2015年10月20日火曜日

【おめでとうございます】鉄筋工日本一に松田優作さん、全鉄筋が「TETSU1-GP」開催

鉄筋工日本一を掴み取った松田優作さん。
「社長や同僚が練習に付き合ってくれた」おかげと話す
◇精鋭34人が〝技〟競う◇

 全国鉄筋工事業協会(全鉄筋、内山聖会長)は17日、「第1回全国鉄筋技能大会」(TETSU-1 GRANDPRIX)を富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)で開いた。鉄筋工の日本一を決める初めての全国大会で、全国の会員組合・協会の予選から選ばれた精鋭34人が国家技能検定鉄筋組立1級の問題に、はら筋一段を追加した課題の製作に取り組んだ。作業時間と精度を採点し、1位に飛田鉄筋工業(協同組合東京鉄筋工業協会)の松田優作さん、2位に吉岡鋼業(愛媛県鉄筋業協同組合)の川本竜一さん、3位に富田興業(関西鉄筋工業協同組合)の南昌宏さんが選ばれた。

 TETSU-1 GRANDPRIXは、全鉄筋50周年の記念に、技能の全国大会を実施しようと館岡正一全鉄筋副会長(東京都鉄筋業協同組合理事長)らが発案し、開催されたもの。開会式で今大会の実行委員長を務めた館岡副会長は「日ごろの成果を十分に発揮してほしい」と選手を激励した。

 採点は、国家検定であればプラスマイナス25ミリを許容するところでも同10ミリとするなど、審査基準を厳しく設定。新妻尚祐採点委員長(東京都鉄筋業協同組合副理事長)は、「平行や直角、精度をミリ単位で求め、全体の仕上がりに影響するわずかなピッチの狂いを見た」という。選手に与えられた標準時間は80分。練習では60分未満で仕上げられた選手も複数いたが、当日は超過する選手もおり、「時間のプレッシャーを、腕でどうカバーするかが見どころ」(外部採点委員の菅井文明富士教育訓練センター専務理事)となった。

富士教育訓練センターで行われた協議の様子=17日、静岡県富士宮市で
 参加選手の年齢は27~45歳。評価の平均点は59点にとどまる中、優勝した松田さん(32歳)は97点を獲得。松田さんは練習時から時間をかけて見直しを十分に行い、「時間よりも精度を追求してきたのが勝因」と述べるとともに、「仕事の合間に練習を重ね、同僚や社長がいろいろなアドバイスしてくれたことに感謝している」と語った。

 表彰式で2位の川本さん(35歳)は、「1位になりたかった」と悔しさを見せ、3位の南さん(41歳)は「こういう場に立てて、良い経験になると思った。本番はかたくなってしまった」と述べた。

 閉会式で内山会長は「こんな楽しい日はなかった」と選手や関係者に謝意を示した上で、「全鉄筋の会員は鉄筋工の生活を守るために日々努力している。今日はそのスタート。優良な技能者は最低でも年収600万円の給料がもらえるようにしていきたい。職人の技能を高めるためにも大会を継続したい」と次回への抱負を述べた。

1位の松田さん㊥と2位の川本さん㊧、3位の南さん
 来賓の木暮康二国土交通省大臣官房審議官は、「この大会の面白さを見せることが若い人がこの業界に入り、入っている人の励みになる。ぜひ続け鉄筋業界の力にしてほしい。出場がキャリアの到達点にもなる」とあいさつした。館岡委員長は、「参加を仲間に自慢し、若い世代に伝えてほしい。次回は2年後に幕張メッセ(千葉・幕張)で行い、4年後はここに戻りたい」と述べた。

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