2015年2月4日水曜日

環境省/中間貯蔵施設予定地で建設工事始まる/福島県双葉町・大熊町で

 環境省は3日、福島第1原発事故に伴う除染で出た福島県内の汚染土壌などを最長30年間保管するために整備する中間貯蔵施設の予定地で初の建設工事を始めた。施工は前田建設・西松建設・田中建設JVと清水建設・熊谷組JVが担当する。住宅地の仮置き場などに残された膨大な量の汚染土を搬入する施設で、政府は復興加速に不可欠な施設と位置付けている。雪が残り、放射線量も高い現場で、防護服姿の作業員ら総勢100人が作業に取り掛かった。  今回着工したのは試験輸送で搬入される汚染土などを受け入れるストックヤードの設置工事。福島第1原発の北側に位置する双葉工業団地(双葉町)と南側の大熊東工業団地(大熊町)の2カ所に設ける。施工は双葉を前田建設JV、大熊を清水建設JVが担当する。いずれも一般の立ち入りが制限される帰還困難区域にある。  原発からの距離は双葉の現場が200メートル程度、大熊が1・0~1・5キロ程度で、作業開始前の空間放射線量は双葉が毎時5マイクロシーベルト前後、大熊は同20マイクロシーベルト前後に上った。元請の職員や協力会社の作業員の多くは除染事業の経験者だが、清水建設JVの関係者は「除染の現場よりも線量がかなり高く、一層気を付けなければならない」と気を引き締める。  ストックヤードの敷地面積はそれぞれ3万平方メートルで、中間貯蔵施設全体(16平方キロメートル)に対して270分の1の規模。それぞれ1万立方メートルの汚染土などを保管できる。まず周辺の除染を実施し、道路の補修、敷地造成などを行う。3日は午前8時からバックホウによる除染と敷地造成などの工事を始めた。  工事は4月30日までに完了させる。完成後は汚染土を詰めたフレコンバッグを3~5段積み上げ、本格貯蔵まで一時保管する。搬入開始から1年間は試験輸送期間で、環境省は震災から4年を迎える3月11日までの搬入開始を目指す。  中間貯蔵施設の整備は民主党政権下の11年に決まったが、「中間貯蔵がそのまま最終処分場になるのではないか」などと懸念する地元の理解を得るのに時間を要した経緯がある。今後も地権者との交渉に時間がかかる見込みで、本格着工の見通しは立っていない。

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