2017年9月22日金曜日

【中学生と高校生が応募できるよ】建コン協、フォト大賞Jr.の作品募集開始

建設コンサルタンツ協会(建コン協、村田和夫会長)は、第5回「建コンフォト大賞Jr.」の作品募集を開始した。

 中学生、高校生を対象に土木施設の役割を広く知ってもらうことなどを目的に実施している写真コンテストで、「土木施設を探せ」がテーマ。最優秀賞(1点)には賞状と副賞として2万円相当の図書カードが贈られる。

 応募は1人1点(他のコンクールなどで受賞歴のないもの)。締め切りは11月15日。募集要項などは建コン協のホームページに掲載している。

 入賞者への通知は来年2月末までにメールで行い、入賞作品は来年4月に協会誌「Consultant」と協会ホームページで公表する。建コン協は全国の1053校の写真部に写真コンテストの実施を周知したとしている。

【青森市に水泳連盟公認プール】新総合運動公園水泳場PPP・PFI事業FS業務、みずほ総研に

青森県は、日本水泳連盟公認の競泳プールとして新青森県総合運動公園(青森市宮田)に計画している水泳場の整備で、PPP/PFI事業可能性調査業務をみずほ総合研究所に委託することを決めた。簡易公募型プロポーザルで最優秀に選定した。

 委託業務名は「新青森県総合運動公園水泳場PPP/PFI事業可能性調査業務」。県内に日本水泳連盟公認の屋内プールがないことから、25年度に開催予定の国民体育大会に合わせ、同公園(62・6ヘクタール)の既存屋内プールの隣接地に水泳場を整備する。競泳と水球競技に対応する屋内温水プール(縦50メートル×横25メートル、水深2メートル以上、10レーン)で、仮設を含めて3000人以上を収容するスタンドを設置する。

 業務では、水泳場の概要や機能を整理し、民間活力の導入による整備の可能性について調査を行い、最適な事業スキームを整理する。PFIに限定せずにデザインビルド方式なども検討する。

 具体的には基本計画の検討支援や運営計画の検討、想定事業スキームの抽出・整理、民間事業者ヒアリング、VFM(バリュー・フォー・マネー)の算定、最適事業スキームの抽出が主な業務となる。履行期間は18年3月9日。

【総重量は350t!!】IIS、八ツ場ダム建設で放流管引き込み完了


 国土交通省関東地方整備局が群馬県長野原町の吾妻川で進めている八ツ場ダムの本体建設工事(施工=清水建設・鉄建建設・IHIインフラシステムJV)が大きな節目を迎えた。設備工事を担当するIHIインフラシステム(IIS)が、常用洪水吐き設備(主ゲート)に使用する放流管の設置作業を完了させた。常用洪水吐き設備は、ダムの洪水調節機能を担う最重要設備の一つ。放流管は堤体付近で組み立てられた後、慎重に設置作業が進められた。

続きはHP

【回転窓】異分野交流の果実

太陽光発電と農業を両立させる「ソーラーシェアリング」が全国に広がっているそうだ。人気の理由は農産物と売電による二つの収入が期待できること。天候不順による不作や外国産との価格競争に備える農家に新たな収入源を生み出すことは、後継者確保にも役立つとみられる▼ソーラーシェアリングは農地に高い支柱を立てて太陽光発電設備を設置。下部空間で作物を育てる。営農の邪魔にならない支柱配置やパネル下に日差しを通す工夫が必要になる▼そうした農家のニーズに合わせた仕様を実現するのは多くが建設業だ。工夫の成果は、野菜、果物など多品種の生産が可能なことに表れている▼同様のシェアリングの発想は下水処理場や道路の上下部空間の活用など建設分野にもあるが、実施例は少ない。土木と建築の融合も実現のカギの一つだが、普段は両分野の技術者の交流は多くないようだ▼一つの事業にさらなる付加価値を与えるには1人より2人、2人より3人の発想を持ち寄ることが有効だ。異分野の発想が交われば新たな社会資本整備の可能性も広がる。国には異分野交流を促す事業の実施も期待したい。

【積女ASSALだより】大成建設・坂上菜奈子さん


 ◇「三つの目力」を大切に◇

 概算仕上げ積算に9年携わった後、現在はプロジェクトの川上段階で過去案件のデータ分析に基づく超概算積算を担当しています。

 ビジネスの「三つの目」は積算業務でも不可欠です。

 「蟻(あり)の目」のように、一つ一つ数量と単価を正確に積み上げる目。「鷹(たか)の目」のように、構造・仕上げ・設備などの区分を越えてプロジェクト全体を捉える目、営業・設計・作業所・積算事務所・専門業者といった社内外の組織全体を見渡す目。そしてもう一つは「魚の目」のように、社会情勢を常にキャッチし、物価変動や今後の建設業界を取り巻く環境について先を見通す目です。

 どの案件にも責任を持ってまとめ上げることにやりがいを感じ、また柔軟に、多面的に案件を進められる女性の力を発揮できる仕事だと感じます。積女ASSALの絆や刺激により、さらに「三つの目力」を強くしていきたいと思っています。

 (次回は大洋建設の古畑しおりさんを紹介します)

2017年9月21日木曜日

【回転窓】ボランティアの存在感

災害の被災地ではさまざまな形で支援の輪が広がる。国や自治体などの公的機関が行う「公助」。混乱した初動期に自衛隊や消防が最前線で被災者を救助する役割も大きい▼一方、自らの意思で現地に入り、支援の手を差しのべるボランティア。これも被災地の復旧・復興を後押しする存在として欠かせない。公助にも限界がある中、現場の細かなニーズをくみ取るボランティアの重要性は一段と高まりつつある▼政府開発援助(ODA)の一環で、途上国を中心にボランティア事業を行う国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊。相手側のニーズによって隊員の役割も千差万別。経済発展が著しいタイでは、より高いスキルを持つボランティアの要請が強まっているという▼隊員の佐野かおりさんは、特別支援学校での勤務経験を生かし、ろう学校で聴覚障害児の教育支援や教材制作、各種行事の企画運営に携わる。教員拡充の提案が採用されるなど現地関係者からの信頼も厚いようだ▼ボランティアを難しく考えず、まず一歩、行動に移す。地域に根付いた継続的支援が国際社会で日本の存在感を高めることにつながる。

【こちら人事部】熊谷組「『一流』目指す人求む!!」


 ◇会社を好きになってしなう会社◇

 1898年創業で、来年2018年に120周年を迎える熊谷組。採用を担当する管理本部人事総務部人事グループの沼口宣江課長は、「みんなが協力して一つのものを造り上げていくのがゼネコン。ものづくりに興味があること、好きであることに加え、主体的に物事を考えられる人、自ら積極的に行動できる人に来てほしい」と話す。

 激しい争奪戦が続く新卒採用活動。採用に対する意識は年々高まっており、同社では出身校別にリクルーターを決めて、大学や専門学校などに積極的に出向いている。「学生と話ができるのを楽しみにしている社員も多い。親身になるあまり、他社の方が合うと感じた学生には正直にそう伝えてしまうリクルーターもいた」。採用担当の白田和之氏は、同社のカラーが伝わるそんなエピソードを披露する。

 会社説明会には、学生と年齢が近い若手社員が職種別に参加し、本音で話し合う機会を設けている。本社では、女性を対象とした会社説明会を文系と理系に分けて今年初めて開催した。他社にはない取り組みで、学生からの評判も上々という。19年春入社の採用活動に向け、採用ホームページの充実も図る予定だ。

 若手の手厚い研修制度にも定評がある。新入社員研修では、ビジネスマナーや仕事の基本、各部門別の研修、現場や技術研究所の見学を行う。その後、各部署・現場に配属され、半年後にフォローアップ研修を実施する。研修を担当する小川武副長は「フォローアップ研修では半年間を振り返ると同時に、3年先を見据え、どのような社員になっていたいかという短期的ビジョンを考えてもらう」と狙いを説明する。

 技術・事務系問わず入社後1年間をOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)活動に当てる。OJTの担当者は入社3~10年目の若手。小川副長は「マンツーマンで後輩を指導することで孤立化を防ぐ。今は背中を見せて育てる時代ではない。自分が育てないといけないという意識付けになり、若手の育成にもつながる」とし、OJT担当者の研修も今年から始めた。

 研修は一般職層から指導職層に昇格する7年目、初級管理職、管理職と続く。「今後の業界を考えると、トップダウンではなく、ボトムアップがより重要になる。社員の変化、挑戦を促す気付きを与える研修を企画している」と小川副長。女性技術者が一堂に会する交流会を昨年から開催するなど、女性のための環境、ネットワークづくりも後押ししている。

 トンネルや超高層ビルなど国内外で数々のプロジェクトを手掛けてきた同社。白田氏は「一流の技術者を目指すなら、ぜひ当社に来てほしい。自分たちの技術力にプライドを持ち、仲間意識も強い。会社のことが好きになってしまう会社」と胸を張る。沼口課長は「今はネット社会。こういう時代だからこそ、自分の足で回り、肌で感じて、自分に合う会社を見つけてほしい」とアドバイスを送る。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性70人、女性33人(2017年度実績)

 【3年以内離職率】7・5%(14年度新卒)
 
 【平均勤続年数】男性19・6年、女性12・0年(17年3月末時点)
 
 【平均年齢】42・2歳(17年3月末時点)

【関内・関外地区(横浜市)をスポーツタウンに】三菱総研が構想実現の調査報告書取りまとめ

三菱総合研究所が横浜スタジアム(横浜市中区)を核とした「スポーツタウン構想」の実現に向けた調査報告書をまとめた。

 DeNAグループが計画している同スタジアムの増築・改修事業に連動し、関内・関外地区にスポーツを足掛かりにした①クリエイティビティ②ホスピタリティ③マネジメント-の3機能を導入するプロジェクトなどを実施。「スポーツタウンとしてのブランドを構築し、新事業の創出による経済効果を生み出す」としている。
横浜スタジアム増築・改修の完成イメージ
(ⓒ 清水建設)
同スタジアムの周辺地区で計画するプロジェクトは、DeNAグループが主導する「横浜スタジアム増築・改修」と「旧関東財務局事務所活用(THE BAYS)事業」、行政機関が担う「横浜公園活用事業」と「市役所跡地活用事業、周辺民間開発事業」を連動させる。プロ野球・横浜DeNAベイスターズのブランドやコンテンツを有効活用するほか、DeNAや横浜スタジアムが持つスポーツ・イベントビジネスのノウハウを生かし、関内・関外地区への来訪者を増やしながら、観光消費などの経済効果と地域ブランドの確立を目指す。
横浜文化体育館再整備・メインアリーナの完成イメージ
関内・関外地区では横浜文化体育館再整備事業や大通り公園活用事業といったハードプロジェクトのほか、横浜中華街など既存地域資源との連携、歩行者動線の連続化といったソフト面での取り組みの検討を促す。さらに隣接する横浜港は山下ふ頭地区でのリゾート開発計画が進行中。MM21中央地区はパシフィコ横浜でのイベント・国際会議などの開催、横浜マラソンの実施といった実績があり、こうした事業・取り組みとの連携も図っていく。

 三菱総研はスポーツタウン構想の関連事業として、同地区周辺で検討・計画中のプロジェクトのうち、市役所跡地活用・周辺民間開発事業をピックアップし、スポーツコンプレックスの開発事業が可能かどうかケーススタディを実施した。スポーツ関連のテナントやライフスタイル型・高単価型ホテルが入る延べ1万3000㎡の複合施設を建設した場合、施設建設の初期投資、スポーツ観戦や飲食、観光などの経済効果に加え、関内・関外地区に年間58・2万人の来訪者増が見込めると試算。複合施設の完成後2年目から事業の経常収支は黒字転換できると見ている。

 JR関内駅もスポーツタウン実現でキーポイントになると指摘。都心部回遊軸・交通結節点としての機能強化を図りながら、横浜スタジアム、横浜文化体育館、周辺民間街区との連続性を高めることで、地域価値の向上につながるとしている。

スポーツタウン構想による経済面の定量的効果は、構想実現による地価上昇で863億円(関内地区)、横浜スタジアムの観客増で年間8億円(27万人)、イベント開催で年間51億円(147万人)、新規商業施設の整備・運営で年間42億円(145万人)、横浜文化体育館再整備で年間13億円(41万人)などと試算する。

 かつては業務や商業が中心だった関内・関外地区の役割をスポーツ・観光に転換することで、横浜の経済活動に大きく貢献できると結論づけている。

 この調査は経済産業省の16年度「観光資源等を活用した地域高度化計画の策定等支援事業(魅力あるスタジアム・アリーナを核としたまちづくりに関する計画策定等事業)」として実施した。

2017年9月15日金曜日

【回転窓】施策を進めるための「うねり」

公共工事品質確保促進法、建設業法、公共工事入札契約適正化法を一体で改正した「担い手3法」。14年5月に国会で成立してから3年数カ月が経過した▼3法に規定された事項は着々と進展している。先日、自宅に届く地元自治体の議会だよりを見ていたら、3法を巡る質疑が報告されていた。公共工事品確法に明記された「適正利潤の確保」などに対する認識が地方レベルでも浸透してきた表れだろう。施策が法律に基づく事項かそうでないかの差は大きい▼行き過ぎた価格競争の防止、「安ければよい」という意識の改善、そして将来にわたる担い手確保。建設産業が直面する課題に応えようと、政治と行政、業界それぞれの思いが「うねり」となり、全会一致で法律が可決・成立した意義は今もって大きい▼建設業の働き方改革が連日話題を呼んでいる。長時間労働の解消と現場で働く人たちの休日の確保。それには、業界の自助努力は当然として、行政のバックアップ、そして民間を含めた発注者の理解と協力が欠かせない▼それらが大きな「うねり」となれば、困難も乗り越えられるはずだ。そのことに期待したい。

【カスリーン台風から70年】埼玉県加須市長・大橋良一氏に聞く「治水対策のあり方は」

 ◇人を守る公共事業を◇

 1947年9月のカスリーン台風による大雨で、埼玉県加須市の利根川本川の堤防が決壊し、広大な地域が水没する事態となった。同市の大橋良一市長は、直前の同5月に市内で生まれ、両親などから水害の恐ろしさを聞かされてきたという。治水対策がなぜ必要なのか。利根川上流カスリーン台風70年実行委員長も務める大橋市長に聞いた。

 --利根川の治水対策をどう見ている。

 「当時の記録を見るにつけ、治水対策の重要性を改めて感じている。利根川は大河川であり、被害の大きさは他の河川とは比べものにならない。必要な治水対策は講じられてきているが、関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊したように、支流を含めてまだ十分ではない。堆積している土砂の除去なども必要だと感じている」

 「加須市には、利根川の右岸と左岸の両方が含まれる。右岸側は、カスリーン台風の時のように決壊すれば東京側へと水が流れていく。一方、利根川に渡良瀬川が合流する左岸側は、洪水が起きると、水がどんどんたまり、利根川の水位が下がらなければ水がはけない。対策も場所によって違う視点で取り組まなければならない」

 --広域的な観点も重要では。

 「水害の時には、水が来ないところに逃げなければならない。水がたまってしまう左岸側は、特に広域避難の必要性が高い。今年初めて市内での広域避難訓練を行った。バスで移動してもらったが、高齢の方など一人一人の状況が違い、短時間で避難してもらうためには、相当なシミュレーションを重ねなければならないと感じた。広域避難のためのアクセスも確保する必要があり、これから要望していく。(国土交通省関東地方整備局と利根川中流域5市町らで)広域避難協議会を立ち上げた。運命共同体として助け合うべきで、そうした共通認識に立っている。参考となるような枠組みを作りたい」

 --利根川水系全体で意識を高める必要がある。

  「上流部では傾斜もあり、水がどんどん流れていくが、下流に行けば行くほど、流れが緩やかになり、水位も高くなる。下流で雨が降っていなくても、上流の大雨が原因で下流が決壊する可能性もある。本当の意味で対策が必要なのは、(人口などが多い)中・下流のはずだ。ただ、大きい河川だからこそ、水害が起きるまで準備の時間もある。落ち着いて対応すれば、命は守ることができる。命は必ず守るという意識でやらなければならない」

 --カスリーン台風で印象に残っている言葉は。

 「『人間はもとより馬や牛、家、すべてを洪水は流してしまう。しかも、誰も抵抗できない』と聞かされてきた。起きてしまえば止めることができないし、(人を)助けようとしても助けられない。『公共事業は悪』のような話があるが、人を守る公共事業はやっておくべきだ。(戦前に)戦費優先であのような結果になった。洪水は、すべてをゼロにしてしまう。想像力を働かせて対応しなければならない。教訓をしっかり伝えていきたい」。

【橋好きな方必見、いくつ集められる?】北海道道路メンテ会議、「かけ橋カード」発行

 北海道開発局と北海道、札幌市、東日本高速道路北海道支社で構成する「北海道道路メンテナンス会議」は、北海道内にある橋梁の基本情報などを盛り込んだ「北海道かけ橋カード」を発行する。

 カードは全部で13種類あり、16日から道内の道の駅やパーキングエリアなど、橋梁の所在地付近13カ所で無料配布する。かけ橋カードを通じて、老朽化が進む橋梁の維持管理や安全への取り組みについて広く発信したい考えだ。

 北海道道路メンテナンス会議では、道路インフラの現状や老朽化対策の必要性に対する理解を深めてもらう目的で、橋の長寿記念イベントやパネル展、現場見学会などを実施しており、そうした活動の一環として「北海道かけ橋カード」を作成することにした。

 カードを発行する13橋は、北海道開発局、北海道、札幌市、東日本高速道路が全道各地で管理する橋の中から長寿命の橋を選定した。

 カードは表面に橋梁の写真をレイアウトし、裏面では橋梁に関するエピソードや維持管理の経緯などを紹介している。

 カードの種類と配布場所は次の通り。

 ▽上姫川橋=道の駅YOY・遊・もり(森町)

 ▽古平橋=道の駅スペース・アップルよいち(余市町)

 ▽旭橋=道の駅あさひかわ(旭川市)

 ▽幌別橋=道の駅ウトナイ湖(苫小牧市)

 ▽網走橋=道の駅流氷街道網走(網走市)

 ▽猿骨橋=道の駅さるふつ公園(猿払村)

 ▽岩尾内大橋=道の駅絵本の里けんぶち(剣淵町)

 ▽天塩河口大橋=道の駅てしお(天塩町)

 ▽茂岩橋=道の駅うらほろ(浦幌町)

 ▽厚岸大橋=道の駅厚岸グルメパーク内観光案内窓口(厚岸町)

 ▽錦橋=定山渓観光案内所(札幌市)

 ▽千歳川橋=輪厚パーキングエリア(PA)上り・下り(北広島市)

 ▽張碓大橋=金山PA上り・下り(札幌市)

【落札額313億円、メインアリーナ開業は24年4月予定】横浜文化体育館再整備PFI(横浜市中区)、フジタら10社グループに

メインアリーナの外観イメージ
横浜市は14日、8月29日に一般競争入札(WTO対象、総合評価方式)を開札した「横浜文化体育館再整備事業」の落札者を313億3000万円(税込み)でフジタグループに決めた。PFI事業で2棟の体育施設とホテル、飲食店などを整備・運営する。提案したのは同グループだけ。予定価格は313億8741万円(税込み)だった。

 10月に基本協定、12月に本契約を締結する。サブアリーナは20年10月下旬、メインアリーナは24年4月の供用開始を目指す。事業期間は39年3月31日までを予定している。

 グループの代表企業はフジタ(統括管理、設計、建設)、構成員は電通(統括管理、運営)、梓設計(設計、工事監理)、大成建設(設計、建設)、馬淵建設(建設)、渡辺組(建設)、川本工業(建設)、横浜市体育協会(運営)、日本管財(維持管理、修繕)、スターツコーポレーション(運営、民間収益事業)。
サブアリーナの外観イメージ
協力会社としてアーキボックス(設計、工事監理)、ハリマビステム(維持管理)、電通東日本(運営)、テレビ神奈川(運営)、神奈川新聞社(運営)、横浜エフエム放送(運営)、ディー・エヌ・エー(運営)、横浜アリーナ(運営)、その他企業として日本海員掖済会(民間収益事業)が参画する。スターツコーポレーションはホテル、飲食店などの整備運営、日本海員掖済会は病院を整備・運営する。

 現文化体育館の敷地(中区不老町2の7、面積1万1014平方メートル)と隣接する旧横浜総合高校跡地(中区翁町2の9の10、面積8280平方メートル)の2カ所の市有地を使い、メインとサブの二つのアリーナを備えた体育施設をBTO(建設・移管・運営)方式のPFI事業で整備・運営。併せて民間収益施設の整備・運営事業を民間事業者の独立採算で実施する。
メインアリーナとサブアリーナの鳥瞰図
提案によると、現文化体育館敷地に建設するメインアリーナはRC一部S造3階建て延べ1万5514平方メートル、高校跡地のサブアリーナ(横浜武道館)はRC一部S造4階建て延べ1万4514平方メートルの規模。民間収益施設は、メインアリーナ敷地に建設する施設がS造7階建て延べ4158平方メートルの規模でホテル、飲食店、店舗、駐車場が入る。サブアリーナ敷地の施設はS造7階建て延べ2577平方メートルの病院となる。

 設計・建設・開館準備期間はサブアリーナが12月から20年10月下旬。メインアリーナが12月から24年3月までを予定している。
サブアリーナ㊤とメインアリーナの内観イメージ

【桜スタジアム構想など4件選定】スタジアム・アリーナ改革推進事業、1期公募の採択先決まる

桜スタジアムの完成イメージ
(ⓒ 2016桜スタジアム建設募金団体)
スポーツ庁は、多機能・複合型スポーツ施設整備で、地域の計画づくりを後押しする。本年度創設した「スタジアム・アリーナ改革推進事業」の1期分として14日、浦建築研究所ら4者を採択したと発表した。事業計画策定に向けて設ける官民連携協議会の開催費、関連調査費に充てる補助金(500万円程度)を交付。必要に応じ専門家を派遣し、計画づくりを支援する。4者は事業報告書を作成し、同庁へ提出する。

 同事業で支援を受けるのは▽大阪市▽大津商工会議所▽筑波大学▽浦建築研究所-の4者。大阪市は「大阪市スタジアム・アリーナ官民連携検討会議」を設け、サッカーJリーグ・セレッソ大阪の本拠地「キンチョウスタジアム」(長居球技場、大阪市東住吉区)の改修プロジェクト(桜スタジアムプロジェクト)で、事業計画の策定を進める。

 大津商議所は「(仮称)びわ湖アリーナ整備促進官民連携協議会」、浦建築研究所は「(仮称)金沢アリーナ整備・運営計画官民連携協議会」の窓口で、プロバスケットボール・Bリーグ加盟チームのホームアリーナ整備を想定して計画を策定する。筑波大は「アリーナを核とした街づくり協議会・実務者協議会」を立ち上げ、新アリーナの整備計画を詰める。

 4者が設置する官民連携協議会はスポーツ団体や地方自治体、経済界、有識者らで構成。地域特性に応じた多機能・複合型のスタジアム・アリーナ整備の計画を作るとともに、地域住民や関係者に対してプロジェクトの説明会を開く。

 イベント開催時の動員数や日常的な施設運営、市場規模、整備費や維持管理コストなども具体的に検討し計画に落とし込む。同庁は必要に応じ、マーケティングや設計、施工などの専門家を派遣して協議会の運営を支援する。

 政府は成長戦略の一環として、多機能・複合型で高い収益性が期待できるスタジアム・アリーナの整備推進を掲げている。同庁は17年度、「スポーツ産業成長促進事業」に新規着手。同事業の一つ、スタジアム・アリーナ改革推進事業で委託先を決める公募手続きに入っていた。

 8日には2期分の公募手続きを開始。1期と同様にスタジアム・アリーナ整備の先進事例形成を支援する。採択件数は5件程度を予定。15日午後1時から東京・霞が関の文部科学省内で説明会を開く。10月6日に応募書類の提出を締め切り、審査の上、委託先を決定する。

2017年9月14日木曜日

【お悔やみ申し上げます】構造家・播繁氏死去、フジテレビ本社ビルなどの構造設計手掛ける

 大規模建築の構造設計で数多くの優れた作品を手掛けた構造家の播繁(ばん・しげる)氏(エヌ・シー・エヌ顧問)が5日、死去した。79歳だった。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻の範子(のりこ)さん。10月にお別れの会を開く。

 1938年福岡県生まれ。63年に日大理工学部建築学科を卒業し、鹿島に入社。建築家の故丹下健三氏と協力して赤坂プリンスホテル新館(東京都千代田区)やフジテレビ本社ビル(同港区)などの構造設計を手掛けた。

 97年に独立して播設計室を設立。その後も岡山ドーム、埼玉県立武道館などの代表作がある。一戸建て住宅向けの耐震構法「SE構法」を開発するなど、木造住宅の耐震化にも取り組んだ。

 構造設計に携わり、98年長野冬季五輪のスピードスケート会場となった長野市オリンピック記念アリーナは英国技術者協会特別賞と日本鋼構造協会賞を受賞。91年にあきたスカイドーム(秋田市)の設計で日本建築構造技術者協会(JSCA)賞、97年に出雲ドームをはじめとする一重膜建築の開発で日本建築学会賞、08年に沖縄県立博物館・美術館(那覇市)で日本建築家協会賞を受賞した。

 丹下氏が設計した「代々木体育館」に触発されて構造設計の道を志した。日刊建設工業新聞のインタビューでは「大事なことは構造の建築確認が取れるかどうかではなく、建築づくりのシステムを提案できるかどうか。設計基準から逸脱しないと、本当の構造設計者とはいえない」と話し、構造設計者の社会的地位を上げるための協会活動などにも力を注いだ。

【回転窓】利根川決壊70年

 関東地方などに甚大な被害をもたらしたカスリーン台風で利根川が決壊してから16日で70年になる。濁流は東京湾に達し、多くの地域が水没した▼利根川沿いのある地域にはかつて、嫁を迎える際に対岸に声を掛ける風習があったという。戦前は30年に一度は洪水が起きると言われていたが、両岸で同じように被害が出ることは考えにくい。自分たちが被害に遭ったら支援してもらい、逆の時には助けに行く。そうしたリスクヘッジが根付いていたのだろう。大災害に備えた遠隔自治体同士の協力に通じる話である▼河川整備の効果もあり、カスリーン台風以降、利根川は氾濫していないが、「雨の降り方がたまたま幸運だっただけ」と指摘する専門家もいる。近年はどこでどのような集中豪雨に見舞われるのか予測が難しい状況にある▼「(2年前の)鬼怒川決壊を他山の石としなければならない」。カスリーン台風で堤防が決壊した埼玉県加須市の大橋良一市長が話していた。水害の恐ろしさを語り継いできた地だが、危機意識の薄れも感じているという▼起きないための備えと、起きた時の心構え。どちらも大事にしたい。

【年間100人以上の新規採用確保めざす】潜水協会、潜水士の後継者育成・技術伝承で行動計画

 日本潜水協会(鉄芳松会長)は、潜水士の後継者育成と技術伝承に関する基本方針とアクションプログラムを策定した。

 同協会のホームページで公表する。今後10年間の目標として、潜水士の数を現状のまま維持するために新規採用を年間100人以上確保することや、作業能力と生産性を高めて潜水士1人当たりの売上高を2割向上させることを打ち出した。

 同協会は、人材を確保するために潜水士養成教育機関との連携を一層強化するとともに、ICT(情報通信技術)など新技術の導入による生産性向上にも傾注していく。

 潜水士は、厳しい労働環境や少子高齢化の影響で担い手不足が懸念されている同協会は、海洋国家として継続的に潜水技術を維持していくには潜水士の確保が急務と判断。16年12月に「潜水士後継者育成・技術伝承検討委員会」(委員長・池田龍彦放送大学副学長)を設置し、担い手育成と技術伝承について、業界全体の統一的な基本方針と具体的な活動施策を議論してきた。

 基本方針とアクションプログラムは12日の理事会で承認された。港湾整備やサルベージ、船舶などの事業に従事している国内の潜水士は3300人程度とした上で、この数を維持していくためには、おおむね3%の新規参入者を確保する必要があるとし、年間で100人程度の潜水士を新規に確保する目標を掲げた。現在の潜水士の1人当たり売上高は2000万円程度で、これを2割増の2500万円以上に引き上げることも目標に据えた。

 後継者・担い手の確保・育成では、信頼性の向上を念頭に、人材募集を行う個々の潜水業者に懇切かつ丁寧な対応を徹底させる。教育機関などとの連携を深め、地元との良好な関係を構築して地域での潜水士の地位向上に可能な限り協力していく。

 潜水作業能力・技術レベルの維持・向上に関しては、研修・教育活動の充実に取り組むとともに、情報化による労働力の流動化を促進。潜水士の最適な配置を実現し、全国レベルでの生産性の向上を図る。

【航行技術向上が課題に】ドローン活用、資材運搬や高圧線架設にも拡大

 建設関連の分野でドローン(小型無人機)活用範囲が拡大している。

 レーザースキャナーを積んだ機体で山林や高低差がある複雑な地形のデータを取得したり、赤外線カメラ搭載機を太陽光発電パネルの点検に用いたりするケースに加え、複数台での資材運搬や高圧線架設作業への応用を模索する企業も出始めた。

 単に測量を行うだけの空撮機の枠を越え、物理的な力で生産効率化を目指す第2幕へと移行しつつある。

続きはHP

【選者・降籏達生氏が視点語る】本紙掲載「建設業の心温まる物語」、9月で50話に

 ◇谷からはい上がるエピソードに感動◇

 日刊建設工業新聞で16年6月から毎月1回、2~3話ずつ掲載している「建設業で本当にあった心温まる物語」。今月25日の掲載分で50話に達する。

 建設業界で働く「市井の人々」がつづった感謝、感動、失敗談。選者であるハタコンサルタント(名古屋市)の降籏達生代表取締役は、どんな視点で掲載する物語を選んでいるのか。そして物語がそれぞれの人たちにどんな効果をもたらしているのかを聞いた。

 □重要なのは具体的なエピソードが書かれていること□

 物語を選ぶ視点はたった一つ。「谷からはい上がってくるような経験」がつづられていることだ。谷が深ければ深いほど、はい上がってきた時のうれしさも大きい。読む人もそこに感動する。建設業をPRする場合、とかく良いことばかりを書く。しかし、「3K」と言われるように、現場の仕事はきつく、汚く、危険と隣り合わせであることは否定できない。きれい事ばかりでは、眉唾物と思われかねない。

 「24時間テレビ」のマラソンがそうであるように、暑く大変な状況の中でも頑張る姿に視聴者は引き付けられ、感動する。建設工事も厳しい状況の中で、谷からはい上がるように努力して乗り越えていく過程を見ることで、読者の気持ちが動いていくと考えている。

 重要なのは、具体的なエピソードが書かれていることだ。工事現場の近隣の人たちから「ご苦労さま」「いつも見ています」と声を掛けられるなど、具体的な風景が目に浮かぶこともポイントとなる。

 8月28日の掲載分までに47話の物語が顔写真とともに掲載された。物語を書いたそれぞれの人に聞くと、同じ地域で働く同業者や協力会社の人たちから反響があり、新聞を見て連絡が来ることもあるそうだ。そして何といっても家族が喜んでくれるのだという。

 講師を務める全国土木施工管理技士会連合会の研修を受講してくれた人たちに、物語を書いて提出してもらう活動を6~7年続けている。

 最初は手間を掛けて申し訳ない気持ちだった。それが今では、物語を書く人にとってもさまざまな効果があると考えるようになった。書くことによってほんのささいなことにも感動する力が付く。家族の力が大切であると再認識する。そして人を好きになるという力を養えるということだ。

 □ささいなきっかけで感動が生まれる□

 建設業は労働集約型の産業。いがみ合って仕事がうまくいくことはあり得ない。物語を書くことで、「自分は人のことが好きなんだ」と改めて実感することが、現場を運営する上でも大きな効果をもたらす。

 これまで集めた物語を収録した冊子を自ら複数作って販売したり、日刊建設工業新聞の紙面に掲載したりしてきた。こうした活動を継続していきたいし、今後は、会社単位で物語を集めてみるのはどうかと思っている。「◯◯建設で本当にあった心温まる物語」といった形だ。

 各社が冊子にして会社案内として使うのもいいし、ホームページに掲載する工事実績に物語を添えるようなアイデアもある。美辞麗句を並べるより、建設業を身近に感じてもらえるようになるのではないか。ぜひ各社に挑戦してもらいたい。

 これまで5000話ほどの物語を読んできた。アシスタントの女性と2人で選定作業をしているが、彼女は最初、「建設業はこんなことでも感動するんですか?」と驚いていた。

 実際に現場では、ほんのささいな言葉をきっかけに大きな感動が生まれることがある。コンサルタントとして建設業界を応援する立場だが、数々の物語から自分の活動が触発されることも少なくない。上司や経営者が社員に投げ掛ける言葉によって、人材の定着率が高まることもある。ちょっとした言葉を掛けてもらうだけで本当にうれしくなることがあるのだ。

 □建設業に技能リーグ創設を□

今年3月。「ドリプラ世界大会10周年アニバーサリィ本選大会」に出場した。「誰もがどんな夢でも描き、挑戦することができる」というコンセプトで、出場者がプレゼンテーションする大会だ。

 そこで「Gリーグ(技能リーグ設立プロジェクト)」構想を提唱した。「居場所を作って子どもたちを守り、建設ものづくりで国土を守る」と訴えた。

 Gリーグでは、技能習得のトレーニングセンター(Gトレセン)を各地に作り、対抗戦で技を競い合うことを考えている。各地に技能訓練を行う施設ができつつある。各地域が互いに技能を高め合うような機運が高まればと思っている。

 技能を教える「Gコーチ」の養成も大切だ。今月28~29日に三田建設技能研修センター(兵庫県三田市)で行われる「建設技能講師養成セミナー」で講師を務める。技能を教える講師の人たちに、どうすれば伝わりやすい研修ができるかを学んでもらう。そうした活動を通じて構想を実現していきたい。

【回転窓】指示待ちは通用しない

「名選手は名監督にあらず」とはよく聞く言葉だが、この人の言動は、監督としても大きな可能性を感じさせてくれる▼バレーボール全日本女子監督の中田久美さんがその人。選手時代は「天才セッター」と呼ばれ、1984年のロス五輪で日本が銅メダルに輝いた立役者の一人である。引退後は実業団チームの監督で実績を残し、昨年10月から全日本監督を務める▼中田さんはマスコミのインタビューにこう答えている。「オリンピックで指示待ちの選手は通用しない」。試合中も直接指示するのはここぞという場面に限る監督スタイルは、そんな考えに基づくものなのであろう▼マニュアル化された方法をいくつ覚えても、自ら考えないと通用しないのはスポーツに限らない。失敗学が専門の畑村洋太郎氏はマニュアル化が〈偽のベテラン〉を生み、〈失敗することで成長した経験がないからこそ、大事なところで大失敗を繰り返す〉(『だから失敗は起こる』NHK出版)と指摘する▼先の国際大会で不本意な成績に終わり悔し涙を見せた中田さん。選手に〈考える〉ことの重要性を説く監督とチームの活躍に期待しよう。

【モデル工事で課題抽出】ゼネコン各社、週休2日に前倒しで対応

週休2日は契約工期内に工事を完成させることが前提となる
(本文とは関係ありません)
週休2日を巡るゼネコンの取り組みが活発化している。手持ち工事が豊富な中でも週休2日の定着を促す中長期目標と実施工程を定める企業が多く、21年度末までに4週8閉所とする方針を固めて環境整備に入った企業もある。時間外労働の上限規制の導入に備え、日本建設業連合会(日建連)が新しい対策を検討する中、休日の増加に前倒しで対応する動きが広がっている。

続きはHP

【五条大橋をピッカピカ!!】近畿整備局京都国道ら、クリーンアップ作戦実施

 近畿地方整備局京都国道事務所と下京納税協会が、架設から58年を迎えた京都市の国道1号五条大橋で「橋洗い~クリーンアップ・シンデレラ大作戦~」を行った。約110人が参加し、橋の欄干や擬宝珠(ぎぼし)などを丁寧に磨き上げた。

 京都市東山区と下京区を結び、鴨川に架かる五条大橋は1959年に竣工した。3径間連続鋼非合成鈑桁橋で、橋長67・2メートル、幅員35メートル。平安時代に牛若丸と弁慶が五条大橋で出会ったという伝説があり、橋の西側に牛若丸と弁慶のモニュメントが設置されている。

 橋洗いは、下京納税協会が納税意識の向上や地域貢献活動の一環として、京都国道事務所と共同で実施しており、今年で3回目。気軽に女性も参加でき、親しんでもらおうと下京納税協会の発案で「クリーンアップ・シンデレラ大作戦」と名付けられた。

 橋洗いには、門川大作京都市長、田中哲也京都国道事務所長、下京納税協会の浦尾たか子副会長(五条大橋をきれいにする会会長)らも参加し、ぞうきんやブラシなどを使って橋の汚れをきれいに落とした。当日は「五条大橋をきれいにする会」と京都国道事務所が締結した「ボランティア・サポート・プログラム」協定の「サインボード」の除幕も行われた。

 門川市長は「外国人観光客からも、京都のまちの美しさや、清潔さを高く評価いただいている。今後も皆さんとともに、『世界一美しいまち・京都』に向けて全力を尽くしていきたい」としている。

2017年9月12日火曜日

【東京体育館は18年7月から】都心の大規模競技会場が相次ぎ休館

 2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場になる東京都内の大規模施設が相次ぎ改修工事に入る。

 東京五輪でハンドボール競技が行われる国立代々木競技場(東京都渋谷区神南2-1-1-)は7月2日、併設フットサルコートを除く第一体育館、第二体育館、室内水泳場、会議棟、有料駐車場の営業を休止した。

 先週、日本スポーツ振興センター(JSC)は耐震改修工事のWTO(政府調達協定)一般競争入札を開札、近く工事の施工者が決まる見通しだ。基本・実施設計は丹下都市建築設計・久米設計JVが担当した。工期は19年7月31日まで。

 都有施設では卓球会場の東京体育館(東京都渋谷区千駄ヶ谷1-17-1)が2018年7月1日~2020年1月31日に休館する見通し。

 新国立競技場整備事業に関連した歩行者1号デッキ整備に伴い、休館に先行して18年4月からサブアリーナ、第二駐車場、会議室の使用を停止する。

 老朽化対応やバリアフリー化など改修工事の基本設計は槇総合計画事務所が担当した。
(ⓒ tokyo2020)
 水球会場を予定している東京辰巳国際水泳場(東京都江東区辰巳2-8-10)は五輪に向けた工事期間を18年10月1日~19年9月30日に設定。これに伴い18年11月26日~19年3月24日を休館期間とし、トイレ改修や手すり設置などの改修を実施する計画だ。改修の基本設計は環境デザイン研究所が担当した。18年10月1日~11月25日、19年3月25日~9月30日は施設を運営しながら改修工事を行うとしている。

 都心にあり立地条件や収容力に恵まれた公共施設が相次ぎ改修に入ることで、都内ではイベントやコンサート、学校行事などの会場をどう確保するかが問題になっている。東京都調布市に整備し11月25日開業予定の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」などが代替機能を果たす見通し。だが立地場所やアクセス時間、交通輸送能力などを考えた場合、都心のアリーナ確保問題は今後も曲折がありそうだ。

【回転窓】新記録を陰で支えた存在

先週、福井市で開かれた陸上競技大会の男子100メートルで、桐生祥秀選手(東洋大)が9秒98の日本新記録を樹立した。日本記録が10秒00に到達してから0・02秒、距離にして20センチ縮め、10秒の壁を突破するのに19年の歳月を要したことになる▼好記録を出すのは、選手本人の才能に加え、血のにじむような日々の努力、所属チームやスポンサーのサポートがあってこそ。だが陸上で言えば、競技の舞台になるトラックを決められた基準の中で整備し、維持管理し続けることも重要な要素ではないだろうか▼国内の場合、日本陸上競技連盟が定める競技規則に従い、公認競技場として備えるべき要件が厳格に定められている。当然、走路の斜度や舗装の構造、素材などにも細部にわたって規定がある▼陸上競技は門外漢なので「記録が出やすい競技場」が本当にあるのかどうか、正確なところは分からない。だが、整備を担う設計者や施工者は、施設を最高の状態に仕上げることに心血を注いでいる▼歓喜を陰ながら支える存在。目立たないかもしれないが、桐生選手の記録達成を喜んでいる建設業界の関係者はきっといるはずだ。

【記者手帳】木材活用に熱気

公共建築物(民間事業者が建設する教育、医療・福祉施設を含む)の木造化へ向けた機運が高まってきた◆ある県で公共施設の木造化推進を目的とする協議会の総会を取材したところ、終了予定時間を1時間ほど超過しても参加者の報告や議論が続き、熱気の高まりをひしひしと感じられた。建築関連の法改正や技術の進展、自治体職員や設計事務所を対象としたセミナーや見学会開催などが効果を上げているようだ◆酒田大火など地方都市での火災災害が相次いだことから、戦後の日本の大学の建築教育では「木造建築」は一部の大学を除き「建築史」の中で取り上げられる程度のところが多かった。自治体のインハウス技術職員も木造建築の知識が不十分な人も少なくなく、公共施設の木造化がなかなか進まない要因の一つにもなっていたという◆輸入材に押されていた木材の自給率も5年連続で上昇。15年度は33.3%とほぼ3分の1に達した。地球温暖化対策や地域経済の振興の観点から自治体の意欲も高い。地味な動きだが、木材活用は着実に進みそうだ。(巳)

【イチゴでまちおこし】福島県大熊町、栽培施設等整備DBプロポ公告

福島県大熊町は、約3000人が居住予定の「大川原復興拠点」の整備に合わせ、同拠点内に自然光を利用したイチゴ栽培施設を整備する。

 11日に「栽培施設等整備事業」の公募型プロポーザル手続きを公告した。デザインビルド(DB)方式を採用し、同施設の実施設計と施工を行う事業者を募集する。参加表明書を29日まで受け付ける。

 10月30日~11月8日に企画提案書を受け付け、審査委員会によるヒアリングを経て、11月下旬をめどに候補者を選定する。

 同拠点にはこれまでに、原発事故に伴う廃炉作業などを行う従事者向けの給食センターが整備された。今後は商業・公益施設や住宅などの整備を計画しており、植物工場も拠点機能の一つに位置づけている。震災後、同町では農業活動が行われておらず、復興のシンボルとして自然光を利用した栽培施設を整備する。

 業務名は「大熊町栽培施設等整備事業設計・施工業務」。施工場所は同町大川原西平1023ほかの敷地4万8146平方メートル。都市計画区域で用途の指定はない。建ぺい率は60%、容積率は200%。標高は約60メートル。上水道や電力は敷地内に引き込み、井戸(径311ミリ、深さ120メートル)の掘削も予定。

 応募資格は単独企業またはJV。設計企業は建築士事務所の登録を受け、07年4月以降に1棟の面積が2000平方メートル以上、ICT(情報通信技術)を活用した環境制御システムでイチゴを栽培する太陽光利用型高設養液栽培施設建設工事の設計実績があること。施工企業は経審の建築一式工事の総合評定値が750点以上で設計企業の応募資格と同じ工事の施工実績があること。

 計画によると、敷地内に整備するのは栽培施設が2万平方メートル程度(太陽光利用型耐候性鉄骨フィルムハウス)。太陽光を利用した栽培施設で、一年の一部の時期に収穫する「一季成りイチゴ」と収穫期間が長い「四季成りイチゴ」を栽培する。2000平方メートル程度の育苗施設(親株棟・消毒苗切棟・育苗棟)や1000平方メートル程度の集出荷・管理施設(事務所・選別調整・保冷貯蔵・出荷)、付帯施設も設置する。

 業務内容は、建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事、外構工事、さく井工事に伴う実施設計および施工。履行期間は19年3月29日で、完成後に町に引き渡す。契約上限額は20億6400万円(税込み、設計が9800万円、工事が19億6600万円)。

 12月上旬に仮契約を締結し、12月定例町議会での議決を経て、正式契約を結ぶ予定だ。問い合わせは、産業建設課(大熊町役場いわき出張所、いわき市好間工業団地1の43、電話0246・36・5671)まで。

【時間外労働の上限規制導入】厚労省、働き方改革関連法案要綱取りまとめ

厚生労働省は、今秋の臨時国会に提出する「働き方改革関連法案」の要綱をまとめた。

 最大の柱は全産業を対象にした時間外労働の上限規制導入だが、建設業に対しては堅調な国内市場の影響などで深刻な人手不足が当面懸念されるとみて法律の施行日から5年間猶予する。19年4月の施行を目指す。

 働き方改革関連法案は、▽労働基準法▽じん肺法▽雇用対策法▽労働安全衛生法▽労働者派遣法▽労働時間等設定改善特別措置法▽パートタイム労働法▽労働契約法-の計8本の法律を一括改正する内容。

 雇用対策法改正案では、法律の名称を「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に変更し、新たに働き方改革全般の理念を掲げる基本法に据える。

 時間外労働の上限規制を定める労働基準法改正案では、具体的な上限を原則として「月45時間・年360時間」、繁忙期は例外として「月100時間未満、年720時間」とそれぞれ定め、これらの内容に違反した企業には罰則を科す。

 このほか、労働基準法改正案には高収入の専門職を時間外労働の上限規制から外す「高度プロフェッショナル(高プロ)制度」も定める。同制度で事業主には専門職の休日を「月4日以上・年104日以上」確保することを義務付ける。

【イメージ向上へ魅力発信】ハンズ(東京都渋谷区)、建築現場で働く人応援計画始動

建築資材の揚重や内装補修を手掛けるハンズ(東京都渋谷区、長島宏社長)は、建築現場で本気(ガチ)で頑張っている人を応援するプロジェクト「ガチイズム」を始動させた。初弾として、同社で働く揚重部門のベテランや若手の動画を公開。自社だけでなく、業界全体のアピールにつなげ、入職促進に役立てていく。

 建設業界では、東京五輪が開催される2020年に向け需要が増す中、高齢化や若年層の業界離れで人手不足が深刻化している。同社は、建設業で働く人の魅力を発信し、3K(きつい・汚い・危険)という固定されたイメージからの脱却を図るため、今回のプロジェクトをスタートさせた。

第1弾は、建築現場の揚重業にフォーカスした。現場で必要となるさまざまな内装資材・材料を指定の場所へ傷つけることなく正確に搬入する「荷揚げ」の仕事。動画では、同社で働く勤続1年目の若手から、13年、17年目の中堅・ベテランが、ただ物を運ぶだけにとどまらない仕事の醍醐味(だいごみ)をそれぞれの視点で熱く語っている。

 同社の揚重部門のスタッフには、「芸人になりたい」「ミュージシャンになりたい」など夢を追い掛ける傍ら、生活費を稼ぐために働いている人が多いという。

 動画の公開に合わせ、期間限定の集中採用「夢を語れば即採用」キャンペーンを実施する。期間は30日まで。スタッフはここ数年、200人前後で推移しており、今回のキャンペーンで前年同月の2~5割増の採用を目指す。
 詳しくは同社のホームページへ。

2017年9月11日月曜日

【回転窓】「ロボットAI農業」が現実に

野生鳥獣が農作物にもたらす被害は年間176億円(15年度)に上る。農家には深刻な問題だ▼原因の一つは耕作放棄地が増えていること。雑草や低木が生えた耕作放棄地に鳥獣が集まり周辺農地に被害を与える。いろいろと対策を講じるも決め手に欠くのが現状で、こうした問題の解決にもロボットやAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)など先端技術の展開が期待されるという▼〈無人のロボットトラクターが動く水田の上をドローンが飛び、画像撮影で稲の生育状況を把握。その分析結果をトラクターに送って肥料の散布量を自在に変える〉〈耕作が放棄された農地や荒れた里山で家庭用のロボット掃除機に似た小型ロボットが草刈りをするようになったことで、景観は保たれ、野生動物による被害も著しく減る〉▼そんな世界が現実になりつつあると農業ジャーナリストの窪田新之助氏が書いている(『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』講談社)▼建設業と農業は共に就業者の高齢化や減少という課題に直面する。生産性の向上が求められるのも共通した課題。技術革新で創造される価値は大きい。

【夜間にする?それともホタル??】八ツ場ダム工事の見学ツアーが大人気!!

 ◇本体施工の清水建設JVも協力◇

 国土交通省関東地方整備局の八ツ場ダム工事事務所が行っている観光プロジェクト「やんばツアーズ」が好評だ。

 群馬県長野原町で建設中の八ツ場ダムを通じて、最先端の建設技術とともにダムの役割や地域の魅力を知ってもらおうと一般の個人と団体向けに10の見学プランを用意(一部終了)して今春から行っている。団体は予約がいっぱいで、次は12月になってしまうほどの人気という。

 ダム整備に伴う周辺の整備の情報と合わせて工事現場を見学するツアーや、土木技術者や土木系学生に技術者が高度な専門技術も説明するツアー、訪日外国人向けのツアーなどを実施中。ホタル観賞と夜間工事の見学をセットにした期間限定ツアーや、約200人の会員がいる「八ツ場ダムファン倶楽部」限定のツアーも催した。

 毎月最終金曜には団体を対象にした「プレミアムフライデー限定 ヤンバナイトツアー」を午後7時半から行っている。紅葉で名高い吾妻峡に位置しており、今後は期間限定の「紅葉とダム見学会」、冬には「樹氷とダム見学会」を予定している。
団体ツアーはJR我妻線の旧線路を歩いて見学スポットに向かう
ツアーには、吾妻ゆかりの女性で構成する「やんばコンシェルジュ」が案内役として同行する。その一人、八ツ場ダム工事事務所の非常勤職員だった高橋佳美さんは、「工事だけでなく、住民の生活再建をはじめ事業化までの長い歴史、水をためて安全を守るダムの役割を知っていただきたい」と意欲を見せる。

 ファン倶楽部会員向けのツアーは、通常の個人や団体のツアーでは訪れない愛好家向けのルートを案内しており、「吾妻に一日でも長く滞在してもらえるよう、地域の魅力の発信に努めている」(高橋さん)という。

 八ツ場ダム工事事務所は、「治水、利水に役立つ大規模なダムの工事をぜひ見ていただきたい」(藤枝達也地域振興課長)と、今後も見学者を積極的に受け入れる考え。

 八ツ場ダムは、清水建設・鉄建建設・IHIインフラシステムJVの施工で、19年度の完成を目指し、堤体のコンクリート打設が急ピッチで進行中。清水建設JVは、専門家による見学に技術者が同行するなど、やんばツアーズに意欲的に協力している。

【グランプリは荻野亜紀さんと上野邦雄さん】滋賀建協「夢けんせつフォトコン」、入賞作品決まる

荻田亜紀さんの「安全よし!」
 滋賀県建設業協会(滋賀建協、本庄浩二会長)が主催する第23回「夢けんせつフォトコンテスト」の入賞作品が決まった。合計358点の応募の中から第1部グランプリに荻田亜紀さん(滋賀県)の「安全よし!」、第2部グランプリには上野邦雄さん(滋賀県)の「ホフマン窯」を選んだ。

 コンテストは、建設業界に対する理解促進とイメージアップを図ることなどを目的に、滋賀建協らで構成する実行委員会(本庄浩二委員長)が毎年実施している取り組み。本年度は、第1部の「建設業にはたらく人々」、第2部の「建設物がある滋賀の風景」の2部門で7月20日まで募集したところ、初参加の80人を含む198人(県内131人、県外67人)から合計358点(第1部173点、第2部185点)の作品が寄せられた。
上野邦雄さんの「ホフマン窯」
 その後の審査では、各部門でグランプリ1作品、優秀賞4作品、特別賞1作品、入選10作品、奨励賞5作品を決定。若年者の興味・感心を高め、将来の入職者増加につなげるため、22歳以下の第2部応募作品から選ぶU22特別賞には橋本大志さん(滋賀県)の「人が造り、自然が染める」が選ばれた。

 10月中旬に表彰式を行う予定で、入賞作品は、県内各地で開かれる各種フェア、協会ホームページなどで展示されることになっている。

【凜】CORE技術研究所・大泉友里奈さん

 ◇異分野からPC設計技術者に挑戦◇

 「土木を学んできた人に引けを取らないPC(プレストレストコンクリート)構造物設計者になりたい」

 大学では日本法制史を専攻。就職活動をしている時、今まで自分が触れてこなかった分野に挑戦したいと思い、手元にあった求人票を見て建設コンサルタント会社に応募した。入社から3カ月は総務部で勤務したが、その後、設計部に配属。「泳ぎ方を知らないまま海に投げ込まれたようだった」と振り返る。

 土木の知識が皆無だったため、専門用語を必死に覚え、設計に必要な計算式も勉強した。時間さえあれば専門書を読み、少しでも知識を増やそうと努力した。

 入社3年目の現在は、橋梁の損傷に対してその程度や発生原因に応じた補修設計を行ったり、補強対象部ごとに耐えられる荷重の載荷検討を行う耐荷力照査に当たったりしている。悪戦苦闘の日々に、技術者として足りない部分があると感じることも多い。

 仕事の中で心掛けているのは「考え過ぎない」こと。分からないことは悩み過ぎずに上司や先輩に聞き、成長していけたらいいと思っている。

 「畑違いの人間でも一人前の設計者になれることを証明すれば、異分野を学んできた人間が土木の世界に入っていきやすい土壌づくりに少し貢献できるのでは」。ほほ笑みながら語るまなざしは真剣だ。

 (東京支店設計部。おおいずみ・ゆりな)

中堅世代-それぞれの建設業・178

女性の働きやすい現場の環境整備が進んでいる
 ◇現場のやりがいに男女は関係ない◇

 「女性の活躍が大きく取り上げられ、新たな取り組みが次々と出てくる。自分が入社した時からすると考えられない」。

 17年前にゼネコンに土木技術者として入社し、現在は広報を担当している加藤詩織さん(仮名)。現在の建設業界の状況には隔世の感があるという。

 父が土木関係の仕事をしていたこともあり、幼い頃からダムや橋梁などの大型構造物を見に行くのが休日の過ごし方だった。「いつかは自分でも大きな構造物を造りたい」。小学生の頃にはそんな思いが芽生えた。その気持ちは変わらず、大学は土木系の学部に進んだ。

 就職活動でも迷わずゼネコンを受けた。だが、2000年ごろは就職氷河期。なかなか内定をもらえない。「ここで落ちたら諦めよう」と思い受けた準大手ゼネコンで内定が出た。

 入社後、すぐに配属された部署では、発注者から受け取った図面や計算書に間違いがないかなどをチェックする業務を任された。「面接試験の時には、現場で働きたいと伝えていたのに、女性ということもあって希望を受け入れてもらえなかった」。男女の間で入社後の扱いに大きな差があると実感したという。

 上司には「現場で働きたい」と訴え続けた。そのかいあってか、4年目を迎えると同時に土木工事の現場へ配属された。「やっと自分のやりたいことができる」。そう思った。 

 最初の配属現場では、橋梁の基礎工事のコンクリート管理を任された。だが、想像と現実は大違い。所長に「あれをやってこい」と指示されても、その内容がまったく分からないということが何度もあった。「所長に聞くと、現場から外されるのではないかという恐怖心があり、聞けなかった」。そんな時に頼りにしたのが職人。「職人さんにこっそり教えてもらった」。当時、親しくしてくれた職人とは今も親交がある。

 希望通りに現場に出て、多くの人に支えられながら完成した構造物を見た時、感動で涙が出たのを鮮明に覚えている。「この仕事を続けているのは、やりがいが苦労を上回るから。その気持ちに男女は関係ない」。

 その後に担当したどの現場も、ほぼ全員が男性。更衣室やトイレなどの環境も整っていなかったが、やりがいをばねに、残業続きや休みなしにも耐えた。「自分と同じように、現場で働きたいと思っている女性が実はたくさんいるはず」。そう思ってきた。精神的・肉体的につらい時にも、そんな人たちの先導役になりたいと気持ちを奮い立たせ、必死に踏ん張った。

 結婚や出産を経て4年前に広報部へ配属された。現在の部署でも、現場のことは頭から離れたことがないが、今は広報の立場から、女子学生にたくさん入職してもらいたいと女性活躍の取り組みのアピールに工夫を凝らす。

 女性が働きやすいよう、ここ数年で現場の環境は様変わりした。「また現場に出られる機会があれば、どう変わったのか自分の目で確かめたい」と思っている。

【サークル】大成建設 剣友会

 ◇〝生涯剣道〟めざして輪を広げる◇

 1955年年ごろに会社公認の同好会として発足。より多くの人が入会できるようにと、柔らかいイメージを加えて「剣友会」という名称になったという。

 現在は代表を務める矢口則彦取締役兼専務執行役員建築総本部長兼建築本部長を中心に、グループ会社に所属する全国の剣道愛好家約50人が登録。そのうち20人程度で活動している。

 メンバーの西野宏幸さん(建築営業本部〈第一〉)が「一つでも上の段を目指し、一人でも多く昇段できるように稽古に励んでいる」と話すように、普段はそれぞれが所属道場や稽古会で稽古を積み、資格を得れば積極的に段位審査を受ける。今年は3人が6段に昇格し、7段、6段の高段者は7人になった。

 会としては、全日本実業団剣道大会、関東実業団剣道大会、芙蓉グループ剣道大会、建設業剣道大会」「国土交通大臣杯剣道大会に毎年出場。年に4回ほど社内で稽古会を開く。「特に建設業剣道大会では上位入賞を目指している」(西野さん)。

 「モットーは『生涯剣道を目指して』。試合会場や稽古場で大成建設の名前を見掛けたらぜひ声を掛けていただきたい」(同)。

【駆け出しのころ】馬淵建設常務取締役・角井英明氏

 ◇人と人の信頼関係が基本に◇

 東京オリンピックが開かれたのは、私が15歳の年でした。開催に伴って造られたさまざまなインフラや施設をテレビなどで見たのが建築に興味を持ったきっかけです。大学では建築を学び、地元の会社で名前を知っていた馬淵建設の入社試験を受けました。

 入社すると技術課に配属され、施工図の作成補助などを担当しました。半年後、東京支店工事部に移り、千葉県内の病院建築工事に携わります。この現場で初めて所長を務めた上司からは、しっかりとした計画の柱と段取りが工事を進める上でいかに大切かを教え込まれました。これ以降も東京支店が担当する東京都以外の地域で施工管理に従事します。

 当時は、名刺を出しても会社の知名度がない地域での現場を担当することが少なくなく、高度成長時代でもあったため、協力会社の確保には所長以下、現場職員が汗をかいて対処しました。人材を確保することの難しさと大切さがよく分かりました。

 若い頃は、昼間に現場で施工のプロセスを勉強し、主に夜間に事務所で施工図を描いて先輩からその基本や納まりのディテール、数量拾いなどの施工管理技術を教えてもらいました。計画から施工図の作成、チェックまで一気通貫で管理をしていたため、現場の状況が細部にわたり把握できる環境であったと思います。結婚を契機に自分から会社に申し入れ、横浜にある本社の配属となって現場を担当しました。

 これまで施工に携わった多くの現場で貴重な経験を積んできましたが、中でもある現場での経験は得難いものがありました。著名な設計事務所が設計した建物で、この監理者は命懸けと言ってもいいほどの姿勢を全面に出す方でした。完璧な作品を造ろうと一切の妥協を許さず、非常に高度な施工管理を求められました。一つのことが決まるのにも時間がかかり、なかなか工事を計画通りに進められませんでした。

 若かった私はこの方に反発することもありましたが、自分の技術的な未熟さが分かりましたし、あれほどの熱意と情熱を仕事に注げることのすごさも学ばせていただきました。

 私たちの会社の理念は「信頼と技術の馬淵建設」であり、信頼していただける関係を社内外でつくり上げていくことが大切です。基本は人と人の信頼関係です。若い人たちには、信頼される社会人、企業人、技術者になってほしいと期待します。これからは、より限られた時間の中で中身のある仕事をしていかなくてはなりません。与えられた時間をどう有効に活用し自分の能力を発揮していくか。そうしたことを考えられる人が成長していけるのだと思います。

 (建設事業本部長兼土木本部長、つのい・ひであき)1972年明治大工学部建築学科卒、馬淵建設入社。執行役員建築統轄部副部長兼工事一部部長、取締役建設事業本部副本部長兼建築統轄部長、同建設事業本部長、同建築本部長、同建設事業本部長兼営業本部長などを経て、16年6月から現職。神奈川県出身、67歳。
会社に入って5、6年目の頃に現場事務所で
(前列左側が本人)

2017年9月8日金曜日

【回転窓】実りの秋までひと辛抱

9月というのは、年12カ月の中でもなかなか難しい月であるようだ。秋とはいっても夏の名残がまだあちこちに見えるし、同じ季節の変わり目でも、冬から春、春から夏に向かうのとは違ってどこか物寂しい雰囲気が漂う。夏の輝きが強いほど、その落差も大きくなろう▼9月の初めは子どもの自殺が増えるとニュースになっている。いじめなどで学校になじめない子たちが、長い夏休みが明けて追い込まれ、自ら命を絶ったり不登校になったりするケースが多いらしい▼内閣府の集計では、9月1日に自殺する子どもの数が一年の中でも突出して多いことが分かっているという。誠に痛ましい話である。どこかに逃げ場を用意してやれなかったのかとの思いが湧く▼大人の中にも、この時期は心身に不調を来す人が多いようだ。夏の疲れに生活や気候の変化が加わってストレスが増すのが原因とされる。夏に長いバカンスを取る習慣がある欧州には、休暇明けの不適応を指す「九月病」の言葉もあると聞く▼きのう7日は二十四節気の一つ「白露」だった。秋が深まり、野の草花に白く朝露が光る頃。実りの秋までもうひと辛抱。

【施工は大成建設JV】損保ジャパン日本興亜新美術館、民間都市再生事業計画に認定

 国土交通省は損害保険ジャパン日本興亜が東京・西新宿の本社ビル前に建設する「(仮称)損保ジャパン日本興亜新美術館」計画を民間都市再生事業計画に認定した。

 認定事業には国による金融支援や税制上の支援措置が講じられる。設計は大成建設、施工は大成建設・清水建設・鴻池組JVが担当する。

 5月に基礎工事に着手しており、今月20日の本体着工、19年9月下旬の完成を目指す。2020年東京五輪に向け、同年春に本格開業する。本社ビル42階にある東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館の機能を移す。

 建設地は新宿区西新宿1の26の1(敷地面積9299平方メートル)。新美術館はRC造地下1階地上6階塔屋1階建て延べ3956平方メートルの規模で、高さは40メートル。外観は東郷青児の作品が持つ独特な曲線美をモチーフとした垂直面と曲面を組み合わせたデザインを施す。

 同美術館が所蔵するゴッホ作の絵画「ひまわり」に出会えるアジア唯一の美術館となる「アートランドマーク」を整備することで、文化・芸術を発信。新宿駅からの人の流れを呼び込むとともに、西新宿に新たなにぎわいの場を創出する。併せて防災性能や歩行者ネットワークを強化し、西新宿のさらなる魅力向上と都市再生への貢献を図る。

【19年度完成めざす】若築建設ら5社、洋上風力向けSEP型作業船団建造へ


 洋上風力発電施設の建設をターゲットに民間五社が連携する。

 重量物輸送・据え付けのアチハ(大阪市住之江区、阿知波孝明社長)、自然電力(福岡市中央区、磯野謙代表取締役、川戸健司代表取締役、長谷川雅也代表取締役)、東光電気工事、港湾工事を手掛ける吉田組(兵庫県姫路市、壺阪博昭社長)、若築建設の5社は7日、洋上風力発電施設の建設用に、自己昇降式作業台(SEP)を搭載した作業船団の建造に向けた検討を開始したと発表した。

 5MW級以上の風車を外洋に複数機設置するために必要となる1300tづりのクレーンを搭載した組み立て船「HASTY-W(ハスティダブル)I」(全長85m、幅40m)と、資機材を運ぶ運搬船「HASTY-WII」(同50m、同35m)の2隻体制で計画している。水深30mまで対応できるようにする。19年度の竣工を目指す。