2015年7月8日水曜日

【三陸沿岸道、工事着々】気仙沼湾横断橋が着工/下部工施工は鹿島JVと東亜建設工業JV

横断橋の完成予想パース(鹿島JV提供)
 宮城県気仙沼市を通過する三陸沿岸道路最大の構造物である「気仙沼湾横断橋(仮称)」の下部工工事が小々汐(こごしお)、松崎の両地区で着工を迎えた。
 6日、気仙沼市役所で宮城県漁業協同組合の小野喜夫代表理事長と東北地方整備局の縄田正局長が漁業補償契約に調印した。これを受けて現地で下部工工事の安全祈願祭が開かれ、神事と鍬入れが行われた。
 気仙沼市街地と離島の大島を連絡する市民念願の横断橋の建設事業。
 下部工のうち、小々汐地区の施工は鹿島・東亜建設工業JVが担当。橋脚(P12)1基を海中に構築するほか、終点側橋台(A2)1基を建設する。P12は径1500ミリの鋼管矢板91本を海底に打ち込み、基礎とする。A2は径3000ミリの深礎杭を6本打設する。
 松崎地区の施工は東亜建設工業・不動テトラJVが担当。起点側橋台(A1)と橋脚(P1~P3およびP9~P11)6基を陸上部で建設する。地盤が強固なため、基礎部分の岩盤を除去し砂と入れ替え締め固めを行う。
 下部工の工期は両工区とも18年3月の予定。工事の進ちょくに合わせ、上部工工事が発注される。全体が完成すると、橋長1344メートル、最大支間長360メートル、桁下高さ約32メートルの3+7径間連続鋼箱桁橋と3径間連続鋼斜張橋による東北最大級の橋梁となる。
 縄田局長は「内陸側は国道45号のバイパス整備が進んでおり、三陸沿岸道側は市街地を迂回(うかい)しながら大島へとルートをとった」と横断橋の位置付けを説明した。菅原茂気仙沼市長は「市民が夢に見た橋が実現する。漁協関係者の皆さんには苦渋の決断と協力をいただけたことに感謝している」と述べた。
 施工者を代表し、鹿島の増永修平専務執行役員土木営業本部長は「命の道、経済振興や観光の支えとして期待される横断橋の橋脚工事を細心の注意を払って進めていく」と決意を表明した。

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