2016年8月3日水曜日

【回転窓】冷えたビールと熱いポテトフライ

 列島各地は梅雨明け後も天候がいまひとつ不安定。激しい雷雨などの便りが届く。それでも夏本番。別にこの季節には限らないが、一仕事終えた後の一杯の冷えたビールがとりわけ恋しい▼缶にするか瓶にするか、あるいはジョッキでがぶがぶやるかコップで上品にいくか。好きな方法で好きなだけ飲めばよいと思うが、作家の池波正太郎がビールの「正しい飲み方」をうるさく説いている▼〈コップに三分の一くらい注いで、飲んじゃ入れ、飲んじゃ入れして飲むのが、ビールの本当にうまい飲み方なんですよ〉(『男の作法』新潮社)。コップになみなみではなく、一口で飲み干せる量を注ぐのがポイント。注ぎ足しは〈愚の骨頂で、一番ビールをまずくする〉と手厳しい▼ちなみに池波が最も勧めるビールのつまみはポテトフライ。親指の先ぐらいに切ってゆでたのにパン粉を付けて揚げ、刻んだキャベツと一緒に熱いうちにウスターソースで…と書いていると、ビールとポテトフライが頭に浮かんで原稿を打つ手もおろそかになる▼まだまだこれから仕事という読者もおられようから、この辺りでやめておく。

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