2016年4月12日火曜日

【記者手帳】市民に近い話題づくり

2020年東京五輪で使用するエンブレムの再審査で、最終候補作品4点が8日に決定した。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は17日まで一般の意見を募り、25日の最終審査で一つの作品を選定。理事会の承認を経て最終決定する◆前回のエンブレムはデザインの独自性などで物議を醸したが、素人目には正直、「万人に受け入れられるデザインの幅には限りがあるのではないか」との印象もあった。新たな4作品に国民がどんな評価を与えるのか、少し楽しみだ◆公共工事の入札でも、参加企業の技術提案をどう評価するかは発注者の課題の一つ。4年に1度の五輪と異なり、完成したインフラは長く利用されるため、発注者に課せられている責任はより重大であるとも言える◆一つ一つの入札手続きに国民が無差別に加わるのは不合理。ただインフラの完成後、その整備効果について一般の見方を広く求める試みならあり得る。エンブレム問題と同様、批判的な意見も寄せられるだろうが、市民に近い建設業界の話題づくりに一役買う可能性もあるのではないか。(も)

0 コメント :

コメントを投稿