2016年4月13日水曜日

【生まれ変わる銀座線】大規模リニューアル、駅舎改良工事が本格化

積み重ねたレンガの壁が印象的な新橋駅のデザイン
 ◇下町エリア全7駅が近く着工◇

 東京メトロが総額500億円を投じて進める銀座線全駅の大規模リニューアル事業で、駅舎の改良工事が本格化してきた。先行する下町エリア(浅草~神田の7駅)のうち5駅がこれまでに着工し、残る上野広小路と末広町の2駅も6月までに施工者を決める。設計作業中の商業エリア(三越前~京橋の3駅)では同月までに京橋駅改良工事の発注手続きに入る。

 ビジネスエリア(新橋~赤坂見附の4駅)もコンペで出されたデザインやアイデアを踏まえ、新橋と虎ノ門両駅の設計作業に先行着手。17年後半の着工、22年度の完成を目指す。 改良工事に着工済みの下町エリア5駅の施工者は浅草(WTO対象)と稲荷町の2駅が佐藤工業、田原町駅が大日本土木、上野駅(同、日比谷線側も含む)が大林組、神田駅が鹿島。残る上野広小路と末広町の2駅も6月までに施工者を選定して着工する。

 各駅リニューアルでは事前に行うデザインコンペの提案内容などを取り入れながら設計作業を進める。下町エリア、商業エリア、銀座駅に続きビジネスエリア3駅(虎ノ門駅は対象外)のコンペが行われ、11日に3駅のデザインと新橋駅の「幻のホーム」の活用アイデアの入賞作品を選定した。

 3駅デザインの最優秀賞には大久保良太氏(アトリエ・ジーアンドビー所属)の作品が選定。新橋はれんが、溜池山王は瓦、赤坂見附は石垣をベースにデザインを構成し、ビジネスシーンに合わせた各種駅機能の導入などを提案した。

 同日行われた表彰式で、東京メトロの奥義光社長は「駅周辺の魅力を探し、磨き上げることで利用者が増える。コンペでいただいたアイデアや意見を設計に落とし込みながら、沿線地域の活性化に取り組む」とあいさつした。

 ビジネスエリア3駅と新橋駅の「幻のホーム」の優秀賞と入選作品の受賞者(代表者)は次の通り。敬称略

 【駅デザイン】

 〈優秀賞〉▽ソノダ・シンジ(SSA)▽中牧潤平(三井デザインテック)

 〈入選〉▽新田知生(向日葵設計)▽平沼孝啓(平沼孝啓建築研究所)▽藤田光弘(ヴェルト)

 【幻のホーム活用アイデア】

 〈優秀賞〉▽細谷匠(グローバル・ロジスティック・プロパティーズ)▽横山義史(studiobium)

 〈入選〉▽津久井悠太(東大大学院)▽若田部翔真(明治大)▽山口未来(共立女子大)▽杉山祐子(*Earth)▽本間脩平(東北大大学院)。

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