2015年8月27日木曜日

【浅瀬・岩礁も正確に測量】パスコが航空レーザー測深機導入、上空から水中地形測量

(左)三次元座標点群、(右)同時撮影航空写真

計測結果から作成した陰影段彩図

 パスコは26日、水深の浅い岩礁地帯などの水中の3次元座標を上空から効率的に計測できる「航空レーザー測深機(ALB)」を導入したと発表した。水中地形を測量する場合、一般的には測量船による測量が必要だったが、船が進入できない浅瀬や岩礁では正確な計測が難しかった。ALBを搭載した計測用の航空機が上空からレーザーを照射することで、水深数十メートル程度まで計測が可能。地上部の計測も同時に行うことができるため、作業の効率化にも貢献する。
 ALBは、地上部と水面を計測する近赤外レーザーと水中部を計測する緑色レーザーを同時に照射することで、水面に反射する信号の往復時間と、水を透過して水底に反射する往復時間の時間差から水深を算出し、地上部と同時に水中部の3次元座標を計測するというシステム。計測の際は、高解像度デジタル航空カメラでの撮影も同時に行うため、座標の情報だけでなくフルカラー画像データも取得できる。

 水中部の計測は、水質にもよるが、水深数十メートル程度まで上空から可能。河川や海岸線の浅瀬や岩礁エリアなどを効率的に計測するのに適している。測量船の計測範囲に対して倍以上の範囲を上空から一挙に計測でき、作業効率の向上が期待できる。地上部と水中部を同時計測することで、3次元地形モデルを継ぎ目なく統合することもできる。

 水中測量は、河川の維持管理や土砂流動のモニタリング、港湾の安全管理などで行われている。ALBをこれらの作業に活用することで、作業の効率化と安全性向上を実現する。

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