2016年6月27日月曜日

【回転窓】予報技術は進歩しても

日本列島の南の太平洋で台風が発生すると、天気図に現れる「予報円」と「暴風警戒域」。台風の中心が70%の確率で入ると予想される範囲が予報円で、台風の中心が予報円内に進んだ場合に風速25メートル以上の暴風となる恐れのある範囲が暴風警戒域である▼気象庁が先日、台風の進路予報を改善し、予報円と暴風警戒域をより絞り込んで予報すると発表した。数値予報モデルの改良や新たな観測データの活用で精度が向上。予報円は半径を従来より20~40%も小さくできるそうだ▼正確で細かい予報は災害への備えの基本。予報技術の進歩はありがたい。ところで、新たな進路予報が初採用されるはずの台風1号がいまだ発生していない。1951年の統計開始以来4番目に遅い記録という▼一方で、九州では梅雨前線による記録的豪雨、関東では6月には珍しい渇水傾向で取水制限が始まった。利根川水系で6月に取水制限を行うのは29年ぶりらしいから、あちこち記録ずくめ。予報技術がいくら進歩しても気まぐれな空模様に翻弄(ほんろう)されることに変わりはない▼梅雨末期。豪雨と土砂災害への警戒がますます怠れない。

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