2015年2月23日月曜日

凛/国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所工務課・高橋智子さん

◇選んだ道に間違いはない
 地元の長岡工業高専に通っていた04年、新潟県中越地震が発生した。電力、水道などライフラインの機能がまひした被災地に、多くの地域から道路ネットワークを通じて支援物資が送られてきた光景が今も目に焼き付いている。「道路による地域のつながりの大切さを知った瞬間だった」。
 関東地方整備局の門をたたいたのは、「被災した自分の経験を首都圏の災害対策に役立てたい」との思いから。入省2年目の11年3月に東日本大震災が発生した時には、先輩たちが被災地の応援に向かう背中を見て、「選んだ道に間違いはない」と確信したという。以降、経験を重ねるごとに仕事に対する充実感も増している。
 現在は横浜国道事務所工務課で、神奈川県内に整備中の横浜湘南道路、小田原箱根道路などの工事費を算出する業務を担当する。工事発注の手続きは設計、積算、入札公告など複数の担当者で行う共同作業のため、「スケジュール管理には細心の注意が必要になる」。
 できるだけ、現場に足を運ぶ時間も確保し、「入札公告時にどの業者が見ても分かりやすい積算の条件明示を行うよう心掛けている」。
 今後は、インフラの社会的役割を一般に広く知ってもらうため、「技術力の向上とともに、言葉の表現力にも磨きをかけたい」。その一環として、土木を学ぶ学生に「関東整備局は、地域づくりの始まりから終わり、完成から維持管理まで携われる魅力的な職場」とメッセージを送る。(たかはし・ともこ)

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