2016年9月28日水曜日

【夕闇に浮かぶ淡い光】東京・銀座でアーク灯復元、カルティエ旗艦店前に

 東京・銀座に日本初の電気街灯(アーク灯)が復活-。銀座2丁目の新大倉本館前にアーク灯を復元した記念灯が4年ぶりに設置され、26日夕にお目見えした。今回で4代目。電球をLEDにするなど環境に配慮すると同時に、当時の面影を継承した。

 日本初のアーク灯は、大倉財閥の設立者・大倉喜八郎が1882(明治15)年に中央区銀座2丁目の大倉組商会前に建設した。このアーク灯は、ガス灯や石油ランプをはるかにしのぐ明るさで、「一にお天道様、二にお月様、三に銀座のアーク灯」と例えられ、大勢の見物客が連夜詰め掛けたという。

 1956年に復刻され、72年に2代目、86年に3代目と改装を重ね、3代目は老朽化に伴い2012年に撤去された。

 大倉本館ビルの建て替えに合わせて記念灯の再建を望む声が地元で高まり、大倉喜八郎を創業者とする中央建物と大成建設が銀座通連合会(谷澤信一理事長)に協力して再建が実現した。

 同日午後5時から現地で行われた除幕式・点灯式には、谷澤理事長、大倉喜彦中央建物社長、山内隆司大成建設代表取締役会長、吉田不曇中央区副区長、西川昌宏国土交通省東京国道事務所長、リシュモンジャパンカルティエプレジデント&チーフエグゼクティブオフィサーのカルロ・ガリリオ氏が出席した。

 この6人が合図とともにロープを引っ張ると、高さ11・6メートルの真新しいアーク灯が姿を現し、続いてスイッチを押すと、銀座の夕闇に白く淡い光を放ち始めた。

 谷澤理事長は「銀座の新たな歴史を刻むとともに、この街と通りを照らし続けてほしい」とあいさつ。大倉社長は「ずっとここにあったもので、さびしい思いをしていた。感無量だ」、山内会長は「この瞬間に立ち会えたことが大変うれしい」とそれぞれ喜びを語った。

 新大倉本館は「Okura House」の名称で10月1日にグランドオープンする。S・SRC造地下3階地上12階建て延べ6805平方メートルの規模で、仏高級ブランドのカルティエの旗艦店などが入る。設計・施工は大成建設が担当した。

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