2016年12月9日金曜日

【輝く!けんせつ小町】大成建設名古屋支店・杉浦成美さん

 ◇所長で大きな建物を手掛けたい◇

 入社して2年目。研修を終え、最初に配属されたのは名古屋市東区にある金城学院高等学校の改築現場。半年後に完成し、「生徒の喜ぶ顔を見て、その場に立ち会えたのをすごくうれしく感じました」。早々に建設業の本質を味わった。今は引き続き、近くの同学院中学校改築に携わっている。

 出身は愛知県刈谷市。小学生のころ、自宅が建つのを見て、建築に興味を持った。それをきっかけに愛知工業大学へ進み、設計や構造を学んだ。就職に当たり、ゼネコンは選択肢の一つだったが、インターンシップ(就業体験)で金城学院の現場を訪れ、憧れだった「大きな建物に関われる」と思い、大成建設に決めた。「施工管理の仕事については、あまり知りませんでした。ただし、現場の厳しさは覚悟していました。女性だからといって、思ったほど現場でのギャップを感じませんでした」。

 今の現場は若手が多く、1年目の女性技術者も入ってきた。「仕事は大変なことばかりで、厳しく言われる時もありますが、職人さんたちは話しやすく、優しいし、事務の方を含め、近くに女性がいるので心強く、いろいろ相談できるいい職場です」。

 建設業界でも女性の活躍する場が増えてきた。名古屋支店にも女性の先輩たちがいる。「生き生きと働く姿を見て、だんだんと自分でもできるんだという自信を付けることができます」。

 ただ、プライベートの時間が少ないのが悩み。会社はノー残業デーを設けたり、週休2日制の完全実施に向けた取り組みを強化したりしているが、それらは緒に就いたばかり。時短を含め、職場環境の改善は、建設業界全体の課題になっている。

 それでも「この仕事は好きです」。女性技術者にスポットが当たる今の風潮についても「女性だからといって、一般の人が思うほどこの業界のハードルは高くなく、普通に仕事ができるのを知ってもらう意味で、いいことだと思います」と前向きに捉える。

 将来は「今の段階で具体的にイメージできないんですが、ずっと仕事を続け、いろいろな経験を積んで、所長になり、大きな建物をつくるのが夢です」。そのためにも「プライベートと仕事の両方を充実させることができる働き方や職場の環境づくりが大切ですね。女性の技術者がもっと増えて、そうした方向に行ってくれればいいと思います」。

 (金城学院建築工事作業所、すぎうら・なるみ)

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