2016年5月20日金曜日

【回転窓】日本人作品からも世界遺産を

 20世紀を代表するフランスの建築家ル・コルビュジエは、世界の建築愛好家から「コル」の愛称で親しまれている。20年ほど前に建築設計界の取材を初めて担当した際に先輩記者に教えられ、印象に強く残る建築家の一人となった▼コルビュジエは米国のフランク・ロイド・ライト、ドイツのミース・ファン・デル・ローエと共に近代建築の三大巨匠と称される。日本はコルビュジエとライトの二人の作品が現存するアジアで唯一の国だ▼両巨匠の教えを受けた日本人建築家は前川國男、坂倉準三、吉阪隆正、遠藤新ら数知れず。彼らのデザイン論に影響を受けた建築家は枚挙にいとまがない▼コルビュジエ設計の「国立西洋美術館本館」(東京・上野)が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会の諮問機関から世界文化遺産一覧表への記載が適当と勧告された。世界遺産登録がいよいよカウントダウンに入った▼コルビュジエ建築の世界遺産登録は、日本人建築家の作品をいつの日か世界遺産にという夢にもつながる。将来の快挙を夢に見ながら、7月に予定されている登録をまずは心待ちにしたい。


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