2017年1月20日金曜日

【クルーズ船需要に対応】九州整備局、博多港中央ふ頭岸壁延伸工事を公開

鋼製ジャケットを吊り上げる起重機船
九州地方整備局は19日、福岡市の博多港中央ふ頭地区で進めている岸壁改良工事の様子を報道関係者に公開した=写真。クルーズ需要の急増に対応するため、岸壁を沖合に延伸するもので、現在は第1段階の延長60メートルの岸壁をジャケット工法で整備している。同日は岸壁の骨組みとなる鋼製のジャケットを起重機船でつり上げ、鋼管杭に据え付けた。整備中の岸壁は4月ごろに暫定供用する。

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【なでしこLチームの誘致も視野】兵庫県企業庁、播磨科学公園都市にサッカー場増設

兵庫県企業庁は、播磨科学公園都市(たつの市、上郡町、佐用町)の未利用地を活用し、観客席を備えたサッカー場を増設する。

 フットサルコートや合宿所も整備し、サッカーの一大拠点として大規模な大会や合宿、なでしこリーグ所属チームの練習拠点の誘致を目指す。3月に着工し、10月のオープンを予定。

 計画では、現在の播磨光都サッカー場(上郡町光都3の9の3)の南側に大人用の第3サッカー場(105メートル×68メートル)、北側に子ども用の第4サッカー場(68メートル×50メートル)を増設。クラブハウスや観客席、駐車場も整備し、大人用は夜間照明を設ける。

 南側は第2多目的グラウンドとしてフットサルコート(40メートル×20メートル)を2面設置し、第4サッカー場の北側には約150人が宿泊可能な合宿所を増設。合宿所は旧企業庁現地事務所を改修する。

 昨年12月には県播磨地域をホームタウンにするASハリマアルビオン(なでしこ2部所属)と、播磨科学公園都市を核にサッカー振興と地域活性化を目的に連携協定を締結しており、県では今後、トップチームの練習や下部組織育成の拠点を目指すとともに、サッカーに関する情報発信も推進する。

 光都サッカー場には大人用1面、子ども用3面、多目的グラウンドのフットサルコート3面のほか、クラブハウスなどが整備されている。

【最古は金剛組、業歴1439年!!】17年に創業100年の企業、全国で1118社に

2017年に創業100年を迎える企業は1118社-。

 東京商工リサーチによると、今年創業100年以上となる老舗企業は全国で3万3069社となり、12年に実施した前回調査から5628社の増加となった。

 最古の老舗企業は、高松コンストラクショングループで社寺建築を手掛ける金剛組(大阪市天王寺区)。同社は飛鳥時代の578年創業で、今年で業歴1439年となる。

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【今後の動向を注視】トランプ米大統領就任、建設業界は期待と不安交錯

米国内の動向を日本企業各社も注視している
新たな米大統領の就任式が20日(日本時間21日未明)にワシントンで行われ、ドナルド・トランプ氏が第45代大統領に就任する。過激な発言に世界の注目が集まる中、どのような政権運営をするのか。日本の建設産業界も、「米国事業を拡大できる」「メキシコはブレーキがかかる」など期待と不安が交錯する。

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【回転窓】大切なのは立法の「精神」

 「今」だけでなく「将来」にわたって公共工事の品質を確保する。14年6月に施行された改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)には、そうした基本理念が追加されている▼施行後、国土交通省が真っ先に取り組んだ自治体の工事発注からの「歩切り」撲滅運動や、浸透しつつある「施工時期の平準化」も、将来にわたる品質確保を狙ったものといえる。改正法成立に尽力し、昨夏引退した前参院議員の脇雅史氏は、法律に明記された各種事項を徹底させる上で、法律に込めた「精神」を広く普及させることの重要性を訴える▼例えば、「子どもの読書活動の推進に関する法律」。施行から16年を経ても、子どもの読書活動に変化が生じたとは言い難い状況にあるのは、立法精神が浸透していないためと脇氏は指摘する▼大切なのは、法律を契機に「世の中を変えていこう」とする行為。その際の立脚点が、法の目的や基本理念などに込めた「精神」となる▼施行2年半が経過した改正公共工事品確法の諸施策の実行も道半ば。市町村を含めた徹底になお時間を要するなら、改めて立法精神を説くことも重要ではないか。

【民間運営への布石】京都スタジアム、運営権PFI事業導入可能性調査業務発注

京都スタジアムの完成イメージ
(提供:京都府)
 京都府は19日、「京都スタジアム(仮称)運営権PFI事業導入可能性調査業務」の委託先を選ぶ公募型プロポーザル手続きを開始した。募集要領や仕様書はホームページなどで交付、参加表明書は2月2日までに文化スポーツ部スポーツ施設整備課へ持参または郵送(書留郵便に限る)で提出する。技術提案書の提出期限は同23日で、その後はヒアリングなどを経て、受託候補者を選定する予定だ。

 業務は、府内におけるスポーツ振興や中・北部地域の発展、公共の福祉増進などを目的として、亀岡駅北土地区画整理事業地内(亀岡市追分町)での新設を計画している専用球技場「京都スタジアム(仮称)」について、収益性の高い施設として整備するため、民間の経営原理や資金を導入する公共施設等運営権制度を活用したPFI事業(コンセッション事業)の導入可能性を調査するもの。

京都スタジアムの完成イメージ
(提供:京都府)
 具体的には、▽前提条件の整理▽官民協働で収益を生み出す方策等の検討▽スキーム(事業範囲、各種リスク抽出・適切な官民負担、特別目的会社の法的形態・運営権設定の範囲整理、事業期間等)の検討▽民間企業の意向調査▽バリュー・フォー・マネー試算、運営権対価算定▽導入可能性評価-などを行う。履行期限は3月31日(9月30日まで延長予定)、委託上限額は2000万円(税込み)。

 参加資格は、公告日から技術提案特定日までの期間に府の指名競争入札における指名停止措置を受けていない者で、11年度から15年度までに、PFI法に基づき、実施方針が公表された公共施設等の整備等に関する事業に係る民間活力の導入可能性調査業務、またはPFI事業における民間事業者の選定等に係るアドバイザリー業務を元請として受注した実績があることが主な要件。

京都スタジアム・フィールド部の完成イメージ
(提供:京都府)
 プロポーザルでは、「立地エリアの特性を踏まえた、収益性向上を図るための複合機能化(方向性)などに関する意見」「公共施設等運営権制度を導入する場合の留意事項」「京都スタジアムに適した運営事業者の考え方・意見」を技術提案のテーマに設定。選定に当たっては、これらの提案内容のほか、業務実績・業務実施体制や業務実施方針、府内営業所の有無などを評価する。

2017年1月19日木曜日

【お披露目は2月10日】60周年の通天閣、彩り豊かにネオン広告リニューアル

改修後の通天閣ライトアップイメージ
なにわのシンボル・通天閣(大阪市浪速区)のネオン広告が全面リニューアルされ、2月10日から点灯を開始する。1957年7月から広告を掲出している日立製作所によると、新しいネオン広告はライトがこれまでの6色から12色に変更され、多彩なライトアップが可能になる。60年間にわたって使用してきたアナログ式の大時計もLEDビジョンに変更。歴代の時計を再現したり、四季の移り変わりを表現したりなど、さまざまな動画で時刻を表示する。

 広告は東面が「HITACHI」(昼・夜)か「Inspire the Next」(夜)、西面が「通天閣」、南面が「社会イノベーションの日立」(昼・夜)か「HITACHI」、北面が「社会に貢献する日立」(昼・夜)か「HITACHI」(夜)。季節感をこれまで以上に演出するため、アイスブルー(1月)やグリーン(6月)、オレンジ(10月)など各月のイメージカラーを採用。15分ごとにライトアップの色が変化する時間を設けるという。

 新ネオンの点灯式典は2月10日午後6時から通天閣のB1階で開催。当日は通天閣の過去と未来をテーマにした一夜限りの特別イルミネーションを予定している。ショーの終了後には12色すべてのイルミネーションを点灯。ショーの様子などは日立製作所の公式Facebookでライブ中継する。1月27日には試験点灯も実施される。
季節をイメージした動画ビジョン。大時計に変わって時を知らせる

【日本は1%減の338億ドル】世界の商業用不動産投資額、2016年は6510億ドル

日本国内の商業用不動産直接投資額推移
 総合不動産サービス事業を展開する米ジョーンズラングラサール(JLL)がまとめた2016年の「世界の商業用不動産投資額」調査によると、速報ベースの投資額は6510億ドルとなり、前年に対して8%減少した。日本国内の投資額は前年比1%減の338億ドル。円建てでは同11%減の3兆6700億円となった。2017年の投資は6500億~7000億ドルと見ている。

 地域別の投資額はアメリカ大陸が2860億ドル(前年比9%減)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が2360億ドル(12%減)、アジア太平洋が1280億ドル(4%増)。アジア太平洋は日本とオーストラリアで投資が減った一方、シンガポールと中国、韓国で投資額が伸びた。

 日本国内の動向について、JLLは「年間を通して物流施設やホテルに対する投資額が増加した。オフィスやリテール、住宅などをターゲットにしていた投資家が、物流・ホテル分野に参入する動きが目立った」と分析する。

 2017年に関しては「投資需要は依然として高く、金利も現在と同水準で推移すると見られ、投資額も大きく減少はしない」と予測。大手物件の市場供給や売り手側の価格目線の軟化が「投資額増加のキーポイントになる」と見ている。
 

 

【18年度末完成めざす】大島架橋事業(宮城県気仙沼市)、2月下旬に上部工架設着手

 ◇施工はJFEエンジJV◇

 宮城県気仙沼市の大島と本土を結ぶ大島架橋事業で、橋梁本体の主要構造物となる上部工を架設する作業が2月下旬に始まる。

 付近の朝日ふ頭で組み立てたアーチなどの部材を3000トン級の大型クレーン船でつり上げ、5日間かけて架設する。1カ月程度で架設や溶接を終え、東北初の離島架橋が姿を現す。

 事業主体の宮城県は、18年度末までに橋梁本体や近接するトンネルなどを完成させ、19年度に供用を開始する方針。架橋の施工はJFEエンジニアリング・橋本店・東日本コンクリートJVが担当している。

 大島架橋事業は東北初の離島架橋事業として、県の11年度当初予算に設計委託費など2億51百万円が盛り込まれ、14年11月に橋梁本体工事の着工式が気仙沼市磯草で開かれた。気仙沼大島大橋は、橋長356メートルの鋼中路式アーチ橋で、アーチ支間長は297メートル。完成すれば東日本では最大のアーチ支間長になるという。

 ◇2月下旬に上部工架設◇

 来月下旬にスタートする上部工の架設作業では、主要構造物となるアーチ部などを5日間かけて一括で架設する。架設完了後に1カ月程度で溶接などを行う。今夏から電線や水道管などの配管工事を始める。

 上部工はJFEエンジニアリングの津製作所(津市)で仮組み立てを実施。昨年7月に現場に近い朝日ふ頭に搬入し、アーチ部と補剛桁を接合させ、中央径間を完成させた。橋梁の詳細設計などは大日本コンサルタントが担当した。架橋事業では、同橋のほか、本土側に2本、大島側に3本のトンネルを整備する。トンネルの施工はいずれも橋本店が担当している。

 トンネル5本と橋梁1カ所を含む延長8・0キロの道路整備を17~18年度の残り2年間で完成させ、19年度早々に供用を開始する。全体の事業費は約206億円が見込まれている。

 県気仙沼土木事務所の担当者によると、2月中に本土側のトンネルが完成し、供用を開始する予定という。島側のトンネルはこのほど用地買収を終え、近く造成工事に着手する。大島は本土との連絡手段が船舶しかなく、東日本大震災では島民らが長期間にわたって孤立した経緯もある。架橋事業は住民や行政らの長年の悲願だった。

【まとまった空間注目、自治体も協力】ドローン訓練に廃校利用の動き広がる

廃校の体育館を利用した模擬訓練の様子
(ドローンスクールジャパン静岡掛川校)
建設業界でも活用が進むドローン(小型無人機)の操縦訓練に廃校を利用する動きが広がっている。少子化で廃校が増える中、まとまった空間が必要な操縦訓練の場所として注目を集めている。学校を管理する地方自治体もこうした民間の取り組みに協力している。

 群馬県沼田市の廃校(南郷小学校)を利用して板金と瓦の職人育成を昨年始めた職人育成塾「利根沼田テクノアカデミー」では、6月にドローン教習も始める。南郷小跡から十数キロ離れた平川小学校跡を利用したドローン教習施設を計画。20日に関係者を集めた準備会議を開く。

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【回転窓】時には肩の力を抜いて


自衛隊の活動などを紹介する雑誌「MAMOR(マモル)」をご存じだろうか。一般向けに書店で販売され、2007年1月の創刊からちょうど10年となる▼最新号の特集は「ミサイル襲来に備える自衛隊」。もしも東京都庁の上空で核弾頭を積んだミサイルが爆発したら…。そんなシナリオを交えつつ自衛隊の迎撃システムなどを紹介している。昨今のアジア情勢なども反映した緊迫したテーマだ▼だが、お堅い内容ばかりではない。表紙には、自衛隊の制服を着て敬礼した女性芸能人の写真が。背景には戦車や航空機などが並ぶこともあり、コスプレマニアも引き付けそうだ▼名物企画は、男女の独身自衛官が登場する婚活コーナー。プロフィルには家族構成から貯金まで書き込んであるから、真剣そのもの。結婚に至ったカップルもいるそうだ。「広報の基本は『面白くなければ駄目』ということ」。編集長を務める扶桑社の高久裕氏が講演で語っていた▼担い手確保につなげようと、建設分野でもPR活動が盛んだが、真面目なものがほとんど。悪いことではないが、それだけでは伝わらない。時には肩の力を抜いては。

【BIMの課題と可能性・142】進化を続ける鹿島のBIM・2

「Global BIM」の報告以降、2年を経て、鹿島は、すでにBIM運用の定量的な目標は達しつつあり、次なるパラダイム・シフトへと舵を切った。

 □施工現場稼働率の実績値80・5%を支える国内2カ所、海外5カ所の拠点での24時間BIM運用□

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【東西で大型プロジェクト着工】虎ノ門一丁目再開発と大阪神・新阪急ビル一体建替

 ◇虎ノ門一丁目地区再開発、185mビル着工◇

 東京都港区の「虎ノ門一丁目地区市街地再開発組合」(佐藤茂理事長)が計画している第1種市街地再開発事業が着工し、18日に現地で起工式が行われた。

 高さ約185メートルの超高層ビル「(仮称)虎ノ門ヒルズビジネスタワー」を中心とした施設群を整備する。同タワーの設計は森ビル、施工は大林組が担当。19年12月の竣工を目指す。

 再開発の対象地は虎ノ門ヒルズ北隣の虎ノ門1の17~20(区域面積約1・5ヘクタール)。同タワーに加え、教会棟(RC造4階建て延べ589平方メートル)を建設し、地下歩行者通路や公園などの公共施設を整備する。昨年から、西松建設旧本社ビルや虎ノ門10森ビルなど既存建物群の解体工事を進めていた。

 同タワーは、S・RC・SRC造地下3階地上36階塔屋3階建て延べ約17万3000平方メートルの規模。

 地下2階~地下1階に駐車場、地下1階~地上3階に店舗(約6300平方メートル)、4階に大企業と起業家の交流拠点となるイノベーションセンター(約3000平方メートル)、5階以上に事務所(貸室面積約9万4000平方メートル)を配置。1階には空港リムジンバスや都心と臨海部をつなぐBRT(バス高速輸送システム)が発着可能なバスターミナルも設ける。

 ◇梅田1丁目1番地計画ビル、道路直上工事始まる◇

 阪神電気鉄道と阪急電鉄が大阪市北区で進めている大阪神ビル(阪神百貨店梅田本店)と新阪急ビルの一体的建て替え「梅田1丁目1番地計画ビル(仮称)」で、改正都市再生特別措置法で認められた両ビル間の道路上空利用部分の建築工事が16日から始まった。施工は竹中工務店が担当している。

 規模はS一部SRC造地下3階地上38階建て延べ約26万平方メートル。地下2階~地上9階に阪神百貨店が入り、面積は現百貨店と同規模の延べ約10万平方メートルを確保する。地上11~38階には大型オフィスが入る。

 両ビル間の道路上空を建築利用して生まれる大空間を生かし、地上11階には延べ約4000平方メートルのカンファレンスゾーンを配置する。道路上空利用は、規制が緩和された11年の改正都市再生特別措置法で認められた特定都市再生緊急整備地域内での特別措置に基づく。特別措置の適用による工事着手は今回がはじめてだ。

 工事は百貨店を営業しながらII期に分けて実施。現在は新阪急ビルと大阪神ビル東側を解体した跡地のI期工事を進めており、18年春の竣工(新百貨店の部分開業)を予定している。その後、大阪神ビル西側を解体し、19年春からII期工事を進め、21年秋の竣工(新百貨店全面開業)を目指す。オフィス部分を含む全体の竣工は22年春となる。

【組織の枠超え意見交換も】東急建設、山形県内で女性向けトンネル現場見学会

 東急建設が山形県南陽市で施工中の高速道路の工事現場で女性社員向け見学会を開いた。

 東急建設から11人、東日本高速道路会社からの4人に加え、隣接工区からも2人が参加。見学後には女性社員同士の意見交換会も行われ、活発な議論が交わされた。

 見学したのは「東北中央自動車道たかつむじやまトンネル工事」。冒頭、東急建設の佐藤たくみ土木本部土木技術設計部設計グループ担当課長が「当社では女性社員が現場などさまざまな部署で活躍しているが、通常業務ではなかなか顔を合わせる機会が少ない。今回のような現場見学会や意見交換会を通じ、さまざまな方々と交流を深めてもらいたい」とあいさつした。

 同工事は東日本高速道路東北支社が発注。南陽市の南陽高畠インターチェンジ(IC)~山上IC間の延長2・4キロの工事で、東急建設が施工を担当。約1・1キロのトンネルを掘削する。工期は15年7月1日~17年12月16日。

 意見交換会では、自己紹介のほか、現場見学を通じての質問や各社の女性活躍の動きなど、活発に意見が交わされた。

2017年1月18日水曜日

【安心して使って下さい】トイレの操作記号、メーカー9社で統一へ

記者会見で発表された操作記号のイメージ
メーカー9社で統一される操作記号

日本を訪れた外国人のビジネスマンや観光客が驚くものの一つとして、高機能なトイレが挙げられるだろう。蓋や便座が自動で開閉したり、お尻を洗う装置が付いていたりなど、海外ではあまりお目に掛からない機能が満載されている。こうした環境に慣れ親しんでいる人ならば、操作パネルに並んだボタンはあまり苦にならないかもしれないが、初めての方ならば「これは一体なに!?」と戸惑うこともあるだろう。

 TOTOやLIXILなど主要メーカー9社が連携し、「非常口」のマークでお馴染みのピクトグラムを、トイレの操作パネルに導入する取り組みを開始した。業界標準として考案した操作記号は便器洗浄やお尻洗浄など合計8種類。業界団体の日本レストルーム工業会が音頭を取り、メーカー各社のデザイナーが集まって、国内外共通のデザインを考案した。

 個室に入ると自動的に蓋が開き、用を足した後にはお尻を洗う。立ち上がると水が勝手に流れて最後に蓋が閉まる。至れり尽くせりのトイレは、日本人のアイデアと技術力が産み出した独特の文化といえる。家電製品なども同じような傾向があると思うし、慣れてしまえば何でもないことなのかもしれないが、ずらりと並んだ操作ボタンを初めて目にすれば、「ボタンを押していいの?押したらどうなるの??」と考えてしまっても仕方がない。

公共トイレのイメージ
(提供:TOTO広報部)
TOTOが2014年に行った「外国人のトイレに関するアンケート」(回答600件)では、「日本の公共トイレで困ったことは?」という問いに対して、25・7%が「さまざまな操作ボタンの役割が分からなかった」と答えたという。訪日外国人旅行者は昨年2400万人を超えた。2020年に向けて政府は4000万人の目標を掲げる。飛行機を降りて入国手続きをする前に「さてトイレに行こう」となった時、「謎のボタンが並んだ操作盤のあるトイレ」とご対面では、日本に来て早々戸惑ってしまうかもしれない。

LIXILのトイレ操作パネル
(提供:LIXIL広報部)
メーカー共通の標準ピクトグラムは、17年4月以降に発売する新商品やモデルチェンジ商品から採用が始まる。世界共通のマークにするため、ISO申請も予定しているそうだ。すでに設置済みの商品をどうしていくかは今後の課題だが、ひとまず「日本独自の快適で高性能なトイレをより多くの人に知ってほしい」という思いが込められたピクトグラム。さてどのような評判を得られるのか、期待を込めてお目見えを待ちたいと思う。
TOTOが販売しているネオレスト用の操作リモコン。
今後発売する新商品などで、操作ボタンの記号が標準化される
(提供:TOTO広報部)

【私の仕事】不動テトラ東北支店工事部・鈴木航さん


 ◇やりがいを見つけられる仕事に◇

 私は2014年4月に不動テトラに入社しました。建設産業を希望した理由は父親が建設産業に携わっていてその姿を見て自分も同じ仕事をしてみたいと思ったからです。

 現在は福島県南相馬市で11年3月11日の震災で被災した堤防の復旧工事をしています。私が担当している職務は現場では施工管理と出来形管理と測量、事務では写真管理と資材管理をしています。

 私は入社してから分からないことがあったらそのままにせず調べてみて、それでも理解できなかったら先輩や上司に質問することを意識してきました。これで知識力が向上し仕事を理解し活用できるようになりました。

 このように初めできなかったことを理解し自分が仕事で活用できるようになっていくことで、やりがいを感じています。そして将来は土木施工管理技士1級の資格を取得し、経験を積んで現場の安全衛生責任者になることを目標に日々努力していきます。

 今の建設産業は経験を積んだ者が多く、それを引き継ぐ若者がすぐに辞めてしまい少ない現状にあると思います。それを改善するためには若者に仕事のやりがいを見つけさせることだと考えます。

 私の職場は先輩が根気よく指導してくれてコミュニケーションの取りやすい環境にありました。どの業種でも言えることですが、特に今の建設業界では長所を生かし短所を改善させていく指導や教育をしていき、これからの建設業界を担っていくような人員を育成することが大切だと私は思います。

 (青森県出身、すずき・わたる)

【岡田結実さんら起用】労災防止強調月間の普及促進ポスター作成

建設業労働災害防止協会(建災防)は、3月の「建設業年度末労働災害防止強調月間」の普及促進に向けたポスターのモデルに、テレビなどで活躍する岡田結実さん、都丸紗也華さんを起用した。
 ポスターは建災防の本部教材管理課や道府県支部で注文できる。ホームページに注文書を掲載している。価格は200円。

【回転窓】秘策は「思い出す」訓練

14、15日のセンター試験を皮切りに受験シーズンも本番。本紙の読者には受験生はいないだろうが、受験生を抱える親御さんは何人もおられよう。結果が出るまでは、親子ともなかなか気が休まらないだろう▼少子化の影響で大学の経営は厳しさを増している。特に地方などには学生の確保に四苦八苦するところも多いようだから、全体では売り手市場とはいえ、難関校の受験競争の厳しさは昔も今も同じである▼近年の脳科学研究によれば、記憶した情報が脳から消えることはなく、「忘れる」というのは単に記憶を引き出せなくなることなのだという。従って、「思い出す」訓練をみっちりと積んでおけば、覚えたことが後ですらすら出てくる▼そこからより効果・効率の上がる科学的な受験勉強の方法が導き出される-。という話を聞き、そんな情報などなかった40年近く前の元受験生としては、今の受験生が少しうらやましくなった▼何はともあれ、本番で最高のパフォーマンスを発揮するには万全の体調が第一。この季節はインフルエンザにノロウイルスと敵も多い。サクラサクまでもう一頑張りと声援を送っておく。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/3Dプリンターで家造り

2019年から3次元(3D)プリンターで家を造る時代が開かれる見通しだ。ICT(情報通信技術)・IoT(モノのインターネット)を活用することで、エネルギーと健康を管理する未来型スマート住宅を実現し、都市のインフラを統合管理するスマートシティー輸出戦略も本格化する。

 国土交通部と国土交通科学技術振興院によれば、「国土交通科学技術を通じた国民幸福及びグローバル価値創造」という目標の下に策定された「2017年国土交通科学技術研究開発事業」を開始した。

 主なテーマの一つは、小型建築物と非定型建築部材を対象とした3Dプリンティング設計・施工・維持管理技術の開発。民間レベルではなく、国の研究開発課題として取り組むのは今回が初めて。

 韓国建設技術研究院のソ・ミョンベ首席研究員は、「縦・横10m、高さ3mの小型建築物垂直骨組みと、これに対し必要な内外装材などの建築部材を2020年までに3Dプリンターで生産するのが目標」とし、「早ければ19年頃にモデル建築が可能であり、資材・部材の商用化はさらに早くすることができるだろう」と説明した。

CNEWS 1月4日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/スマートシティーの基準制定へ

グエン・スアン・フック首相は、スマートシティーの開発促進を目的に、ガイドラインと基準の制定を関係省庁に指示した。ICT(情報通信技術)でエネルギー消費をマネジメントするスマートシティーは、国内では比較的新しい概念で、事例が少ない。政府は、持続的な開発を目指し、環境配慮型都市の整備に向けた調査・検討を進める方針だ。

 フック首相の意向を受け、情報通信省と建設省は共同で関連法令の整備に着手する。効果的な投資と事業の実現性を高めることが求められる。現在、ベトナム国民の約36%が都市に住んでおり、2020年までに40%に上昇するとみられる。スマートシティーの整備は交通渋滞や大気汚染、住民の健康被害など都市特有の問題解決につながると期待されている。

セイ・ズン 2016年12月25日)

【17年は決断困難な年】英コンサル、17年度版リスクマップ発表

リスクマップ2017(www.coutrolrisks.comから)
世界各地でテロが相次ぎ、主要国での政権交代など先行き不透明感が増した2016年。英国のリスクコンサルティング会社・コントロールリスクスは、グローバル企業にとって17年は、冷戦終結以来最も戦略的決断の難しい年になると指摘している。

 昨年の米国大統領選の結果と英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)で明らかになったグローバリゼーションと自由貿易への脅威が、ビジネスの不確実性がより高まるとみられる17年の前触れとなったようだ。

 コントロールリスクスはこのほど、世界各国の治安や政情の危険度を地図上に表した「リスクマップ」の17年度版を発表。安全リスクと政治リスクをそれぞれ5段階で色分けしている。安全リスクには窃盗や傷害、誘拐などがあり、事業にネガティブな影響を与える政策転換や汚職、経済制裁などが政治リスクに当たる。

 17年に特に注意すべきビジネスリスクには、▽トランプ米次期大統領やBrexitに代表される政治的ポピュリズム▽持続するテロの脅威▽サイバーセキュリティー関連法規の複雑化▽米国での法規制の後退▽激化する地政学的緊張▽偶発的な軍事衝突の可能性-の六つを挙げた。具体的には、米国の環太平洋経済連携協定(TPP)やパリ協定からの離脱可能性とその経済・政治的影響、中国が中央アジアからアフリカ北部にまで広げつつある外交・軍事勢力、南シナ海やクリミアでの紛争などを指摘した。

 発表に当たり、リチャード・フェニング最高経営責任者(CEO)は「グローバルビジネスを活性化してきた地政学的安定や投資・貿易の開放、民主化などが衰えを見せている。国際ビジネスの情勢は複雑化しており、企業幹部はリスクマネジメントの包括的な見直しを行う必要があるだろう」とコメントしている。

【総投資は100億ドル】米ニューヨーク州、JFK空港再整備へ

 米ニューヨーク州が、国内で最も旅客数が多いジョン・F・ケネディ(JFK)空港の再整備を計画している。

 空港機能強化を検討する諮問会議の報告を基に、クオモ州知事がターミナルビルや空港内道路の再整備、商業施設などの新設、航空機誘導路の延伸、空港アクセスの強化などを柱にした提案を発表した=完成予想図。総投資額は100億ドル(約1兆1400億円)を見込んでいる。

 JFK空港は、16年に過去最高の旅客数6000万人を記録し、2050年には1億人に達すると予想する。一方で、旅客取り扱い能力は20年代半ばに限界に達するとみられ、機能強化の必要性が指摘されていた。計画では、増築・改築でターミナルの連結性を高めるとともに、環状道路を建設して敷地内の交通ネットワークを改善。レストランや免税店、会議施設といったアメニティー施設も用意し、21世紀にふさわしい世界トップクラスの空港を目指す。

 空港アクセス強化では、州政府が既存道路の改修に15億~20億ドルの支出を決定。JFK空港が世界の主要空港で市街地からの直通列車がない唯一の空港だとして、路線新設の可能性も探るとした。空港再整備の費用は70億~80億ドル。州政府は最大70億ドルの投資を呼び込めると試算しており、大半を民間資金で賄うことになりそうだ。

 州内では、昨年6月にラガーディア空港の再整備工事も始まった。国内最大規模の官民連携(PPP)事業で、総事業費は40億ドル。18年に一部が供用開始される。

2017年1月17日火曜日

【BIMの課題と可能性】進化を続ける鹿島のBIM・1

本格始動した17年、建築のデジタル化=「建築とコンピュータ」がどのような契機を迎えようとしているのかを、メルクマールとしての「鹿島の現在と近未来」を通して検証する。

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【障害者スポーツの普及に貢献】清水建設と関西学院大学、ボランティア養成講座開く

清水建設が14日、兵庫県西宮市の関西学院大学西宮上ケ原キャンパスで障害者スポーツのボランティア養成講座を開いた。同大学や同社社員らを合わせた80人が参加。パラリンピック出場経験者から障害者スポーツの基礎知識や障害者の誘導方法、車いすの介助方法を学んだ。

 同講座「シミズボランティアアカデミー」は、20年東京パラリンピックの成功に向け、障害者や障害者スポーツに広く精通したボランティアの養成に寄与しようと、15年11月開設。社内講座や東京都中央区の住民を対象に産官連携講座を開いてきたが、産学連携は初めて。

 同大は「マスタリー・フォア・サービス(奉仕のための練達)」をスクールモットーに掲げており、将来を担う学生にボランティアスキルやボランティア精神を学んでもらおうと、社会福祉などを学ぶ学生らを対象に実施。プログラムは障害者スポーツを支援するNPO法人STAND(東京都渋谷区、伊藤数子代表理事)が企画した。

 伊藤正一副学長は「東京パラリンピックを積極的にサポートしたいと考えている。こうした活動を地道に続けることで障害者と健常者が一緒にスポーツを楽しめるようになればいい」と話した。

 日本パラリンピアンズ協会理事で08年北京パラリンピックの視覚障害者柔道90キロ級日本代表を務めた初瀬勇輔氏は「パラスポーツの魅力を知る基礎講座」と題し、パラリンピックの歴史や競技内容を紹介。「見どころが分かれば100倍楽しくなり、好きになって競技に関わると1000倍楽くなる」と、東京大会では間近で観覧し、運営にも積極的に関わってほしいと話した。

 10年バンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケー銀メダリストの上原大祐氏は「コミュニケーションとおもてなし」をテーマに車いす利用者の介助方法を説明。上原氏は「100%のバリアフリーは存在しない。ソフトとハードを合わせて100%になるようにしたい」と述べ、受講者に車いすを体験してもらいながら段差や階段、悪路のサポートの仕方を詳しく教えた。

【震災から22年、経験談語り継ぐ】阪神高速会社、震災資料保管庫を一般公開

 阪神高速道路会社は14、15の両日、阪神・淡路大震災で被災した構造物を保管している震災資料保管庫(神戸市東灘区)を一般公開。2日間で約300人が来場した。

 大震災から22年を迎え、被災経験継承のさらなる契機と捉え、一般市民に震災被害を知ってもらい、防災意識を高めてもらおうと企画した。

 この特別開館では、阪神高速道路会社のOBなどの関係者による被災構造物の説明が行われたほか、震災当時に復旧対応に従事した職員とOBによる講演も行われた。

 14日には、神戸線復旧建設部の部長として復旧・再構築の陣頭指揮を執った出口正義氏が語り部として登場した。

 出口氏は、震災当日の様子や対応などにも触れながら、「当時は作る技術があっても、あれだけ大きい構造物を撤去したり、直したりする技術がなかった中でスタートした」とし、復興車両が通行する国道43号の交通を確保しながら「被災した神戸線が余震で二次災害を起こさないよう、ベントで支えながら工事を展開した」と説明した。

 続けて出口氏は、当時の被災状況や撤去・再構築に使われた技術などを写真で解説しながら、「96年12月までに全線開通が至上命令の中、阪神高速職員とゼネコンら施工業者が知恵と工夫で予定より3カ月も早く復旧することができたが、それは普通の道のりではなかった」と振り返った。

 最後に「開通させただけでなく、以前より強く、そして走り心地のいい道路にすることもできた。地震はいつ来るか分からない。皆さんも備えを十分にしておいてほしい」と訴えた。

【回転窓】「応災力」に目を向けよう

1995年1月17日に発生した阪神大震災は神戸市など兵庫県南部地域を中心に関西地区に甚大な被害をもたらした。6400人以上が命を落とした都市型震災から22年。この間も日本列島は数多くの自然災害に見舞われてきた▼阪神大震災では学生らが被災地で行ったボランティア活動が注目された。政府はボランティアへの関心を高め、災害への備えの大切さを認識してもらおうと同年12月、1月17日を「防災とボランティアの日」にすると決定。96年から実施された▼災害への行政や企業の対応はこの20年で大きく変わった。応急復旧で最前線に立つ建設業界も、万が一への備えに万全を期し、実際に多くの現場でその力を発揮してきた▼一方で、後継者不足や事業継続の難しさから地方を中心にやむを得ず経営を断念した会社も少なくない。応急復旧や復興に備えた体制の維持は、これからも地域そして建設業界にとって重要な課題だろう▼災害時にいち早く現場に駆け付け被災したインフラを復旧する。建設業界の「応災力」にいま一度目を向け、その使命を果たすには何が必要で専門紙は何を書くべきか、考えたい。

【記者手帖】若者引き付ける業界に

この冬最強の寒波が先週から日本列島に襲来し、各地に大雪を降らせている。普段はあまり目にしない雪の積もった名古屋市や広島市の様子がニュースで流れた。本社の四国総局がある香川でも屋根にうっすらと積もった◆子どもの頃は数年に一度、10センチ程度積もる雪がうれしく、雪だるまづくりや段ボールのソリ遊びなどに夢中になった。学生時代にはスキーを始め、山陰や近畿地方のスキー場の積雪状況を新聞でチェックするのが日課だった◆今は仕事柄、雪といえばまず災害が気に掛かる。四国でも14年12月に局地的に大雪が降り、愛媛・徳島県境の国道192号で約130台という大規模な立ち往生が発生。全国で初めて改正災害対策基本法を適用され、除雪車などを集中投入して約17時間で車両の移動が完了した◆大雪や大雨などの災害時に活躍するのは建設業。除雪や土砂の撤去を行って地域を孤立から守る。常に警報に備え、災害が発生すれば出動する。地域の安全・安心になくてはならない存在だ。若者が喜んで就職する業界にしなければ、と大雪のニュースに改めて思う。(宮)

2017年1月16日月曜日

【回転窓】どうぞダウンロードを

 今冬最強の寒波の襲来で記録的な降雪になった地域が多かった。各地で除雪作業を請け負っている建設会社も奮闘した▼除雪作業は交通に支障が出ないよう夜間に行われるのが一般的。吹雪の翌朝に除雪を終えていることも。荒天であるほど作業の様子が一般の人の目には留まりにくい▼災害情報を一般に提供しながら建設会社が活躍する姿も発信しようと、群馬県建設業協会は災害情報共有システム「ぐんケン見張るくん」を運用中。ツイッターを利用し、崖崩れが発生した場所や会員企業による復旧の様子などを紹介。この時期は除雪作業も数多くアップしている▼インターネット交流サイトを利用して企業や団体が情報を発信する活動は活発化しているが、建設業界ではまだ少ないのが実情。群馬建協のように数少ない運営主体には災害時に報道機関からも問い合わせが殺到する▼「どうぞダウンロードして下さい」。群馬建協のサイト管理者は写真の提供依頼に快く応じている。こうした姿勢は建設業を身近に感じてもらい、工事だけではない役割の理解につながるだろう。情報がより多くの人に伝わるよう期待したい。

【凜】東京都交通局車両電気部・伊藤晴香さん


 ◇求められる役割を常に意識◇

 入庁から約2年がたち、分からないことばかりだった1年目からの変化を自分でも感じ始めている。「求められる役割をいち早く察知し、人の役に立てる職員に成長したい」。一流の技術者になるにはまだまだ知識と経験の積み重ねが必要だが、より地に足の着いた目標を描けるようになった。

 現在所属する交通局車両電気部電力課では、都営地下鉄の駅構内などの換気、排煙、冷房といった機械設備の設計業務を担当。都営三田線・新宿線神保町駅の大規模改良工事の設計業務を前任者から引き継ぎ、残りの設計・積算を最後まで仕上げる作業に携わったのは貴重な経験だった。

 日々の業務に当たる上で心掛けているのが、「駅を利用されるお客さまの立場から技術的な課題を検討する」という姿勢だ。図面の作成前には必ず現場に赴き、現在の状況を頭に入れることを徹底している。

 判断に迷うことがあっても、「交通局にはインターンシップ(就業体験)の時から親身に相談に乗ってくれた先輩が多くいる」。こうした風通しの良い職場環境が都庁の技術者を志した理由の一つでもあった。

 休日は屋内で過ごすことが多いが、「新しいものに挑戦するのは好き」とも。普段は落ち着いていて、「これだ」というものを見つけた時に積極的に前へ出る行動力が生来の持ち味であり、強みでもある。

 (電力課機械設備担当、いとう・はるか)

【中堅世代】それぞれの建設業・156

i-Conは正直。大変だが苦労を感じる以上にワクワクしている
 ◇楽しくなければ良いこと無し◇

 建設現場で施工管理に従事する成田徹さん(仮名)は、昨年末も担当現場にクリスマスのイルミネーションを飾り付けた。工事の案内板が華やいだように明るくなる。工事で迷惑を掛けている地域の人たちに少しでも喜んでもらえたら。そんな思いで、数万円の飾りを買い足しながら、毎年続けてきた。

 5回目となった今回、すてきな出会いがあった。ある日、女子高生がイルミネーションをスマートフォンで撮影していた。声を掛けると、「去年もやっていましたよね! 来年もお願いします!」と元気の良い声が返ってきた。通学ルートでの楽しみになっているという。「やったかいがあった」。うれしさがこみ上げて、自然と笑みがこぼれた。

 工事の品質とイルミネーションは直結しない。無駄と言われれば反論しづらい。だが、少々脱線してでも仕事は楽しくやるべきだと思っている。楽しくない現場に良いことはない。現場人生で身に染みている偽らざる実感だ。

 振り返ると、この仕事を始めたころと考え方が随分変わった。最初は、効率やコストを厳しく考えなければと、肩肘を張っていたように思う。効率やコストの追求自体は間違っていないが、型にはまったように絞り上げるのでは、誰も付いてこない。

 工事中は寒い日も暑い日もある。雨の中での作業を余儀なくされることも多い。一人だけで仕事ができれば自分が我慢すればよいが、実際には、多くの作業員が来てくれて初めて現場が成り立つ。せっかく来てもらうのだから、できる限り良い環境で働いてもらいたい-。そうした意識を強く持っている。本年度からは、清潔な女性専用トイレも導入した。「人と接する時には必ず思いやりを持つ。そうすると、作業員の皆さんのやる気も変わってくる」。

 他の現場から戻ってきた作業員に、「成田さんの現場にまた来ることができてよかった」と声を掛けられることもある。現場を進めていると、無理難題とも言えるような頼み事をする場面がどうしても出てきてしまうが、日頃、誠実に振る舞っていれば、相手も頑張ってくれる。

 国土交通省が推進し、話題になっている建設現場の生産性向上策「i-Construction」にも挑戦中だ。昨年度にマシンコントロール(MC)搭載重機を現場に取り入れ、有効性を体感した。本年度は、上司を説得して必要なソフトを購入してもらい、閑散期に必死になって勉強した。3次元データの扱いには骨が折れるが、省力化効果は計り知れない。

 i-Constructionの成長は非常に速い。「日々勉強しなければいけない。油断していると乗り遅れる」。言葉とは裏腹に、不安や懸念よりも充実感がにじみ出た表情で話す。

 周りの人が楽しく、何より自分が楽しく-。そこから生まれる好循環が一番の武器だと思っている。

【サークル】JFEエンジニアリング 陶芸サークル


 ◇作りたいものを自分の手で自由に作る◇

 2013年に会社公認のサークルとして発足。昨年末時点で約40人が所属する。グループ会社を含め、幅広い年齢層のメンバーが陶芸を通じて交流を深めている。

 「自分の作りたいものを、全て自分の手で自由に作ること」が活動のモットー。粘土を練るところから、うわぐすりをかけて焼くところまで、すべてメンバー自身の手で行う。そのため、実用的な作品から前衛的な作品まで、さまざまな作品が次々と生まれているという。

 週2回の通常活動の場は社内にある立派な工房。OBの先生に丁寧に指導してもらえるため、初心者も安心という。創作活動の成果は年1回の作品展で発表。サークル内外から好評を博している。

 「今後の活動継続のためにも、先生の技術を受け継ぐ後継者を育てたい」と話すのは、代表の田中嵩大さん(調達部)。陶芸という芸術活動の性格上、一朝一夕に実力が伸びることはないが、「陶磁器制作は素晴らしい営み。今後も日々の活動を大事にしながら、次の作品展でより素晴らしい作品を展示できるよう努力を重ねていきたい」と意欲を語る。

【駆け出しのころ】大豊建設取締役執行役員副社長兼東北支店長・大隅健一氏

 ◇現場での仕事が次につながる◇

 大学では農業土木を専攻しました。入社した昭和49(1974)年は同期が186人で、中途採用も含めると240人ほどいましたが、オイルショックの影響で翌年からは大幅に採用人数が減るという時代でした。

 東京・代々木の施設で新入社員研修を受け、都内のシールド工事現場に配属されました。所長は同じ大学の先輩で、会社も新人には先輩がいるところがいいだろうと配慮してくれたのだと思います。

 現場で最初に覚えた仕事は事務所の掃除です。毎朝の日課であり、「掃除も仕事のうち」が所長の口癖でした。当時、現場事務所の床はベニヤ板の上にワックスが塗ってあるもので、これを掃き掃除すると塗り直さなければなりません。毎日ではなかったものの、一人でやるとたっぷり40分ほどはかかりました。さらに机の上も拭きますので、この掃除が結構きつかったのを覚えています。

 一方で、受注して間もない工事でもあったため、工期3年の間に測量や図面の見方など一通りの仕事を教えてもらうことができました。そういった意味では新人として恵まれたスタートを切れたと思います。

 この現場では立坑に圧気をかけ、そこから掘進していくための設計も任せていただきました。昼間の仕事を終えて夜に設計するのですが、これには4、5カ月ほどかかったでしょうか。こうした経験を踏ませてもらったこともあり、貫通を迎えた達成感は非常に大きく、貫通式の日には事務所で皆と夜通し騒ぎました。今でもいい思い出になっています。所長からは、図面を精査し、実際に現場を自分の目で見て判断することの大切さを学びました。

 ここを皮切りに現場勤務は26年間に及び、これらすべてが都内の現場でした。これまで「いい仕事をしてうまい酒を飲もう」とよく言ってきました。営業の最前線は現場であり、現場でいい仕事をしてこそ、次の仕事につながります。それと仕事はだらだらやらず、エンドを決めてやることが必要です。1日24時間をどううまく使うか。私も若いころに言われたことです。

 自分でやれることは、できるだけ人に相談しないでやってきたつもりです。その代わり、自分で無理だと思ったら早めに相談し、助けてもらってきました。

 これも大切な仕事の見極めです。こちらからの確認に「大丈夫です」と言っていたにもかかわらず、期限が近づいて「やはりできません」となるのが一番困ります。

 社内では「悪い報告こそ早くするように」とも話しています。トラブルが発生した時、処理の仕方で問題が大きくもなるし、小さくもなります。その判断を間違えてはいけません。

 (おおすみ・けんいち)1974年宇都宮大農学部卒、大豊建設入社。広島支店工事部長、東京支店土木部長、東北支店副支店長、執行役員東北支店長、取締役常務執行役員東北支店長などを経て、16年から現職。埼玉県出身、65歳。
会社の仲間とハゼ釣りを楽しんだ時の一コマ