2016年8月4日木曜日

【回転窓】遠い親戚の力

それほど珍しいわけではないが、同じ名字の方とは2人しか出会ったことがない。うち1人は取材先。照れくさくもあったが、同姓ということで親近感が湧き、懇意にさせていただいた▼地域の間でも同様の感覚があるのだろう。地名の似た地域同士が連携するケースも多い。秋田県湯沢市と新潟県湯沢町が、力を合わせて認知度を高めていこうと画策中だ▼稲庭うどん、へぎそば、温泉、日本酒…。どちらも地域資源は豊富。スポーツ対決に見立て、それぞれが方言を交えながら魅力を紹介し合う。そんなイベントを11月に東京・お台場で行うという▼東日本大震災の際は、被災した宮城県東松島市を、地名が1文字しか違わない埼玉県東松山市が支援。これをきっかけに職員同士の交流が深まった結果、災害時の相互応援に関する覚書を交わした▼被害が生じていない遠隔地だからこそ支援できることも大いにあろう。「遠い親戚より近くの他人」とも言われるが、危機的事態の時には両方とも頼りになる。ちょっとした意味付けがつながりの力を強める。災害列島だからこそ、地道な連携の広がりを期待したい。

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