2015年8月27日木曜日

【回転窓】ミツバチと都市の共生

 東京の都心部でビルの屋上を活用した都市型養蜂が盛んだ。今春、丸の内にある日本工業倶楽部会館の屋上で新たな養蜂プロジェクトがスタート。周辺の飲食店のシェフらが採れた蜂蜜を使った新メニューを開発し、今月から各店舗で味わうことができるという▼丸の内のプロジェクトを支援するのは農業生産法人「銀座ミツバチ」。06年から東京・銀座で都市型養蜂を続ける先駆的な存在だ▼鹿島も13年に八重洲ブックセンター本店の屋上で、生物多様性に配慮した都市づくりに向けたデータ収集を目的に養蜂を開始。本年度から書店のイベント開催時などに、採集した蜂蜜を販売している▼超高層ビルに囲まれた都心のど真ん中で行われる養蜂だが、予想を超える大量の蜜を採集できる。皇居や浜離宮などの緑地が近いことに加え、植樹された公開空地の整備やビルの屋上・壁面の緑化が進み、蜜のもとになる草花は案外豊富なようだ▼環境教育や地産地消グルメによる地域ブランドづくりなど、街の新たな魅力創出で注目を集める都市型養蜂。環境保全と都市開発の共生策として、さらなる広がりを期待したい。

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