2015年12月7日月曜日

【回転窓】外国人が見た日本の魅力

 「胸の前で腕を組んで上司の話を聞いていると、同僚からやめるように言われました」。先日取材したタイの女性技術者が職場でのエピソードとして教えてくれた▼郷里では、目上の人やお客さんから話を聞く時には腕組みをする習慣があり、自然に出てしまったという。日本ではこれを不愉快に感じる人もいることを同僚から初めて聞かされ、気を付けているそうだ▼建設各社の外国人採用が拡大し、今年は例年にも増して外国人の方に取材する機会に恵まれた。なぜ日本で働くのかと尋ねると、建設技術やインフラの水準の高さを一番に挙げた後に、次が「安全に暮らせるから」という人が多い▼物騒な事件が増えているように感じるが、海外の人からすれば、国の魅力に挙げてもよいほど日本は暮らす上での安全・安心の水準が高いということか。外国人が、われわれにとっては当たり前だったり気付いていなかったりする日本の魅力を見つけてくれれば、日本人も自信を持っていろいろなことに挑戦できるだろう▼タイの女性技術者が取材中、いつの間にか腕を組んでいた。不愉快どころか恐縮してしまった。

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