2015年5月14日木曜日

【本気の本気で都市開発】三井不動産が成長戦略発表

ららぽーろ海老名の完成イメージ
 三井不動産は、13日に発表したグループ中期経営計画「イノベーション2017ステージII」で各事業分野の成長戦略を発表した。再開発事業などの街づくり分野では「ビジネスとくらしのソリューションパートナー」を目指し、建物用途の複合化など都市間競争力の向上に寄与する施策を推進。マンション開発が主体の住宅事業では、東京都心エリアでの大規模開発に注力する。将来的に需要の増加が見込める物流施設事業やホテル・リゾート事業も拡大。海外事業は、全事業に占める比率(営業利益ベース)を10%以上に高める考えだ。

日本橋二丁目地区再開発の完成イメージ
 主力のオフィスビル事業などを含めた国内の設備投資(5500億円)の7割程度は、東京の日本橋、日比谷、八重洲などの大規模開発プロジェクトに充てる。既に着工している「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」や「新日比谷プロジェクト」に加え、9月には「TGMM芝浦プロジェクト」、12月には「日本橋室町三丁目地区第一種再開発事業」が本体着工を予定。「大手町一丁目2地区開発事業」や「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」など今後の開発計画も多い。

 ◇建築物の複合用途化で都市間競争勝ち抜く◇

 菰田正信社長は記者会見で、「都市間競争が激しくなっており、街づくりの差別化戦略としてソフトが重要になっている」と指摘。オフィスや住宅などの複数の用途を複合化して開発したり、オフィスビル内に子育て施設や海外のビジネスマン向けの施設を配置したりするなど、多様な開発手法を実践する考えを示した。
 住宅事業は、PPP(官民連携)事業の「渋谷区新庁舎・新公会堂建て替え事業」など東京都心の大規模開発を進めるほか、「海外富裕層の需要も取り込むため、都心エリアでハイエンド物件を開発する」(菰田社長)としている。
 「ららぽーと」が主体の商業施設事業は、これまで培ったノウハウを生かし、さらなる事業機会の獲得を目指す。菰田社長は「市街化調整区域や農地などを対象とした難易度の高い開発で差別化を図る」と述べた。成長分野の物流施設事業は、12~17年度に2000億円を投資する計画だったが、投資額を上方修正して開発を加速する。3大都市圏に加えて地方中核都市にも進出する考え。ホテル・リゾート事業は、総客室数を現在の5400室から20年度までに1万室に倍増させる計画。高級クラスの新ブランドも開発・展開する予定だ。

米・ニューヨークで進行中の55ハドソンヤード計画
 海外事業は「55ハドソンヤード計画」(米ニューヨーク)や「テレビジョンセンター再開発計画」(英ロンドン)などを推進。アジア圏ではマンションや商業施設の開発も手掛ける。


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