2016年5月30日月曜日

【回転窓】トイレ改善は1丁目1番地

「トイレ問題は改善してきたので、次の課題を議論しましょう」。こう切り出した役所の担当者の発言を聞き、ある女性技術者は耳を疑ったという▼確かに国土交通省は女性活躍モデル工事やトイレの実費精算試行工事、グレードの高い環境改善型トイレの試行、現場仮設トイレの事例集の作成、現場のトイレ改善フォーラムの開催など、建設現場のトイレ改善策を相次ぎ打ち出している▼ただ、第一線で働く女性技術者から見ると「改善が進んだのは大規模な現場など限定的」。いまだに専用トイレがなかったり、仮に専用トイレがあったとしても、男性用トイレの脇にあったりと、改善が進んだとは思えない状況が続く▼現場のトイレの改善は女性が働きやすい職場環境づくりの「1丁目1番地」の施策。これが改善できなければ、仮に女性技術者が入職したとしても離れていくに違いない。業界を挙げて取り組む必要がある▼厚生労働省は企業の女性の採用や登用状況を閲覧できるホームページを立ち上げた。国交省も、女性の働きやすい環境づくりを進める建設会社を公開するぐらいしてもよいかもしれない。

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