2016年4月12日火曜日

【ファッション誌感覚で見てほしい】トラスコ中山、けんせつ小町向け「現場用品カタログ第2弾」発刊!!

機械工具商社のトラスコ中山が制作する全国初の女性向け建設現場用品カタログ「なでしこPRO TOOL」。15年に誕生した第1弾に続き、このほど第2弾が発刊された。

 日本のものづくりを応援することをモットーにしてきた同社が、建設業で働く女性の作業環境改善に取り組んでいる。企画を担当した営業企画部営業企画課の鈴木哲也課長と浅野梢氏に、「けんせつ小町」を応援する思いを聞いた。

 --約1年前に「なでしこPRO TOOL」を初めて企画した。

 鈴木氏 当社の中心的な顧客である製造業の現場では女性は大きな戦力で、女性が使いやすい工具や専用作業着などは既に浸透している。ところが建設業ではまだそこまでではないと聞き驚いた。大成建設調達本部第三調達部第三調達室の本田鉄朗室長から相談を受けてカタログを企画することになり、保有する商品のラインアップから建設現場で役立つものを選び出して「女性向け」を軸に編集した。

 --カタログの反響は。

 鈴木氏 多くの建設会社の方に見てもらえた。大成建設の女性技術者に集まってもらい意見交換したほか、ゼネコンに勤務する女性社員が集まる会や安全大会などでも配布し、アンケートを実施したところ、「こういう商品を載せてほしい」という要望があった。

 浅野氏 反応を聞いて分かったのは、女性向け商品にありがちなピンクより紺色が人気だということ。「かわいい」より「かっこいい」を好む人が多いのも印象的だった。腰回りにたくさんの工具を付けて持ち歩くのは負担が大きいことから、一つで複数の用途を持つ工具が好評だった。

 --第2弾カタログの特徴は。

 浅野氏 巻頭企画としてゼネコン3社の女性社員を取り上げた。日本建設業連合会(日建連)が認定するけんせつ小町工事チームの第1号となった大成建設の「チームなでしこ外環田尻」では、トイレだけでなくシャワールームも女性専用。ほかに竹中工務店がメーカーと共同開発した女性用負担軽減ウエア「職人DARWING小町」の開発秘話や、フレックス制度を利用して育休復帰後も現場で働く鹿島の女性技術者など業界の先進的な事例を紹介した。「女性が働きやすい環境づくりをしたいが、何をすればよいかわからない」という男性所長の声を聞き、取り組みを横に展開するきっかけになるのではと考えた。

 アンケートで出た要望を受け、スマホ・タブレット関連や現場の設備備品といったカテゴリーを新設し、掲載点数も大幅に増やしている。商品の紹介ページでは、女性モデルを起用して写真を撮り直し、商品の見せ方を工夫した。休憩中などにファッション誌感覚で読んでもらえるとうれしい。

 --今後の展開は。

 鈴木氏 女性用商品は少量生産のため割高になりがちだ。メーカーとのつながりを生かし、新商品開発や既存商品の改良を積極的に提案していきたい。市場には女性が使うことを想定した作業用品も増えてきている。それらをカタログの形にまとめることで、必要とする人に届けられる。現場とメーカーを橋渡しすることが役割の一つだと考えている。現在、他産業向けに同様の女性向け企画を検討中だ。建設業からスタートした取り組みが日本のものづくり全体の生産性向上につながると期待している。

 浅野氏 自社で開発するプライベートブランド商品の拡充も続ける。現場の声がきっかけとなって開発したリュックサックを秋に発売する予定だ。図面などA3サイズが入る大型だが、女性でも背負いやすいよう工夫した。

 --けんせつ小町へ応援メッセージを。

 浅野氏 取材で実際にお会いする技術者や技能者の方は、おしゃれに気を使い生き生きと働いている。外から見る建設業のイメージとは違う印象だった。女性がもっと活躍すれば、業界全体のイメージアップにもつながると思う。作業用品や現場設備の面から、女性が能力を発揮できる環境づくりを応援したい。

 鈴木氏 当社の企業メッセージは「がんばれ日本のものづくり」。そこから建設業とけんせつ小町を応援することにつながっている。

 何でもデジタル化される時代だが、紙のカタログにこだわっている。現場に1部あれば所長をはじめ男性職員の目にも触れ、話題のきっかけになるかもしれない。女性社員を応援する気持ちを伝えるメッセージとしても使ってもらえるのでは。

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