2015年5月13日水曜日

【回転窓】業績修正相次ぐ今


 ここ1、2カ月ほどの間に本紙に掲載された企業関連の記事で、頻繁に登場する言葉が「上方修正」。上場建設会社の多くが15年3月期の業績予想を上方修正した▼円安による為替差益の発生や手持ち工事の採算改善などが要因。中には連結ベースの売上高が期初予想より数百億円増えると見込む会社もある。需要低迷にあえいだころと経営環境は様変わりしている▼2020年東京五輪に向けて建設需要が上向いているとはいえ、1年の業績を正確に予想するのは難しい。各社とも期初に堅めの予想を立てていたとの見方もできるが、これほど上方修正が相次ぐ年は特筆できる▼気になるのは今後の需要動向。バブル崩壊やリーマンショック、公共事業費の大幅削減などいくつもの大波にさらされてきた建設業界だけに、需要増に浮かれている時間はなかろう▼国際通貨基金(IMF)は先月、15年の日本の実質経済成長率を1・0%と1月時点の予測から0・4ポイント上方修正した。堅調な成長が続くうちにどれだけ足腰を強くできるか。既定路線の修正もいとわぬ思い切った事業戦略が求められる時代になっている。

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