2016年11月30日水曜日

【回転窓】ランナーの目線を生かす

スポーツジャーナリストで元マラソン選手の増田明美さんがかつて、本紙のインタビューで「轍(わだち)」にまつわるエピソードを話してくれたことがある▼現役を引退してまだ間もないころ、駅伝の中継でアナウンサーに「やはり選手は轍があると走りづらいものですか」と聞かれた。実は、その時まで轍の意味を知らず、とっさに「ああ、ワダチさんですか」と答えてしまったのだという。「恥ずかしい思いをしました」と笑顔で記者に教えてくれた▼スポーツ選手が見せる普段の顔まで「詳しすぎる解説」で人気の増田さん。選手が自身のことをつい話してしまうのもそんな飾らない人柄の持ち主だからに違いない▼日本のランニング人口は1000万人に上るとの推計もある。最近は数万人の市民ランナーが参加するマラソン大会も少なくない。大会では普段は車が通る道路を堂々と走れるのもランナーにしか味わえない楽しさであろう▼日本の道路はよく整備され緑も多いが、ランナーが練習できるような道路は「少ない気がします」とも増田さんは語っていた。道づくりや地域の活性化にランナーの目線も生かしていきたい。

【どうなる五輪競技施設】水泳・ボートは新設、バレーは結論持ち越し


上から「オリンピックアクアティクスセンター」「有明アリーナ」「海の森水上競技場」
(いずれも東京都提供)
 2020年東京五輪の「水泳」「ボート・カヌー(スプリント)」「バレーボール(インドア)」で使用する三つの競技施設の建設計画見直しをめぐり、協議を進めていた東京都、国際オリンピック委員会(IOC)など大会関係者4者は29日、バレーボール以外の会場を現行計画通りの建設地に新設することで合意した。バレーボール会場は計画中の有明アリーナと、既存の横浜アリーナのどちらにするか、都が12月25日までに結論を出し、その判断にIOCらが従う。

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【建設どさん娘の会、発足】北海道で女性技術者の活躍後押し

建設産業に関わる北海道内の女性を中心メンバーとする「建設どさん娘(こ)の会」の設立総会が21日、札幌市中央区の北海道建設会館で開かれた。道内の建設業に携わる女性による初めての組織となる。

 建設業に携わる女性同士のネットワークを拡充し、女性技術者などの活躍を後押しするのが狙い。代表には苫小牧工業高等専門学校の松尾優子准教授を選出した。

 活動方針によると、企業の経営者などを招いた勉強会の開催や、業界団体との連携、女性の視点からの行政・業界団体への提言などを行う。同日に第1回勉強会を開き、北海道開発局の今日出人局長と「建設業の女性活用」をテーマに意見交換を行った=写真。

 設立発起人は建設業、建設コンサルタント、教育機関などに勤める6人の女性。会の趣旨に賛同していれば原則誰でも加入でき、男性もサポート会員として参加が可能という。事務局は北海道建設業協会内に置く。

【自転車乗りなら一度は行きたい】自転車博物館(堺市)の移転新築プロジェクトが始動

 シマノ・サイクル開発センター(島野容三理事長)は自転車博物館(堺市堺区大仙中町18の2)を、市が管理する大仙公園の自転車ひろば(堺区東上野芝町1)に移転する。

 新博物館=完成イメージ=の規模は地下1階地上2階建て延べ4100平方メートル。設計は芦原太郎建築事務所(東京都千代田区)が担当。施工者を決める入札を年内にも公告し17年2月に決定する予定。17年4月に新博物館に着工、18年6月に完成させ7月の開館を目指す。

 新博物館では展示内容を充実させるともに、休憩室やシャワー室、高級自転車のレンタルコーナー、自転車整備スペースなどを備えるサイクルステーションを新設。カフェの設置も検討している。移転先の自転車ひろばでは自転車体験プログラムも充実する計画だ。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/談合三振アウト制は副作用大

立法専門家や研究機関が、「入札談合三振アウト制」法案に対して否定的意見を相次いで出している。入札談合処罰を強化して根絶するという趣旨の法案だが、かえって「違憲の恐れ」「無罪推定の原則に反する」「経済損失」「雇用の減少」「産業競争力の弱化」といった副作用が大きいという指摘がなされている。

 「入札談合三振アウト制」(チョン・ジョンソプ議員代表発議)は、期間の制限なしに3回以上課徴金賦課処分を受けた場合には、建設業登録を抹消することとする処罰規定を強化する法案。現行の「建設産業基本法」は、建設業者が入札談合で課徴金賦課処分を受けた時から3年以内に同じ違反行為で2回以上課徴金賦課処分を受けた場合に限り建設業登録を抹消するという仕組みだ。

 「入札談合三振アウト制」に対しては、国会内でも副作用が憂慮され、慎重な検討が必要だとの指摘も出ている。

 キム・スフン国土交通委員会首席専門委員は法案の検討報告の場で、「事業者が処分に従わず、訴訟を提起する場合には、大法院(訳注・日本の最高裁判所に当たる)の確定判決時までは無罪推定の原則が適用される。

 この法案では、入札談合に対する課徴金賦課処分の判断基準も強化されている。これらを踏まえると、登録が抹消された場合には、その建設企業の従事者が大量に失業者となるだけでなく、海外建設市場での入札参加機会の喪失などの副作用も勘案すると、総合的な検討が必要だ」と指摘した。

CNEWS、11月16日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/土木工学大学がハノイ市で鋼構造技術セミナー

 国立土木工学大学(NUCE)が11月15日、ハノイ市で日本のJFEスチールと共同で鋼構造に関する技術セミナーを開いた。

 ファム・ドゥイ・ホアNUCE学長は開会のあいさつで、「日本の技術を採り入れてベトナムの建設産業は発展してきた。JFEスチールはこれまでにもNUCEとセミナーを共催しており、両国技術者の交流の場となっている」と述べた。

 セミナーでは、JFEスチール独自の「つばさ杭工法」や構造用TMCP鋼材、BIMの活用事例やジェコスの山留め工事用仮設システムなどを紹介した。

 同日、キャンパス内に設置された鉄骨を使ったモニュメント=写真=の除幕式も行われた。両者のパートナーシップを記念して作られたもので、ハノイの歴史的建造物「一柱寺」から着想を得たモニュメントは、建築家グエン・ヴァン・ドアン氏が制作した。

セイ・ズン、11月16日)

2016年11月29日火曜日

【2019年W杯へ準備進む】花園ラグビー場整備3件、設備は北陸電気工事ら、建築は保留

大阪府東大阪市は24日、制限付き一般競争入札(申請入札同時方式)対象の花園ラグビー場整備工事と同電気設備工事、同機械設備工事の3件を開札した。整備工事(建築)は清水建設が最低札となったが、調査のため保留。電気設備は北陸電気工事、機械設備は新菱冷熱工業・共進社工業所JVが落札候補となった。

 開札結果は次の通り。

 ▽東大阪市花園ラグビー場整備工事=調査のため保留(38億3200万円で清水建設が最低札)。工事内容は増築・改修・スタンド観覧席改修・外構・撤去工事。工事場所は松原南1の40の1他。工期18年9月19日。予定価格38億3290万円

 ▽同電気設備工事=16億5779万円で北陸電気工事が落札候補。
 工事内容はその1(ナイター照明・大型映像装置・スタジアム音響工事)、その2(増築・改修・外構・撤去・仮設大型映像装置工事)。工事場所・工期前同。予定価格18億4990万円

 ▽同機械設備工事=8億0047万5000円で新菱冷熱工業・共進社工業所JVが落札候補。
 工事は増築棟工事・改修・外構・撤去工事に係る機械設備。工事場所・工期前同。予定価格8億9613万円。

【回転窓】年中無休・24時間営業は必要か

便利な生活に一度慣れてしまうと、後戻りするのはなかなか難しい。さまざまな店の年中無休・24時間営業というのも便利な生活を支える大きな要素の一つだろう。好きな時に欲しい物が何でも手に入る。これほどの便利はあるまい▼最近、そこに小さな変化が起き始めているらしい。先日、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」が24時間営業をやめると報じられた(朝日新聞18日夕刊)。大手百貨店が正月の初売りを従来より1日遅い3日にしたり、かつては週に1日あった定休日を復活させたりする動きもある▼店舗が営業すれば、納入業者やテナントも休めない。年中無休や24時間営業の見直しには、店で働く人に加えて、取引業者などの間にも「英断」と称賛する声があるようだ▼便利な生活に慣れ切ってしまうと、それを誰が支えているのかというところまでつい目が行かなくなる。お客相手のサービス業では機械がすべてをやってくれるわけではない。それが低賃金の長時間労働に支えられているとしたら▼働き方改革の議論が活発化している。消費者も便利過ぎる生活を見直す。そんな視点も必要ではないか。

【歴史的建造物に最新機能】日本工営グループ会社、英国議会移転先改修設計受託

英国議会の一時移転先になる建物の一部
日本工営グループの英国建築設計大手BDP(マンチェスター)は、英国議会が入るウエストミンスター宮殿(ロンドン)の大改修で国会議事堂機能の一時移転先となる歴史的建造物の改修設計業務を下院から受託した。業務名称は「The Northern Estate Programme」で、下院が実施したコンペでBDPが最高評価を獲得した。既に詳細プランの策定に着手。業務完了時期は2020年初めを予定している。

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【坂倉作品を改修】旧日仏学院再整備(東京都新宿区)、設計・監理者の選定着手

坂倉準三が設計を手掛けたIFJTの外観(ⓒ DR/IFJ)
駐日フランス大使館は東京・市谷にある在外文化施設「アンスティチュ・フランセ東京」(IFJT、旧日仏学院)の再整備事業に着手する。日本の近代建築を代表する建築家・坂倉準三が設計を手掛けた建物を改修するほか、敷地内に新棟を建設する計画。このほど設計・監理業務の発注手続きを開始した。参加者を17年1月6日まで受け付ける。2020年開催の東京五輪までの事業完了を目指す。

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【女性技術者と女子学生が意見交換】福島建協ら、女性活躍テーマにイベント開く

 福島県建設業協会(小野利廣会長)と福島県青少年育成・男女共生推進機構福島県男女共生センターの共催による女性活躍応援事業「けんせつ・どぼく女子のいま、未来」が26日、福島県二本松市の福島県男女共生センターで開かれた。建設関連企業の女性社員や、県内の大学生、高校生ら200人以上が参加した。

 小野会長は冒頭のあいさつで「福島建協の会員企業で働く女性技術者は180人程度と採用が進んでいない。7月に官民の推進組織であるふくしま女性活躍応援会議が結成されたことを機に、建設業も女性の力を重視し、誰もが活躍できる産業に変わらねばならないと活動を進めている」と述べた。

 第1部では日経BP社の麓幸子執行役員が講演。2060年代の生産年齢人口は現在の半分近くに減少する予想を示し、「根強い男社会」である建設業の現状を変え、人材活用の母集団を男女の性差無く広げなければならないことを指摘した。麓氏は「女性が働きやすいということは、男性にとっても働きやすい環境になる」と語った。

 第2部では土木技術者女性の会の時弘みどり副会長(清水建設)による基調講話に続いて、同会会員や県内企業の女性社員が女学生と談話するグループワークが行われた=写真。

 時弘氏は実際に女性技術者は古くから「現場の仕事」に関わってきたことを紹介。「励まし合うだけではなく、知識の向上と魅力ある働きやすい環境づくり、女性技術者の社会的評価の向上、この職業を目指す女性へのアドバイスを続けていきたい」と述べた。

 グループワークでは学生・生徒から職業選択の不安などの質問や意見が交わされ、現役の女性技術者たちが自らの経験を基に助言した。

【高さ日本一の橋脚、上部工架設開始!】中日本高速、東海北陸道4車化工事現場を公開

 ◇白鳥~飛騨清見IC区間、18年度開通めざす◇

 中日本高速道路会社は25日、岐阜県内の東海北陸自動車道白鳥インターチェンジ(IC)~飛騨清見IC間で行っている4車線化工事の現場を報道関係者に公開した。約40・9キロの区間内には、橋脚の高さが日本一となる鷲見橋(郡上市)があり、8月に地上125メートルの最上部に到達した。同区間の開通は18年度で、観光シーズンなどの渋滞解消が期待されている。

 鷲見橋は、延長459メートルのPC4径間連続ラーメン波形鋼板ウェブ橋。橋脚3基のうち中央の橋脚が高さ日本一となる。現在の日本一は、暫定2車線で整備された同区間の鷲見橋で、橋脚高さ118メートル。

 鷲見橋の施工は、上・下部工とも三井住友建設が担当している。省力化と工期短縮を図るため、橋脚工事では、あらかじめ帯鉄筋を埋め込んだプレキャスト(PCa)パネルで橋脚表面を形成し、内部にコンクリートを打ち込んで合成構造の橋脚を急速施工する「SPER工法」を採用。上部工では、先行架設した波形鋼板上に移動作業車を直接設置、3ブロックを同時に施工する「RapCon工法」を採用しているのが特徴だ。

 中央の橋脚に着工したのは14年4月。基礎構築後、PCaパネルを4ピース積み上げ、コンクリートを打ち込む作業を繰り返し、8月5日に125メートルに到達させた。現在は、上部工の架設も始まっている。

 同区間の4車線化は、12年4月に事業認可を受け、13年から工事が始まった。実工事延長33・3キロのうちトンネル(11本)、橋梁(27橋)が48・6%の16・2キロを占める。

 暫定2車線区間との近接工事となるため、走行車両への影響を最小限に抑えるよう工夫しながら建設を進めている。

【記者手帖】いつの時代も…

先日、型枠工事会社を自営する知人と久しぶりに飲んだ。年末工期の現場も少なく比較的余裕もあるというので、中年男二人だけの少し早めの忘年会となった。年齢が一つ違いなので話も合う。家庭や実家のことなどを話すうちに、話題は自然と建設業界に◆「型枠工や鉄筋工が不足と言われていたけれど、最近はどう?」と聞くと、「何とかやっている」との答え。「コンビニのバイトでもやった方がまし」と若手が辞めていった時期は大変だったが、「今いる人員でやるしかない」と残った若手に仕事を教えつつ、受注もある程度選別しながらやっているという◆「若者や女性が現場でもっと活躍できるよう、国や業界も頑張っている」と話を向けると、「若い男より女性の方が腹が据わっている」と即答した。なぜかと尋ねると「知り合いの若い内装職人(男)が逃げた。親方にあれだけ世話になったのに」とあきれ口調だ◆「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ…」との山本五十六元帥の言葉を思い出す。「最近の若者は」とは言うまい。人材育成はいつの時代も大変だ。(川)

2016年11月28日月曜日

【B・ロブソン氏らが登場】関西ペイン×マンU、サッカースクール開催で会見

関西ペイントは、17年3月28~31日の4日間、横浜市港北区のしんよこフットボールパークで小学生を対象にしたサッカースクールを開催する。同社がグローバルパートナーシップ契約を結ぶ、英マンチェスターユナイテッド(マンU)が運営するサッカースクールのスタッフ・コーチが来日し、指導する。

 24日に東京都内で同社の石野博社長やマンUOBのブライアン・ロブソン氏(写真右)とロニー・ヨンセン氏(左)が記者会見し、ヨンセン氏は「サッカーをとにかく楽しむことが大事だ。プレーを通じて人間として成長してほしい」と述べた。

 ブライアン・ロブソン氏は1982~1994年にマンUに在籍した。チームのエースナンバーである「7」を背負い、ミッドフィルダー(MF)として活躍。クラブとイングランド代表の両方でキャプテンを務めた。ロニー・ヨンセン氏のマンU在籍は1996~2002年。センターバック(CB)やディフェンシブハーフ(DH)として99試合に出場した。

 サッカスクールの詳細はこちらへ。
会見に出席した石野社長(中央)ら


 

【仮想現実で感性磨く】大林組、VR活用の施工管理者向け教育システム導入

 大林組がVR(仮想現実)技術を使った施工管理者向けの教育システムを導入した。

 建設現場さながらの環境をVR上に実現し、場所を選ばずいつでも手軽に体験型研修が可能になる。受講者はヘッドマウントディスプレーを装着し、VR上に現れる教育用躯体の配筋の不具合を探す。

 不具合箇所に気付く感性を磨いてもらうのが狙いで、全国で研修に役立てていく。

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【スタジアム・アリーナ整備、全国で胎動】栃木、山梨、京都で新たな動き

栃木、山梨両県と京都府の3自治体で、アリーナやスタジアムの新設プロジェクトをめぐる動きが具体化している。栃木県はスポーツ施設を集約・再整備する「総合スポーツゾーン整備事業」のうち、東エリア整備運営PFIの事業者を決定。京都府は亀岡市に建設する京都スタジアムの実施設計者を決めた。山梨県では球技専用の新スタジアム建設に向け設置した検討委員会が、建設候補地を2カ所に絞り込んだ。スタジアム・アリーナの整備を目指す胎動は全国各地で活発化している。

 ◇総合スポーツゾーン東エリア整備PFI、日立キャピタルGに◇

 栃木県は25日、宇都宮市西川田地区にある栃木県総合運動公園や元競馬場などにスポーツ施設を集約・再整備する「総合スポーツゾーン整備事業」のうち、BTO(建設・移管・運営)方式のPFIを採用する「総合スポーツゾーン東エリア整備運営事業」の事業者を決める一般競争入札で、参加した2者から日立キャピタルグループ(代表企業・日立キャピタル)を落札者に決めた。総合評価点は785・9点、落札額は292億8342万4728円。

整備場所は宇都宮市今宮4丁目。総合スポーツゾーンの東エリアに、新体育館(メインアリーナ=観客席5000席以上、サブアリーナ=同300席以上)、屋内運動場(50メートル、25メートル)、関連施設、外構などを一体的に整備・運営する。

 事業期間は設計・運営期間(開館準備期間を含む)が21年3月末まで、運営・維持管理期間が21年4月1日~36年3月末をそれぞれ予定している。

 日立キャピタルグループの代表企業は日立キャピタル。構成員は9社(梓設計、大成建設、美津
濃、日本水泳振興会、ハリマビステム、安藤設計、中村土建、渡辺建設、環境整備)、協力企業は4社(ブレイン、コクヨ北関東販売、ベルモール、大谷石産業)。

 ◇京都スタジアム、実施設計は東畑建築事務所に◇

 京都府は24日、「京都スタジアム(仮称)実施設計等業務」の公募型プロポーザルで、東畑建築事務所を受託候補者とする選定結果を公表した。基本設計の一部修正と実施設計を行う業務で、今後は同者との協議がまとまり次第、契約を締結し、業務に着手する予定だ。基本案作成業務は東畑建築事務所、基本設計業務は日建設計が担当した。

 京都スタジアム(仮称)は、府内におけるスポーツの広域・基幹的施設を整備し、スポーツ振興や青少年の健全育成などを図る目的で計画。建設地については中・北部地域の活性化を図る観点から当初、JR亀岡駅北側の保津川沿川を候補地としていたが、治水や生態系保全の観点から亀岡駅北土地区画整理事業地内(亀岡市追分町)の約3・2ヘクタールに変更した。

 計画によると、スタジアムの規模はRC一部S造延べ3万4000平方メートル程度を想定。サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールが可能なフィールド配置で2万席以上の一般席を確保するとしたほか、2000平方メートル程度のにぎわい機能(商業施設等)や防災拠点機能なども導入する考えで、工期は約20カ月、工事費は130億円以下(税込み)を見込んでいる。

 業務内容は、こうした構想・設計内容と予定地の変更を踏まえた一部修正基本設計と各工事(建築、電気設備、機械設備、昇降機設備、フィールド、外構、スタジアム諸設備、クライミングウォール施設)の実施設計。納期は基本設計が17年1月31日(関係機関との協議図面は16年12月28日)、実施設計が17年3月31日。委託上限額は2億円(税込み)。

 プロポーザルには梓設計、東畑建築事務所、日本設計、類設計室の4者が参加。受託候補者に決まった東畑建築事務所の提案は、これまでのスタジアムの整備状況を踏まえた工夫により実現性の高い計画となっていることや、にぎわい・まちづくりへの貢献についても十分に詰められた内容となっていることなどが評価され、100点満点中90・76点の評価点を獲得した。

 ◇山梨新球技場、建設候補地に2カ所提示◇

 山梨県は24日に開いた第5回総合球技場検討委員会で、新スタジアムの建設候補地としてリニア中央新幹線の駅周辺と小瀬スポーツ公園の2カ所を提示した。引き続き検討を進め、年内にも報告書をまとめる。

 候補地の選定条件は収容人数約2万人、敷地面積は約9万平方メートル。内訳は本体3万平方メートル、駐車場6万平方メートル(約2000台)を想定。リニア駅から半径4キロ以内で、県有地(取得予定含む)などの活用可能性がありリニア開業時までに整備可能なことなどの条件で絞り込みを行った。

 リニア駅周辺(甲府市大津町)の現況は農地。リニア駅南側の観光交流・産業振興ゾーン内にあり、市街化調整区域、農振農用地。駅周辺整備地外に必要最小限の駐車場用地の確保を検討する。小瀬スポーツ公園周辺(甲府市小瀬町ほか)の現況も農地で市街化調整区域、農振農用地。取得が必要な用地は本体分の約3万平方メートルで、駐車スペースは公園駐車場を利用する計画だ。 

【回転窓】文化を街づくりの中心に

浮世絵師・葛飾北斎の作品を集めた東京都墨田区の「すみだ北斎美術館」が22日にオープンした。開館記念展は100年余りも行方知れずで昨年海外で発見された幻の絵巻や区がこつこつ収集してきた名品を展示し、大盛況のようだ▼美術館の設計者はこの秋に紫綬褒章を受章した建築家の妹島和世氏。地域に溶け込むデザインを追求し、大きな1棟ではなく建物全体をスリットで緩やかに分割。周辺の街並みのスケールと調和を図ったという▼北斎は世界的に知名度が高いが、専門の美術館は少なく、すみだ北斎美術館と長野県小布施市の「北斎館」だけ。北斎館は建築家の宮本忠長氏の設計で、小布施町並修景事業のきっかけになった▼二つの建物は姿形は全く違うが、地域に親しまれる美術館を目指した点は同じ。集客力による経済効果より、建築を通じて文化を街づくりの中心に置いた▼妹島氏は西沢立衛氏とのユニット「SANAA」で手掛けた「金沢21世紀美術館」など美術館建築に定評がある。新作の美術館が建築界でどう評価されるか気になる。地域の人たちが求める場になれるかどうか。真価はそこにあろう。

【凜】西松建設関東建築支社・芳賀智子さん


 ◇ガウディに衝撃、文系から一転◇

 設計に興味を持ったのは、英語に関係する職に就きたいと文系学部への進学を目指していた高校3年生の後半のこと。受験勉強のために通っていた図書館で、息抜きのために手にしたアントニオ・ガウディの作品集に衝撃を受け、進路を一転。建築学科を目指すことを決めた。

 大学ではランドスケープデザインを学んだ。就職先を決める時は「設計に興味があったが、建物が完成するところまで見届けたい」とゼネコンを中心に活動し、西松建設に入社した。

 職場は、上司も同僚も男性が多いが「大学の時から女子が少なかったので慣れている」と抵抗はない。むしろ「壁紙や水回りを決める時に女性の感覚を求められることがある。女性の感性、能力を生かす場面が多い」とやりがいを感じる。

 入社5年目。共同住宅の改修や増築などの設計に携わることが多かった。「あっという間。思い描いていた理想には及ばない」と振り返るが、「何もないところから計画し、自分がメインになって一つの物件を仕上げたい」と前を向く。大学の卒業論文は「復興まちづくり」がテーマだった。「東日本大震災の被災地で被災者の役に立つ建物を造りたい」と夢を描く。

 プライベートでは、スキーや登山などアウトドア派。大学で始めたクロスカントリースキーでは、今年2月の岩手国体に神奈川代表として出場した。

 (建築設計部設計課、はが・ともこ)

【建設業の心温まる物語】たち建設(滋賀県)・桐畑絵里さん

 ◇女性じゃないとできない仕事をやりきる◇

 女性の私が、男社会だと言われる建設業に入職して13年あまり。入社した頃は「なんでこの業界に入ったの?」と会う人みんなに聞かれたものです。そのたびに「地図に残るものを造りたいんです」と答えていました。暑い日も寒い日も現場で施工管理業務を行っていました。女性は体力的に男性に劣る部分はあります。しかしその反面、男性より女性の方が勝る仕事の丁寧さや近隣住民との対応の良さを活かして、現場でがんばってきました。


 会社の上司や先輩、現場の職人さんのおかげで一人前の土木技術者に育てていただき、ようやく一人で現場を担当できるようになったころ、結婚をしました。そして妊娠、出産。それは個人的にはとてもうれしいことなのですが、育児等で現場に出られないことも少なくなく、私にとって、とてもつらいことでした。

 しかし、私はそこで思い直しました。「建設業の仕事は現場監督だけではない。色々な方法で現場を支えていけるんだ」と。そして「現場監督が力を発揮できるのは、工事を受注してこそ。ならば、その受注を支える仕事をしよう。

 工事を受注するためには、正しく積算する必要があります。さらに有利に工事を受注するため、工事成績評定点をアップさせる必要もあります。

 慣れない仕事ではありますが、会社の仲間にも支えられ、理解してもらいながら、女性ならでは、いえ私ならではの丁寧さと心意気で日々業務を行っています。男性じゃないとできない仕事は確かにありますが、女性じゃないとできない仕事もあるのです。

 これからも女性の強みを活かして建設業を支え続けていくつもりです。そして、いつか娘達に「この橋はママが造ったんだよ」って言える日を夢みています。

【建設業の心温まる物語】本建設工業(石川県)・川崎ともみさん

 ◇「がんばれ!」と応援してくれるおばあちゃん◇

 私が初めて担当した現場でのお話です。一人で下水道の工事を担当すること、地元の方々と交渉しながら工事を進めなければならないこと、何もかもが初めてで毎日不安でいっぱいでした。

 その日は、公共升の設置位置を確認するため、地元の方々のお宅を訪問していました。あるお宅で、90歳くらいのご夫婦と出会いました。その方は「女性なのに大変ね、ご苦労様」と声をかけてくれました。工事によって地元の方々に騒音や道路規制で迷惑をかけてしまうため、心苦しく思っていたので、そのおばあちゃんの一言が本当にうれしく感じました。

 その日以降、おばあちゃんは私の顔を見ると大きな声で「あら川崎さん」と私の名前を呼んでくれ、手を振りながら「がんばれー!!」と応援してくれるようになりました。思い通りにならなかったり、工事で失敗して落ちこんでいた私をそのおばあちゃんはいつも元気づけてくれました。ある雪の日、バス停に向かって歩くおばあちゃんに気づき、転ばないようにと手をさしのべました。おばあちゃんは私の手を握ってくださり、二人で手をつないで歩いていると「あなたに工事をしてもらってよかった、ありがとうね」と言ってくれました。

 私は周りの人達に助けられていること、現場って仕事を完成させる喜びだけじゃないことを知り、
「現場に出てよかった、また現場に出たい!!」そう思うことができました。

 そのおばあちゃんは今も元気です。

【建設業の心温まる物語】和田内潜建(石川県)・尾崎一啓氏

 ◇女性技術者がいると現場が温かくなる◇

 最近、女性技術者をよく現場で見るようになりました。それでもまだ現場で働く女性技術者は少数ですので、お互いにとまどいがあります。

 昨年、女性技術者を配置することを求められた国土交通省の工事を受注しました。男女がともに働く現場事務所や休憩所を、お互い快適な職場だと思えるよう改善することは、たいへんなことでした。現場に女性がいると男性が照れてしまったり、一緒に働くことに慣れないために意思疎通がうまくいかないこともありました。

 一方、女性ならではの発想や、今まで気付かなかったことを指摘してくれ、良かったことがたくさんありました。

 まず、地域住民の方々が現場事務所へ気軽に足を運んでくれるようになったことです。これは今までなかったことです。女性に「こんにちは。事務所にいつでも遊びに来てください」などと挨拶をされると気持ちが温かくなるようで、事務所に足を運ばれました。そして「女性が現場にいると来やすくなるね」などと談笑してお帰りになるようになりました。

 またいつも荒っぽい作業員の方々も、女性がいると言葉遣いが柔らかくなります。「おい、おまえ」と呼びかけていたのが「ちょっと、いいかな」に変わりました。安全祈願集会や誕生日会に大勢参加していただけ、これをきっかけに現場内で話すことが増え、雰囲気が明るくなりました。今まで気付かなかったことを知ることができ、現場をスムーズに運営することができました。

 20年前の建設業では思いもよらない状況にうれしく思います。女性技術者そして女性技能者の方々を心から応援します。

【サークル】日鉄住金建材 本社野球同好会

 ◇ご安全に!がモットー、楽しく交流深める◇

発足年や経緯に関する詳細な記録はないが、社内報で確認すると日鉄建材鋼業の発足時(1973年)には既に存在していたという。会社公認の同好会として活動。現在の所属人数は20人。本社に勤務している若手やベテラン社員に加え、グループ会社の社員などで構成されている。

 「ご安全に!」がモットー。メンバーが楽しむこと、さらに、けがをしないよう、安全第一で活動している。

 東京都江東区の軟式野球連盟に所属し、定期的に開かれる大会に出場。本社と野木製造所(栃木県野木町)対抗の練習試合も行い、事業所間の交流を図る。現在は休止中の事業所対抗の全社野球大会の復活を検討しているという。野球を通じて交流を活発化。業務へのシナジー(相乗効果)を生み出す狙いだ。

 「若手のメンバーが異動して、部員が減っているのが課題」と話すのは、部長の谷明広さん(常務執行役員生産技術センター長)。社内で積極的に募集をかけている最中だ。一人一人が無理せずに楽しめるよう、参加を呼び掛けているという。若手に限らず、幅広い年齢層からの参加を期待している。

【駆け出しのころ】竹中土木常務執行役員・藤井義文氏

 ◇自分で選んだ道だから◇

 小さいころから学校の体育と図工が得意で、運動したり物を造ったりすることが好きでした。建設業に魅力を感じたのは、高校生の時に映画『黒部の太陽』を見たのがきっかけです。

 土木の現場で直接仕事がしたいと思い、就職はゼネコンを選びました。親からは現場の仕事は危ないし、イメージも悪いと反対されましたが、自分で決めたことです。気持ちは変わりませんでした。

 入社1年目に二つの現場で研修した後、2年目に新潟県内の高速道路工事現場に配属されます。4月初め、辞令が出てその現場へ上越線に乗って向かう途中、新清水トンネルを抜けて新潟・湯沢に出ると真っ白な雪の世界でした。それまでは「よしやるぞ」と意気込んでいたのですが、関西育ちの自分が雪国で仕事と生活ができるのかと急に不安になったのを思い出します。

 この現場で働いている時、「五六(ごうろく)豪雪」に見舞われました。年末年始の休み期間中、独身だった私一人が現場に残り、10日間ほど事務所で過ごしたことがあります。積もった雪で窓が開けられないほどの大雪で、冷蔵庫にある物を食べながら皆が戻ってくるのを待ちました。正月明けに交代で休みをもらえたものの、実家に帰るまでの道のりも大変でした。

 それから群馬県内の高速道路工事も担当しました。入社5、6年目となり、役所との協議などを行う工務の仕事が増え、現場が楽しくなり始めたころです。会社から突然、技術研究所への異動を打診されました。この時は大学で取り組んだ研究をなぜまたやらなければいけないのかという思いが強く、一度はお断りしたのですが、社命を受けて研究所勤務となりました。

 研究所では、現場で苦労した軟弱地盤のことを勉強し、大学で習った土質力学があらためて理解できました。その後、本社の技術開発部門に在籍し、シールド工事や環境関連の技術開発に携わりました。

 私は社会人になって阪神大震災、東日本大震災という二つの大きな震災に遭遇しました。これから土木を目指す人も必ず生きている間に大きな震災や災害を経験するでしょう。その時、技術者として社会に役立つ人材になってほしいと期待します。大規模修繕の時代を迎え、これからは壊して作る高度な技術が求められます。労働者が減少する中、生産性向上など新しい技術開発も欠かせません。知恵を絞り、夢を持って建設業界で仕事をしてほしいと思います。

 かつて「コンクリートから人へ」と叫ばれ、自信と誇りを失っていたころ、建設業に就職したいという息子の考えを聞いて、私は親として一応反対しました。でも、私と同じように自分で選んだ道であり、今は違う会社の建設現場で働いています。

 (ふじい・よしふみ)1978年京大大学院(土木工学)修了、竹中土木入社。技術開発部長、営業本部エンジニアリング部長、九州支店長、執行役員などを経て、15年から現職。三重県出身、64歳。
技研勤務時代、マレーシアからの留学生二人と半年ほど行動を共にした
(右端が本人)

2016年11月25日金曜日

【小学生対象、参加費無料!!】関西ペイント×マンUサッカースクール、来年3月に横浜で

イングランド・プレミアリーグの強豪・マンチェスター・ユナイテッドと、グローバルパートナー契約を結ぶ関西ペイントは来年3月、横浜市内で小学生を対象にしたサッカースクールを開催する。

 マンU財団が運営するサッカースクールのコーチ陣が来日し、本場のトレーニングを体験してもらう。

 スクールは3月27~31日の4日間、午前と午後の2回に分けて開催する。初級~上級の3グループ(定員・各グループ32人)で、グループごとに1日3時間・2日間のカリキュラムで構成。練習内容は参加者の熟練度や年齢に応じコーチ陣が決定する。子どもたちが練習中には保護者向けの健康セミナー(テーマ:スポーツと食事と睡眠)と塗装体験も用意している。対象年齢は6~12歳。小学生であれば男女を問わず参加できる。

 会場は日産スタジアム(横浜市港北区)に隣接するしんよこフットボールパーク。スクールの詳細や応募方法は専用ホームページまで。参加費は無料。応募締め切りは17年1月31日で、応募多数の場合は抽選の上、結果を同2月15日までに連絡する。横浜市民優待デー、大人向けのコーチ専用クリニックも開催する。

 関西ペイントは2012年、塗料メーカーとして世界で初めてマンUと公式グローバルパートナー契約を結んだ。

【回転窓】人材投資を最先端の取り組みに

国土交通省は、大臣の諮問機関である中央建設業審議会と社会資本整備審議会合同の基本問題小委員会が6月に出した中間取りまとめを受け、建設産業をこれから「人材投資成長産業」にすると宣言した▼人に投資するといっても、処遇、福利厚生、教育等々と解釈はさまざまあろう。いずれにしても国交省の宣言は、これまで人への投資が必ずしも十分ではなかったとの反省に立ち、人口減少下での人材獲得競争に打って出ようという産業としての姿勢を示したものといえる▼逆にいえば、人材への投資を怠れば、産業の未来はないとの危機感の現れでもある。そうした状況にいち早く気付き、地域単位で始まった活動を取り上げたのが、現在、本紙2面に連載中の「地域で育てる」▼廃校を職人育成の拠点とする活動は、全国どの地域でも可能性がある。共通する課題への対応が広まれば、この産業の未来も悲観するものではないのではないか▼自民党の二階俊博幹事長が地域のこうした活動を「党としても応援したい」と言っている(本紙16日付)。職人育成がこれからの日本を支える最先端の取り組みになることを願う。

【震災の教訓、全国に】日建設計ボランティア部、熊本地震の体験談集め「防災ヒントブック」作成

 ◇50人にヒアリング、震災の教訓全国に◇

 東日本大震災をきっかけに社内有志で始めた日建設計ボランティア部が、新たな展開を進めている。これまで続けてきた東北での活動に加え、4月に発生した熊本地震の被災地への支援も始めた。日々の備えが足りなかった-。被災者との対話を重ねる中で得た気付きから、部員たちがたどり着いた一つの解が、防災に役立つ情報を提供する冊子「防災ヒントブック」の作成だった。東日本大震災から5年間の蓄積に熊本での経験が混ざり合い、全国に発信するメディアに凝縮した。

 10月29日、約2万人の観衆を集めた復興コンサートで「防災ヒントブック」が初披露された。会場となった熊本城二の丸広場では、ボランティア部のメンバーや熊本市内のプロジェクトに携わる設計部員らが約3000部を配布。内容がステージでも紹介され、大反響だったという。

 「表紙のくまモンに引かれて子どもたちが手に取ってくれ、それを見た大人も興味を持ってくれたようです」と部員の梅中美緒さん。イラストを中心とした分かりやすい構成が好評で、地域や社内で配布したいと話す地元企業の関係者もいたようだ。

 地震発生からわずか半年余りで発行にこぎ着けた。ボランティア部で岩手県の釜石や山田を中心に活動するチームのメンバーである梅中さんや柄澤薫冬さんらは、地震発生直後から熊本を訪問。同社の九州オフィスと連携して後方支援を続ける中、何ができるかを模索する日々だったという。

 ヒントブックの構想は4月末、ボランティア部の活動と同社が手掛ける熊本市内の再開発プロジェクトが交差して生まれた。桜町地区第1種市街地再開発事業は、バスターミナルと市のホール、商業施設、ホテルなどを備える延べ約16万平方メートルの官民複合施設計画。設計部長の杉山俊一さんが熊本市や市のMICEアンバサダーを務める音楽プロデューサー今野多久郎さんと今後について話し合う中で、エンターテインメントをメディアにした防災の情報発信を提案した。

 熊本県八代市の実家が被災した杉山さんは、「われわれは東日本大震災で多くを学んだはずなのに、いざ地震が来てみるとその教訓が伝わっていなかったことが分かりました」と悔しさをにじませる。大きな発信力を持つ音楽コンサートの場を利用して熊本の体験を全国に伝えようと構想が動きだした。

 杉山さんから連絡を受けた梅中さんらは、被災者のインタビューを開始。メンバー9人で週末ごとに現地に入り、約1カ月で50人に話を聞いた。冊子では体験談を凝縮して架空の人物4人のストーリーを漫画で表現している。

 イラストは梅中さんが描き、全体の編集を柄澤さんが担当した。柄澤さんは「マニュアル的なものが多いこれまでの防災ハンドブックとは違い、分かりやすく共感できる漫画から各ページがスタートしています。詳しい説明がその後に続いており、下に向かって内容が深化する構成です」と説明する。「毎週メンバーが集まって試行錯誤しながら作り上げました。でも一番苦労したのはくまモンの使用許諾を取ることだったかもしれません」と梅中さんは笑う。

 一方、杉山さんは印刷のための資金集めと発信の場探しを担当。再開発の主体組織である九州産業交通ホールディングスの協賛が得られることになったほか、ミュージシャンの浜崎貴司さんや斎藤和義さんが出演し、今野さんと大西一史市長もゲストとして参加する復興ライブ「GACHIスペシャルin熊本城」でヒントブックを配布することが決まった。

 大西市長は自らもドラムをたたき、音楽の持つ力の大きさを知る一人として、再開発施設の中に設置される「(仮称)熊本城ホール」に大きな期待を寄せているという。施設は地震後の計画変更で帰宅困難者の受け入れなど防災機能の強化が決まった。杉山さんは、桜町地区と街と一体で計画されているお城に続く「シンボルプロムナード」がともに復興の歩みを刻む熊本の中心となることを望んでいる。

 東日本大震災から現在までを「建築家の職能とは何かを問い続け、ぼうぜんとした5年間」と表現する梅中さんにとって、熊本は一つの確信が得られた機会だった。

 「熊本のような直下型地震では、安全・安心を求める声に建築家として応えられることが分かりました。これから私たちにできることは、ここで学んだことをほかの地域に転用すること、防災のヒントを全国に伝えることだと思います」

 ボランティア部では、ヒントブックを配布、発信してくれる団体や企業を広く募る。冊子はホームページからダウンロードすることもできる。

【ホーチミン都市鉄道1号線1工区】三井住友建設、越初の都市鉄道建設受注

ベンタイン駅の完成イメージ
(パース提供:国際協力機構)
三井住友建設は24日、ベトナム・ホーチミン市で計画されている地下鉄建設工事を現地の建設会社(シエンコ4)との共同企業体(JV)で受注し、17日に起工式を行ったと発表した。JVの受注総額は約227億円。工期は48カ月。

 同市中心部のベンタインと北東部のスオイティエンを結ぶ総延長19.7kmのベトナム初の都市鉄道「ホーチミン都市鉄道1号線建設計画」の1工区。日本の技術の導入が条件となる本邦技術活用条件(STEP)を適用した円借款で建設する。

続きはHP

【アンコール遺跡が貴方のお部屋に】国際調査団の17年版カレンダーをプレゼント

 アンコール遺跡国際調査団は、カンボジアの世界文化遺産「アンコール遺跡」の2017年版カレンダー(総合監修・石澤良昭氏)を10人にプレゼントする。

 カレンダーはアンコール遺跡群の姿を撮影したオールカラー(B4判)、16ページ。

 希望者ははがきに住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記の上、〒150-0001東京都渋谷区神宮前1の14の32の405、ティル内アンコールカレンダー係へ。

 締め切りは12月20日(当日消印有効)。 当選者には来年1月以降にカレンダーを発送する。

 調査団はカンボジア政府と協力し、遺跡の調査・研究・修復・人材育成などの活動を展開している。

2016年11月24日木曜日

【保育園に入りにくい駅は…】スタイルアクト、東京都区部対象に待機児童数推計

不動産ビッグデータの分析・提供事業を展開するスタイルアクト(東京都中央区、沖有人社長)が、東京都区部の主要駅を対象に0歳児の保育園入園可能性について調査を実施した。

 品川、江戸川両区(※)を除く21区内421駅で保育園に「最も入りにくい駅」にランクされたのは北綾瀬駅(足立区)。保育園数は決して少なくないが、大規模マンションが数多く立地しているため、潜在待機児童数は265人と推計された。

 2位は勝ちどき駅の212人。超高層マンションが多く建設され、それに伴い人口も急増。保育園への入園希望は多く、需要と供給のバランスが取れない状況になっているようだ。

保育園に入りにくい駅ランキング
(対象は0歳児、21区421駅対象)
3位以下は大島駅(江東区、168人)、豊洲駅(江東区、165人)、町屋駅(荒川区、162人)、竹ノ塚駅(足立区、162人)、荻窪駅(杉並区、148人)の順。同社は「オフィス街へのアクセスが良くマンションが多く建設されているエリアや、大規模なマンション・団地があるエリアは同じ年代層が多く流入するため、保育園需要が膨らみやすく、待機児童が多くなる」と分析している。

 この調査は17年4月時点に0歳児の保育園潜在需要がどの程度になるかを推計し、駅ごとに認可保育園の0歳児定員を算出。、保育園に「入りにくい駅」を順位付けしている。

 ※品川区は保育園の募集人数が12月公表のため、江戸川区は区立保育園で0歳児の募集がないため、集計対象からそれぞれ除外。

【BIMの課題と可能性】現場作業事務所でのBIM運用・2

竹中工務店の信濃橋富士ビル建替工事(大阪市西区西本町)の作業事務所。基礎工事が終わった訪問時には、最上階の打ち合わせを経て、施工モデルの調整も全て完了していた。建設会社として優位性を最大限に発揮できる設計施工案件のBIM実施例として報告する。

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【回転窓】思い出は甘美、要注意

過去を美化するのは人の習い性といってよいかもしれない。思い出を都合良く脚色したり、嫌な出来事より楽しい出来事を多く思い出したり▼こうした記憶の「バイアス作用」は、太古からの進化の過程で脳に備わった機能らしい。「昔は良かった」-。お決まりの文句を口にしたことのない人は、年齢を重ねるほど少なくなるだろう▼過去の美化が個人の思い出のレベルにとどまっているうちは罪もないが、政治や企業経営などに持ち込まれると厄介である。「昔は…」と誤解と独り善がりで美化された過去や成功体験の記憶が、冷静であるべきリーダーの判断を誤らせることは往々にしてある▼古典エッセイストの大塚ひかりさんが著書で、この「昔は良かった」式の思考を一刀両断。人のやることは昔も今も同じと喝破している(『本当はひどかった昔の日本 古典文学で知るしたたかな日本人』新潮社)▼今ニュースになるような陰惨な事件や犯罪は昔の人が書き残した物の中に満載。それを読めば今の方がましと知らされる。閉塞(そく)状況は、人を甘美な思い出へと誘いやすい。そんな時にこそ、逆にもっと前を向きたい。

【創刊から半世紀】『月報KAJIMA』、社外からの高評価めざし

 ◇人にスポット、高い外部評価◇

 鹿島が、社内報・広報誌として毎月発行している「月報KAJIMA」が、今年で創刊57年目を迎えた。

 この間、一度も発行が途絶えることなく、社内外のコミュニケーションツールとして人気を集めてきた。2013年からは全国社内報コンペに参加し、連続して上位入賞を果たすなど、一段と存在感を増している。広報室の月報KAJIMAグループを取材し、魅力を探った。

 同社の社内報のルーツは、1921(大正10)年にまでさかのぼる。鹿島組(当時)の鹿島精一組長の下に創刊された「鹿島組月報」で、内容は会社の通達や人事異動などが中心だった。戦時中の一時休刊を経て、戦後に発行を再開。その後、「鹿島組社報」「鹿島建設社報」と改称した。

 社報と並行して51年に発行した季刊「鹿島建設」を発展的に解消し、復刊したのが59年11月にスタートした月刊の「鹿島建設月報」。これが91年1月に現在の「月報KAJIMA」に名称変更された。

 59年に鹿島建設月報を復刊した際、当時の鹿島守之助会長はその目的について、巻頭言で「社員相互のコミュニケーションや知識の啓蒙、生産性の向上に役立つものとする」と記した。この編集方針は今も脈々と受け継がれているという。12年6月から編集長を務める財部浩司広報室次長は、月報KAJIMAの目的について、「当社は国内外で建設現場を中心に2000カ所を超える拠点を持っている。多くはプロジェクトが終了するとなくなる有限の職場。毎月手紙のように届けることで、一体感や帰属意識を共有したい」と話す。

月報グループのメンバーは、財部氏(写真右端)のほか、木皿美子担当主任(右から2人目)、橋本啓見(左から2人目)、高橋壮(左端)の各氏。取材、記事の選定・執筆、写真撮影は基本的にこの4人が担当し、紙面レイアウトは専門のデザイナーに依頼している。

 「ほとんどの作業を内製化しているため、毎月締め切り間近は大変だが、抜群のチームワークで欠かさず発行できている」と財部氏は胸を張る。

 32~36ページ建てで、主なコンテンツは、施工中現場での取り組みや技術、人を紹介する「THE SITE」、完成プロジェクトをまとめた「Kworks」のほか、「つくる」ことをテーマにした著名人によるエッセーや、「鹿島の見える風景」のタイトルを付けた読者投稿コーナーもある。中でも人気が高いのが、同社の取り組みや技術を紹介した特集だ。14年3月号の特集企画「鹿島紀行 復興を支える人を訪ねて」は、東日本大震災の津波で流された小学校の校舎の再建と災害廃棄物処理業務という二つの異なる切り口で東北の復興と同社の関わりを紹介。月報グループのメンバーが現地に足を運び、入念に取材した。

 「社外からの評価がどの程度か知っておきたい」(財部氏)と、ナナ総合コミュニケーション研究所が主催する「全国社内報企画コンペティション」に13年から毎年参加している。

社内報や広報誌の企画を評価する国内唯一の催しで、毎回、100前後の応募が集まる特集・単発企画部門(8ページ以上)では、13年に「人と振り返る5年半~東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」(13年2月号)、15年に「輝ける旬の女性たち」(14年6月号)が1位に選ばれた。ナナ総合コミュニケーション研究所の富加見智子主任研究員は、「『登場者』の魅力を余すところなく書き上げており、一気に読みたくなるものばかり。ヒューマンドキュメントのような記事が多く、読みごたえがある」と高く評価する。

 女性社員の活躍にスポットを当てた特集「輝ける旬の女性たち」は、安倍晋三首相が女性活躍推進を掲げたタイミングもあって好評で、この特集だけを別刷りにした特別版も発行した。さまざまなシーンで活躍する女性をその後も不定期で取り上げている。

 財部氏は、「『社外に配布できる社内報』を心掛けている。社外に誇れることを紹介することは、社内のコミュニケーションや社員のモチベーション向上につながる。紙やネット、映像など広報が持つさまざまな媒体を組み合わせ、効果的な広報活動を展開していきたい」と力を込める。

  □最新号で通巻687号□

 発行は毎月1日。土木、建築、技研、エンジニアリングなど各部署から選出された広報担当者も加わり、月1回の編集会議で3カ月先の企画を討議している。最新の2016年11月号で通巻687号となった。発行部数は約3万部。同社とグループ会社の役職員に約1万部、関係得意先、官公庁、自治体、学校など「当社に関心を寄せられる皆さま」(財部氏)に約2万部を配布している。ウェブサイトでも特集など一部を公開している。

【企業活動を支えるのは人材】西松建設、海外職員の育成強化

 ◇香港支店のローカルスタッフが来日、国内で研修◇

 西松建設が海外ローカル職員の育成に向け、香港支店に所属する現地採用職員2人の現場研修を日本国内で行っている。

 1カ月にわたり土木・建築の現場十数カ所を回り、日本式の施工、安全、品質管理などを学ぶ。坂口之規国際事業本部管理課副課長は「西松のシステムを学び、現地で水平展開してほしい」と期待する。

続きはHP

【ピッチはロングパイル人工芝】三重県四日市市、中央緑地サッカー場整備入札公告

三重県四日市市は22日、「中央緑地サッカー場整備工事」の一般競争入札を公告した。総合評価方式を採用する。郵便入札。参加申請・技術資料を12月6日まで受け付ける。入札書の提出期間は同13~20日。開札は同26日。

 参加資格は3者JV。代表構成員は土木一式総合点1200点以上、第2構成員は同Aランク900点以上市内本店、第3構成員は同Aランク市内本店であること。

 工事概要はロングパイル人工芝舗装2万9250平方メートル、砂入り人工芝舗装1760平方メートル、ポリウレタン舗装工2868平方メートル、脱色アスファルト舗装工3310平方メートル。路面排水、雨水本管、給水設備、電気設備、施設整備、植栽工一式。

 工事場所は日永東1。予定価格は11億5834万6000円。工期18年4月28日。設計は久米設
計が担当した。

【巨大構造物に驚きと興奮】中学生が阪高トンネル工事現場を見学

あすの夢土木(理事長・大西有三京都大学名誉教授)が大阪市阿倍野区の昭和中学校の2年生約60人を対象に、阪神高速道路大和川線の現場見学会を行った。

 見学会は日頃、目にしていても詳しく知らない土木について、同校から依頼を受けてキャリア教育の一環として開催した。

 中学生が訪れたのは遠里小野第2工区開削トンネル工事(施工=清水建設・奥村組JV)と大和川線シールドトンネル工事(施工=鹿島・飛島建設JV)の現場。見学会では阪神高速道路会社の池添秀堺建設部大和川線建設事務所長があいさつした後、大西理事長が「普段、車でしか走ることのできない道路の、しかも地下構造物を間近で見ていただき、そのスケール感を楽しんでほしい」と生徒に話した。

 阪神高速道路会社の担当者が大和川線の役割や建設の手順、環境対策などを分かりやすく説明した後、鹿島の女性土木技術者の牧野由依さんが自身の1日を紹介したり、大和川線に携わっている技能者の紹介をしたりした。

現場では、開削区間で簡易な実験装置を使って開削トンネルの作り方を説明。シールド区間ではシールドの説明に続いて避難坑に降りる滑り台に乗せる趣向も。生徒たちは普段入ることのできない避難坑やトンネル内に興味を示したり、見ることのできない大規模な構造物に目を見張ったりしていた。

 最後に生徒らは「この区間でなぜシールド工法が使われたのか」「シールドマシンの値段は。また、いつの時代からシールド工法があるのか」といった質問を阪神高速道路会社の職員に投げ掛け、鹿島の職員には「入社するきっかけは。給与はほかの仕事や会社よりはいい?」といった、質問をしていた。

2016年11月22日火曜日

【建設業で働こう】香川県が中学生向けPRパンフ制作、県内中学2年生に配布

PRパンフに掲載している「現場のプロにインタビュー!」
香川県が建設業の役割や仕事内容を紹介するPRパンフレット「かがわ建設業図鑑」を制作した。A4版・8ページ立てで、建設業の仕事内容、最前線で働く人へのインタビュー、職種紹介&学校紹介などで構成する。県内の中学校に通う約9300人の2年生に配布。県主催のイベントや県有施設でも配るという。

 建設産業の担い手を確保するため、県は業界団体などと連携し人材の確保・育成に向けた取り組みに力を注いでいる。7月には「建設業担い手確保・育成ポータルサイト」を開設し、関連情報の発信を開始した。PRパンフレットは、将来の職業選択で建設業を選択肢の一つに加えてもらうことを狙い制作した。

 県は労働者の高齢化や若年層の入職不足がこのまま進めば、社会資本の整備や維持管理だけでなく地域の防災・減災対策に支障が出ると危機感を募らせる。中学生らに建設業の役割や仕事のやりがいなどを知ってもらう取り組みとして、情報発信を積極的に行っている。
パンフでは建設業の仕事も詳しく紹介している