2016年2月26日金曜日

【回転窓】ネット商売も「三方良し」で

通信販売で注文した商品が、料金を支払う前に届けられた。後日、商品の発送者に尋ねてみると、料金の未払いは一度もないという。日本人同士の間だから成り立つ信用商売なのだろうか▼最近はインターネットショッピングの市場が急拡大を続けており、さまざまなものをネット通販で買う人も多いだろう。品ぞろえが豊富な上に、即日配達のサービスもあり、実に便利である▼ただし、買い手と売り手が互いに顔も合わせない仮想空間で取引をするのだから、機械的で冷たいイメージは否めない。実際に経験したことはないものの、商品や代金などでネット取引特有のトラブルもあろう▼かつて全国で仕事を手掛けた近江商人が考える商売の基本は「売り手良し、買い手良し、世間良し」だった。売り手と買い手が共に満足し、商いを通じて社会の発展にも貢献する。いわゆる「三方良し」の考え方だ。今でも商売の基本原則として、これは十分に通じるだろう▼高齢化の進展などを背景にネットショッピングの利用はこれからもさらに増えていきそうだ。便利なネットでも商売はやはり「三方良し」といきたい。

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