2015年5月15日金曜日

【ここまできたか】鹿島が次世代建設生産システムを実用化/建機の自動運転など無人化施工技術活用


 鹿島は14日、建機の自動運転など無人化施工技術を核とした次世代の建設生産システムを開発したと発表した。従来の遠隔操作技術とは異なり、作業員がタブレット端末を使って複数の建機に作業内容を事前に指示し、無人で建機を稼働させる。このほど実工事に導入し、振動ローラーとブルドーザーの自動運転に成功した。今後、適用機種を増やし、建設工事の無人化・自動化を推進していく。
 開発した次世代建設生産システム「A4CSEL」(クワッドアクセル)では、衛星利用測位システム(GPS)やジャイロセンサーなどを搭載した建機に、タブレット端末を介して指示を出して建機が自動で稼働する。熟練オペレーターの操作データを収集・分析した制御プログラムを取り入れ、高い作業精度を確保したのが特長だ。

自動化装備した振動ローラ
障害物などの感知機能も備え、自動で作業を停止するなど、安全性を高めた。建機に搭載した計測機器で出来形データなどを管理し、よりスムーズに3次元モデルを制作できる。
 同社は福岡県が発注した「五ケ山ダム堤体建設工事」(福岡県那珂川町)に、同システムを搭載した振動ローラーとブルドーザーを導入。振動ローラーでは直線や切り返し走行を行い、作業誤差が計画値のプラスマイナス10センチ以下に収まった。コマツと共同開発した自動ブルドーザーではRCDコンクリートのまき出し作業を実施し、熟練オペレーターと同等の作業精度を確認した。
 今後は適用機種を拡大し、大型ダンプや油圧ショベルでも自動運転できるように研究を進める。鹿島・竹中土木・三井住友建設JVが行う「大分川ダム建設(1期)工事」(大分市下原地先、九州地方整備局発注)など、他の造成工事やダム工事でも自動化システムを適用する予定だ。
 鹿島の三浦悟技術研究所プリンシパルリサーチャーは「技術者不足は業界全体の課題だ。当社だけでなく業界全体で取り組んでいきたい」と話している。

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