2016年7月28日木曜日

【回転窓】ポピュリズムの源流は…

最近、国際情勢に関する報道で「ポピュリズム」(大衆迎合主義)という言葉がよく使われる▼ラテン語の「ポプルス(民)」が語源。19世紀末に米南東部で農民層を中心に結党し、民主化や景気対策、貧富の格差是正などを求めた人民党の政治運動を指すという▼米大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱など、市民の不平・不満の感情をエネルギーにしてポピュリズムがあちこちで沸き上がる。大衆の権利や主張を尊重した投票による決定事項を覆すことは難しく、国際社会もその変化を受け入れざるを得ない▼「自民党をぶっ壊す」と大衆の前で高らかに宣言したのは小泉純一郎元首相。バブル崩壊後、日本の成長神話が崩れ、長きにわたり君臨し続けた政権与党への不信感を自らの政治エネルギーに変え、01年に自身の政権を誕生させた▼市民が抱える不満は従来の政治システムを大きく揺さぶり、時には破壊することもある。次の日曜は東京都知事選。2代続けて都民の不信を受けて辞めた知事に代わる首都の新たなリーダーが誕生する。一時の感情に流されず、候補者の資質を冷静に見定める目を持ちたい。

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