2016年7月27日水曜日

【輝く!けんせつ小町】テクノサポート・山根茉莉子さん

 ◇働く本人の意識が大切◇

 矢作建設工業の全額出資子会社、テクノサポート(愛知県長久手市)で地山補強土壁工法の設計に携わる山根茉莉子さん。グループ内で唯一の女性土木技術者、子育て中のママさんエンジニアだ。

 高校時代から理数系が得意で、早くから大学は工学部を目指していた。特に暮らしや産業活動を支える「土木」は、「自ら強く主張することもないが、ひっそりとその役割を果たしているところに魅力を感じていた」という。

 05年に大同工業大学(現・大同大学)工学部都市環境デザイン学科(現・建築学科土木・環境専攻)を卒業し、矢作建設工業に入社。土壌汚染対策・システム部門・土木工務に従事した後、育児休暇を経て復職した。

 復職後は同グループが開発した独自工法の「パンウォール工法」(地山補強土壁工法)を所管するパンウォール事業部に所属。設計と普及・啓発活動を担当し6年が経過。「自分が設計し、完成したものは見てきたが、施工経験はない。現場を経験したい気持ちはあるが現在は子育て中であり、その夢は次世代の女性技術者に託したい」と話す。

 ドライブをしている時はずっと土木構造物を眺めている。「技術者になって、多くの人の思いや苦労、技術を感じるようになった」と土木の世界を知って土木構造物を見る目が変わったという。

 第一印象では技術者として見てもらえないことがほとんどだ。講習会で講師を務める時は、話に信ぴょう性を持たせるために「設計をしています」と自己紹介をしている。土木の世界がまだまだ男性社会であることを日々実感している。

 「仕事に男女の区別はない、特別扱いしてほしくない」と周囲の気遣いに逆に気を使う。「女性だからきれいな仕事を求める必要もない」と言い、働く本人の意識の大切さを訴える。

 山根さんの上司は「技術系の女性を初めて部下に持った時は正直戸惑ったが、仕事を続ける中で女性ならではの感性に感心させられた」と評価し、今後の活躍を期待する。

 将来の夢は、一歩ずつ土木技術者としてのスキルを高め「自信と誇りの持てる仕事をすること」と語り、先を見つめる目に力を込める。

 (パンウォール事業部設計グループ主任、やまね・まりこ)

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