2015年8月7日金曜日

【回転窓】インフラ用ロボの難しさ

 これまで技術者の経験やノウハウに委ねる部分が大きかったインフラの点検診断。これをロボットに置き換えることの難しさは、国土交通省が14年度に現場で行ったロボット技術の検証で明らかになった▼与えられた条件を満たせず、開発者が想定したようにはロボットが動作しないといった場面が数多く見受けられた。室内で条件が均一な工場向けのロボットと異なり、屋外で周辺の自然環境も一つ一つ異なるインフラを相手にするのだから、乗り越えるべきハードルは多く、しかも高いのだろう▼12年12月の中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故をきっかけに、インフラの維持管理のあり方が問われるようになった。膨大なインフラストックがそれぞれ期待された機能を保ち続けるためにも、点検診断で現状をしっかり把握する必要がある▼人口減少社会の中で効率的な点検診断を実現するために、ロボット技術はやはり欠かせない。それは政府の成長戦略にも位置付けられている▼国交省の現場での検証は本年度も行われる。クリアすべき課題は多いが、一つ一つ解決し、実現に近づくことを期待したい。


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