2015年2月6日金曜日

建築学会関東支部/日本基督教団芝教会(東京都港区)の保存を要望

 日本建築学会関東支部(長谷見雄二支部長)が、建物の解体が検討されている「日本基督教団芝教会」(東京都港区)の保存を求めている。
 教会は1936年に建設され、設計は大林組に在籍した間野貞吉(1903~79年)が担当した。建築史に詳しい藤田康仁氏は「関東大震災後に建設された鉄筋コンクリート造の教会建築の実際を現在に伝えるものとして、重要な建物」としている。
 間野は、東京帝国大学工学部建築学科を卒業後、設計会社などを経て大林組に入社し、戦後日本のゴルフ施設建設に貢献した建築家として知られている。
 同教会は、日本建築学会が明治~昭和時代の重要建築物をリストアップした『日本近代建築総覧』(80年)にも掲載され、昭和戦前期のキリスト教建築として高く評価された建物。80年近く、虎ノ門1丁目地区の都市景観を構成してきた貴重な存在でもある。
 建物内部では、幾何学模様のステンドグラスや照明器具、玄関扉をはじめとした木製の建具、説教壇、会衆用座席、椅子といった細部の装飾も意匠的・技術的価値が高い。壁面に張られたボード状の建材や粒状にカットされた窓ガラスなど現在では珍しい建築材料も使われ、その希少性は高いという。
 教会は都道環状第2号線周辺の再開発に伴い16年度の解体が検討されており、関東支部は日本基督教団、同芝教会、虎ノ門一丁目地区市街地再開発準備組合、港区教育委員会に要望書を提出。教会の保存活用を求めている。

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