2015年3月5日木曜日

回転窓/貧乏な人とは…

 開会中の通常国会で、相も変わらぬ「政治とカネ」をめぐる問題が連日取りざたされている。献金に違法性があるのかないのか、閣僚の認識や首相の任命責任は…▼先の総選挙で存在感を示せなかった野党が、ここぞとばかりに一強多弱の国会に風穴を明けようとしている面もあるのだろう。有権者としては、こんな問題ばかりが噴出して大事な政策論議がおろそかになりはしないかと心配になる▼政治とカネをめぐる論戦を聞いていると、政治家に清廉性を求めるのは難しいと感じるし、実際そう思っている人は多かろう。しかし、世界を見渡せば必ずしもそんなことはないようだ▼先ごろ退任したウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領の報道を見て、政治家とはどうあるべきか、あらためて考えさせられた。ムヒカ氏は10年3月の大統領就任後、収入の大半を社会福祉活動に寄付して質素な暮らしを続け、「世界一貧しい大統領」といわれた▼12年に国連の会議で行ったスピーチは絵本にもなっている。「貧乏な人とは無限な欲があり、いくらあっても満足しない人」ムヒカ氏のこの言葉を国会の先生方に贈りたい。

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