2015年8月6日木曜日

【ひと】日測協女性の技術力向上委員長・杉森純子氏


 ◇女性が戻れる職場環境を◇

 日本測量協会が6月23日に新設した組織のトップに就任した。協会会員のうち、女性が2%にとどまる現状に対し、「結婚や出産を境に退職した女性技術者の6割は職場に戻りたいと思っているが、技術革新が速く、職場復帰に不安を覚える人が多い」。こうした不安を払しょくするため、来年5月に打ち出すアクションプランには多技能習得向け講習会、場所も時間も自由なeラーニングで学ぶ方策を盛り込み、女性の職場復帰がかなう環境づくりを支援する。
 会社に入社した当初は空撮写真から地図を作る仕事に携わったが、結婚、出産、子育ての期間中は家庭と仕事を両立させるため、図面編集、海外営業、技術開発などの仕事を経験した。委員会の名称に「技術力向上」をうたったのは、「多様な技術を身に付ければ業務のシフトが可能になり、長く働き続けられる」という自らの経験からだ。「離職した技術者が保有する資格を協会に登録し、再就職を支援する仕組みができればいい」と将来の夢を語る。
 小学生の時にほしいものを聞かれ、「地球儀」と答えたほどの地図好き。「人気のグーグルマップも測量技術がベース。地図の楽しさを伝え、若手女性技術者の入職につなげたい」。
 (すぎもり・じゅんこ)名古屋大文学部地理学専攻卒、朝日航洋入社。空間情報地事業本部航測課・数値地図課、国際業務部、地図情報部を経て、現在は技術企画部所属。測量士。愛知県出身。

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