2015年9月4日金曜日

【トイレの奥深さがよーーーく分かる】TOTOミュージアム、北九州市に開館

 

外観は緑豊かな大地と水滴をイメージした
2017年に創立100周年を迎えるTOTO。記念事業の一環として創業の地、北九州市小倉区で建設を進めていた「TOTOミュージアム」が完成し、8月28日にオープンした。これまで製造してきた衛生陶器やユニットバスルーム、水栓金具などを年代別に展示。東洋陶器時代の1970年まで製造していた貴重な食器類も数多く取りそろえている。TOTOブランドを世界に向けて発信していくランドマークが誕生した。

 ◇七つの視点で100の環境配慮手法を採用◇

 新しい施設は、本社・小倉第一工場の敷地内に建設された。TOTOミュージアム(旧歴史資料館)、北九州ショールーム、研修センター、ホールなどで構成する。創業の精神やものづくりへの思いとともに、新しい生活文化を創造してきた歴史と進化を紹介。今後も社会と共に発展していくという決意を広く伝える施設を目指したという。ミュージアムは、「緑豊かな大地」と「水滴」をイメージし、大地と水を象徴した建築デザインが特徴。「TOTOは人と地球のまいにちに潤いをもたらす環境づくりに貢献する」というメッセージを表現した。

国産初の腰掛け式水洗便器
同社がグローバルに取り組む環境活動の指針「TOTOグローバル環境ビジョン」に基づいて計画された環境配慮型施設でもあり、△水△熱△電力△素材△緑△長持ち△空気―の七つの視点による100個の環境配慮に関する技術と知恵を実践。同社の環境貢献技術を結集し、地球環境に優しい建物を実現している。環境配慮手法の中には、衛生陶器の製造時に発生した陶器の破片(約32・4トン)を暖房用の蓄熱材として活用したり、衛生陶器の製造工程で使用した「アルミナ玉石」を玉砂利として再利用したりするなど、TOTOらしい技術や知恵が盛り込まれている。このほかに、煙突の効果を利用した換気・暖房システム「ソーラーチムニー」など施設の随所に環境配慮手法を取り入れた。


 ◇創業地・小倉から世界にブランド発信◇

 ミュージアムは、旧歴史資料館の約4倍のスペースを確保し、四つの展示室を備えている。第1展示室では、創業から現在までの歩みを製品や写真で紹介。1914年に完成した初代の腰掛け式水洗便器を復元展示した。同社にとってものづくりの原点であり、日本初の水洗便器としてミュージアムのシンボルに位置付けられている。第2展示室では、TOTOのものづくりの心と水回り製品の進化を紹介する。「TOTOのこころざし」と題したコーナーでは、森村グループ創始者・森村市左衛門、TOTO創立者・大倉和親、5代目社長・江副孫右衛門の功績など同社に受け継がれるものづくりへの思いが紹介されている。

TOTOが追求する「ものづくり」を分かりやすく開設
「水まわり商品の進化」コーナーでは、過去に商品を納入した著名現場を再現。1964年の東京五輪の時にホテルニューオータニに納入された初代ユニットバスルームや、霞が関ビルディングの初代ユニットトイレなどを展示している。第3展示室は、海外開拓の歴史と、世界各地で現在展開している商品をエリア別に展示している。特別展示室は企画展スペースで、今回はミュージアム建設のプロセスを設計・施工・内装の三つの視点で紹介している。今回初めて作成したTOTOミュージアムオリジナルグッズなどを販売するショップや休憩ラウンジ、図書コーナーも設けている。

各年代の便器がずらり。日本の生活様式の変化がよく分かる

0 コメント :

コメントを投稿