校に頼んで紹介していただいたのが小俣組です。入社が決まったのは入社式の1週間前で、横浜市にある会社の近くの寮に急ぎ引っ越しました。

 最初に配属されたのは、福祉センター新築工事です。新入社員の私はこの現場でいろいろなことを教えていただいたはずなのですが、実は失敗した記憶しか残っていません。

 それは黒いペンキの入った袋を担ぎながら歩いていた時のことでした。ふたが開いていたことに気付かず、新しい床にポタポタとペンキをこぼしながら歩いていたのです。それも相当に長い距離でした。この後、私の仕事はペンキの跡を消すことで、1カ月以上かかりきりでした。今でもあんな大失敗をしてよくクビにならなかったものだと思っています。

 入社から4年ほどたったころ、JVでスポーツセンター新築工事を担当しました。それまで携わった工事と比べても規模が大きく、いろいろと勉強になる現場でしたが、私は工事の終盤に椎間板ヘルニアを発症し、長く仕事を休みます。何とか竣工するまで担当できたのですが、歩くのも痛く、これでは現場勤務を続けるのは無理だろうと積算購買部に異動となりました。入社してから「早く現場所長になりたい」との思いが強かったこともあり、この時は正直に言うと「天国から地獄に」といった心境でした。

 でもこの異動が大きな転機となりました。積算を一から勉強し直すことができましたし、手拾い、手計算、手書きで行っていた積算業務がOA化され、大幅に作業効率が上がっていく時期とも重なり、次々と新しいことに取り組むことができたのです。

 私が行った積算に対し、現場では「所長もやったことがないのに」と思う人がいたかもしれませんが、そうしたことを言われないように頑張ってきたつもりです。それに積算業務に携わり、すべての現場を俯瞰(ふかん)して見ることができるようになったのはとても大きく、非常にやりがいを感じられる仕事でした。

 国を挙げた働き方改革などが進む中、特に若い人たちに夢や希望を与えられるよう労働環境の改善に取り組んでいくことが必要です。若い人たちには、新しいことや初めてのことなど何事も主体性を持って行動できる人になってほしいと期待します。これは若い世代に限りませんが、できない理由を並べるのではなく、どうやったらできるかを考えていくことが大切だと思っています。

 (わたなべ・しんや)1991年中央工学校建築設計科卒、小俣組入社。工事部で福祉センターやスポーツセンターなどの新築工事を担当した後、97年積算購買部に異動。同部主任、課長代理、課長、部長を経て、14年10月から現職。福島県出身、48歳。
最初に配属された建築工事現場で(後列左から2人目)