2015年5月22日金曜日

【快適な駅づくり推進】首都圏主要民鉄の15年度設備投資計画出そろう



 ◇ホームドア設置など拡充◇

 首都圏の民間鉄道各社の15年度設備投資計画(鉄道事業)が出そろった。8社の投資総額(見込み)は1864億円。14年度は公表していない京王電鉄を除く7社で比較すると、投資総額は前年度比8・6%増加した。東日本大震災以降に注力してきた防災・減災対策に加え、ホームドアの設置やバリアフリー設備の増設、駅舎のリニューアルなど安全・快適な駅施設の整備を推進する動きが目立ってきた。
 計画を公表したのは、▽東武鉄道▽小田急電鉄▽京王電鉄▽京浜急行電鉄(京急電鉄)▽東京急行電鉄(東急電鉄)▽京成電鉄▽西武鉄道▽相鉄グループ-の8社。8社のうち投資規模が昨年度比10%以上増加したのは、東急電鉄、小田急電鉄、相鉄グループの3社だった。
 各社とも鉄道構造物の耐震補強工事を中心とした防災・減災対策を引き続き推進。耐震化率は順調に上昇し、京成電鉄はトンネル中柱の耐震補強を年度内に全線で終えるとしている。
 耐震化の取り組みをさらに強化する動きもある。東急電鉄は、高架橋柱のうち倒壊する可能性のあるものに加え、倒壊の危険がなくとも損傷の可能性があるものの耐震補強に着手するほか、盛り土や擁壁など土木構造物にも耐震化の対象を広げることを検討している。

京成電鉄の連続立体交差事業で完成した高架化された鉄道
 利用者の安全対策の一環としてホームドアの設置工事に注力する方針を示したのは、東急電鉄と相鉄グループ。東急電鉄は1月、20年までに約300億円を投じて東横線・田園都市線・大井町線の全64駅にホームドアを設置する計画を発表し、本年度は10駅で工事に着手する。相鉄グループは横浜駅(横浜市西区)に設置する。
 駅舎のリニューアル工事も各社が推進中。小田急電鉄は新宿駅(東京都新宿区)西口地下、西武鉄道は池袋駅(東京都豊島区)で実施するなど、主要駅のリニューアルも目立っている。バリアフリー設備の設置・増設は、郊外の駅で増えている。
 連続立体交差(連立)事業では、西武鉄道が東村山駅付近(東京都東村山市、延長2・3キロ)の事業に1月着工。東武鉄道が竹ノ塚駅付近(東京都足立区、同1・7キロ)と清水公園駅~梅郷駅間(千葉県野田市、同2・9キロ)の2カ所で事業を進めている。

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