2016年11月9日水曜日

【輝くけんせつ小町】鹿島中部支店・河根茉央さん


 ◇自分の手を動かして◇

 中学生の時に宮大工・西岡常一棟梁の著書「木のいのち 木のこころ」を読み、職人さんの心意気や志の高さに感銘を受け、憧れを抱いた。その影響を受け大学では建築学を学び、就職時には現場で働くことのできる建設会社の施工管理職を選んだ。

 入社後、横浜支店の複合施設の現場に配属。当初、現場の用語が分からず上司や先輩の後について質問を繰り返す毎日だった。コンクリート担当になった時は、自分で木づちを持って型枠をたたいたりした。「自分の手でやってみて、覚えていくのも大事だと思います。しかし、職人さんに監督さんと呼ばれ、私の仕事は多くの人を動かして建物を作る責任のある仕事だということを実感し、やるべきことを見極める力も必要だと思いました」。

 2年目に中部支店の現場に異動。横浜支店より女性技術者が少なく、その土地柄も影響しているのか、周囲の人々が気を使ってくれているのを感じた。ただ、付き合いが長くなったり、女性技術者が増えていったりし、周囲の戸惑いもなくなっていった。

 現在、ラグーナベイコート倶楽部工事事務所(愛知県蒲郡市)に配属され、躯体全般を担当している。「6月の立ち上げからこの現場に携わっています。自分の采配ミスで現場を止めることがないように気を付けています。新しいことを身に付けるには1回やったことに同じ時間をかけていてはできません。少しずつでも新たな知識を着実に身に付け、もっと自分の技術を広げていきたい」。

 この現場では、女性技術者1人を含む3人の後輩が初めてでき、その新人教育も任されている。「新人の仕事にできるだけ立ち会いたいと思っているのですが、自分も精いっぱいでできない時もあります。それでも、自分も先輩にしてもらってきたようにいろいろな相談には全力で対応したいです」。

 5年目に入り、自分の進路を考え始めた。現場所長を目指すのか、生産計画や技術研究に進むのか。「答えはまだ分かりません。何を目指すにしても、今の自分にはもっと現場を知ることが必要です。できるだけ自分の目で現場を確認し手を動かして計画を練り、ものづくりをする。それだけははっきりしています」。

 名古屋大学工学部卒。愛知県豊橋市出身。趣味は剣道。中学の部活動から始め、四段の腕前だ。

 (ラグーナベイコート倶楽部工事事務所、かわね・まお)

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