2016年9月20日火曜日

【古民家改修でノウハウ活用】住友不、福島県磐梯町で街並み再生支援

 住友不動産は、福島県磐梯町で古民家再生を柱とした地方再生支援プロジェクトに本格的に乗りだす。

 同社の主力事業の一つである戸建て1棟をまるごとリフォームする「新築そっくりさん」事業での古民家再生の実績や技術・ノウハウを生かし、町が進める街並み再生事業を支援する。

 その初弾モデルとなる古民家の改修工事がこのほど完了。21日には現地で改修した古民家の見学会と街並み再生事業の説明会を実施する予定。これを機に、地域への古民家再生の提案活動を強化していく。

 磐梯町は平安時代に建立された慧日寺跡を歴史遺産の中心に位置づけ、観光客にとって魅力ある街づくりを進めている。資料館や道の駅などの観光周遊ポイントを結びつける上で重要なルートとなる門前町の参道沿いには、歴史的街並みを構成する古民家約80棟が立ち並ぶ。町は古民家群を「歴史的風致形成建造物」として指定し、統一された景観整備に取り組んでいる。

 住友不動産は、町が地域住民らと進める街並み再生の活動を支援。これまでに整備指針づくりのベースとなる個別案件への具体的な古民家再生プランのほか、古民家の統一的な外観整備に向けた指針案、町の将来景観をイメージした地域全体の再生イメージパースなどを提示・提案してきた。

 古民家を柱とした街並み再生事業では「風情ある景観を形成しながら、住居としての機能向上」を再生のコンセプトに掲げる。こうしたコンセプトや指針案のほか、新築そっくりさん事業で培った実績・ノウハウを踏まえ、住友不動産は初弾モデルとして築70年を超える古民家を改修した。地域の古民家改修への機運を醸成しながら、歴史的な魅力にあふれる街づくりを支援していく考えだ。

 新築そっくりさん事業では年間約400棟の古民家を再生させるなど、古き良き日本の伝統的な住まいを後世に残すための提案活動を展開。建物の風情、おもむきなどを残しつつ、居住者のライフスタイルを踏まえ、デザインや機能など現在の生活様式に対応した改修提案に力を入れている。

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