2015年12月18日金曜日

【回転窓】日本式のブランド価値

東京・下北沢の和食店で頼んだ親子丼はかまぼこや葉物野菜が入ったオリジナル。甘辛い独特の味付けは口に合わなかったが、調理したのがタイの料理人と聞いて納得した▼最近は健康志向もあり、海外でも和食を作る料理人や店が増えている。農林水産省の調査によると、海外の日本料理店は7月時点で約8万9000店。2年半前に比べ6割増という▼日本料理の名で客が入るとなれば、急ごしらえの料理人と和食が生まれるのも仕方がないが、ブランド価値を落としかねないと危機感を抱く人も少なくない。農水省は海外の和食店で働く外国人の料理人を認定する制度を検討中だ。日本料理の技能を3段階で評価。正しい調理法を習得してもらい、品質向上を目指す▼建設業界でも日本式の技能をマスターした外国の職人を養成する取り組みが活発化してきた。日本企業が海外で行う工事で活躍してもらったり、人手不足の日本国内の工事を助けてもらったりするのが狙いだ▼緻密で厳格な施工が日本の建設業の売り物。技能習得は並大抵ではなかろうが、ぜひ世界で日本の技術のブランド価値を高めてほしい。

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