2017年2月27日月曜日

【復興担う次世代に焦点】宮城建協、東日本大震災記録誌第5弾発刊

宮城県建設業協会(千葉嘉春会長)が東日本大震災記録誌の第5弾を発刊した。

 発生から6年が経過するのに合わせた今回は「復興を担う次世代のために」と題し、被災地の復興の現状と次世代の人材確保・育成に向けたさまざまな取り組みを、インタビューなどを交えて紹介している。

 2000部を県内の学校や自治体などに配布。ホームページにも近く掲載する。

 宮城建協は、震災前よりもふるさとを発展させるために、地域とどう関わっていくかを模索している。今回の記録誌では、「未来(あした)へ」を切り口に、夏休みの宿題や自由研究に取り組む小学生に役立つイベントや建設現場見学会、中学生を対象にした職場体験学習や測量実習、大相撲仙台場所(16年8月)への協賛、津波で防災林が失われた海岸での植樹式などの活動記録を収録した。

 千葉会長は巻頭で、「今後も地域の安全・安心で快適な暮らしを支える『町医者』として住民のニーズに応えていく」と決意を表明している。

 記録誌は12年12月に第1弾を発刊。復興の現状と建設業の活動を伝えようと毎年作っている。

【首都圏 Look at】東京23区、保育所整備の用地確保に知恵絞る

中央区が水谷橋公園で計画している保育所の完成イメージ。
屋上に公園機能を設ける
 ◇立体都市公園制度活用も◇

 東京23特別区にとって保育所の待機児童対策は最優先の課題だ。保育定員を年間1000人以上拡大している区もあるが、それでも子育て世帯の需要に施設整備が追い付いていないのが現状。今後も継続的な定員拡大が必要とされる中、各区とも施設整備用地の確保に知恵を絞っている。

 待機児童の解消に向けては、国や都も施設整備費の補助を拡充するなど緊急的な支援策を講じている。各区とも、区有地から国有地まであらゆる公共用地を有効活用して施設整備を急ぐ。未利用地などを持つ民間の土地所有者から整備用地を募集し、保育事業者とのマッチングに取り組む区なども出てきている。

 江東区は、区内の大規模開発に合わせて保育所整備に取り組む。住友不動産が複合開発を進めている「臨海副都心有明北3-1地区」に幼稚園と保育所が一体化した「認定子ども園」を設置することを決めた。

 区は通常、独自に制定した「公共施設整備協力金」の拠出をマンション開発事業者に求めているが、それに代わって住友不が整備した施設を区に寄付してもらうことにした。施設規模はS造3階建て延べ2824平方メートルで、定員は310人を予定。5月に着工し、19年10月の竣工、20年4月の開設を目指す。完成後、運営を担当する武蔵野大学に貸す。

 現在、多くの区で検討が進められているのが、国家戦略特区制度を活用した都市公園への保育所設置だ。その特例を先行的に適用した荒川区(都立汐入公園)、世田谷区(都立祖師ケ谷公園、都立蘆花恒春園)、品川区(区立西大井広場公園)は既に整備工事に入っており、4月以降の開設を予定。江東区(都立木場公園)、杉並区(都立和田堀公園)なども計画中で、18年度以降の開設を目指す。

 ただ特区を活用できたとしても、公園の中の広場面積に対して保育所の建ぺい率の上限値が30%に設定されるなど一定の制限がかかる。そのため、敷地が比較的広い公園だけに適用が限られているのが実情だ。

 そこで、広い公園を持たない中央区が編み出したのが「立体都市公園制度」を活用した保育所整備手法だ。銀座の街中にある小ぢんまりした区立水谷橋公園(敷地面積713平方メートル)の敷地全体に保育所を入れる施設を建て、その屋上に公園機能を設けるという前例の無いプロジェクトが進行している。

 現時点の計画によると、施設規模は3階建て。保育環境に影響を与えないように公園直下の3階に設備類を集約し、1~2階に保育所(定員70~80人)を配置する。保育所では銀座の買い物客向けに一時預かり事業も実施する。詳細な施設内容は検討中で、公園らしさを出すため、階段などのアプローチ部に緑にあふれたバルコニーを設けることなども想定している。

 区は17年度予算案に設計委託費など5046万8000円を計上。同年度早期に設計委託先を決める。完成後の施設運営事業者の選定、立体都市公園化のための都市計画変更の手続きも並行して進め、18年度の着工、19年10月の開設を目指す。

【回転窓】観光列車人気の背景は

JR九州が新しい観光列車の「かわせみ やませみ」の運行を3月4日に始める。鹿児島本線・肥薩線の熊本~人吉間を1日3往復する。車両の外観とインテリア、車内販売を通じて沿線の人吉・球磨地方の魅力を伝えるのが狙いという▼そのデザインは、人気の豪華寝台列車「ななつ星」などを担当した水戸岡鋭治氏。地元産の資材を内装に使い、地域の人々の意見も反映させた。熊本地震の復興にもつながるよう期待を寄せていると聞いた▼特別な空間や食事といった非日常を体験できる観光列車が各地で好評な理由の一つには、苦痛すら感じる都市部の鉄道事情もあるように思う。東京近郊だと、ピーク時の混雑率が180%(無理をすれば新聞が読める)以上の路線が2桁近くある▼「満員電車ゼロ」を公約に掲げた小池百合子知事の肝いりで、東京都が「快適通勤」を目指す取り組みを始動させた。鉄道事業者や民間企業と連携した仕掛けを打ち出そうと試みている▼穏やかに通勤し、早い退社と時間休を促すプレミアムフライデーにさっと仕事を終え、夕方から観光列車に乗り込む。そんな日常の到来を期待したい。

【凜】フジテック首都圏統括本部北関東支店・野澤知代さん

 ◇顧客と積極的に会話し信頼得る◇

 高等専門学校時代に電子制御などの分野を中心に勉強した。そこで学んだ知識を生かしたいとの思いと、体を動かせる職場で働きたいとの思いから、フジテックに入社。現場への配属を希望した。

 入社9年目。現在、埼玉県内に設置されているエレベーターやエスカレーターの点検・修理を担当している。フジテックの女性社員で初めて、昇降機の年次検査に必要な国家資格「昇降機等検査員」の資格を取得した。

 昇降機のメンテナンスを行うのは大半が男性の作業員。「力仕事は多いが、細かいところまで気を配りながら仕事に取り組んでいる」。

 顧客には「技術者は男性」というイメージがいまだに強く、女性だと不安に思われることもあるという。そのため「お客さまに積極的に話し掛け、作業内容を細かく伝える」という工夫を凝らし、信頼を得るように心掛けている。

 日々の業務の中で、現状に満足せず常にワンランク上の技術習得を目指している。「お客さまにもっと頼ってもらえるように勉強して技術を向上させる」のが今の目標だ。

 社内に女性の現場技術者が増えてきたこともあり、後輩を指導する立場にもなってきた。「これまで経験したことを生かして、積極的にみんなをサポートしたい」と、教育指導にも注力するつもりだ。

 (のざわ・ともよ)

【建設業の心温まる物語】安東建設・森崎公明さん(大分県)

 ◇今津灯台は初心に戻れる場所◇

 大分県中津市今津で灯台の補修工事を行いました。この灯台は今津漁港から沖に1キロほどに位置します。

 灯台はもと円柱形で直径3・0メートル、高さ8メートルでした。ところが長年の海水による浸食で30%ほど失われていました。そのため新たに8角形の増新コンクリートを打設する工事でした。

 今津の海は干満差が大きく、最大で6メートルを超えます。しかも約1時間に1メートルの潮位差がうまれるため、工事は時間との戦いでした。最も潮位が下がる時には、1キロ沖まで歩いていくことができるため灯台下部の作業をすることができます。しかし、起重機船が灯台に寄ることができないため、船を使う作業はできません。

 潮位が上がると起重機船は近寄れますが、灯台下部は水没してしまうため、潜水夫による作業となってしまいます。入念な準備、設備の用意、気象情報の収集が必要な工事でした。

 1回目の水中コンクリート打設時のことです。起重機船2隻、生コン車6台、ポンプ車1台をセットした後に、気候が急変したのです。これだけ準備をしていたためなんとかコンクリート打設したいと思いました。しかし、もしも風が強くなり波が高くなると、重大災害となるおそれがあります。私は悩んだ末に作業を中止する判断をしました。その結果、20名以上の作業員が誰一人けがすることもなく、陸地に上がれた時の安堵感は今までも忘れません。

 私にとっての今津灯台は、安全について初心に戻ることができる場所なのです。

【建設業の心温まる物語】ネクスコ・メンテナンス関東・宮内茂人さん(千葉県)

 ◇土木の道に進もうと決心したできごと◇

 「ドーン」という音の後に数秒揺れが続いた、路面にはひびが入り構造物取付部では段差など周りの景色が一瞬にして変わってしまった。これは忘れることのできない東日本大震災がおこった3月11日の話である。

 私はちょうど職場体験で高速道路の高架橋補修現場にいた。地震が発生した時は、あまり気にしていなかったが次第に揺れが大きくなるにつれてタダごとではないと感じた。だって軽自動車が揺れのせいでジャンプしていましたからね。

 とりあえず揺れが静まった後に現場基地に戻った。現場基地に戻る際も道路のあまりにも酷い状況に復旧するまでに何カ月かかるのだろうと、もしかしたら通行できるまでに何年もかかってしまうのだろうと思った。

 現場基地に到着して何かできることはないか確認したが職場体験の身だった私は帰れと言われ何もできずに帰路についた。

 1週間たったころテレビのニュース報道を見て自分の目を疑った、そこには綺麗に復旧された高速道路が映っていたのである。

 どうやって復旧したのか気になった私は、しばらくたってから現場に行く機会があったのでその時の状況等を聞かせてもらい、たくさんの土木関連の人達が昼夜連続で寒い中協力して復旧させたことを知った。

 この復旧作業は海外メディアからも称賛を受けて日本の土木技術は凄いんだなと感じた。正直、就職先に土木を選ぼうか迷っていた私だったがその話を聞いて自分も土木の道に進もうと決心した。

 辛くて挫けそうなときは、その話を思い出して頑張る糧にもなっています。

【建設業の心温まる物語】村井建設・久保田晃也さん(北海道)

 ◇上司が気づかせてくれたこと◇

 私がまだ若いころの話です。当時の休日は、本社勤務者は、日曜日・祝日は全休。現場勤務者は、休日は第一・第三日曜日のみで、残業は22~23時まで当たり前でした。当時はまだ若く、仕事や給料よりも遊ぶ時聞が欲しく、遊びたい盛りでした。本社勤務の同期入社同僚がいて、その彼の休日が羨ましくてたまりませんでした。

 そんなある日、上司とこんな会話がありました。

 上司「仕事はどうだ、だいぶ慣れたか?」

 自分「はい、まだまだですが随分仕事には慣れました」

 上司「そうか、忙しいけどがんばれ。同期の本社勤務の同僚とは一緒に遊んだりするのか?」

 自分「はい、結構一緒に遊んでいます。彼は残業も少なく、毎週日曜日が休みなので羨ましいです」

 上司「そうか…自分も若いころはなんでこんな仕事を選んだんだろうって思ったことがあるよ。結婚して子供が産まれても、地方での泊まり込みだったり、残業で子供が寝ているうちに出勤して帰宅する。その繰り返しで子どもと遊ぶ時間もなくてな。たまの休みに子供が朝起きてきて、寝ぼけた顔で一瞬『誰この人?』みたいな顔をされたのを覚えてるよ。そんな子供も大きくなり、子供と一緒に市内の地図を見る機会があったんだ。その時、何気なくこの建物は父さんが造ったんだよって言ったんだ。そしたら娘が『すごーい、お父さんの仕事は地図に載るんだ』。その時気付かされたんだ…そうか地図に残る仕事を自分はしてるんだってな」

 今では私も「地図に残る仕事」に誇りを持ち、辛い現場でも頑張ろうと考えられるようになりました。そのことに気付かせてくれた上司に感謝しています。

【サークル】高砂熱学工業広島支店・厚生活動クラブ「Team畑」

 ◇週末に野菜作り、心身ともリフレッシュ◇

 15年度に社内でクラブ活動の活性化が促進されたのをきっかけに、広島支店で新たに誕生したのが、自ら農作物を育てる「Team畑」。現在、部員は12人ほどだが、社員の家族や子どもたちも一緒になって畑で作業をし、交流を深めている。

 「『みんなで手間をかけて育てた分だけおいしくなる』をモットーに、畑で汗をかき、収穫の喜びを味わっている」と代表を務める植田充彦さん(広島支店管理部管理課主査)。

 畑では、毎週末に収穫できるトマトやナス、キュウリ、サニーレタスなどの野菜を栽培。初夏にはジャガイモ、秋にはサツマイモも収穫し、そのたびにイモ掘り大会も開催。参加者が一斉に土を掘り起こし、カエルやミミズ、イモムシなどと触れ合う。作物を通して季節の移り変わりを楽しめるのもこのクラブの良さだ。

 「部員は私も含め、ほとんどが畑仕事は未経験だったが、皆で育て方を模索したり、周りの畑の親切な方々に教えてもらったりして楽しく活動している」と植田さん。「運動不足も解消でき、採れたての無農薬野菜を食べると心身ともにリフレッシュできる」とも話す。

【駆け出しのころ】長谷工コーポレーション常務執行役員・村川俊之氏

 ◇粘り強く最後まで諦めない◇

 東京・杉並の中学校に通っていたころ、校舎の建て替え工事が行われていました。ここで初めて見た現場監督さんを「かっこいい」と思ったものです。この時はまだ、建築の道に進みたいとは考えていませんでしたが、高校2年生になって大学の建築学科に入ろうと決めました。

 入社して最初に研修で行った現場が都内の14階建てマンション建築工事です。竣工3カ月ぐらい前の時期で、現場はかなり忙しかったのですが、いきなり一線で仕事ができるわけでもなく、新人の役割と言えば片付けを行うことぐらい。

 現場で先輩から「そこを片付けておけよ」と言われても、最初は何が必要で何が不要かも分かりません。このため置いてあったものをみんな捨ててしまったことがありました。すると翌朝、とび職の方が来て「俺の作業着がない、帰るぞ」と大騒ぎになり、「すいません、捨てました」と謝るしかなかったのを覚えています。

 ここでの楽しみは、夜に銭湯を出てから、先輩に飲ませてもらえる一杯のビールでした。実を言うと、私たちはこの銭湯にただで入っていました。現場から出る木くずを燃料として持って行く代わりに、他のお客さんがいなくなる夜11時過ぎに入浴させてもらっていたのです。当時の楽しかった思い出の一つです。

 次の建築現場は、埼玉県内の10階建てマンション工事です。ようやく片付けから解放されたこともあり、仕事が楽しくて仕方ありませんでした。施工図も書かせてもらいました。現場で疑問に思ったことなどは野帳に書き込み、後で先輩に聞いたり、自分で調べたりして確認する。これがとてもいい勉強になり、先輩や職人さんたちとのコミュニケーションも取れるようになっていきました。

 この野帳は月に1冊のペースで増え、現場が終わるまでには10冊ほどになっていたでしょうか。自分の貴重な財産となり、次の現場に異動する時も段ボールに入れて持っていきました。

 入社4年目に、社内で一番恐ろしい所長と言われていた方の現場を担当しました。正論で指摘される厳しい方でしたが、いろいろなことを教えていただき、この時の経験が後に自分の精神的な面に役立ってきたのかもしれません。

 うちの先輩たちや上司は怖く、厳しい人ばかりですが、ものすごく人間として温かく、先に導いてくれる時は何とも言えない優しい目をされます。JV構成会社の一員として施工に携わった時など、外から見ると、そうした会社と人の良さが改めてよく分かります。

 そして粘り強く最後まで諦めない。これが社員のDNAです。これからも大切に引き継いでいかなければならないと思っています。

 (むらかわ・としゆき)1980年日大理工学部卒、長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)入社。建築2部副技監、建築4部所長、第三施工統括部建設3部長、第三施工統括部長、執行役員などを経て、14年から現職。東京都出身、59歳。
竣工したマンションの広場で。
入社2年目の頃、遊具に乗って記念撮影した1枚
(左端が本人)

2017年2月24日金曜日

【施工は清水建設JV】ジャカルタ高速鉄道(インドネシア)、初のシールドトンネル貫通

 インドネシアの首都ジャカルタで建設が進む同国初の地下鉄区間を含む都市高速鉄道鉄道システム(MRT)事業南北線1期工事で、同国初のシールドトンネルが貫通を迎えた。

 23日にはジョコ大統領が清水建設・大林組・WIKA・JAYAJVが施工するCP104-105工区を視察した。

 ジャカルタMRT南北線は、円借款により事業化。現在は市内南北を走る総延長23.8kmうち地下部5.9kmを含む1期工事(延長15.7km)を6工区に分けて施工している。

清水建設JVが担当する工区(延長3.9km)は四つの地下駅舎と4駅を結ぶ延長2.6kmのシールドトンネル2本、460mの開削トンネルで構成する。

 シールド機は、1号機が15年10月、2号機が同11月に発進。最終到達地点のステアブディ駅南端に1号機が今年1月26日、2号機が今月13日に到達。同21日にシールドマシン全体がトンネルを抜け、貫通となった。

 現場を視察したジョコ大統領は「シールドトンネルが貫通し、非常に感激している。今後は19年3月の営業開始に向け、工期通りに終わることを期待している」と述べた。

【回転窓】近代建築の価値伝えよ

 建造物が国の重要文化財に指定される際の主な基準は、意匠や技術が優れ、歴史的、学術的に価値が高いこと。築年数の基準は特に定められていないそうだ▼米国の建築家フランク・ロイド・ライトが設計した「旧山邑家住宅」(兵庫県芦屋市)は完成から50年で重文指定された。今から50年前といえば1967年。身近にある建築がいつ重文になってもおかしくないということだろう▼ただし専門家はともかく、一般の人にとっては近代建築の価値は分かりにくいものでもあるようだ。先日、モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエに師事した前川國男の作品が残る自治体が「近代建築ツーリズムネットワーク」を作り、近代建築を観光資源にしようと活動を始めた▼同ネットワークの調査では、近代建築の見学を目的とした旅行の経験者は全体のわずか8%にとどまり、近代建築の「良さが分からない」「知識がない」と否定的な声が多かった▼昨年にはコルビュジエの作品群が世界遺産となり、近代建築への注目度を高める良い機会でもある。近代建築の価値を素人も分かるよう伝える努力が専門家にはもっと必要だろう。

2017年2月23日木曜日

【回転窓】あすからプレミアムな週末

国や経済界が推進する「プレミアムフライデー」があす始まる。月末の金曜日の終業時間を繰り上げ、買い物や観光などの時間に利用してもらうことで消費を喚起。経済の活性化につなげる狙いだ▼東京駅を中心とした日本橋、丸の内エリアでJR東日本、三井不動産、三菱地所などが連携。24日のキックオフイベントでは、一斉乾杯や各エリア間を回遊するリムジンの無料運行などで盛り上げる▼日本の新たなライフスタイルや働き方を発信し、「いつもと違う豊かさを楽しむ」エリアとして街の魅力を高めるという。さまざまな企業・団体がキャンペーンやイベントを展開するなど、新規需要の囲い込みに力が入る▼期待される経済効果の実現にはサービスの内容以上に、各企業の実行力が問われる。終業時間の繰り上げは別の形で業務に負荷がかかる可能性もあり、労使双方が納得した形で進める必要があるだろう▼職場環境の改善に力を入れる建設業界でもプレミアムフライデーの趣旨に賛同して就業規則を見直す動きが出てきた。現場勤務など気軽に休みにくい人たちへの配慮も含め、働き方改革の今後に期待したい。

【2月25日に東京スカイツリーで】国交省&吉本興業、女性活躍応援イベント

 国土交通省と吉本興業グループが建設業の女性活躍を応援するキャンペーン「おうちクラブ」の一環として、25日に東京都墨田区の東京スカイツリーでイベントが開催される。

 建設業、農業、自動車整備業の現場で働く「現場女子」をゲストに、おうちクラブ親方の女性芸人「おかずクラブ」とトークを展開。現場の楽しさや大変さなど生の声を通じて建設業の魅力や現場の環境などを広く発信する。

 おうちクラブは建設現場での作業体験などさまざまな活動を通して、全国で活躍する建設女性の姿を紹介するとともに、その魅力を伝えるグループ。「つくっている私が好き!」をテーマに、現場作業を体験したり、魅力発信コンテンツを作ったりしている。

 イベントでは、おうちクラブの活動報告のほか、建設業にとどまらず他産業で活躍する現場女子と、訓練施設で建設作業を体験した女性芸人とのクロストークを企画している。 時間は午後3時30分から4時30分まで。会場は東京スカイツリー1階のソラマチひろばで。

【17年春から順次稼働】環境省、中間貯蔵施設初弾本体工の現場公開

 環境省は22日、福島第1原発事故で飛散した放射性物質の除染作業で出た廃棄物を最終処分するまで保管する中間貯蔵施設(福島県双葉、大熊両町)の初弾本体工事の現場を着工以来初めて報道機関に公開した。

 廃棄物の大半を占める汚染土を保管する土壌貯蔵施設と、廃棄物全般の受け入れ・分別施設の建設が進んでおり、今春以降に順次稼働させる。

 原発事故を引き起こした東日本大震災の発生から3月11日で丸6年。原発周辺地域の除染と、避難した住民の帰還促進が、福島の復興に向けた最優先課題となっている。

 昨年11月に着工した中間貯蔵施設の初弾本体工は「16年度土壌貯蔵施設等工事(双葉町)」(施工=前田建設・奥村組・鴻池組JV)と「同(大熊町)」(同=清水建設・竹中土木・東洋建設JV)の2件。いずれも施設は土壌貯蔵施設と受け入れ・分別施設の二つで構成する。工期は2件とも19年3月29日まで。

 初弾工事では、両工区とも建設地全体(敷地面積約1600ヘクタール)の一部に当たる7ヘクタール程度を活用し、総容量6万立方メートル規模の土壌貯蔵施設と、処理能力が1時間当たり140トン規模の除染廃棄物の受け入れ・分別施設を建設する計画になっている。

 22日には、既に9割程度の工事が終わっている双葉町工区の受け入れ・分別施設の現場と、土の掘り起こしを進めている大熊町工区の土壌貯蔵施設の現場がそれぞれ公開された。

 双葉町工区の受け入れ・分別施設の工事は、建屋(床面積約1万平方メートル・高さ約15メートル)と大部分の機械設備の設置が完了。今後、一部残った土質改良機などの機械設備の設置を経て今春に試運転を開始する。

 大熊町工区の土壌貯蔵施設の工事では、最深約4メートルまで土を掘り起こす作業が3割程度完了。今後、掘り起こした場所で遮水シートの設置などを進め、今秋に搬入を開始する。

 同省福島環境再生本部の小沢晴司副本部長は「引き続き住民の皆さまと作業員の安全に気を付けて工事を進める」と述べた上で、第2弾の本体工事の早期発注にも意欲を示した。

【照準は19年ラグビーW杯】東京都、東スタの運営計画策定へ

東京都は、2019年に日本で開かれるラグビーワールドカップ(W杯)で使用する東京スタジアム(味の素スタジアム、調布市)の会場運営計画を策定する。

 大会期間中、メディア席はメインスタンド上層に仮設で設置することや、北側広場に観客用シャトルバスの乗降場を設けることなどを盛り込む方向だ。

 21日に開かれた都議会ラグビーW杯特別対策委員会で、運営計画案のポイントが示された。

 メインスタンド諸室のうち地下は選手やチームスタッフ、1階は大会ゲストや報道関係、5階は放送スタジオなどのためのスペースとして利用する。南側広場には放送・物流エリアを確保。スタジアム付随施設のアミノバイタルフィールドはスポンサー活動のエリアとする。

 スタジアム隣接地に都が建設している「武蔵野の森総合スポーツ施設(メインアリーナ棟)」は、大会期間中のホスピタリティースペースとして利用する。17年度は、フィールドに張る芝をハイブリッド芝にするか天然芝にするかを決めるため、スタジアムの投てき練習場で比較実験も行う。

【柏駅西口北地区再開発】準備組合が二つの整備案策定

千葉県柏市のJR柏駅西口で大規模開発を計画している「柏駅西口北地区再開発事業市街地再開発準備組合」(岡田敏英理事長)は、再開発ビルの配置などを示した二つの整備案をまとめた。

 いずれも街区を二つに分け、1街区には7階程度の商業施設を配置。2街区には住宅を中心に医療や商業などの機能が入る45階建ての規模の建物を整備する方針で、中層階から上が3棟または2棟に分かれる案を提示した。この2案をたたき台にして、施設規模やスケジュールなどを固めていく。

 事業名称は「柏駅西口北地区市街地再開発事業」。同地区(末広町825ほか、地区面積3・8ヘクタール)には、柏高島屋、岡田病院、大原簿記法律専門学校柏校などを中心に数多くの商店が集まっている。地権者は約100者で、準備組合加入率は70%程度という。

 整備案によると、1街区では区域内にある柏高島屋の建て替えを想定。2街区に整備する施設は中高層部に住宅を配置し、低層部に区域内の岡田病院や、商業施設、新たに文化交流機能や教育機能を入れるという。街区の間には交通広場や交流広場(約3000平方メートル)も設ける。

 今回示された案では、高層の再開発ビルの整備が中心になっているが、今後は、一部の地権者が要望している一戸建て住宅の整備エリアの設置も視野に入れて検討を進める。柏市はこれらの計画の実現に向け、現在400%の容積率を600%に引き上げることも想定している。三井不動産が事業協力者となっており、年度内に準備組合と協定を締結する。

【けんせつ+じゅうたく小町が一堂に】清水建設JVの道路トンネル工事現場で見学会

 日本建設業連合会(日建連)は22日、会員企業の現場で活躍する女性で構成する「けんせつ小町工事チーム」と、ハウスメーカーの女性技術者で組織する「じゅうたく小町」による見学会を東京都江東区で清水建設・鴻池組・岩田地崎建設JVが進めている道路トンネル工事の現場で開いた。

 現場作業や女性専用設備を見学し、女性が働きやすい環境を整える取り組みや仕事内容などについて意見交換した。

 往復4車線の陸上トンネルを建設する東京都港湾局発注の「16年度南北線中防内側陸上トンネル整備工事」の現場で実施。じゅうたく小町との見学会は2回目となる。じゅうたく小町からの依頼を受けて実施し、大和ハウス工業、日野興業、スウェーデンハウス、大東建託の職員が13人参加。清水JVのメンバーなどで構成するけんせつ小町工事チーム「南北線トンネル女子会」などが現場を案内した。

 工事の入札では技術提案で担い手の育成が求められ、清水JVは女性の活躍などを盛り込んだ。見学会の冒頭、真先修所長は「ここは女性活躍のモデルのような現場」とあいさつした。女子会のリーダーで、現場で工務を担当する小縄桜子さんが当日の作業内容を説明。バックホウのオペレーターをはじめ「女性が多くて心強い現場です」と紹介した。

 続いて西岡真帆清水建設人事部ダイバーシティ推進室長が同社や日建連の取り組みを説明。「女性が働きやすい現場をハード面から整備する取り組みや、組織のマネジメント層向けの活動も行っている。土木の現場の魅力は、見えないところで作業していること。働き方を含めて何でも聞いて下さい」と呼び掛けた。女性向けの軽量な安全帯が男性からも好評を得ていることも紹介した。

 じゅうたく小町の参加者からは、清水建設が女性総合職を増やし始めた時期や目標、土木部門の女性職員数の変化に加え、育児中の女性の働き方に関する質問が出た。西岡室長は夫婦で勤務している職員の例を挙げ、お互いの上司同士が休みの調整を行うなど「(女性の活躍を後押しする)理解が社内に広がりつつある」と強調した。

【本物の良さをぜひとも】国交省、海外の日本庭園修復支援


庭園の修復前㊤と修復後のイメージ
国土交通省は17年度から、海外にある荒廃した日本庭園の修復を支援する新たなプロジェクトに乗りだす。造園業界に協力してもらい、日本庭園修復のポイントを伝える技術講習会を現地で開いたり、マニュアルの整備を支援したりする。数カ国でモデル事業を始める。17年度予算案にモデル事業の経費として20百万円を計上している。

 国交省によると、海外の日本庭園は北米や南米、欧州などに500カ所以上ある。最も古いものには江戸時代に整備された庭園もあるという。海外の都市と姉妹都市になった日本の自治体がノウハウを提供して整備されたケースも多い。見よう見まねで整備された庭園や、老朽化や災害で荒廃した庭園も少なくないとみられている。

 海外にある日本庭園の修復支援は、昨年4月に政府が決定した観光ビジョンに盛り込まれた。民間の広告会社の調査では、外国人が日本に対して興味や関心を抱くものの中で日本庭園は日本食などに続いて4位に入っている。国交省は、本物の日本庭園を知ってもらい、訪日外国人旅行客の誘致促進に役立てる。

2017年2月22日水曜日

【日刊建設工業新聞社からのお知らせ】東北支社勤務の記者職(正社員)を募集しています

 日刊建設工業新聞社は東北支社(仙台市)勤務の中途採用社員を募集しています。募集要項は以下の通りです。ご応募、お問い合わせをお持ちしております。

■募集要領
募集職種記者職(採用人数 1名)
募集条件大学以上卒業
給与217,500円~254,000円
諸手当通勤手当・時間外勤務手当・住宅手当・家族手当
勤務地東北支社(仙台市青葉区上杉1の5の15、日本生命勾当台南ビル)
勤務条件【昇給】年1回(4月)
【賞与】年2回
【勤務時間】9:00-17:00
【休日】土曜・日曜・祝日・年末年始
【休暇】年次有給休暇・慶弔休暇・育児・介護休暇など
福利厚生各種社会保険、健康保険組合保養所(熱海・那須)・厚生年金基金保養所(箱根)
■エントリー・採用試験
提出書類履歴書(写真添付)、職務経歴書
選考方法書類選考・筆記試験(国語・時事用語・作文)・面接
選考場所東北支社(仙台市青葉区)
採用試験日随時
選考結果15日以内に本人に通知します
問い合わせ先/本社総務局(担当:北川) 電話03(3437)0841
応募書類提出先/〒105-0021 東京都港区東新橋2-2-10 ㈱日刊建設工業新聞社総務局

【私の仕事】熊谷組東北支店・島沢大吾さん

 ◇建設業の人々は違って見えた◇

 約6年前東北地方を襲った東日本大震災。東北地方沿岸部を中心に大きな被害をもたらしました。震災直後、沿岸部の様子を見てとても胸が痛くなりました。数多くの家屋が津波によって流され、辺りはがれきの山と化していました。

 本当に復興はできるのか。そんなことさえ思ってしまっていました。しかし、暗い雰囲気が漂う中、建設会社の方々は違うように見えました。

 町の復旧、復興のために必死に働く姿を目の当たりにし、その時初めて自分も人の役に立つような仕事がしたいと思いました。これが私の建設業に就業したいと思った理由です。

 あれから5年の月日がたち実際に熊谷組に入社して半年がたちました。私は、やまがたざおうトンネル工事所に配属が決まり、段々と、ものの形が見えてくると、仕事へのやりがいとともに、感動さえ覚えるようになりました。今は、トンネル担当として、測量や日常管理など施工管理業務を日々全うしています。

 覚えなければいけないことが多く、大変ですが、「やります」「できます」「頑張ります」の精神を常に持ち、楽しく仕事をすることができています。

 今の現場は規模がとても大きく、こんな現場は経験することができないと思うので、一日一日を大切にし、自分の成長のためにできること・やるべきことは積極的に行うよう心掛けています。

 最後に、お客さまの要望にしっかりと応え、安全で品質の高い施工を通して、我が社のスローガンである「お客様に感動を」の目標のもと、職員、作業員全員で力を合わせて頑張っていきたいと思います。

(福島県出身、やまがたざおう工事所、しまざわ・だいご)

【PRに活躍を】ミス日本「水の天使」が国交相を表敬訪問

 2017ミス日本「水の天使」に就任した宮崎あずささんが21日、石井啓一国土交通相を表敬訪問した。国交省の施策とも関係の深い水の天使は今後、上下水道事業のイベントや国際会議への参加を通じて、世界に誇る水の文化を発信していく。

 宮崎さんは長崎県出身。バイオリンなど音楽一筋だったことから、「他の事にも取り組んでみたい」とミス日本に挑戦したという。

 表敬で英国留学時に水の大切さを実感したことに触れ、日本の水がきれいであることをPRする役に徹したいと意欲を示した。石井国交相も水の天使としての今後の活動に期待を寄せた。

【回転窓】「忘れる」を忘れない

受験生時代、試験に出る頻度の高い英単語がまとめられた参考書を使い、一つでも多くの単語を覚えようと奮闘した。覚えたつもりが忘れ、また覚える。当時はこの繰り返しだったように思える▼ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った有名な実験がある。記憶と忘却の関係を実験すると、人間は記憶しても20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1カ月後に79%を忘れてしまうという結果だった▼先日開かれた専門工事会社の安全大会で、安全担当部長がこの実験結果を説明し、安全活動の重点実施事項を繰り返し復習して覚えるよう呼び掛けていた▼どれだけ秀でた技術や技能を持っていようとも、ちょっとした油断が取り返しの付かない事故を招いてしまう。開口部や立ち入り禁止エリア、稼働する建設機械などには細心の注意を払い、安全帯も正しく着ける。安全確保には基本ルールを愚直に守っていくしかない▼一日の仕事を終えた車での帰路にも危険は潜む。一人一人が忘れてしまうことを忘れずにいれば未然に防げる事故はある。今日も明日も復習を繰り返し、危険を寄せ付けてはいけない。

【研究室訪問】近畿大学工学部建築学科 谷川研究室


 ◇広島市福富町で空き家をゲストハウスに再生◇

 少子高齢化、人口減少に伴う空き家の増加が社会問題となっている。特に中山間地域では若年層が流出し、コミュニティーや伝統文化の喪失などが危惧されている。

 近畿大学工学部建築学科の谷川大輔講師の研究室は昨年、同じような課題を抱えている広島県東広島市の福富町で、空き家を再生するプロジェクトに着手した。中山間地域の空き家問題を解決する一つのモデルにしようと、築100年ほどになる民家を交流・宿泊できるゲストハウスにリノベーションする計画だ。

 東京生まれ、東京育ちの谷川講師が近畿大学に着任したのは2012年。「東京と比べ不便かもしれないけれど、豊かな自然に囲まれ、季節ごとに新しい感動を体感している。近年は僕と同じように移住してくる人が結構いて、まちのさらなる活性化が期待されている」と福富町の魅力を説明する。

 再生中の古民家は、谷川講師自ら購入。納屋を自宅に建て替え、母屋のリノベーション後に家族で移り住む予定という。

 同プロジェクトは、建築・まちづくりの実践教育の一環。母屋は、時を経る中で現代住宅に改装されていたが、床下には昔のいろりや火鉢などが残されており、それらの再利用も検討している。

 学生は母屋の床の解体、納屋の実測などを通し、日本の伝統的民家の様式や在来工法の知識を深めるとともに、建築の専門家としての振る舞い方、プレゼンテーション能力を習得する。

 今年3月から11月にかけて中山間地域への共感と誘客促進を主題に持続可能な地域づくりを目指した「ひろしま さとやま未来博 2017」が開かれる。福富町エリアの中心施設として再生中の民家の活用が予定されている。

 現在、谷川研究室では、同じ東広島市内の志和町で二宮神社の境内にある「志和見晴らし公園再整備事業」も進行中。古い倉庫を休憩スペースに改修するほか、休憩所となるパーゴラ(日陰棚)の設置を提案している。

 ◇建築・まちづくりを実践指導◇

 「建築は思想であり、より良い社会の構築に貢献する使命を担っている。しかし、最近、建築家という言葉がファッションみたいになり、本当に社会に役立っているのか疑問に思う。格好良さや奇抜さも表現形式の一つだが、そのデザインに社会性がなければ、建築としての存在価値は認められない」と谷川講師は指摘する。

 「大学が建築家教育を目指すのであれば、学生時代から社会との接点が必要だ。学生自身がそうした場をつくるのは難しいので、指導者としてワークショップなど社会的な活動に身を投じる機会を創出している。卒業生には、市民と一緒に建築の設計やまちづくりに関われるような人間になってほしいし、自分もさらに上のレベルで社会に役立ちたいと考えている」。

 谷川講師は、東広島市の地方創生審議委員会、大規模小売店立地審議委員会、建築審査会の委員を務め、昨年11月には空き家対策審議会の委員にも任命された。

 東広島市に転居して5年。「まだまちづくりについては、研究というより移住者としての個人的な関わりの方が強く、気持ちで走っている」と話すが、着実に地域にとけ込み活動の幅を広げているようだ。

 (たにかわ・だいすけ)1973年東京都生まれ。97年東京理科大学工学部第一部建築学科卒。2001年一級建築士事務所谷川大輔建築設計事務所設立。04年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。06年東京理科大学工学部第二部建築学科助教、12年近畿大学工学部建築学科講師。

【こちら人事部】大成建設/環境整備進み女性の入社が急増

 1873年に創業し、140年以上の歴史を誇る大成建設。「人が生き生きする環境を創造する」というグループ理念の下、時代を切り開く多くのプロジェクトを手掛けてきた。その企業活動の基になる人材の確保では、大きく土木、建築、事務の3部門で募集し、年間約300人を採用している。

 採用を担当する高岡勇樹人事部人事室課長は「ものづくりに興味があることが基本。それと現場では多くの人と関わることになるので、技術系であってもコミュニケーション能力を重視する」と求める人材について話す。

 新入社員教育では、入社後1週間は全体の研修を行い、この中でコミュニケーション能力を養うためにグループワークを行う=写真。新入社員がいくつかのグループに分かれ、決まった材料で与えられたテーマの形を作るスピードを競う。グループ内で話し合いながら、最適な手法を導き出す。何問か繰り返し、互いに慣れたころにグループ替えをすることで、他者への意思の伝達能力と集団の中での協調性を養っている。


 少子化の進展で就職活動は売り手市場となり、業種を問わず企業の人材獲得競争は年々厳しさを増している。そうした中で強みとなっているのが、今、同社が力を入れているダイバーシティー(人材の多様化)経営の推進だ。新卒採用に当たり、女性限定、外国籍限定の企業説明会を設けており、特に女性限定は、募集すると100人ほどの定員があっという間に埋まるという。

 2007年に業界で先駆けて設置した女性活躍推進室、現在の人材いきいき推進室の塩入徹弥室長が「能力のある人は性別にかかわらず積極的に採用するのが当社の方針」と話す通り、特に女性が活躍できる環境づくりの取り組みを年々加速させている。

 中でも力を入れている取り組みの一つが、企業説明会などで女子学生からの質問が最も多いという育児休業制度の充実だ。同社では育休を取得した女性の復職率は100%という。

 「男性が育休を取得することで女性も取得しやすくなる環境ができる」(塩入室長)と、男性の育休取得環境を整えるため、16年から5日間の有給化を推進。夫婦参加型で家庭での協力体制を考える両立支援セミナーや父親セミナーを開くなど、男性社員の育児参画意識の醸成に努めている。15年度は3人だった男性社員の育休取得者は、本年度は2月中旬までに90人を超えた。こうした取り組みの効果もあり、女性のエントリーが年々増え、14年度に29人だった女性の新卒採用数は、16年度は52人、17年度は54人に倍増している。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性231人(うち技術系195人)、女性54人(36人)(17年4月入社予定)

 【3年以内離職率】6・6%(13年度新卒総合職)

 【平均勤続年数】男性18・7年、女性18・9年(16年3月末時点)

 【平均年齢】42・8歳(16年3月31日現在)

【広島と愛媛に新たなスポーツ拠点】福山市と新居浜市でスポーツ施設関連プロジェクト


 瀬戸内地区で二つのスポーツ施設関連プロジェクトが動き出す。

 広島県福山市は17年度予算案に市営競馬場跡地に整備する新総合体育館の建設費として約30億円を計上。愛媛県新居浜市は陸上競技場やアリーナなどで構成する総合運動公園構想(案)を公表した。

 ◇メインアリーナは収容3000人◇

 広島県福山市が20日に発表した17年度当初予算案では、千代田町の市営競馬場跡地に計画する総合体育館の建設費として30億0900万円を計上した。9月市議会で契約承認を得ることを前提に工事を発注。19年12月の完成を目指す。建設費は105億8800万円を想定している。設計は梓設計・今川建築設計JVが担当した。当初予算案には、関連する道路や公園整備費として約4億5000万円も盛り込んだ。

 総合体育館の規模は、SRC一部RC・S造2階建て延べ約1万5200平方メートル。メインアリーナ、サブアリーナ、武道場、一般利用施設などを収容するほか、2階テラスから芦田川の河川敷へつながる連絡ブリッジを設け一体的な活用を図る。中庭にはクライミングウオール(リード壁高さ12メートル×幅3メートル)も設ける。

 メインアリーナはフロアサイズ約2600平方メートル(約65メートル×約40メートル)、天井高15メートル、2階固定席2100席、1階壁面収納可動席約900席。サブアリーナはフロアサイズ約1000平方メートル(約40メートル×約25メートル)、天井高12・5メートル、2階固定席約300席。武道場は1階柔道場(畳常設)約600平方メートル、約70人の観覧スペース、2階剣道場(床仕様)約600平方メートル、約70人の観覧スペースを設置。

 一般利用施設はスタジオ、トレーニング室、多目的室、会議室、キッズスペースなどを配置する。このほか、更衣室、事務・管理室、エントランスホール、駐車場(乗用車約360台、バス4台)なども整備する。

 ◇平尾丘陵にスポーツ拠点整備へ◇

 愛媛県新居浜市がまとめた総合運動公園構想(案)を見ると陸上競技場や総合体育館、野球場などを平尾丘陵地に新たなスポーツ拠点として集約整備する。今後、整備手法や事業スケジュールなどの検討を進めていく。

 構想(案)によると、整備の基本方針は市民アンケートやスポーツ推進審議会、各種関係団体の意見を基に▽気軽に便利に利用が可能▽公式戦等の開催が可能▽スポーツを「観る」ことが可能-の3点としている。

 具体的な計画では、平尾丘陵地の約35ヘクタールを開発して整備する。施設は、総合体育館(アリーナ、観客席4000人程度、サブアリーナ、トレーニング室、重量挙げ練習場、柔剣道場、室内ジョギングコース)、弓道場(総合体育館に隣接)、陸上競技場(第3種公認、観客席2000席)、野球場(両翼99・058メートル、中堅121・918メートル、観客席8000人程度、外野は芝生席)、ジョギングコース(外周等を活用し3~4キロ)。事業費は運動施設整備費と用地購入・造成費、外構整備費を合わせた総額で約140億~176億円を見込む。

 事業方式については、防災機能を持つ都市公園として位置付け、公的補助金の活用を目指すとともに、PFIなど公民連携事業方式の検討を進めていく。整備スケジュールは既存施設の運用方針も考慮し、第1期として陸上競技場、第2期として総合体育館、第3期として野球場を整備する方針だ。

【大工事、始まる】外環道都内区間、シールド機発進


 ◇早期完成へ大きな節目、施工は鹿島JVと大林組JV◇

 国土交通省関東地方整備局と東日本高速道路会社、中日本高速道路会社は19日、東京外かく環状道路(外環道)の都内区間の本線トンネルを構築するシールドマシンの発進式を、東京都世田谷区の東名ジャンクション(JCT、仮称)の予定地で開いた。

 都内区間のうち、東名JCTから北に向かう延長約9キロの2本のトンネルが対象。外径約16メートルという国内最大のシールドマシンで深さ40メートルを超す大深度地下を掘進する。

 南行工事は東日本高速会社が発注しており、鹿島・前田建設・三井住友建設・鉄建建設・西武建設JVが施工する。工期は19年6月12日まで。一方の北行工事は中日本高速会社の発注で、大林組・西松建設・戸田建設・佐藤工業・錢高組JVが施工を手掛ける。工期は19年6月6日まで。
発進ボタンのセレモニーに臨む石井国交相、小池知事ら
式典では、石井啓一国交相が「1日も早い開通に向け、安全を最優先に工事を進める」とあいさつ。来賓として出席した東京都の小池百合子知事は「国、関係機関と連携し、外環道の早期整備へ力を尽くす」と述べた。

 続いて、石井国交相や小池知事、日本高速道路保有・債務返済機構の勢山廣直理事長、東日本高速会社の廣瀬博社長、中日本高速会社の宮池克人社長、鹿島の押味至一社長、大林組の大林剛郎代表取締役会長らがシールドマシンの発進ボタンを押した。
工事では各社のけんせつ小町も現場で活躍する
立坑で掘進開始を待つシールド機
発進式当日の現場の様子
外径約16mのシールド機で大深度地下にトンネルを造り上げる

【投資的経費2・9%減】関東甲信1都8県、17年度予算案出そろう

 ◇スポーツ関連施設や防災対策など重点◇

 関東甲信1都8県の17年度当初予算案が20日までに出そろった。一般会計は群馬県を除いて前年度当初予算を下回り、総額は16兆3637億24百万円(前年度比1・6%減)となった。

 投資的経費も1都6県で減少し、総額は2兆1030億61百万円(同2・9%減)にとどまった。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)や2020年東京五輪の開催都県などがスポーツ関連施設の整備を加速させるほか、防災対策や地域・産業の活性化に重点配分する自治体が目立つ。

 投資的経費が増加したのは、大幅減となった前年度からの反動増が要因とみられる茨城県(1458億68百万円、前年度比5・0%増)と、昨年に引き続いての増加となる栃木県(1331億円、同4・7%増)。最も下げ幅の大きかった千葉県(1184億59百万円、同21・0%減)は、3月に知事選を控えているため、最低限の事業だけを盛り込んだ骨格編成とした。

五輪開催に向け大規模改修に入る有明テニスの森
主な事業を見ると、数年に一度開催される大規模なスポーツ大会の開催都県が、競技施設の新設・拡充に力を入れる。2020年東京五輪に向けた取り組みでは、東京都が競技施設のうち▽カヌー・スラローム会場▽大井ホッケー競技場▽有明テニスの森-の3施設の整備に着手する。埼玉県は埼玉スタジアム2002の大規模修繕などに21億84百万円、千葉県は幕張メッセの大規模改修に7億98百万円を計上。神奈川県はセーリング関係施設整備に40百万円を確保した。
埼玉スタジアムの改修には21億円の予算が計上された
栃木県が整備する新スタジアムの完成イメージ
ラグビーW杯に向けては、埼玉県が会場の整備に84億88百万円を充てる。茨城県は19年の国体で使用する県営の体育施設の再編整備に15億78百万円を配分した。このほか栃木県が新スタジアムを建設する総合スポーツゾーン整備事業に142億87百万円を投じる。

 前年度までと同様、防災・減災関連施策を重視する自治体も多い。東京都は木造住宅密集地域の不燃化・耐震化に900億円を計上。都に茨城県と千葉県を加えた海沿いの自治体では、津波や高潮への対策にも注力する。

 近年多発する豪雨被害への対策も強化。東京都は調整池や雨水幹線などの整備に761億円を確保する。治水対策では埼玉県が緊急浸水対策などに96億4百万円を配分。関東・東北豪雨で甚大な被害を受けた茨城県は「総合治水計画」の策定に取り組む。茨城県と神奈川県は緊急輸送道路の整備を加速させる。
圏央道は茨城区間が全線開通する
リニア中央新幹線や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)など交通網の拡充を追い風として、地域振興を目指す取り組みも活発化している。長野県は飯田市に設置されるリニア中央新幹線長野県駅(仮称)の関連道路の充実や、中部横断道路の整備支援などに約100億円を計上。山梨県は「リニア環境未来都市」の実現に向けた施策に30百万円を充て、駅周辺整備に向けた造成計画などに着手する。圏央道の開通を強みとする茨城、千葉、埼玉の3県や群馬県は、企業立地を促進するため工業団地など必要な基盤整備に取り組む。

 このほか建設産業の人材不足の解消に向け、茨城県は雇用型訓練やイメージアップセミナー、山梨県はインターンシップや資格取得のための講習会を開く。

2017年2月20日月曜日

【6000席超のアリーナ新設】佐賀県、総合運動場等整備基本計画素案策定

佐賀県が老朽化などの課題を抱える県総合運動場と県総合体育館(いずれも佐賀市)、市村記念体育館(同城内)のあり方を検討していた有識者らの「佐賀県総合運動場等整備基本計画検討委員会」に施設整備の内容やスケジュールを盛り込んだ基本計画素案を提示した。

 プロスポーツやコンサートに対応できる観客席6000席以上のアリーナを新設。陸上競技場などは改修する。17年度に設計着手しアリーナなどの主要施設は19年度に着工、22年度の完成を目指す。

 素案によると総合運動場の競技施設周辺の西エリアは屋外競技を中心とした拠点、総合体育館周辺の東エリアは屋内競技を中心とした拠点と位置付け、総合運動場陸上競技場の東側の国道に面した駐車場周辺の中央エリアにアリーナなどを新設する。

 新設するアリーナのメインアリーナの規模はバスケットボールコート3面、観客席は6000席以上(固定4000席以上)。災害時の防災活動拠点の機能も持たせる。これに併設してペデストリアンデッキと一体的にカフェやレストラン、ショップなどが入居するテナント棟を整備する。

 総合運動場陸上競技場は第1種競技場の基準を満たすよう雨天練習場の整備や走路の改修、老朽施設の改修などを実施。総合運動場水泳場はコース幅を変更し、屋外50メートルプールを屋内プールに改修する。総合体育館は空調改修などを行い、ボクシング場・フェンシング場を整備。管理棟やテニスコートの改修なども行う。市村記念体育館は他用途での利用を検討する。

 23年に国体開催を控えているため、プレ大会が開かれる22年度の完成を目指す。県は今後、パブリックコメントを行い3月中をめどに基本計画を策定する。整備基本計画策定業務は梓設計が担当。

【選手の走りをサポートしませんか】名古屋ウィメンズマラソン、コース歩道の清掃ボランティア募集中

中部地方整備局名古屋国道事務所が3月12日に開かれる「名古屋ウィメンズマラソン2017」に先立ち、コース歩道(桜通)の清掃活動を行う一般ボランティアを募集している。

 清掃するのは国道19号の日銀前交差点~小川交差点の区間。普段から桜通の清掃活動を行っているボランティア・サポート・プログラムの実施6団体(久屋大通発展会、NTTドコモ、戸田建設、西松建設、エム・テック、グラウンドワーク・パスコ)と同事務所職員有志も参加し、一緒に歩道を清掃する。申込期限は3月6日午後4時。電話かFAXで同事務所まで申し込む。

 日時は3月10日午前8時45分から1時間程度。軍手やごみ袋は不要だが、桜通の名前にちなみできるだけ「桜色」の服装での参加を呼び掛けている。申込用紙は同事務所ホームページに掲載。問い合わせ、申込先は管理第一課管理係(電話052・853・7324、FAX052・841・2517)。

【輝く!けんせつ小町】名古屋高速道路公社・瀬谷千惠さん

 ◇高架橋の劣化診断ができる“橋のお医者さん”に◇

 もともと物理の力学が好きで、大学進学時に土木の道を選んだ。名古屋工業大学工学部社会開発工学科から大学院に進み、地盤関係を専門に勉強した。大学時代に建設コンサルタントでアルバイトをしていた時、一緒に働いていた社員の人たちが土木のことが本当に好きで、楽しそうに仕事をしている姿を見て「自分も土木の仕事をしよう」と決めた。

 「せっかく就職するならずっと続けられるような会社」と考え、女性が働く環境が整っている今の職場に。08年に入社し、今年で9年目。入社後、最初に配属されたのが企画調査部で、中期経営計画や将来計画の作成などに携わった。「正直、当公社の仕事がどういうものかあまりイメージできていなかったのですが、全体計画に関わる仕事に携わることで、会社の将来ビジョンや仕事の流れを知ることができてよかった」という。

 4年目に構造物の保全に関わる部署に異動。定期点検の取りまとめ業務などを担当した。「ずっと現場に出たいと思っていたので、現場中心の職場になり、自分で言うのもおかしいのですが、のびのびと仕事をさせてもらいました。点検計画の立案や点検、補修後の評価などを行っていたのですが、実物の構造物を見ていると、写真や資料から得られる情報だけでなく、現場へ行くことで分かることがたくさんありました」。

 一番記憶に残っているのが中央道笹子トンネルの天井板崩落事故後の緊急点検。「名古屋高速道路の東山トンネルにも天井板の構造があったため、職員総出、昼夜交代制で点検しました。大変でしたけど、自分の仕事が人命に関わっていて、いい加減な仕事は絶対できない」と強く感じた。

 保全の部署にいる時にコンクリート診断士と土木鋼構造診断士の資格を取得。「試験内容が仕事と直結していたので取りやすかった」と謙遜するが、忙しい仕事の合間を縫って勉強した。「構造物の劣化状況を的確に診断するには、いろいろな知識が求められます。あらゆる可能性を考え、情報を集め取捨選択し、構造物の損傷・劣化原因を推測する。これは性格なのかもしれませんが、そうした自分で考え、推理していく過程が私は結構好きみたいです」。

 現在、経営企画部で予算管理や国土交通省の窓口を担当している。将来の夢を聞くと、「また現場に出たいです。構造物に対して的確な判断ができる、いわば“橋のお医者さん”のようになりたい。そのためにもしっかりと知識を身に付け、さまざまな経験を積んでいきたい」。

 (経営企画部経営企画課、せや・ちえ)

【開札は4月6日】カヌー・スラローム会場整備(江戸川区)WTO入札公告

カヌー・スラローム会場の完成イメージ
(2016年5月時点、提供:東京都)
東京都財務局は17日、2020年東京五輪の競技施設建設計画の一環として「カヌー・スラローム会場整備工事」の一般競争入札(WTO対象)を公告する。電子調達システムによる申請書の提出を27日から3月3日まで受け付ける。入札書の提出は4月5日まで。開札は同6日。

 一般土木工事の格付けを持つ2者以上のJVが参加できる。代表構成員には経営事項審査(経審)で土木一式の総合評定値が1200点以上あることを求める。

 工事場所は葛西臨海公園に隣接する都有地(江戸川区臨海町6)。東京五輪で使用するカヌー・スラローム会場の土木関係工事のうち、延長200メートルの競技コースやウオーミングアップコース、スタート・フィニッシュプール、ポンプ施設、雨水・汚水本管、敷地内通路などの整備を行う。予定価格は33億6075万9000円。工期は19年5月31日まで。

 設計はパシフィックコンサルタンツが受託している。基本設計段階では、競技コースの水の流れに変化が起きるようコース幅を拡張した部分を設けることや、ウオーミングアップコースに高低差をつくらず、ポンプで流れを生み出すことなどを決めている。

【自民党幹事長・二階俊博氏に聞く】糸魚川大火への対応は

 ◇がれき処理負担ゼロ即決◇

 被害家屋が144棟に及んだ昨年12月22日の新潟県糸魚川市での大規模火災。大みそかに現地を視察した自民党の二階俊博幹事長は、被災地の悲惨な状況を見て、「国を挙げて早期の復旧・復興に取り組まなければならない」と決意を固めたという。今回の大火を自然災害として位置付け、がれき処理の個人負担をゼロにすることを即決するなど、スピード感を持って対応に当たった二階幹事長に話を聞いた。

 --糸魚川大火への対応は迅速だった。

 「年末年始の休み返上で対応に当たろうと、12月30日に党本部で開いた災害対策特別委員会・総務部会の合同会議では、被災者生活再建支援法上の自然災害と位置付け、国から最大で300万円、県支給分も合わせて400万円の支給を可能にした」

 「できるだけ早く伺いたいと思い、調整した結果、12月31日に現地入りした。大みそかではあったが、何とか年内に行くことができた。現場は、火元よりも100メートル以上離れた場所が甚大な被害を受けるなど惨たんたる状況だった。国を挙げて早期の復旧・復興に取り組まなければならないとの思いを強くした」

 --現地ではがれきの処理が大きな課題となった。

 「自然災害でも、個人や地域だけの力でがれきを処理するのは困難なことだ。現地を見て、一日も早い生活再建を誓い、国の責任においてがれき処理を個人負担ゼロで行うことを決断した。このことは今思い返しても的確な判断だったと思っている。暮れの31日であっても、直ちに現場に赴いた党の判断は正しかった。後日、安倍晋三首相からも感謝の言葉が党に寄せられた」

 --政府の対応も早かった。

 「視察後、党本部に戻ってすぐにリポートにまとめ、安倍首相に報告した。現地でお聞きした地元の要望については、5項目に及ぶ宿題を政府部局に出し、年が明けた1月6日に開いた災害対策特別委員会・総務部会合同会議で報告することを求めた。そして地元の意向に沿って復興に当たることができるよう、復興の経験がなかった糸魚川市に政府から副市長と担当参事となる人材を派遣した」

 「災害に対して国、政治は全力を尽くさなければならない。今やらねばいつやるのだという思いで、スピード感を持って関係者がこの事案に対処した。国民の皆さんにも、この災害を人ごととして放置するのではなく、自分ごととして捉えていただきたいと思う」

 ◇災害時に全力尽くすのが政治◇

 --糸魚川大火を教訓に災害に強い街づくりを進めていかなければならない。

 「火災への対応では、木造密集地で建物の不燃化や建て替え、避難道・避難場所の設置などに取り組みながら、消防消火体制も構築しなければならないだろう。ソフト面では、災害への意識を向上させながら、災害に強い街づくりへの機運を盛り上げておくことが求められる。備えあれば憂いなしであり、早い段階から準備を進めておくことが重要だろう」

 --今回の糸魚川大火を含め、災害が発生した時には、地域の建設会社が真っ先に駆け付けて対応する。

 「災害は突然やってくるものであり、待ったなしで対応しなければならない。何かあれば直ちに現場に駆け付けられるのは、地域で活躍する建設会社の皆さんだ。今冬のように度重なる寒波の到来で全国各地が大雪に見舞われた時を含め、道路復旧や応急工事、土砂やがれきの撤去、除雪作業など、時には夜を徹して当たっていただいている」

 「地域に根差した地域の建設会社の大切さは痛感している。地域貢献の度合いの大きさには本当に頭が下がる。自民党としても、国民の生命と財産を守る観点から応援していきたいと考えている」

 --地域の建設業界の活動を維持できるよう、日頃の仕事量の確保が欠かせない。

 「災害や大雪など、いざという時には、地域の建設会社の皆さんに助けていただく以外に方法がない。建設業は、地域の守り手であると同時に、地域の支え手でもある。景気の良しあしにかかわらず、その際に必要な機械をメンテナンスし、人も確保しておくなど、日頃の備えに万全を期すことができるよう、安定的・持続的に仕事が受注できるのに必要な公共事業予算を確保しなければならない。そうすることで災害時にも活躍していただける。仕事の繁閑の波がなるべく少なくなるよう、施工時期の平準化を進めていく必要もある。地域貢献の度合いを入札時に適切に評価することも有効ではないだろうか」。

【回転窓】近代建築を観光の目玉に

ル・コルビュジエに師事し、モダニズム建築の旗手として戦前・戦後の日本建築界をけん引した前川國男。建築家の出発点となった処女作「木村産業研究所」(1932年竣工)が青森県弘前市に現存している▼丸柱のピロティや水平の連装窓など師に学んだ手法を数多く用いた意欲作だ。35年に弘前を訪れたドイツの建築家ブルーノ・タウトは「辺境の地にコルビュジエ風の白亜の建物がある」と驚嘆したという▼前川と弘前の関係は深い。母方の故郷であり、フランス留学では弘前出身の伯父を頼った。この街には初期から晩年まで全時代の前川建築が残る▼弘前市をはじめ前川建築を文化交流拠点とする8自治体が「近代建築ツーリズムネットワーク」を組織。前川建築を含む国内の近代建築を観光資源として内外にPRし、観光振興や地域活性化につなげる活動が本格化する▼コルビュジエ設計の国立西洋美術館(東京・上野公園)が昨年、世界文化遺産に登録されたのを機にモダニズム建築を再評価する機運が高まっている。近代建築を歴史の遺物にせず、地域の資産や観光の目玉として生かす取り組みに期待したい。

【敷地内にはNACK5スタジアムも】埼玉県、大宮公園など3公園再整備の検討開始へ

埼玉県は17年度、大宮公園(さいたま市大宮区)など3公園(約68ヘクタール)の再整備に向けたグランドデザインの検討に乗りだす。

 大宮公園と、近接する第二公園、第三公園が対象。造園の専門家や、民間事業者、行政機関などで構成する検討委員会を設置する予定で、人選に入っている。大宮公園では一部施設の老朽化が進んでおり、今後のあり方について一体的に探っていく。

 大宮公園グランドデザインの検討費用として、17年度予算案に1600万円を計上している。来年度の早い時期に検討委の運営支援業務を発注し、委託先を決めた上で、検討委の初会合を開く。自然の地形や景観を生かした日本的な風景を継承しつつ、利用者ニーズに見合った再生計画を立案していく。

 大宮公園の所在地は大宮区高鼻町4で、敷地面積は約34・6ヘクタール。JR大宮駅の北東側約1・5キロに位置している。明治時代に氷川公園として設置され、その後、県管理公園となった。開園から約130年が経過している。

 大宮公園には、体育館や小動物園、日本庭園、野球場、水泳競技場、陸上競技場・双輪場、ボート池、サッカー場「NACK5スタジアム大宮」、売店などがある。園内の桜や赤松が老木化。体育館(RC造2階建て延べ2671平方メートル)は老朽化のため廃止を含めて今後の扱いが検討されている。このほか、双輪場などの老朽化も課題となっている。

 大宮第二公園の所在地は大宮区寿能町ほかで敷地面積は約23・4ヘクタール、大宮第三公園は大宮区堀の内町で約9・8ヘクタールとなっている。第二公園は、軟式野球場や管理棟、多目的広場、遊水池などで、第三公園は沼や広場などで構成されている。

【着工から10年、沿線活性化に期待】圏央道茨城区間、2月26日全線開通!!

 関東地方整備局と東日本高速道路会社が茨城県で建設している首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の現場を公開した。境古河インターチェンジ(IC、境町)~つくば中央IC(つくば市)間が26日に開通する予定で、これにより茨城県内の全区間がつながる。

 東京都心部を通らずに東名高速から成田空港まで高速道路で移動できるようになり、物流の効率化や地域経済の活性化などに寄与すると期待されている。

 今回の開通区間は、茨城県境町西泉田~つくば市新井間で、延長は28.5km。構造は土工部が19.0km、高架部が9.5kmとなっている。追い越し区間などを除き暫定2車線での開通となる。ICは坂東と常総の2カ所設けられる。

 同区間は1994年に事業化され、2006年に工事に着手した。本線工事はほぼ完了しており、現在は、調整池など周辺設備の工事が行われている。関東整備局常総国道事務所の栗原和彦副所長は「ようやくここまで来た。早く皆さんに使っていただきたい」と話した。

 同区間では、国内で初めて高速道路のナンバリング標識も設置される。訪日外国人を含めて、より分かりやすい案内とするために、路線名と併せて路線番号を表示する取り組み。全国の高規格道路に導入する方針で、東京五輪が開かれる20年ごろまでにおおむねの対応を終える予定だ。

【凜】日鉄住金建材人事総務部・西かおりさん

 ◇日越連携の架け橋に◇

 大学時代、ベトナムに1年間留学した。たまたま現地で見かけた工事現場に「メード・イン・ジャパン」の製品が多く使われていることを知り、日本の技術力の高さを感じたという。その技術力を伝えたいという思いと、大きなものを造る一員になりたいという思いから建材メーカーを目指し、日鉄住金建材に入社した。

 入社3年目。現在、ベトナムにある関連会社から受け入れる研修生の支援活動を担当している。大学生向けの就職説明会で説明員を務めることもある。研修生は仙台製造所(仙台市宮城野区)で約1年間、技術指導を受ける。ベトナムの品質を高めることを目的に、毎年3人を受け入れている。

 技術的な指導は工場のスタッフが担当するが、ごみの出し方や交通ルールなど生活の基本的なことを教えるのが役割という。「何も分からずにやってきた研修生が日本語を話せるようになり、何事もなく生活できるようになるとうれしくなる」と笑顔で話す。

 目標は、日本とベトナムの懸け橋になること。「日本人スタッフとして両国の間に立ち、二つをつなぐ役割を果たしたい」と思っている。

 趣味は、旅行とダイビングやスキーなどのアウトドアスポーツ。国内だけでなく海外にも積極的に足を運び、各国の文化や自然と触れ合うことを楽しみにしている。

 (にし・かおり)