2015年8月26日水曜日

【回転窓】ラジオとパラリンピック

 放送作家でタレントの永六輔さんがかつて、ラジオ番組で五輪とパラリンピックを〈できるなら同時開催してほしい〉と話したことがある(永六輔著『言っていいこと、悪いこと』光文社刊)▼午前と午後に競技を分けたり、五輪の会期中にパラリンピックをやったりする。こうすることが、福祉の世界で言われる「バリアフリー」や「ノーマライゼーション」ではないかというのだ▼五輪終了後に引き続き同じ場所でパラリンピックが開かれるようになったのは、1988年のソウル大会から。2020年東京大会での実現は無理だとしても、五輪との〈同時開催〉に賛同する人は少なくなかろう▼パラリンピックは戦争で脊髄を損傷した軍人のリハビリをしたのが始まりという。マスコミが平和の大事さに話を持っていくのならいいが、五輪同様に〈日本が勝ったぞ〉といったやり方では〈ちょっと危なっかしいな〉と永さんは危惧する▼TBSラジオが「土曜ワイドラジオTOKYO永六輔その新世界」を9月末で終了すると発表した。91年4月の放送開始から24年半。週末の名番組を聞けなくなるのが寂しい。

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