2015年5月15日金曜日

【住みたい街NO.1が変わろうとしている】東京都武蔵野市が吉祥寺駅周辺街づくり計画策定


 東京都武蔵野市は、JR中央線と京王井の頭線が乗り入れる吉祥寺駅周辺の再整備のあり方などを示した街づくり計画を策定した。駅周辺を四つのエリアに分け、地域特性に合わせて再整備手法を明示。老朽化した建物の共同建て替えや駅前広場の整備、市道の拡幅などの施策を盛り込んだ。各施策の具体化に取り組み、地域住民や来街者がより安全、快適に過ごせる環境整備を誘導していく。
 市が今回策定した街づくり計画は、吉祥寺駅周辺の中長期的な再整備方針「NEXT―吉祥寺」の後期計画(15~18年度)。前期計画(10~14年度)は10年3月に策定済み。市は前期計画に基づき、民間事業者と協力・連携しながら駅周辺施設の再整備に着手。南北自由通路の整備や京王吉祥寺ビルの建て替え、駅出入り口のバリアフリー化対策などが14年度までに完了した。
 前期計画の各種施策によって来街者が増加すると予想する市は、新たに後期計画を策定。駅周辺地域を▽セントラルエリア▽ウエストエリア▽イーストエリア▽パークエリア―の4地区=図参照=に区分し、それぞれのエリア特性に合わせて、より快適で魅力あふれる空間づくりを推進するための施策を明示した。

吉祥寺駅北口から伸びるサンロード商店街
吉祥寺のメーンストリートはいつも多くの人でにぎわう
セントラルエリアでは、飲食店や服飾店など小規模施設が密集し、大規模地震による広範囲の延焼被害が懸念されるため、老朽化した施設の共同建て替えを促進する施策を展開。その一環で、エリア内の市道190号線を拡幅する。拡幅整備のための用地買収に向け、地権者との交渉を引き続き進める。3月時点の用地取得率は71%。
 ウエストエリアでは、施設用途を制限し、商業施設の誘致やマンション開発を促進するための地区計画を導入する方針。容積率や高さ制限などの緩和措置も検討する。
 イーストエリアでは、市道298号線沿いに歩行者空間を確保するため、拡幅事業を行う。図書館など市の文化施設が集積する駅北側の回遊性を高めるのが狙い。このほか、駐輪場として暫定利用中の市有地の高度利用を図るため、活用策の検討に入る。

 ◇グランドデザインの改定作業に着手◇

 パークエリアでは、築50年の武蔵野公会堂(吉祥寺南町1の6の22、敷地面積1900平方メートル)と周辺の既存建物を一体的に再整備する方針。公会堂はRC造地下1階地上3階建て延べ約2500平方メートルの規模。エリア南側で市が駅前広場の整備を進めるほか、吉祥寺駅から井の頭恩賜公園の間を歩行者が安全、快適に歩行できるように、七井橋通りの拡幅事業も進める。
 市は前期計画と、今後取り組む後期計画の成果を踏まえ、駅周辺の将来像をまとめた「吉祥寺グランドデザイン」(07年3月策定)の改定作業に入る予定だ。

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