2016年9月23日金曜日

【輝く!けんせつ小町】若築建設名古屋支店・高山日向さん


 ◇目的意識を持って働く◇

 四日市港(三重県)の貨物輸送の利便性向上などを目的に建設が進む四日市臨港道路。同道路のP49~P53の橋脚工事(川越町)に従事する。今春入社のフレッシュウーマン、同期入社20人で唯一の女性土木技術者だ。さまざまな職種の人たちが力を合わせ、一つのものをつくり上げる建設(土木)に魅力を感じ、国立石川工業高等専門学校に入学。環境都市工学科(土木工学系)を今年3月に卒業し、若築建設に入社した。

 在学中にインターンシップで高速道路の橋梁点検現場を体験。橋桁の裏を細かく点検する技術者の背中が「とても格好良かった」と感動し、自らの将来の姿を重ねた。安心して走れるのはこうした人たちの地道な努力があることを知ったことも進路選択につながった。

 現場の仕事は男性ばかりのイメージもあり、「正直、不安だった」。だが、入社前に会社の上司になる人から「何も心配しないで。みんな待ってるよ」とメールが届いた。「涙が出るくらいうれしかった」と感激。現場では多くの職人さんと交流し、毎日が学びと反省の連続という。

 「大きな構造物をさまざまな職種の人がつくり上げる過程を見て感動した」と現場の魅力を語る一方、恵まれた環境に感謝している。土木は縁の下の力持ち的存在で、その存在を意識する国民は少ない。

 「土木は暮らしや経済活動に欠かせない大事な仕事。もっと多くの人に土木や土木技術の大切さを知ってほしい」

 現場の労働環境は改善されつつあるとはいえ、まだまだ厳しい。女性が建設業(特に現場)で働く上で多くの障壁がある。

 建設業に女性や若者が進出することは業界のイメージアップにもつながる。そのためにも、福利厚生など働きやすい環境づくりが欠かせない。だから「本人や一緒に働く職場の人の意識も大事だ。男性は女性を特別扱いせず、女性も目的意識を持ってほしい」と訴え、「建設業の現場で女性が働くのが当たり前の時代がやってくることを願っている」。

 これから経験を重ね、トンネルやダムなど大規模現場や海外での活躍も胸に秘めている。

 (四日市港霞ヶ浦北ふ頭地区道路〈霞4号幹線〉橋梁〈P49~P53〉上部工事作業所、たかやま・ひなた)

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