2016年7月29日金曜日

【日刊建設工業新聞からのお知らせ】2016年暑中特集を発刊しました

 日刊建設工業新聞は7月29日、2016年暑中特集「建設生産を支える技術革新」を発刊しました。 建設産業の生産性が大きくクローズアップされています。少子高齢化や人口減少で社会の仕組みが大きく変わる中、建設生産はどう変化していくのか―。特集ではICT(情報通信技術)や三次元モデル、UAV(無人飛行機)など最新技術の動向や民間企業、行政機関などの取り組みを紹介しています。

 16年暑中特集の掲載記事は、本紙の会員制サイト「日刊建設工業新聞オンライン」にアップしています。会員制サイトでご覧いただける記事は、写真や図表を可能な限りカラーに置き換えています。

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【土木工事が変わる】国交省、土木5分野でCIM指針策定へ

ICT浚渫工のイメージ
3D測量によって詳細は海底地形を把握する
 ◇ICT活用でルール作り進む◇

 造り方が変わると新たな基準類も必要になる-。国交省が「i-Construction」のトップランナー施策の一つに位置付けた「ICT土工」では、土工事のすべてのプロセスにICTを全面導入する。このため国交省は、公共測量や監督・検査基準などに関する15の新基準とICT建機のリース料を含む積算基準を3月末に整備した。

 16年度から直轄土工工事のうち予定価格3億円以上の大規模工事でICT土工を原則化。3億円未満の中小規模の工事でも施工者の希望に応じて適用する。先行するICT土工に続き、他の工種にもICTの活用を広げるため新たなルールづくりが始まっている。

 港湾分野では工事の特徴を踏まえ、機械化施工が進む浚渫工へのICT導入を検討している。6月に「港湾におけるICT導入検討委員会」の初会合が開かれ、浚渫工にICTを全面導入するための環境整備に着手。3Dデータを前提とする新たな基準類・運用指針を作成し、17年度に試行工事を始める。

 浚渫工の一連のプロセスに3Dデータを活用。海底地形を面的に把握できるナローマルチビームで施工前の地形や施工後の出来形を3D測量したり、3Dデータを用いて浚渫機械などを管理したりすることなどを想定している。

 新基準としては、▽マルチビームを用いた測量マニュアル▽数量算出要領▽港湾積算基準(改定)▽3Dデータを用いた出来形管理要領▽3Dデータを用いた出来形管理の監督・検査要領-などを検討。11月に開催予定の次回会合に新基準案を示し、年度内に新基準の運用指針を策定。17年度から試行工事・業務に入る。浚渫工のほか防波堤や埋め立てなどの工事へのICT導入も検討する。

 建設生産プロセスすべてに3次元データを連動させるために、カギを握るツールがCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)だ。CIMの導入・普及に向けて国交省は6月、産官学による「CIM導入推進委員会」を設置した。これまでのCIMに関する検討、16年度から導入したICT土工の現場での検証成果を踏まえ、CIMの導入推進に関する実施方針・方策、CIM導入に必要な基準類を整備する。17年3月にガイドラインの策定や要領基準の改定を予定している。

 具体的な検討は▽CIM導入ガイドライン策定▽要領基準改定▽現地での検証-の三つのワーキンググループ(WG)が担う。ガイドライン策定WGでは土工、河川、ダム、橋梁、トンネルの5分野を対象にCIMモデルの作成方法など技術的な目安などを盛り込んだガイドラインを策定する。17年度以降、ガイドラインに基づきCIMを現場導入し、効果を検証する。

 要領基準改定WGはCIM導入に伴い必要となる基準類を整備・改定する。CIMの導入・活用に向けた入札契約方式や、CIMデータの国際標準化への対応なども検討する。現地での検証WGはICT土工の現場に適用したガイドライン素案や新基準類を検証し、課題や知見を整理。その結果を新たに整備する基準類に反映させる。

【お悔やみ申し上げます】建築家・阪田誠造氏が死去

 ル・コルビュジエに学んだ坂倉準三の精神を受け継ぎ、クリエーティブ集団を率いてきた建築家の阪田誠造氏(さかた・せいぞう=元坂倉建築研究所最高顧問)が21日に心不全のため死去した。87歳だった。

 葬儀は近親者で済ませた。今秋に「偲(しの)ぶ会」を催す予定。喪主は妻の俊子(としこ)さん。

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【回転窓】うなぎ食うべし

 マグロの養殖を成功させた近畿大学が、水とエサに工夫を重ねてうなぎ味のナマズを開発した。うなぎの代替品はあす土用の丑の日、大手スーパーにかば焼きとして並ぶという▼キャッチコピーは「近大発のパチもんでんねん」。ずばりパチもん(偽物)とうたうコピーは大阪人のユーモアだろうか。あえて卑下するところに味への自信もうかがえる▼土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのは、江戸時代の発明家・平賀源内の発案がきっかけというのが有力な説とされる。夏場に売れ行きが落ちるうなぎ屋が源内に相談したところ、「本日土用の丑、鰻(うなぎ)食うべし」と貼り紙を出させたそうだ▼丑の日に「う」で始まる梅干しやウリ、うどんなどを食べると夏バテしないともいわれる。源内が出させた貼り紙は、うなぎの販促にこれをうまく利用したものといえるだろう。現代のうなぎ屋も、あすは「本日土用の丑」の貼り紙が出て、客であふれ返る。源内の名コピーに感謝すべきだろう▼商品の魅力はキャッチコピーにも大きく左右される。記事を扱う新聞も見出しや見せ方で見習うべきところがありそうだ。

【石井大臣!!!!】子ども霞が関見学デー、小中学生が国交相を質問ぜめ

 石井啓一国土交通相は28日、東京・霞が関の官庁街で27~28日に開かれた夏休み企画「子ども霞が関見学デー」の一環で、全国から集まった小中学生12人を大臣室に招き、懇談した。

 子どもたちと直接触れ合って国交省の仕事に関心や親しみを持ってもらうのが目的。石井国交相は子どもたちからの素朴な質問に分かりやすい言葉を選んで丁寧に答えていた。

 「壊れない堤防はできるの」と聞かれた石井国交相は、堤防が土でできていることを紹介し、「絶対に壊れない堤防をつくるのは難しい。避難する時間を稼ぐため、壊れにくい堤防をつくっている」と説明。小中学生からは「子どものころの夢は」「大臣になりたかっかのか」といった子どもらしい質問のほか、「2020年東京五輪への国交省の対応は」など大人顔負けの質問もあった。

 石井国交相は子どもたちに向けて「見学デーを楽しんでもらえましたか。国交省の仕事に少しでも関心を持ってほしい」と語り掛けた。

【ちゃんとできてる?大丈夫??】都内でけんせつ小町活躍現場見学会、超高層マンション建設工事に30人

 日本建設業連合会(日建連)の女子小・中学生を対象にした夏休み特別企画「けんせつ小町活躍現場見学会(ガールズサイト)」が28日、大成建設が東京都品川区内で進めている超高層マンション建設工事の現場で行われた。

 女子小・中学生と保護者ら30人が参加。現場の女性技術者・技能者で構成する「けんせつ小町チーム」と現場を歩き、マンション建設の手順や構造、タワークレーンの仕組みなどの説明を受けた。配筋作業やタイル張りも体験した。

 大成建設・竹中工務店JVが東京・目黒で行っている「目黒駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事」のうち、大成建設のレジデンス棟工事の現場で実施。一行はノースレジデンス棟(地下2階地上40階塔屋2階建て延べ5万5499平方メートル)の工事を見学した。東京都内の見学会は初めて。この日は、科学技術館のサイエンス友の会の施設見学会の一環としても行われた。

 冒頭、柳澤忠義工事長は、「皆さんがあまり見ることができない現場を見学しながら、鉄筋を組んだり、タイルを張ったりもして、夏休みの思い出にしてください。見学会が、大人になって就職する時の参考になってくれればありがたいです」とあいさつした。

 参加者は、けんせつ小町チームの「チーム目黒」(リーダー・春藤治美工事係)のメンバーと共に、内装工事などが行われている6階と19階を歩き、壁の石こうボードの裏側や、配管スペースがある床の構造、タワークレーンのオペレーターの過ごし方などの説明を受けた。タイル張りと配筋の体験は1階で実施。鉄筋結束のこつを聞きながら、ハッカを使って作業を行った。

 見学後は、チーム目黒のメンバーに建設技術者を志したきっかけや仕事の内容、普段の持ち物、地震が発生した際の対応などを質問。春藤リーダーは、「配筋のチェックや揚重計画の立案などを担当しています。父が同じ仕事をしており、(建設業を)身近に感じていました。一人ではなく職人さんとコミュニケーションを取りながら、みんなでものを造る仕事に魅力を感じています」と説明した。チーム目黒は、現場の女性専用設備の整備や、ほかの現場の女性技術者らとの意見交換を行っている。女性専用の工具・作業ツールの開発にも協力している。

【建築・土木市場に照準】3Dプリンター、民間各社が市場開拓へ虎視眈々

営業拠点となる各社のショールームやプレゼンルーム
(右上から時計回りで丸紅、リコー、CMJ、ムトー)
 ◇3Dソリューションを強力推進◇

 3次元(3D)モデルの活用事例が増えつつある建設業界で、新たなコミュニケーションツールとして注目を集める3Dプリンター。建築物や土木構造物などの3Dデータによって同じ形状で造形されたモデルを使い、各種構造物のデザインや納まり、施工計画などをより立体的に確認することができる。製造業などを中心に活用の場を広げてきた3Dプリンターを生産・販売する民間各社の事業戦略では、建設関連分野を今後開拓する有望市場の一つに位置付けている。

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2016年7月28日木曜日

【今回は鎌倉!!】「無印良品の家」に住む人、大募集(2年間無料だよ)

 良品計画が「ぜんぶ、無印良品で暮らそう。」キャンペーンの第2弾を実施する。

 神奈川県鎌倉市に建てた一戸建て住宅に2年間住み、住み心地をレポートしたり、見学会に協力したりする。JR横須賀線の鎌倉駅から徒歩約15分の場所で、新築、駐車場・庭付き、木造2階建て、延べ床面積80㎡の超優良物件。家はもちろん、生活に必要な家具や家電もひと通り無料で提供される。

 2017年3月~2019年3月の2年間、モニターとして入居が可能な人が応募できる。応募の際には専用HPで所定の手続きをして「住みたい宣言」を行うことが必要。2年間の賃料はもちろん無料!!モニター期間中はレポーターとして写真撮影やレポート提出、見学会への協力が求められる。モニター期間終了後は、中古物件の価格で購入でき、退去する場合は販売されるという。

 2012年に実施した前回の企画では、東京都三鷹市に家を建て、モニターを募集した。5万7884件の「住みたい宣言」、5533件の応募があり、入居者は期間終了後、住宅を購入したそうだ。

 応募期間は7月28日~8月31日。無料で鎌倉に住めるこの企画、今回も激戦は必至かも。

【最先端技術を複合活用】首都高速会社、道路インフラの高度管理に着手

首都高速道路会社は道路インフラの設計・施工から維持管理、補修・補強までのライフサイクル全体を、ICT(情報通信技術)など最先端技術を組み合わせて高度に管理するスマートインフラマネジメントシステム「i-DREAMs」の構築に乗りだした。

 民間企業などと開発したGIS(地理情報システム)と3次元点群データを活用した道路・構造物の維持管理業務の支援システム「インフラドクター」、点検・検査に関する新技術をIoT(モノのインターネット)を通じて連係させたMIM(メンテナンス・インフォメーション・マネジメント)をコアシステムとして整備する。

 MIMのほか、調査・設計分野のDIM(デザイン・インフォメーション・マネジメント)、施工分野(材料データ、施工・出来形記録等)のCIM(コンストラクション・インフォメーション・マネジメント)も包括し、より効率的で切れ目のないインフラ管理の実現を目指す。

HPに詳しく

【回転窓】ポピュリズムの源流は…

最近、国際情勢に関する報道で「ポピュリズム」(大衆迎合主義)という言葉がよく使われる▼ラテン語の「ポプルス(民)」が語源。19世紀末に米南東部で農民層を中心に結党し、民主化や景気対策、貧富の格差是正などを求めた人民党の政治運動を指すという▼米大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱など、市民の不平・不満の感情をエネルギーにしてポピュリズムがあちこちで沸き上がる。大衆の権利や主張を尊重した投票による決定事項を覆すことは難しく、国際社会もその変化を受け入れざるを得ない▼「自民党をぶっ壊す」と大衆の前で高らかに宣言したのは小泉純一郎元首相。バブル崩壊後、日本の成長神話が崩れ、長きにわたり君臨し続けた政権与党への不信感を自らの政治エネルギーに変え、01年に自身の政権を誕生させた▼市民が抱える不満は従来の政治システムを大きく揺さぶり、時には破壊することもある。次の日曜は東京都知事選。2代続けて都民の不信を受けて辞めた知事に代わる首都の新たなリーダーが誕生する。一時の感情に流されず、候補者の資質を冷静に見定める目を持ちたい。

【完成へラストスパート】京奈和道大和御所道路水泥トンネルが貫通


 ◇施工は竹中土木◇

 近畿地方整備局が奈良県御所市内で建設を進めている京奈和自動車道大和御所道路(御所区間)の一部を構成する水泥トンネル(延長1172メートル)が27日、実貫通を迎えた。

 施工を担当する竹中土木は同日午前、近畿整備局の関係者や地元住民らを招き、最後の貫通掘削の様子を披露。暗い坑内に光が差し込むと歓声が湧き起こった。今後、覆工コンクリートなど仕上げ作業を進め、10月中旬ごろの完成を目指す。

 工事延長は奈良県御所市朝町地先から五百家地先に至る1352メートル。16年度の全面開通を目指す大和御所道路(御所区間13・4キロ)のうち、未開通の御所南インターチェンジ(IC)~五條北IC間7・2キロに位置する。暫定2車線供用のため、上下線一体のトンネルとなる。NATMによる発破掘削方式を採用し、14年12月、南側(和歌山方面)から掘削工事を開始した。

 同工事では、北側の起点側坑口付近に鉱山の廃坑道が確認されたことから、トンネル掘削時の安全を確保するための綿密な調査・検討を行い、万全な対策を講じながら掘削作業を進めてきた。

【都心に新ランドマーク】東京ガーデンテラス紀尾井町がグランドオープン

全館開業した東京ガーデンテラス紀尾井町
右側が紀尾井タワー、左側が紀尾井レジデンス
西武ホールディングスグループの西武プロパティーズが東京都千代田区のグランドプリンスホテル赤坂(旧赤坂プリンスホテル)跡地で建設を進めていた「東京ガーデンテラス紀尾井町」が27日、グランドオープンした。旧赤プリの伝統を引き継ぐ「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」やオフィス、商業ゾーン「紀尾井テラス」、住宅で構成する複合高層ビルで、赤坂地区の新名所になると期待されている。

 グランドオープンに当たって、現地で西武ホールディングスの後藤高志社長、西武プロパティーズの安藤博雄社長、プリンスホテルの赤坂茂好社長、プロフィギュアスケーターの荒川静香さんらがテープカットを行い、建物の門出を祝った。

 後藤社長は「新しい東京のランドマークになるように、旧赤プリのホスピタリティーを継承しながら、最先端のICT(情報通信技術)の利活用などを進め、価値のある建物にしたいと強く思う」と述べた。

 所在地は千代田区紀尾井町1の2ほか(敷地面積3万0400平方メートル)。建物は、紀尾井タワー(オフィス・ホテル棟)がS造地下2階地上36階建て、紀尾井レジデンス(住宅棟)がRC造地下2階地上21階建てで総延べ22万7200平方メートルの規模。設計・監理は日建設計、施工は紀尾井タワーを鹿島・鉄建・熊谷組JV、紀尾井レジデンスを西武建設・大林組・前田建設JVが担当した。

【ものづくりの新たな潮流】清水建設、3Dプリンターを積極活用

 清水建設は3次元(3D)プリンターによる業務革新を積極展開する。

 東京・京橋の本社に置く石こう系フルカラー対応の3Dプリンターを昨秋増設し、2台による製作体制を整備。月当たりの平均造形数は従来の20個強から1・5倍増の30個強となり、メンテナンスの時間も取りやすくなって故障の発生率が低下、作業効率が向上した。

 本支社や現場からの造形ニーズに素早く対応し、営業や設計・施工の業務品質の向上を後押しする。

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【官民協議会を設立】スタジアム・アリーナ、「稼げる施設」へ官民で戦略作り着手

政府は27日、スポーツで使う大規模集客型のスタジアム・アリーナをより「稼げる施設」へと変革させる戦略を話し合う官民協議会を立ち上げた。

 鈴木大地スポーツ庁長官をトップに、田村明比古観光庁長官や栗田卓也国土交通省都市局長らが参加。欧米のようにスポーツ施設を街のにぎわい拠点として発展させられるよう、まず年内に新築・改築設計段階でスポーツ以外の多目的利用や最寄りの公共交通機関からの近さといった「稼げる視点」に配慮した施設整備指針を作る。

 発足したのは「スタジアム・アリーナ推進官民連携協議会」。8月以降、▽施設整備指針の策定▽資金調達手法▽整備計画の策定支援体制-の3項目の課題別に詳細な検討を行うワーキンググループ(WG)を順次発足させる。

施設整備指針の策定作業を進めるWGは、会員または意見聴取対象の外部有識者の立場で、建設会社や設計会社、デベロッパーなどの参加を予定。まず今秋に案を作る。

 スポーツ庁によると、プロ野球やサッカーJリーグで常用されているスタジアムは1回の試合だけで数万人規模の観客を呼び込める一方、国内にある大半のスポーツ施設は稼働率が低い。

 その背景には、施設の多くを所有・管理している自治体が観客に配慮した設計やサービスをあまり意識してこなかったことがある。

 政府は、昨年10月に竣工したJリーグ・ガンバ大阪の「市立吹田サッカースタジアム」を成功例の一つに位置付け、官民連携での円滑な建設資金調達や、試合前後も楽しめる民間商業施設の併設などを普及させていきたい考えだ。

 日本政策投資銀行などの試算では、今後約20年でスタジアム・アリーナの新築・改築需要は2兆円超に上る。

2016年7月27日水曜日

【WLB実現へアイデア満載】時短アイデア大賞にシミズユニオン「早く帰りなサイコロ」

 日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、田中宏幸議長)は、労働時間短縮(時短)に向けた意識の高揚と、優れたアイデアの普及を目的に募集した第3回「時短アイデア大賞」に、清水建設の労働組合・シミズユニオンの15年度本部役員が応募した「早く帰りなサイコロ」を選定した=写真。

 退社目標時間などを記載した3センチ角のサイコロを社内の行き先表示板に貼っており、時短ツールとして職場に定着しているという。小学生未満と小学生が対象の図画コンクールの受賞者も決めた。

 時短アイデアは、大賞1点、優秀賞2点、入選5点、審査員特別賞1点を選んだ。図画コンクールは「家族と一緒にしたこと・したいこと」がテーマで、小学生未満、小学生低学年、小学生高学年ごとに金賞2点、銀賞3点を選定した。

 時短アイデアは冊子にまとめ、加盟組合などに周知するとともに、日本建設業連合会などの業界団体や、建設会社に情報を提供する。図画は、時短意識の高揚に関する広報ツールに使う。表彰式を8月2日に東京都荒川区のホテルラングウッドで開く日建協定期大会の終了後に行う。
小学校高学年の部金賞
「首が痛いよ 東京タワー」 高橋柚奈さん
 受賞者は次の通り。敬称略。

 【時短アイデア】

 〈大賞〉シミズユニオン15年度本部役員=早く帰りなサイコロ

 〈優秀賞〉迫田賢治(戸田建設職員組合)=業務予定表の掲示による業務効率化▽菅原洋行
(青木あすなろ建設職員組合)=青信号、みんなで渡れば怖くない

 〈入選〉松岡隆(フジタ職員組合)=時短取り組み案▽三宅彩矢果(五洋建設労働組合)=アニバーサリー休暇推進マグネット▽森川倫朗(青木あすなろ建設職員組合)=業務内容の明確化および平均化▽中野愛之(奥村組職員組合)=工事所における「あさ活」「ゆう活」▽中川隆(戸田建設職員組合)=時短スローガンの掲示

 〈審査員特別賞〉中田幸宏(戸田建設職員組合)=時短パートナー

 【図画コンクール】

 〈小学生未満金賞〉藤原央果▽藤沼珀有

 〈同銀賞〉梶原莉生▽鷹司美緒子▽児玉そよか

 〈小学生低学年金賞〉高柳結生▽内田大翔

 〈同銀賞〉山下愛未▽中西彩子▽宮崎絢乃

 〈小学生高学年金賞〉中村洋斗▽高橋柚奈

 〈同銀賞〉梶原安久俐▽松岡理沙▽稲山菜々咲

【欧州スタジアム建設のプロセス解説】JFAとJリーグが『良質なスタジアム建設の手引き』発行

 欧州サッカー連盟(UEFA)が最新のスタジアム建設の知見をまとめた「UEFA Guide to Quality Stadiums」の日本語版が、日本サッカー協会(JFA)と日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)から発行された。

 『UEFAガイド 良質なスタジアム建設の手引き』は全160ページ構成で、スタジアム建設のプロジェクト立ち上げから建設地選定、計画立案・設計、工事、運営・管理までを網羅した解説書。実務担当者でなくても、スタジアムプロジェクトの流れ、必要とされる要素が理解できる内容になっている。

 これまでに英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、イタリア語で発行されている。手引きの中で、JFAの田嶋幸三会長は「(UEFAガイドは)日本のスタジアム建設に新風を吹き込み、日本サッカー、ひいては日本のスポーツ界の発展に大きく寄与すると思っている」とコメント。Jリーグの村井満チェアマンも「スタジアム改革は、Jリーグ百年構想 そのもの。本書を読んでいただいた皆さんと目指す世界を共有 し、一緒に、大きな夢の実現に向かいたい」としている。

 手引きは「スタジアム建設の戦略的判断」や「建設地と立地条件」、「持続可能なスタジアムの概念」などで構成する。ケーススタディーとして①スタディオン・フルヴァトスキ(ドゥゴポリエ、クロアチア)②SRCストジチェ(リュブリャナ、スロベニア)③バイキング・スタディオン(スタヴァンゲル、ノルウェー)④アレナ・イム・アラーパルク(ヴォルフスブルク、ドイツ)⑤ エスタディ・コルネリャ=エル・プラット(バルセロナ、スペイン)-の5施設を収録。スタジアムの特徴や図面、建設費内訳、写真を掲載している。

 詳細はJリーグHPへ。

【回転窓】地域交流もレトロモダンに

朝顔、ボタン、花火、チョウ-。女性が着る浴衣の代表的な柄であり、どれも夏の涼が感じられていい。男性の浴衣も負けてはいない。量販店でたくさんの色や柄があるのを知って驚いた▼「資生堂ゆかたアンケート調査(20~30代女性)2016年」では、「ゆかたを着て出掛けたい」と答えた人が9割に上ったが、昨年、実際に着たのは4人に1人。着てみたくてもきっかけがないのが実情かもしれない▼この季節、浴衣を着るよい機会となるのが夏祭りや盆踊り、花火大会であろう。子どものころに早く来ないかと指折り数えたものだが、最近の風潮にはどうも首をかしげてしまう▼ある地域でのこと。世話役たちが高齢化したため中止となっていた盆踊りを、子どもたちのために復活させようとの計画が持ち上がった。結果は断念。親世代の住民が「騒音が出てうるさい」と反対したのだという▼何十万人もの来場者が集まる花火大会もいいが、地域の盆踊りはそれとは違った夏の思い出になるはず。浴衣のデザインで人気という「レトロモダン」のように、古さの中にも新しさを感じてもらえたらいいのだが。

【輝く!けんせつ小町】テクノサポート・山根茉莉子さん

 ◇働く本人の意識が大切◇

 矢作建設工業の全額出資子会社、テクノサポート(愛知県長久手市)で地山補強土壁工法の設計に携わる山根茉莉子さん。グループ内で唯一の女性土木技術者、子育て中のママさんエンジニアだ。

 高校時代から理数系が得意で、早くから大学は工学部を目指していた。特に暮らしや産業活動を支える「土木」は、「自ら強く主張することもないが、ひっそりとその役割を果たしているところに魅力を感じていた」という。

 05年に大同工業大学(現・大同大学)工学部都市環境デザイン学科(現・建築学科土木・環境専攻)を卒業し、矢作建設工業に入社。土壌汚染対策・システム部門・土木工務に従事した後、育児休暇を経て復職した。

 復職後は同グループが開発した独自工法の「パンウォール工法」(地山補強土壁工法)を所管するパンウォール事業部に所属。設計と普及・啓発活動を担当し6年が経過。「自分が設計し、完成したものは見てきたが、施工経験はない。現場を経験したい気持ちはあるが現在は子育て中であり、その夢は次世代の女性技術者に託したい」と話す。

 ドライブをしている時はずっと土木構造物を眺めている。「技術者になって、多くの人の思いや苦労、技術を感じるようになった」と土木の世界を知って土木構造物を見る目が変わったという。

 第一印象では技術者として見てもらえないことがほとんどだ。講習会で講師を務める時は、話に信ぴょう性を持たせるために「設計をしています」と自己紹介をしている。土木の世界がまだまだ男性社会であることを日々実感している。

 「仕事に男女の区別はない、特別扱いしてほしくない」と周囲の気遣いに逆に気を使う。「女性だからきれいな仕事を求める必要もない」と言い、働く本人の意識の大切さを訴える。

 山根さんの上司は「技術系の女性を初めて部下に持った時は正直戸惑ったが、仕事を続ける中で女性ならではの感性に感心させられた」と評価し、今後の活躍を期待する。

 将来の夢は、一歩ずつ土木技術者としてのスキルを高め「自信と誇りの持てる仕事をすること」と語り、先を見つめる目に力を込める。

 (パンウォール事業部設計グループ主任、やまね・まりこ)

【大きいものを造るのはかっこいい】千葉県市川市でけんせつ小町活躍現場見学会

 日本建設業連合会(日建連)は25日、女子小中学生と保護者らを対象にした「けんせつ小町活躍現場見学会」を千葉県市川市で鹿島・大林組・鉄建JVが施工する「東京外環自動車道市川中工事」の現場で開いた。

 参加した8家族22人が現場を見て回り、コンクリートを使った記念品作りや墨出し作業を体験した。

 案内役を務めたのは、鹿島の貞廣育子さん(入社8年目)と鈴木ひかりさん(同1年目)をはじめとする同社の職員約20人。

 参加者は、現場事務所で鈴木さんから建設業について、貞廣さんから工事概要についてそれぞれ説明を受けた後、高速道路となる地下20メートルのトンネルを見学。トンネルでは、固まりやすいジェットモルタルで記念品を作ったほか、墨出し作業も体験。社員の指導の下、チョークの入った墨つぼを使ってトンネルの地面に線を引き、アニメキャラクターの絵を描いた。

 見学後、参加者から建設業に就職した理由を質問されると、鈴木さんは「大学で土木について勉強した。大きいものを造るのはかっこいいし、たくさんの人の役に立つこともできる。そういう仕事がしたかった」、貞廣さんは「建設業は実際に目の前でものが造られていくのを間近に見ることができる。だから現場監督になりたいと思った」と説明した。

【日刊建設工業新聞からのお知らせ】越セイ・ズン紙との協力関係強化

 日刊建設工業新聞社は25日、ベトナム建設省(MOC)の機関紙「セイズン」と、包括的協力関係のさらなる強化を目的にした覚書を交わした。

 覚書に基づき、記者の相互派遣などを通じて、両国で特に関心の高い建設労働者の動向などについて積極的に情報交換・報道していくことを確認した。

 日刊建設工業新聞社とセイズンは、13年1月にベトナム政府の機関紙として初めて相互協力に関する覚書を交換。双方の紙面に定期的に記事を相互配信している。

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【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/減らない事故の対策は?

建設現場の事故防止は万国共通の課題
(写真と本文は関係ありません)
 雇用労働部と国会(シム・サンジョン議員、ハン・ジョンエ議員)が「産業安全保健法」改正を推進している。元請負人の下請負人に対する安全措置を強化し、違反した場合の処罰程度を高めるというもの。工事現場の安全措置対象範囲を現行の20種の有害・危険場所から全ての場所に拡大。違反時の処罰を現行の1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金より大幅に強化し、5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金にしようというものだ(雇用労働部、シム・サンジョン議員)。

 安全措置に違反して労働者が死亡した場合には3年以上の有期懲役に処し、安全措置違反で処罰を受けた者については、登録取り消しを要請することができるようにもする。

 建設産業研究院のチェ・ソクイン技術政策研究室長は「先進国は事故対策で処罰よりシステム改善に重点を置いている。韓国も発注者・下請・労働者など建設工事の関係者が全員参加する総体的な安全管理システムの構築に焦点を合わせなければならない」と語った。

CNEWS 7月19日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/日系デベら開発の住宅が分譲開始

 不動産開発のナムロンが日本企業2社と共同で開発を進めているホーチミン市内の住宅プロジェクト「ヴァローラ ヴィラ」=完成イメージ=が分譲を開始した。

 5.38haの敷地に、マンションと一戸建て住宅84戸を一体的に開発する。中間層でも購入しやすい価格帯に設定した。ラックチエック川と湖に囲まれた立地で、夏も涼しい快適な環境を用意。敷地入り口にはゲートが設けられ、安全に配慮した。

 ナムロンは、2015年から西日本鉄道、阪急不動産と住宅開発の共同事業を進めている。

セイ・ズン 7月22日)

2016年7月26日火曜日

【名称はダイハツスタジアム】青森・八戸市に新スタジアム、こけら落としは10月

多目的運動場の完成イメージ(実施設計)
手前が多目的グラウンド、奥がダイハツスタジアム
青森県八戸市が建設している多目的運動場のうち、サッカーJFLヴァンラーレ八戸の本拠地になるスタジアムの名称が「ダイハツスタジアム」に決まった。青森ダイハツモータースと年間206万円、3年間(16年10月~19年9月)の期間でネーミングライツ契約を締結した。スタジアムのこけら落としは10月2日を予定している。

 多目的運動場は、東日本大震災で被災した多賀地区に建設されている。約9・7haの敷地に管理棟兼津波避難施設、球技場、多目的グラウンドなどを配置。天然芝の球技場の収容人数は約5200人、多目的グラウンドは人工芝で約1700人を収容する。球技場のピッチサイズは105m×68mで、外周部に5m程度のスペースを確保する。北側サイドスタンドに大型ビジョンを設置。メインスタンドはベンチシート、バックスタンドとサイドスタンドは芝生席となる。将来、ナイター照明が設置可能なスペースも確保する。

 多目的グラウンドにはロングパイル人工芝を敷く。北側と南側に芝生スタンドを設置、水平面照度200ルクス、均斉度0・5を確保するナイター照明を設ける。
球技場は観客席とピッチの距離が近く、臨場感を味わえる


 

【けんせつ小町が大活躍!!】岩手で安全パト、広島では現場見学会

 復興道路や復興支援道路整備が本格化している岩手県内の工事現場を施工各社のけんせつ小町が巡回し、作業所や工事現場の設備点検に当たっている。

 戸田建設・岩田地崎建設JVが施工を担当する「国道106号茂市地区道路工事」現場で20日に、また青木あすなろ建設が施工している三陸沿岸道路の3カ所の現場で21~22日に、けんせつ小町による安全パトロールがそれぞれ行われた。

 茂市地区道路工事は宮古市茂市地区で復興支援道路の一部となる茂市橋の橋梁下部工、本線とランプ部分の道路改良、上茂市橋の下部工、腹帯第1トンネル(延長1774メートル)を施工する大ロット工事。トンネルは今秋の掘削開始予定で、現在茂市橋のA2橋台、上茂市橋のA1橋台のコンクリート打設が進んでいる。

 パトロールはランプ予定地と上茂市橋A2橋台を中心に進められた。けんせつ小町からは「仮設足場の中に入ると注意書きが少なくなっている」「足場の移動先に予測できない高低差や階段があるため、手前に案内表示がほしい」「現場全体では作業の『見える化』対策が進んでいる。それを継続する意識が大事」などの意見が出された。

 ◇やりたいこと見つけるきっかけに◇

 日本建設業連合会(日建連)は22日、「広島駅南口Cブロック第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事」(施工=戸田建設、菊地康司統括作業所長)で、けんせつ小町活躍現場見学会を開いた。

 女子児童・生徒と保護者9組21人が参加。西日本でトップクラスの高さを誇る大規模建築や、そこで働く女性の建設技術者・技能者「けんせつ小町」に直接触れることで、女性も活躍できる建設業の魅力を体感した。

 見学会に先立ち、日建連広報部の五百木祐美副参事が、建設業の役割や魅力、けんせつ小町について説明しながら、「多くの経験をすることで自分に合っていること、好きなこと、将来やりたいことを見つけてほしい。この見学会がそのきっかけになってほしい」とあいさつ。中島孝雄作業所長(住宅棟)も「女性が頑張って現場を引っ張っている姿を見ていただき、私も将来、建設業界で活躍できればという思いを持っていただければうれしい」と期待を寄せた。

 見学会ではまず、同現場で活躍する坂本望美工事課長が工事の内容や特徴を分かりやすく説明。その後、戸田建設の「けんせつ小町」9人が中心となり現場を案内。工事用エレベーターで最上部に登り約167メートルからの眺めを見学したほか、高所作業車への搭乗や内装ボード張り、塗装仕上げなど、現場の仕事を直接体験した。

【頭スッキリ】三和建設、現場の熱中症予防に「水シャン」奨励

水シャンで建設現場の熱中症を予防-。三和建設(大阪市淀川区、森本尚孝社長)は、休憩中の社員や作業員が水でシャンプーすることを奨励するユニークな取り組みを始めた。

 長時間のヘルメット着用による汗や蒸れは髪や頭皮への負担となるため、一部の現場事務所にシャンプーを設置。頭を洗ってリフレッシュしてもらうことで、熱中症を予防すると同時に、モチベーションや生産性の向上につながるとみている。

 同社は、日用品大手ユニリーバ・ジャパンが提唱する「着帽手当」を6月に導入した。企業が帽子やヘルメットをかぶって働く社員に頭皮ケアシャンプーを支給する制度で、同社は建設現場に従事する社員と作業員にシャンプーを支給している。一部の現場事務所では共用のシャンプーを設置し、昼間の休憩時間に水でシャンプーすることも奨励している。

 夏場の建設現場は過酷な状況にさらされ、熱中症による業種別の死傷者数は建設業が最も多い。帽子内は運動後30分で熱帯雨林レベルの不快環境になるとも言われ、長時間のヘルメット着用は髪や頭皮への負担となり、パフォーマンスの低下にもつながる。

 同社はほかにもさまざまな熱中症対策を現場に導入している。熱中症予防には水分補給だけでなく、適切な塩分補給が必要となるため、塩タブレットと干し梅を配布。作業服の中に風を送り込むための小型ファンが付いた空調服を現場に従事する社員全員に支給している。ミスト扇風機やかき氷機も導入しているほか、現場の新規入場者には首元を冷やすサマースカーフやネックシェード、氷結シートを提供している。

 同社は、社員の働きやすさの向上を図り、社員が誇りを持てる企業づくりを積極的に展開しており、民間の調査機関が実施している「日本における働きがいのある会社」ランキングで、15~16年の2年連続でベストカンパニーの1社に選出されている。

【完成予定は19年9月】渋谷パルコ建替、既存解体8月中にも着手

 パルコは、渋谷パルコ(東京都渋谷区)の建て替えに向けて、既存建物の解体工事を竹中工務店に発注した。

 既存店舗を8月7日で一時休業し、同月中には解体工事に入る予定だ。建て替え事業は、同社を個人施行者とする第1種市街地再開発事業として計画されており、同社は解体工事と並行して施行認可手続きを進める。

 早期に認可を取得し、17年3月には新設する複合ビルの本体工事に取り掛かる考えだ。複合ビルの設計者、施工者は決まっておらず、現在調整を進めている。

 建て替え事業の計画地は宇田川町14の一部と15(区域面積0・7ヘクタール)。渋谷パルコのパート1の街区と、その西隣のパート3を含む街区を一体開発する計画で、昨年12月には都から都市再生特別地区の指定を受けた。

 パート3の街区に同社以外の地権者が含まれていることに加え、計画地内の区道の付け替えを伴う開発となるため、同社は建て替え事業を「宇田川町14・15番地区第一種市街地再開発事業」として進める予定。早期に合意形成を図り、今後、都から施行認可、権利変換計画認可を受ける。

 このほど竹中工務店に発注した解体工事では、計画地内のすべての既存建物を解体・撤去する。既存建物の総延べ床面積は4万2698平方メートル。工期は8月23日~18年11月30日を予定している。

 特区指定時の計画によると、新設する複合ビルは、約5380平方メートルの敷地に地下3階地上20階建て延べ約6万5000平方メートルの規模で建設する。高さは約110メートル。低層部には店舗、文化発信施設(劇場など)、ファッション・演劇文化の育成・情報発信施設を配置。10階程度から上層部はオフィスフロアとなる。19年9月の完成を目指す。

【回転窓】座り仕事と立ち仕事

もし、仕事を2種類に大別せよと言われたら、「立ってする仕事」と「座ってする仕事」に分けるのも一つの分類方法になるかもしれない。途中で立ったり座ったりはあるにせよ、主要部分はおおむね二つに分けられるのではないかと思われる▼大企業や外資系企業などで最近、普通は座ってするオフィスでの仕事を立ってできるようにする職場が増えているという。新聞や雑誌でそんな様子がしばしば紹介されている。天板の高さを電動で変えられる机を導入し、立ったり座ったり▼長時間の座りっ放しは腰などへの負担が大きく、心身両面の健康に良くないだろう。座っている時間が長いほど死亡リスクが高まるとの研究結果も海外などにはあるらしい▼気分転換で作業能率がアップしたり、社員同士の会話が増えて新しいアイデアが浮かんだり…。生産面での立ち仕事の効用を指摘する声も多いようである▼さて、古色蒼然(そうぜん)とした当編集部にはしゃれた昇降デスクなど無いので、拙稿はもちろん座り仕事。たまに立って書いてみれば、新たな発想で読者をうならせるコラムになる可能性もあるが、保証はできない。

【延長33km、トンネル2本を1本化】国内最長トンネル誕生へ、北海道新幹線・新函館北斗~新八雲間に

 建設が進む北海道新幹線に、陸上トンネルとして国内最長のトンネルが誕生することになった。

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部北海道新幹線建設局は、北海道新幹線新函館北斗~新八雲間に建設する渡島トンネルと村山トンネルを1本化する計画変更を22日に発表した。これによりトンネルの長さは約33キロとなる。

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【記者手帖】地域発の技術が熱い

第40回日米大学野球選手権は17日、日本がサヨナラ勝ちで2大会連続18度目の優勝を決めた。日本代表にかつての斎藤佑樹のようなスター選手がいなかったためメディアの扱いは小さく、記憶にない人も多いかもしれない◆だが、新潟は熱かった。1、2戦が新潟開催だったことはもちろん、開幕前に行われたオープン戦で、地元出身の今年のドラフト候補、新潟医療福祉大のエース笠原祥太郎(新津高校出身)が日本代表相手に快投を演じたことも盛り上がりにつながった。試合は後続投手が打たれて0対4で敗れたが、代表に漏れた屈辱を故郷で晴らしたことは賞賛に値する◆新潟は地元の建設会社も頑張っている。6月末の県の発表によると、県内企業が開発した土木・建築の新技術の普及を促すために県が制度化した「Made in(メードイン)新潟」登録技術の関連売上高は14、15年度の2年連続で100億円を超えた◆県外の他社にまねをされて売り上げが落ちたと嘆く声も聞こえるが、それは優れた技術であることの証拠ともいえる。地域発の技術で、地元そして全国を熱く盛り上げてほしい。(石)

2016年7月22日金曜日

【回転窓】経済対策の焦点は「真水」

政府内で経済対策の取りまとめが急ピッチで進んでいる。12年12月の安倍政権発足時から「3本の矢」(金融緩和、財政政策、成長戦略)を放って取り組んできた経済政策。この恩恵を地域に行き渡らせる「ローカルアベノミクス」が焦点だ▼先の参院選を通じて聞こえてきた地域の厳しい声をいかに反映させるかが問われる。首相が繰り返し言及しているリニア中央新幹線。財政投融資を活用した開業の大幅前倒しは、21世紀型インフラの象徴で、整備新幹線の建設加速と合わせた「地方創生回廊」の構築が、持続的な経済成長を後押しすることになる▼ただ、今回の対策での期待は、政府が直接支出する「真水」。適正な利潤の確保をうたった改正公共工事品質確保促進法に基づく施策の効果を高めるためにも、地域を支える建設業者が持続するに足るだけの事業量を確保することが不可欠だ▼人手不足を理由に公共事業費の上積みに懐疑的な意見も一部にあるが、むしろ地域の建設業界には施工余力があるのが現状だ▼群馬県建設業協会が主張する「限界工事量」の概念は、それを示す分かりやすい指標となる。

【土木の魅力を感じてね】名古屋市でけんせつ小町活躍現場見学開催

 日本建設業連合会(日建連)は21日、「けんせつ小町活躍現場見学会」を名古屋市中村区の「中村中部雨水幹線下水道築造工事」(施工=安藤ハザマ・西武建設・山越JV)の現場で行った。 小学1年生から中学3年生までの女子児童・生徒8人と保護者6人が参加、シールドトンネルの大きさや技術に目を見張っていた。

 案内役は、安藤ハザマの日野陽子さん(写真㊧)と同現場に勤務する内田愛さんが務めた。参加者は、現場事務所で同雨水幹線の役割、工事内容などの説明を受けた後、立坑を降りてシールドトンネル内を歩き、セグメントのボルト締め付けも体験した。

 現場見学は初めてという岐阜県多治見市から参加した小学5年生は「楽しかった。大きくなったらやってみたいと思った」と話した。

 見学後の懇談で、日野さんと内田さんは、土木の道を選んだ理由を説明。入社2年目の内田さんは「最初、怖いイメージだったが、優しいプロフェッショナルばかり。親切に教えてもらえるし、男女のギャップは感じない」と現場の雰囲気を紹介した。日野さんは「先人の努力で機械化や設備の充実が進み、女性でも現場に携われるようになった。知れば知るほど土木に魅力を感じる」と話した。

 日建連の「けんせつ小町活躍現場見学会」は、今回のシールド工事を皮切りに夏休み期間中、全国15カ所で開かれる。女子小中学生に現場を紹介し、女性も活躍できる姿を見てもらうのが狙い。昨年度に続いて2回目だが、中部支部管内で行われるのは初めて。

 「中村中部雨水幹線」は、1時間60ミリの大雨でも地域が浸水しないように、一時的に雨水をためる貯留管。内径3750ミリのシールドトンネル約2580メートルを築造する。13年2月に着工、17年3月完成予定。

【バックづくりにクラウドファンディング】国際航業と防災ガール、ファッションアイテム事業でコラボ

国際航業は、防災ガール(田中美咲代表理事)とコラボレーションし、3次元(3D)ハザードマップをデザインしたファッションアイテムの事業展開を始める。

 具体的には、トートバッグに3Dハザードマップをプリントし、利用者が持ち歩くことで日常的に防災意識を高めてもらう。事業化には、インターネット上で不特定多数の協力者から資金を募る「クラウドファンディング」の手法を使う。

 国際航業と、企業同士を結び付けるオープンイノベーションプラットフォームを運営するCreww(東京都目黒区、伊地知天代表取締役)が共同で、ベンチャー企業などを対象に国際航業とのコラボレーション企画を募集していた。今回、若者向けに防災情報の発信などを行う防災ガールとの企画がその初弾として具体化した。

 企画では、国際航業が計測した高密度・高精度な3D空間データを利用して、東京・渋谷の街のハザードマップを作成し、トートバッグに印刷する。地形の高低を色分けしたり、帰宅困難者向けの施設を分かりやすく表示したりすることで、災害時の実用性を持たせた。

 クラウドファンディングは、7月21日~8月19日の期間にインターネット上に概要が公開される。

 調達資金の目標金額は300万円。期間中に目標金額に届けば事業化となる。協力者は、投資額に応じて特典がもらえる仕組みになっている。

【ラグビーW杯をめざして】熊谷ラグビー場改修ECI、設計技術協力業務は清水建設に

 埼玉県は、ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式を適用する「熊谷ラグビー場改修工事設計技術協力業務委託」の公募型プロポーザルで、設計技術協力事業者(施工予定者)を清水建設に決めた。

 契約金額は193万5000円。19年に開催されるラグビーワールドカップ(W杯)の会場として利用するため、大規模改修を行うプロジェクト。

 W杯開催の1年前となる18年8月までの完成を目指す。全体の参考概算事業費は94億6000万円。設計は松田平田設計が担当している。

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【傑作の影にこの人あり】西洋美術館本館(東京都台東区)、施工で支えた清水建設・森丘四郎氏


 近代建築の巨匠ル・コルビュジエが設計を手掛けた作品の一つで、日本国内で20件目となる世界遺産への登録が決まった「国立西洋美術館本館」(東京都台東区)。その完成に大きく貢献したのが、工事を担当した清水建設の森丘四郎氏だ。建物を象徴するピロティ構造は大型のコンクリート柱で構成しており、フランスで専門知識を学んだ同氏が現場主任として着任。日本人ならではのきめ細かい施工で、完成後はコルビュジエ本人からも称賛の言葉が贈られたという。

 ◇丁寧な工事で繊細デザイン再現◇

 森丘氏は富山県に生まれ、18歳(1923年)の時にフランスに留学。リヨン美術学校で建築学を学んだ。28年からは、コンクリート建築を得意とするフランスの建築家オーギュスト・ペレに師事。ペレのアトリエには、若き日のコルビュジエも在籍しており、森丘氏の知識の基礎がここで順調に育まれた。

 33年6月に、清水建設の前身である清水組に入社。前川國男氏が設計した日本相互銀行本店の工事(52年竣工)を手掛けた関係で前川氏の信頼を得た。

 国立西洋美術館の新築工事に当たっては、「コルビュジエも師事したペレの元で学んだ森丘氏が適任」とする前川氏からの強い要望があり、現場主任に就くことになったという。

 新築工事は58年3月20日に始まった。建物のデザインで特徴的なのが、打ちっ放しコンクリートの円柱。森丘氏は施工の際、年輪が幅広く均一で、切削などの加工が容易な姫小松を用いて型枠を製作。そこにコンクリートを丁寧に流し込むことで、姫小松の美しい木目を円柱に表現した。工事は59年3月28日に竣工した。

 「美術品を展示する素朴な箱と言った感じのする美術館を、どんな感覚に仕上げたらよいだろうか。(中略)設計者の意志に反するとしても、せめてこの質素な木綿の着物を着た淑女に、几帳面な身だしなみと多少の品位を与えることが出来ないものか」(清水建設社内報59年6月号から抜粋)。森丘氏は、施工に当たって考えたことをそう記している。

 ◇コルビュジエも仕上がり称賛◇

 森丘氏を筆頭とする清水建設の丁寧できめ細かな仕事ぶりを、設計者も高く評価した。実施設計・監理を手掛けた坂倉準三氏は「大へんな熱意をもって仕事にあたった清水建設の現場担当員はじめ、関係工事担当各社の人たちに負うところがまことに大きい」(「新建築」59年3月号への寄稿から抜粋)と賛辞を贈った。コルビュジエは、完成後に来日してはいないが、坂倉氏が送った竣工写真を見て「美術館の仕上がりは完璧で、私は満足だ」と坂倉氏に返信したとされている。

 森丘氏はその後、東京都記念文化会館(東京都台東区)の新築工事に携わるなど、多くの歴史的建築物の施工を手掛け、64年に清水建設を定年退職。92年に86歳でこの世を去った。

 96年5月~98年3月に行われた国立西洋美術館の免震レトロフィット工事では、清水建設が新築に続いて施工を担当。そして、新築から半世紀以上を経て、世界文化遺産への登録が決まった。

 昨年、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」(軍艦島の共同住宅などを施工)が世界文化遺産として登録されるなど、清水建設が建築に携わった作品が世界から評価されている。

 (もりおか・しろう)1906年1月4日生まれ、富山県大布施村出身。23年4月富山県立魚津中学校第四学年終了後留学のため退学、24年5月渡仏し、同年9月リヨン美術学校入学、28年3月オーギュスト・ペレに師事、33年6月清水組(現清水建設)入社、60年7月工事課長、64年1月定年退職、92年1月死去(86歳)。

 《工事概要(新築時)》

 発注者=文部省
 所在地=東京都台東区上野公園7の7
 規模=建築面積1587m2、RC造地下1階地上3階塔屋1階建て延べ4181m2
 設計=ル・コルビュジエ
 実施設計・監理=坂倉準三、前川國男、吉阪隆正
 構造設計=横山建築構造設計事務所、文部省管理局教育施設部工営課
 施工=清水建設
 工期=1958年3月20日~59年3月28日

2016年7月21日木曜日

【新CM放映開始】小田急電鉄、「世界に一つの日々と」シリーズ第2弾


 小田急電鉄が21日から新しい企業CMの放映を開始する。「世界の一つの日々と」をテーマに、昨年7月から放映している第1弾「2人の時間編」に続き、「3人の日々編」を製作。代々木上原駅や街を舞台に、久しぶりに再会した3人の女性が友情と絆を再確認する内容だ。

 出演は女優の趣里さん、柳英里紗さん、木下あかりさん。音楽を菅野よう子氏が担当した。テレビのほか、小田急線の車内液晶ディスプレイでも放映する。

【まちなみに溶け込む空間に】JR西日本、尾道駅リニューアル計画公表

新しい尾道駅の外観イメージ
瀬戸内観光の拠点、広島県尾道市にあるJR尾道駅が生まれ変わる。明治時代に建設された初代尾道駅のおもむきをデザインに取り入れながら、観光客を迎える尾道、瀬戸内エリアの玄関口にふさわしい駅空間を作り上げる。

 デザイン監修をアトリエ・ワンが担当し、JR西日本とJR西日本コンサルタンツが設計を手掛ける。施工は広成建設ら。S造2階建て延べ2150平方メートルの規模で、駅施設が950平方メートル、商業施設が1200平方メートルの構成となる。

 吹き抜けとガラス屋根のコンコースは、自然光がふんだんに降り注ぎ、海から山に抜ける開放的な空間になる。2階には展望デッキが設けられ、屋根の一部をくり抜くように開放する。駅舎の外観は瓦屋根や深い軒など、明治20年代に整備された初代尾道駅の特徴や色彩を踏襲する。駅舎内の施設を渡り廊下や階段、エレベーターでつなぎ、さまざまな楽しみ方ができる空間にするという。 総工費は17億円。18年夏の完成を予定している。

 本州と四国を結ぶ「せとうち十字路」に位置する尾道は、日本遺産にも認定されている観光名所。最近ではしまなみ海道サイクリングコースの本州側出発点として来訪者が増えている。JR西日本は、新しいまちづくりが進む尾道に溶け込むような駅舎を整備し、観光振興に貢献する考えだ。
コンコースの完成イメージ

【輝く!けんせつ小町】日本ピーエス名古屋支店技術施工部・青木治子さん

◇現場や工場を後方で支える◇

 「曽祖父がトンネル技術者で、大学進学時にどの学科に進むか悩んでいた時に、野外の広いところで仕事をするのが似合っている」と言われ、当初迷っていた機械専攻をやめ、土木の道に進んだ。

 名工大社会開発工学科で土木を勉強し、00年に入社。新入1年目に社員研修を兼ねて2カ所の現場を担当した後、本社設計部に配属。2年目の途中から名古屋支店の設計に異動した。「支店に異動したころは新東名高速道路の仕事が最盛期で、とにかく忙しかったです。上司や先輩に指示されたことを、毎日こなすので精いっぱいでした」。

 設計担当者は発注者から提示された設計図面を照査し、現場や加工工場に持ち込んだ時、不備がないかどうか事前に確認し、もし何か課題があれば発注者などと協議して施工前に調整する。現場の仮設物の設計や構造計算なども担当する。

 「今は発注者と設計を担当した建設コンサルタント会社、われわれ施工会社の3者で話し合う“3者協議会”が行われるケースが多く、調整もしやすくなりました。中部地方整備局が3者協議に積極的に取り組んでいただいたおかげです」

 今年が入社16年目となる。これまで数多くの案件を担当し、中堅社員としてバリバリ仕事をこなしている。「東海地方の高速道路整備も一段落し、現在、支店の設計担当は私一人。大きなプロジェクトはないのですが、4~5件を一度に抱えるとやはり大変です。設計図面の中でどこを詳細に見ておかなければいけないかなどのポイントは分かってきましたが、まだまだ経験不足です」。

 施工が始まった後も現場から各種の問い合わせがくる。「仮設の設計をこう変えたいんだが」「こう設計を変えた場合の構造計算を頼む」など、その要請のたびに迅速に対応している。「現場や工場が困らないようにするのが私の役目です。そのためにも現場を知っていなければいけません。現場に出たい気持ちもあります」。

 忙しい中でのストレス解消法はプロ野球観戦。中日ドラゴンズの大ファンで、ナゴヤドームには年間20試合以上足を運ぶ。「何もかも忘れて、声がつぶれるまで応援するとスカッとしますよ」。

 (技術施工課課長代理、あおき・はるこ)

【性能発注で事業者選定を】文科省有識者会議、文教施設コンセッション促進策骨子案とりまとめ

文部科学省の有識者会議が地方自治体の文教施設の民営化促進策として検討中の具体策の骨子案をまとめた。

 公共機関が施設を所有したまま運営権を民間に売却する公共施設等運営権(コンセッション)の導入を前提とし、事業者選定では民間のアイデアを反映しやすい性能発注方式を採用することが重要だと指摘した。

 特にコンセッションで一定の収益を期待できる文教施設として大規模集客型のスポーツ施設を挙げた。

骨子案は「文教施設における公共施設等運営権の導入に関する検討会」(主査・山内弘隆一橋大大学院商学研究科教授)がまとめた。

 民間の事業参画意欲や創意工夫を最大限に引き出す仕組み作りが重要になると指摘し、事業者選定を性能発注で行うよう提案した。

 運営中に更新期を迎える施設では設備投資に膨大な資金が必要になるとして、運営中に想定される事業リスクを官民で公平に分担することも求めた。

 コンセッションで安定的な収益を見込みやすい文教施設には、プロスポーツの試合や、スポーツ以外にコンサートなどのイベントにも活用できるスタジアム・アリーナを挙げた。

 有識者会議は8月に中間報告、来年3月に最終報告をまとめる。報告内容は、文科省が17年度に自治体向けに作る文教施設のコンセッションに関する実務的な指針に反映させる。

【高砂熱学工業のBIM運用】BIMの課題と可能性・121

 設備(工事会社)サブコンとしての高砂熱学工業のBIM運用の現状の「課題」と今後の「可能性」を検証し、報告する。

 設備サブコンの業務は、上流工程との協働のもと、空調・衛生・電気設備の施工内容を決定するさまざまな検討や合意形成に始まり、それらの結果を網羅した施工図作成、施工計画立案、施工実施に至るまで多岐にわたる。

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【プロジェクト・アイ】福岡市地下鉄七隈線博多駅(仮称)工区建設工事(福岡市博多区)

 福岡市で、市営地下鉄七隈線の都心部区間の延伸事業(天神南~博多)が進んでいる。

 中でも大成建設・佐藤工業・森本組・三軌建設・西光建設JVが博多駅直下で施工する博多駅(仮称)工区は、NATM、開削、アンダーピニングという異工種が混在する難工事だ。

 トンネル掘進時には、切羽前方地盤の状況を事前に把握できるトンネル先行変位計測システム「TN-Monitor」を導入するなど、周辺への影響に細心の注意を払いながら工事が進められている。

 ◇地盤状況把握に新システム導入◇

 福岡市営地下鉄七隈線は現在、福岡市西区の橋本駅と中央区の天神南駅を結ぶ12キロの区間で営業している。今回の延伸事業では、南西部と都心部、都心部内の移動の利便性向上と、地下鉄空港線の混雑緩和などを目的に、天神南から空港線博多駅まで(中央区春吉3丁目~博多区博多駅中央街)の延長約1・4キロを新たに結ぶ。

 このうち博多駅工区は、七隈線と博多駅との接続部(延長280メートル)を施工する工事で、空港線博多駅につながる七隈線の博多駅などを造る。博多駅直下という都心部でのNATMによる大断面トンネル掘削と、営業中の博多駅前の地下街と地下鉄空港線下の開削、アンダーピニングという二つの工種がこの工区の大きな特色になっている。

 現場で工事を指揮する大成建設JVの田中芳光作業所長が「人通りの多い都心部で、営業中の地下鉄、駅ビルが近接する中での工事。交通規制も最小限に抑えるなど周辺に与える影響に細心の注意を払った」と話す通り、工事は万全の準備を行った上で慎重に進められた。

 先行して着工したNATM区間は、開削区間となる博多駅と七隈線を接続する本坑195・6メートルの区間で、このほかに連絡坑(140・0メートル)と立坑(25・1メートル)を施工する。

 本坑は博多駅前通りの直下と都心の真っただ中に位置するだけに、地上・地下とも構造物が多い。掘削が及ぼす影響を常時監視し、大きな変状が生じる前に適切な対策を講じる必要があった。

 開削区間に接続する終点側109メートルは、中央に駅ホーム部、左右に上下線路部と三つのトンネルを眼鏡のレンズが3枚重なるように配置される3連眼鏡型の構造となるため、トンネルを安定させることが難しかった。

 このため施工に当たっては、大成建設が開発したトンネル先行変位計測システム、TN-Monitorを採用した。切羽前方地盤の先行変位(沈下)を計測する「SAA」と、切羽側からトンネル内に押し出してくる地盤の動き(押し出し変位)を計測する「T-REX」という2種類の計測機器を設置。これで取得したデータによって、トンネルを掘進する前に切羽前方の地盤の様子を詳細に把握できるようになる。

 掘削が影響しない約20メートル前方の位置まで地盤の変位を詳細に捉えることができるため、NATM区間を担当する鈴木健司工事長は「必要に応じて地盤補強を先行して実施できる。施工条件の制約が多い中、安全性と生産性の確保につながった」とシステムの導入効果に太鼓判を押す。

 ◇事前対策に大きな成果◇

 一方、開削区間では、新設する博多駅舎(仮称)部となる5階層(高さ25・2メートル)一部2階層(11・3メートル)の地下躯体を構築する。施工面積5000平方メートルのうち、既設のJR地下街や地下鉄空港線軌道部・連絡通路部など約4000平方メートルで、アンダーピニング工法を採用。374台のジャッキを使い、約10万トンに及ぶ既存構造物の荷重を受け、沈下や傾斜を防いだ。

 「人が往来する既設躯体をどれだけ傷めずに空中に浮かせられるかがポイント」と田中所長。(写真㊨)

 その言葉通り、特に土かぶりの薄い地下駐車場と地上をつなぐ既設車路直下の区間は、車路と地下躯体の間を鋼管で保護するパイプループ工法を採用するほか、既設躯体の変状を0・01ミリ単位でモニタリングするなど、慎重に工事を進めている。

 20年度の開業に向け、今後も難しい工事が続く。田中所長は「福岡市民待望の延伸で、発注者を含め、市民の期待をひしひしと感じる。無事故無災害で良い品質のものを完成させたい」と力を込めた。

 《工事概要》
 
 【工事名称】福岡市地下鉄七隈線博多駅(仮称)工区建設工事
 【工事場所】福岡市博多区博多駅前2地先~博多駅中央街地先
 【発注者】 福岡市
 【施工者】 大成建設・佐藤工業・森本組・三軌建設・西光建設JV
 【主な工種】工事延長280m、うち山岳トンネル工法(NATM)延長196m、
      削工法・アンダーピニング工法延長84m
 【工期】2013年12月5日~19年3月15日