2016年1月6日水曜日

【光る技術を海外に】日本道路、韓国への表面処理技術移転検討

日本道路は、韓国の道路舗装への表面処理技術の導入について検討に入る。

 同社の加熱アスファルト系表面処理工法「リフレッシュシールMix-H」(RSM-H)を採用している愛媛県宇和島市内の現場を、韓国の道路舗装会社2社が視察。耐久性や施工性などで高い評価を得たことから、韓国への技術導入に関する条件などの話し合いに入る見通しだ。

 具体的な内容は今後詰めるが、技術導入が決まればリフレッシュシールの海外施工が初めて実現することになる。

 RSM-Hは、特殊改質剤を添加した最大粒径5ミリの加熱アスファルト混合物を既設路面に薄層で敷きならし、転圧する表面処理工法。傷んだ舗装路面を平均舗装厚さ15~25ミリで効率的に補修でき、工期短縮やコスト縮減が図れる。たわみ性や耐流動性、耐久性に優れ、予防的な道路維持補修によって舗装を延命化できる。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)のほか、環境省が運用する「環境ラベル等データベース」にも登録されている。

 韓国では、ソウルなど大都市を中心に表面処理分野で大きな市場が見込める。現在は切削オーバーレイなどが採用されているが、十分な性能が得られていないという。

 日本道路は、15年11月に韓国で開催された「世界道路協会(PIARC)ソウル大会」にブースを出展。韓国の道路舗装会社2社からRSM-Hの現場見学の要請を受けた。現場は宇和島市発注の「松尾線外舗装工事」(宇和島市津島町、工期15年10月~16年1月)。延長1157メートル、平均幅員7・6メートル、厚さ20ミリの薄層で舗装する。施工は宇和島道路舗装が担当。日本道路がRSM-Hの技術提供を行っている。

 見学は昨年12月22日に実施した。施工中の現場のほか、RSM-Hの製造プラント、2年前に施工した現場を視察。韓国企業2社は「素晴らしい技術なので韓国に技術導入したい」と感想を述べた。海外企業がRSM-Hの施工現場を視察したのは初めて。

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