2016年2月9日火曜日

【記者手帖】理屈が分かれば興味も湧く

トンネルを掘ってもどうして山が崩れないのか、地滑りがどうして起きるのか、コンクリートの擁壁がどうしてあの形なのか、その裏側はどうなっているのか-。松江市に本社を置く藤井基礎設計事務所の藤井俊逸専務は、普段は目に触れることの少ない土木の原理を、手作りの模型で分かりやすく説明する活動を続けている◆技術提案を発注者に説明するため行っていたのが話題を呼び、発注者や建設会社から住民説明会や地域への出前講座を頼まれるようになった。今では、小・中学校での防災教育、学生向けセミナー、建設会社の研修など活動の幅を広げている◆「きちんとした理屈であればあるほど興味を持って聞いてもらえる」。しかし、そうした機会が少ないのも確かだ。藤井氏は、地元説明会の場を「地域とコミュニケーションを取り、土木に対する理解を深めてもらえるチャンス」と捉える◆土木系学生を対象に、模型を造りプレゼンテーションのアイデアを競う「ドボコン」の立ち上げも計画する。土木の原理を分かりやすく伝えることは、土木の面白さを伝えることにもつながる。ぜひ実現してほしい。(高)

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