2015年4月17日金曜日

【回転窓】インフラのストック効果


 東京・霞が関にある国土交通省の庁舎の正面玄関脇で、インフラの「ストック効果」を知ってもらおうというパネル展示が行われている▼〈高速道路ができて養殖マダイの全国シェアが拡大!〉〈十勝の産業を支える交通基盤、生乳生産量が増えた!〉〈水質改善で松江に新たな観光名所が誕生!〉…。それぞれのパネルが、そんな表現で整備後の効果を分かりやすく示している▼ストック効果には「生産拡大効果」と「民間投資誘発効果」があり、相互に連関しながら経済の発展につながっていく▼埼玉県東部の春日部市などでは、世界最大級の地下河川「首都圏外郭放水路」が整備されたことで、水害が1980年代の10分の1以下に減ったという。春日部市は「水害に強い都市基盤」をPRし、物流倉庫や大型ショッピングセンターの誘致に成功している▼海外に流出する可能性があった企業を国内にとどまらせるなど、インフラ整備には立地競争力を高める効果もある。とかく短期需要の「フロー効果」で語られがちな公共投資。ストック効果は建設業の社会的役割をより明確に示すことにもつながるだろう。

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