2016年11月22日火曜日

【ターゲットは美術館やスタジアム】文科省、文教施設のコンセッション導入推進

コンセッション導入は美術館や博物館、スポーツ施設がターゲットになる
(写真はイメージ、本文とは関係ありません)
文部科学省は17年度から、文教施設にコンセッション(公共施設等運営権)の導入を検討する地方自治体や独立行政法人向けの新たな財政支援策に乗りだす。18年度までに3件の具体化を目指す政府目標の達成に向けた一環。地元の企業や学識者らと連携してアイデアや課題の抽出などを行う協議会を設置することを条件に、構想・立案段階で助言を受けるためのコンサルタントの外注費を補助する。

 新たな財政支援策は「文教施設における公共施設等運営権制度を活用したPFI事業に関する先導的開発事業」。17年度予算概算要求に約44百万円を新規計上した。

 自治体や独立行政法人が中心となって地元の企業などとつくる協議会に対し、コンセッション導入対象施設の抽出・選定や、企業の参入を促すインセンティブ措置の内容などを助言するコンサルタントの外注費を一部補助する。17年度は数件の適用を見込んでいる。

 文科省によると、コンセッションの導入対象は体育館などのスポーツ関連施設や美術館・博物館。中でも安定的な運営収入を見込める施設として、プロスポーツの試合やコンサートなど多目的に活用できるスタジアムやアリーナを挙げている。

 文科省は17年度に、文教施設へのコンセッション導入促進策として新たな財政支援策を始めるとともに、官民の実務者向けに事業化までの留意点をまとめた解説書も作る。現時点でコンセッションの導入が有効な候補施設として、大阪市が北区中之島4丁目で21年度開館を目指す「(仮称)大阪新美術館」を挙げている。

 コンセッション=高速道路や空港、美術館、スポーツ施設など料金徴収を伴う公共施設を対象に、施設の所有権を行政・公的機関が保有したまま、運営を民間に委ねる事業スキーム。すでに有料道や空港でプロジェクトが実際に動いている。

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