2016年1月12日火曜日

【記者手帖】ものづくりの「心」大切に

昨年10月に大阪市で行われた「建設技術展2015近畿」で、取材を担当している専門工事業団体が初めて「注目技術賞」を受賞した。09年の初出展から毎年、「ベストブース賞」には選ばれていたが、技術そのものが評価される注目技術賞こそ「最も欲しい」と以前から聞いていただけに、こちらも本当にうれしく思った◆出展のきっかけは05年の耐震偽装問題。根底には「コンクリートで隠れてしまう鉄筋工事の重要性をもっと知ってほしい」との思いがあった。折しも昨年10月は、基礎杭のデータ改ざん問題が世間を騒がせた時期。そんな中での受賞は、人間の「手」という最も汎用的な道具が生み出す技と職人の「心」が見直された結果だと思う◆十数年前、ある企業の採用試験で「21世紀は何の時代か」を問う作文に「心の時代だ」と書いた。いくら技術が進歩しても、決して失ってはならない価値観だと感じたからだ。建設業界も同様だろう◆現場の課題解決に向け、さまざまな技術が今後も生まれるだろう。それが効率化や省力化だけでなく、ものづくりの心も大切にした技術であってほしいと思う。(児)

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