2016年9月26日月曜日

【回転窓】生産性向上の行く末に期待

9年前に打ち上げられた日本の月面探査衛星「かぐや」が撮影した月面の高精細な映像を、日本放送協会(NHK)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)がインターネットで公開する取り組みを始めた▼多くの未公開映像を含む635本を10月末までにすべて閲覧できるようにする。上空を飛んでいるような視点で月面のうさぎを見られる映像もあるそうで、魅惑的な瞬間のお披露目を待ちたい▼政府が建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させる目標を設定し、建設業の動きも慌ただしさを増してきた。日本建設業連合会は、賃金や休日など技能者の処遇改善にもつながると見て対応を強化する▼生産性向上には技術の発展・普及が欠かせないが、経験豊富な職人が多いほど生産効率は高まるとの指摘も少なくない。登録基幹技能者の活用を求める声の大きさもそれを裏付ける▼JAXAは、映像を見た子どもたちが月面の有人活動に携わる将来に期待を寄せる。処遇に魅力を感じて入職した若者が匠(たくみ)となって高度な技術を駆使する20年、30年後の建設現場に期待しつつ、生産性向上の過程を見守りたい。

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