2017年11月22日水曜日

【琵琶湖湖畔にグランピング施設誕生へ】滋賀県高島市と光亜興産、官民連携で地域活性化めざす

グランピング施設の完成イメージ
 琵琶湖の北西に位置する滋賀県高島市に豪華で贅沢なキャンプが楽しめるグランピング施設が誕生する。同市が運営し2016年4月に営業を休止したしんあさひ風車村の敷地を活用し、不動産業の光亜興産(大阪府門真市、川村光世社長)がキャビンやテントなどを備えたグランピング施設、バーベキューエリアや水上カフェなどを整備。2018年7月のオープンを目指す。

 高島市と光亜興産は21日、「滞在型宿泊拠点の整備に関する協定」を締結。市が所有する事業用地を18年4月1日から20年間の定期借地権設定契約を結んで活用する。着工日は12月1日を予定している。

 グランピング施設を整備するのは高島市新旭町菖蒲園地先。事業面積は約7・7haで、このうち定期借地権付き賃貸借契約と法定外公共物占用の対象面積は約3・1haとなる。公共水域やパブリック空間(駐車場、園地など)も、契約に基づき同社が一体管理する。土地の賃借料や河川占有料を同社が市に支払う。

 事業計画によると風車村跡地を宿泊ゾーンとデイユースゾーンに分け、キャンプやバーベキューが楽しめる施設を整備する。宿泊ゾーンはグランピングキャビン10棟、グランピングテント6張、フェス広場、せせらぎ水路などを設ける。メイン棟には温浴施設やレストランが入る。デイユースゾーンはテント6張、バーベキューエリア100テーブルを配置する。施設内にはレストランや駐車場、園地広場、花畑、水上カフェなども設ける。

 将来的には施設西側にある菖蒲園跡地や琵琶湖湖岸の一画も施設用地に編入し、グランピング関係施設として開発する予定という。グランピングキャビンは通年営業とし、厳冬期はテント、バーベキューエリアは閉鎖する予定。官民協働で公有地を民間が有効活用。施設周辺地域への観光客誘導によって観光振興や地域産業の活性化、雇用創出も狙う。

 市は2016年4月、老朽化を理由にしんあさひ風車村の施設を休止。公共物の有効活用策を検討する過程で同社が2017年9月、企業誘致条例に基づく施設利用の指定申請書を提出した。企業誘致審査会の答申を受けて8月に条例の適用企業に指定。9月にしんあさひ風車村の設置条例廃止を市議会で可決した。

 グランピングはグラマラスとキャンピングをかけ合わせた造語。贅沢な雰囲気を味わいながら自然が満喫できるリゾートとして、国内で施設整備が増えつつある。

【木になるリニューアル第2弾、近く着工】東急電鉄、池上線旗の台駅を改修

リニューアル完了後の旗の台駅ホームのイメージ
東京急行電鉄は蒲田から五反田まで15駅を結ぶ池上線のうち、旗の台駅(東京都品川区)でリニューアル工事を実施する。多摩産材を使用し老朽化したホーム屋根を一新するほか、待合室を改修して快適に駅が利用できる空間を作る。屋根と待合室のリニューアルに続いて駅舎の改修も計画している。

 池上線の駅改修は戸越銀座駅(東京都品川区)に続くプロジェクト。「木になるリニューアル」事業として木造駅の雰囲気を踏襲しながら、アットホームなデザイン、素材を採用して駅施設を更新する。「平成29年度東京都森林・林業再生基盤づくり交付金事業」に採択されており、事業費補助を受ける。11月中に着工し、2019年春ころの竣工を目指す。設計はアトリエユニゾン。施工者は現在契約手続きを行っている。
現在の旗の台駅ホーム
東急電鉄は池上線沿線で街の魅力を高めるプロジェクトを実施中。池上駅(東京都大田区)で駅舎の改良や駅ビルの開発を実施している。旗の台駅「木になるリニューアル」の情報は同社のWEBサイト「いい街いい電車プロジェクト」で随時発信する。

【対話型市場調査でニーズ把握】茨城県つくば市、総合運動公園事業用地利活用の検討開始

茨城県つくば市は住民投票の結果に基づき白紙撤回した総合運動公園事業の用地について、利用方法を検討するため民間事業者とのサウンディング(対話)型市場調査を実施する。

 参加申し込みを18年2月2日まで受け付ける。対話の実施期間は同2月19日~3月2日。調査結果は同4月上旬ごろにまとめる。敷地の一体的な利活用が望ましいとしているが、分割しての利活用の提案も求めるという。

 対象敷地は、高エネルギー加速器研究機構南側の未利用地(45万5754平方メートル)。現在は山林が広がっている。用途地域は第2種住居地域と第2種文教地区に指定されているが、都市計画の変更も想定している。建ぺい率は60%、容積率は200%が上限。

 総合運動公園事業は、事業費や施設規模が過大との指摘があり、16年8月に事業実施の是非を問う住民投票が行われた結果、反対票が8割超を占め、当時の市原健一市長が白紙撤回を表明した。市はサウンディング調査と並行し、引き続き公共施設用地としての利用可能性も検討していく。

【回転窓】8000年前のワイン

フランス・ボージョレ地区の赤ワインの新酒、ボージョレ・ヌーボーの販売が先週16日に解禁された。夜中にお祭り騒ぎが繰り広げられた一時のブームも去り、輸入量は全盛期の半分とか▼最近のお酒の種類の多さは尋常ではない。飲み屋でも店の売り場でも目移りするほど。ボージョレの輸入販売各社も何とか目を向けてもらおうと宣伝に励んでいるようだが、週末に行ったスーパーでも売り場に人影はまばらだった▼先日、約8000年前にワインが造られていた痕跡がジョージア(旧グルジア)で発見されたと外電が伝えていた。従来の定説より約1000年さかのぼる世界最古のワイン醸造の証拠だそうである。遺跡で見つかったつぼにはブドウを模した装飾があったという▼つぼの主は、何をつまみにワインを味わっていたのだろう。あるいは薬か。つい羽目を外して二日酔いをすることは…。あれこれと想像を巡らせた。何しろ8000年前。お酒が今とは比べものにならないほど貴重品であったことは間違いないだろう▼そろそろ酒席が増える季節である。がぶ飲みはよして、おいしいお酒をじっくり味わいたい。

【こちら人事部】中央設備エンジニアリング(名古屋市西区)

 ◇無限の可能性に挑む人材歓迎◇

 伊藤忠商事と名古屋鉄道の出資で設立された中央設備エンジニアリング(名古屋市西区、松本吉晴社長)。30年以上にわたって食品工場の企画、設計、施工にトータルエンジニアリング力を発揮してきた。

 今では食品工場分野の受注が全体の80%を超えており、「食品工場に特化したゼネコン」としての地位を固めつつある。来年、会社設立50周年を迎える。「食品工場と言えば中央設備エンジニアリング」と言われるようになることが当面の目標だ。

 食品工場に着目したのは、ある大手菓子メーカー幹部との出会いがきっかけ。他社との差別化を図ろうと、食品工場の生産設備の設計や据え付け工事を手掛けるようになった。現在では、食品工場の建築・設備・生産ラインのすべてを計画から設計・施工まで一貫して提供できる独自ビジネスを展開するまでに成長した。

 人材は毎年、技術系を中心に6~10人を採用している。採用担当の西尾英文人事総務部長は「食品工場建設には、建築・機械設備・電気設備・生産設備などさまざまな技術が必要で、各技術者の専門性はもちろん、将来的には幅広い技術領域を俯瞰(ふかん)する力も求められる」と話す。その上で「自らの専門性を高めつつ、専門外の分野にも興味が持てる知的好奇心にあふれた人材を望んでいる」と強調する。

 ものづくりはチームで行うため、「皆で力を合わせて一つのものを作り上げることに喜びを感じる人や、人そのものが好きな人を求めている」とも。その一環として同社では「Smile&Communication」を合言葉に、笑顔で助け合うことや活発なコミュニケーションを大切にしている。

 ◇食品工場づくりに多様な人材◇

 西尾部長は「食品業界では認知されているものの、一般社会や学生にはほとんど知られていない。そのため、学生との出会いの場では『一期一会』を大切にし、具体的な仕事の中身を良い面も悪い面もすべてオープンにし、説明している」と本音での対話を重視しているという。

 入社から6カ月間を新入社員教育期間とし、研修を実施。ビジネスマナー、建築・機械設備・電気設備・生産設備の基礎を座学で教え、CADの実習も行う。その後、建築チームと設備チームに分かれて設計研修、最後に現場研修を行う。

 新入社員の初期キャリア形成では、「食品工場を理解するためには、施設づくりの最初から最後まで自分の目で見て体感すること」「一つの専門分野に関する基本的な技術を3年で習得すること」の二つの基本方針を掲げている。

 食品工場の建設には建築、機械、電気、衛生工学など幅広い知識が欠かせないが、「自身の専門分野の枠にとらわれず『無限の可能性に挑戦する』という熱い心をもった人材に入社してほしい」と西尾部長は期待を込める。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】 男性3人(技術系)、女性3人(技術系)(2017年4月入社)

 【3年以内離職率】0%(14年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性14年、女性9年(17年9月末時点)

 【平均年齢】   43歳(17年9月末時点)

【社会インフラへの理解求め02年からスタート】日建連市民現場見学会、300万人達成へ

 ◇熱意と責任が支えた市民への情報発信◇

日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)が行ってきた「市民現場見学会」の参加者が近く300万人に達する見通しとなった。建設業や社会資本整備に対する市民の理解促進を目的に、合併前の旧日本土木工業協会(土工協)が「100万人の市民現場見学会」として2002年にスタートさせてから15年。300万人への足跡を振り返る。

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2017年11月21日火曜日

【2019~21はスポーツイベントが目白押し】大規模大会の3組織委が相互連携協定締結

 日本では2019年から3年連続で国際的な大規模スポーツイベントが開催される。ラグビーワールドカップ(RWC)日本大会、東京オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズ(WMG)関西の各組織委員会は大会の成功、運営準備や広報活動での連携・協力を目指し、20日に協定を締結した。

 3団体は①大会における広報・PR②大会におけるボランティア③大会準備・運営の必要事項-の3項目で互いに連携・協力し、開催機運の醸成や大会成功につなげる。連続した国際大会の開催を契機に、スポーツに関連する文化、産業などの発展に貢献し、スポーツにより親しめる社会環境の実現も目指す。

 開催日程はRWC日本大会が19年9月20日~11月2日、東京オリンピック・パラリンピックが20年7月24日~8月9日と8月25日~9月6日、WMG関西が21年5月15~30日。

 RWC日本大会は200万人観客動員を目標とする。東京オリンピック・パラリンピックは立候補ファイルの中でチケット販売枚数をオリンピック約780万枚、パラリンピック約230万枚と想定。WMG関西は5万人の参加者数を目標に掲げている。いずれの大会も出場選手・関係者はもちろん、国内外から多くの観客やメディアが集まると予想され、事前キャンプも含め大きな経済波及効果が期待されている。

 協定締結に当たり、RWC2019組織委員会の嶋津昭事務総長(写真㊧)は「この3年間はゴールデンスポーツイヤーズと言っていい。広報・PR関係、ボランティア関係、大会の準備・運営などでさらなる相乗効果が得られる」とコメント。東京2020組織委員会の武藤敏郎事務総長(写真㊥)は「それぞれが持つ知見を共有し協力することで国民のスポーツ参加の促進など未来につながるレガシーを残したい」、関西WMG2021組織委員会の木下博夫事務総長(写真㊨)は「RWC2019と東京オリンピック・パラリンピックのレガシーをしっかりと継承・発展させ、大会の成功とスポーツ文化の開花に取り組む」と語った。

【延べ床面積8・5万㎡超】東急レクリエーションら、新宿ミラノ座跡地に大規模複合ビル

複合ビルの完成イメージ(大久保方面から)
東急レクリエーションと東京急行電鉄が、14年末に閉館した東京・歌舞伎町の映画館「新宿TOKYU MILANO」(新宿ミラノ座)跡地に建設する複合ビルの計画概要が明らかになった。延べ床面積8・5万平方メートル超のビルに劇場や映画館などのエンターテインメント施設、ホテル、空港連絡バスの乗降場などを備える。設計は久米設計と東急設計コンサルタントが担当。施工者は決まっていない。19年度の着工、22年度の竣工を目指す。

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【回転窓】水道料金値上げは不可避?

蛇口をひねれば当たり前のようにきれいな水が出る。降雨不足で夏場に取水制限がかかることはあっても、災害の場合は別として水が足りなくなって何日も水道が利用できない経験をされた方はほとんどいないだろう▼水資源が豊かといわれる日本。厚生労働省の統計によると1950年に26・2%だった水道普及率は半世紀余で飛躍的に伸び、2015年には97・9%になった。使えて当たり前の水道だが、土木学会から送られてきた報道機関向け資料に気になることが書かれていた▼メールの件名にあったのは「全国9割の事業体で水道料金値上げが必要?」。インフラの老朽化問題が顕在化する中、上下水道という水インフラも既存施設の更新が待ったなしの状況を迎えつつある▼人口減少を背景に水道料収入が減り、事業体の収益は厳しさを増す。一方で、施設更新には膨大なコストが必要になる。この問題に対処するため、土木学会は上下水道事業の安全・安心を未来につなぐための議論を始めるそうだ▼世界に目を向ければ爆発的な人口増加で多くの国が水不足にあえぐ。日本の経験と知見はきっと役に立つはずだ。

【技・人づくり専門工事業ファイル】平岩塗装(東京都大田区)/技術を受け継ぐ体制築く

 □高卒定期採用開始から12年□


 今年で設立56年の平岩塗装(東京都大田区、平岩敏史社長)は、東京タワー(東京都港区)で5年ごとに行われる塗り替え工事を10回にわたって手掛けるなど、数多くの注目物件に携わってきた。平岩社長は、技術の高度な要求に応えるためにも「若手につなげる会社にならなければ」と、12年前から高卒者の定期採用を始め、入社後の育成にも力を注ぐ。大規模な現場を任せられる職長も育ってきた。

 鉄塔や橋梁の塗装で始まった同社の事業は、主力事業に成長した建築分野、さらに塗装で培った技術を生かすコンクリート補強工にも広がっている。

 ゼネコン、橋梁メーカー、メンテナンス会社の下請として、関東一円と拠点のある仙台を中心に東北地区で事業を展開する。年商は18億円前後で推移している。

 協力会社を含めて現場には日々220人ほどが従事しているが、これまで労務を協力会社頼りとしてきた面は否めない。2000年に就任した平岩社長は、「このままでは技術の伝承もままならない」と不安を感じていた。

 □20代後半で大規模現場職長も育つ□


 職人が高齢化している現状を改善し、将来につなぐ体制をつくろうと、05年に高卒者の新規採用に踏み切ることを決断。ハローワークを通じて求人を出し始めた。そうすると、秋田や岩手など東北地区から応募が来るなど思わぬ反響も。その後も求人を出し続けたことが信頼感につながり、3人程度で推移してきた新規採用数が今春は5人に増加。来年はさらに多い7人の入社が内定している。

 採用した人材はすぐに、加盟する東京都塗装工業協同組合(東塗協)が運営する東京都塗装高等技術専門校に入れる。そこで週1回の技術研修を2年間みっちり受けさせる。並行して、常用工や下請の職長に若手を預け、OJTで現場経験を積ませる。この春、技能工として初めて採用した女性社員は、女性の親方に預けて修行させるなど、安心して働ける環境づくりにも配慮する。

 「大事なのは、一人にさせないこと」。そう話す平岩社長は、社内の勉強会を定期的に催すなどして、仲間意識やコミュニケーションを醸成する機会を設けている。

 新規採用組の定着は半分程度だが、その中から20代後半で超高層ビルや大学などの大規模現場をまとめ上げる職長も育ってきた。面倒見も良く、若手のリーダーとして活躍する姿に「採用してよかった」と胸をなで下ろす。

 □自宅訪問し両親に会社や仕事の内容を説明□


 平岩社長は、採用予定者の自宅を一軒ずつ回り、両親に会社や仕事の内容を説明する活動を続ける。「安心してお子さんを預けてもらう」ための配慮だが、いざ辞めたいと言い出したときに「会社にとどまるよう説得してもらえるのでは」との期待も込める。

 2020年東京五輪以降も建設需要は続きそうだ。平岩社長は「人を採用し、育てることが未来の発展につながる」と人材への投資を精力的に行い、技術を受け継いでいける体制を築いていきたい考えだ。

【記者手帖】ストック効果の発信を

近畿地方に甚大な被害をもたらした10月の台風21号。奈良県内でも大雨によって1級河川の大和川の水位が急上昇し、一部で浸水被害が発生した。交通機関は乱れ、大阪市内への通勤ルートがすべて絶たれた◆小学生だった1982年にも台風による豪雨で大和川支川の堤防が決壊し、隣町の王寺町などで壊滅的被害が起きた。30年以上たった今も当時の記憶は鮮明だ。国土交通省の観測によると、今回の出水は82年を上回る規模だった。にもかかわらず被害が以前ほど広範囲に及ばなかったのは、長年にわたって堤防の強化やかさ上げなどの治水対策が進められてきたからだ◆テレビで被害状況が報じられている時、小学生の娘が「もっと堤防を高くすればいいのに」と一言。過去の災害を知らない娘はそう思うだろう。河川整備は道路などに比べて目立たず、ストック効果も早期には発現しにくい◆報道機関として、被害状況や復旧活動を伝えることは重要だが、長年のインフラ整備が地域の安全度向上に貢献している事実もしっかりと伝えていく必要があると痛感した。(大)

2017年11月20日月曜日

【回転窓】熱意に支えられる発表会

全国建設業協会(全建)が行っている「技術研究発表会」が17年度で節目の10回を迎えた。15日に東京都内で開かれた発表会では、静岡県建設業協会に所属する木内建設の松下圭佑さん手作りの免震装置が最優秀賞に選ばれた▼応募のあった事例を絞り込んで優良事例として発表してもらい、現場の課題などを克服するアイデアだけでなく、汎用性や導入のしやすさも重視して審査する。「実質ゼロ円です」と松下さん。装置の材料は廃材ともらい物のゴルフボール。「現場感、手作り感が評価された」と笑顔を見せた▼発表会に毎年複数の事例を応募する会員企業がいる。宮城県建設業協会所属の丸本組もその一社。プレゼンテーションと情報発信の能力を磨く機会と捉え、県協会のサポートも得て毎年の応募を欠かさない▼「技術系社員のレベルアップになっている」。半澤成和副社長は確かな手応えを示す。優良事例は今回で955件に達し、うち104件が丸本組である▼「一番貢献していただいた」(全建幹部)。節目の今回、同社に「技術研究大賞」が贈られ、表彰式の参加者が万雷の拍手で熱意と功績をたたえた。

【凜】東京都建設局・渡戸絢子さん


 ◇確かな専門性を備えた技術者に◇

 現在所属しているのは、都内の新たな道路整備に関する事前調整業務がメインの部署。「担当は新宿、中野、杉並の3区。今しなければいけないこと、この時期までに終えなければならないことを整理した上で、関係者にどういった回答や工夫を提供できるかが試される」と職責を話す。

 入庁以来、道路関係の業務に携わってきたが、もともとは文化を含めた街づくり全体に興味があった。学生時代は、歴史的建造物がある古い街並みを保存する研究に打ち込み、時には、趣味で街を巡ることも。こうした経験を通じ、「街づくりは人の活動の集合体」との思いを強くしたことが、行政の技術者を志した理由にもなっている。

 職場での目標は「確かな専門性を備えた技術者になること」という。自分に適した専門は何なのか、日々の業務に専念しつつ、「経験を広げる過程で軸を見つけ、さまざまな場面で活躍できるようになりたい」。機会があれば、道路以外の分野にも積極的に挑戦する考えだ。

 女性技術者の一人の「理想」として尊敬するある上司は、仕事と家庭を両立させ、今では部長職で最前線に立っているという。「どうすれば、ああなれるのか。子育てなどの苦労は必ずあったはずで、それを乗り越えているのがすごい」。こうしたベテランから学び、公私そろった理想の姿も見つめている。

 (道路建設部計画課企画担当、わたんど・あやこ)

【中堅世代】それぞれの建設業・184

仕事と子育てが両立できる環境整備は不可避の課題だ

 ◇壁は高いが、仕事を続けたい◇

 「バイクが好きで、よく山あいの道をツーリングしていた。でも斜面が緑化されずにコンクリートで覆われているような山がいっぱいあって。人工的な山は嫌だなと、ずっと思っていた」。大学で農業土木を専攻していた武中祐子さん(仮名)は、「道路と周りの環境の調和に関われないか」との思いで道路舗装会社で働くことを決めた。

 当初は道路関係のコンサルタントのような仕事をイメージしていたが、半年の研修期間中に配属されたのは地方の現場。イメージとは違ったが、「現場を経験してみたいという気持ちもあったので、ショックを受けたりはしなかった」。研修期間が終わると、技術研究所に配属された。

 転機が訪れたのは、入社8年目を迎えた2002年に第1子を出産した時。当時は女性技術職は少なく、出産後に仕事に復帰した女性はいなかった。上司には「出産するなら、君の帰ってくる席はない」と言われたが、事前に法律の本を読んで知識を得ていたので「必ず復帰します」と答えて産休に。1年後、産休明けに仕事復帰した初めての女性技術職になった。

 だが、現実は思い描いていたものとは違った。最初は産休前と同じく技術研究所に配属されたが、3カ月ほどすると上司の言葉通りに配置換えに。その後は、工務や事務の担当として地方の支店や事務所への異動を繰り返した。

 「会社を辞めよう」と思っていた矢先、2度目の転機が訪れた。当時所属していた部署の上司が、首都圏に新設される試験所の所長になることが決まり、研究所にいた経験を買われて研究職として一緒に異動することになった。

 子育てしながら仕事を続けることは難しく、時間管理を徹底するようになった。子どもの保育園のお迎えのため、定時で帰れるよう、毎朝仕事の優先順位を付けながら1日のスケジュールを立て、計画通りに仕事をこなす。できることは常に前倒しで進めてきた。子どもが急病で保育園から呼び出しがあってもいいように、仕事の経過を逐一メモに残し、いつでも同僚に引き継げるようにしてきた。

 第1子の出産から15年がたち、今では3児の母、女性技術職の最年長となった。「女性職員の目標になる人物でいたい」と話すが、15年を経ても、女性が働きながら子育てをしていくことに対する社会の意識や制度の壁は、それほど低くはなっていないと感じる。

 「男性には男性なりの付き合い、昇進の仕方があるが、私は子育てをしていて夕方からは全然会社に居ないし、男性のやり方をそのまま使うことはできない」。そうした中でも、周りから認められ、自分なりの強みを持てるようにと技術士の資格取得に向けて勉強を続けている。

 壁は依然高いが、「ずっと仕事を続けられたらいいな」と思っている。「定年まで働いて、うまくいったら地元に戻って技術士事務所でも開けたら」。女性技術者のパイオニアとして、気持ちはあくまでも前向きだ。

【サークル】高砂熱学工業 Takasago Running Club

 ◇夜の都内を楽しく、ゆる~くランニング◇

 社内でのクラブ活動活性化に伴って、ランニング好きの社員が声を掛け合い、16年に発足した。本社(東京都新宿区)や東京本店(同)、グループ会社の社員などが集まり、会社公認のクラブ活動として約15人(17年4月時点)でランニングを楽しんでいる。

 代表を務めるのは酒井健さん(コーポレート本部人事部人事企画室参事)。「年齢や体力の差に関係なく皆が楽しく、ゆるーく走ることをモットーに活動している」と話す。

 月1回の練習会では、神宮外苑周辺や皇居周回コース、時には紅葉のライトアップや東京タワーの夜景を楽しみながら都内の街を走る。このほかに、健康保険組合のミニマラソン大会など外部の大会にも積極的に参加しているという。

 最近では、東京都調布市で開かれたマラソン大会へも出場するなど、精力的に活動を展開。大会への出場を積極的に検討していく予定だ。

 今後の方針について、酒井さんは、「ノー残業デーに練習会を行うなど、皆が参加しやすいようにし、平日の練習会の参加率を上げていきたい」と情熱を燃やしている。

【駆け出しのころ】佐藤工業執行役員管理本部長・金子慶仙氏

 ◇経験と知識で判断力を養う◇

 入社して最初に配属された部署は東京支店経理課です。当時は簿記のボの字も知らず、「大丈夫だろうか」と不安な気持ちでいっぱいでした。まだ電卓が高価だった時代です。上司から長年にわたり使い込んできたと分かるそろばんを渡され、女性社員に鍛えてもらいながら覚えていきました。こうして振り返ると、新人の頃は会計の参考書も読み、とにかく足を引っ張らないようにするので精いっぱいだったと思います。

 無駄口などはほとんどなく、聞こえてくるのはそろばんの音だけ。そんな職場で緊張感のある日々を過ごしていることなど知らず、現場に出ている同期の事務系社員から「経理課は女性が多くていいな」などとうらやましがられるのは困ったものでした。

 経理課におられた一つ年上の先輩は、同じことを2度は絶対に教えないという厳しい方でした。入社から3カ月ほどたった頃からでしょうか。何とか仕事の流れが分かり、社会人としての意識も持てるようになると、大変に厳しかった先輩が徐々に優しく接してくれるようになりました。最初の数カ月間は「甘やかすとろくでもないヤツになる」と新入社員の私をあえて厳しく指導してくれていたのかもしれません。経理課にいた3年間で、自分で考え行動するという基本姿勢を学ぶことができました。

 続いて建築、土木それぞれの現場で事務を担当しました。現場というのは一つの会社組織と同じであり、所長が社長なら、事務担当者は社歴が浅くても総務部長としての役割を果たさなければならないという自負を持って仕事に臨んでいました。

 多い時には十数現場の事務を担当し、毎週のようにある起工式や竣工式の準備に追われていた時期もあります。徹夜で竣工資料を作成し、翌日に式典の司会を務め、それが終わると次の現場の式典を担当するといった目まぐるしい日々でした。準備が間に合わず、失敗したこともありましたが、周りの人たちの協力もあって役割を果たすことができました。

 どんな経験でも自分の身になって返ってくるものです。起きた問題には必ず本質があり、うわべではなく、そこをよく把握することが大切です。本質を見極めた上で判断する。この判断力を養うには経験と知識が必要です。経験に加えて知識を持っていなければ判断できませんし、人を説得することもできません。

 若い人たちにはタフであり、「よしやってやろう」という気構えを持ってほしいと思っています。働き方改革というのは簡単に実現できるものではなく、知恵の出しどころです。若い人たちからも「そうではなく、こうしましょう」などといった提案がどんどん出てくることを期待します。

 (かねこ・よしのり)1984年慶応大法学部政治学科卒、佐藤工業入社。札幌支店管理部長、東京支店管理部長、東京支店管理部長兼札幌支店管理部長兼東北支店管理部長などを経て、15年9月から執行役員管理本部長兼コンプライアンス・人権啓発推進室長。東京都出身、57歳。
入社1年目、仕事始めの日に東京支店経理課の同僚と

【総予算額は2800億円】五輪競技会場仮設オーバーレイ整備、18年4月から順次入札公告

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、2020年東京五輪の開会期間中だけ各競技会場に設置する仮設オーバーレイ(テント、プレハブ、観客席、設備、機材など)の工事発注スケジュールを明らかにした。

 実施設計・施工一括(DB)発注を基本に、18年4月から入札を順次公告する。同8月の実施設計着手、20年1月の着工を目指す。

 仮設オーバーレイの種類はテント、プレハブ、競技用照明、躯体補強、給排水・空調・照明・通信設備、アスファルト舗装、スロープ、フェンスなど多岐にわたる。工事内容の組み合わせや、一つの工事で対象とする競技会場の数などの詳細はまだ決まっていない。給排水・空調など設備工事を発注する際は、施工の一元管理が可能なよう、複数工種をできる限りまとめて発注する方向だ。


 組織委によると、仮設オーバーレイ設置に要する予算額は推計(昨年12月時点)で約2800億円。うち3割弱がテント、プレハブといった製品設置がメインのコモディティー工事費、約5割が製品設置以外の一般建設工事費、残りが設計・工事監理・予備費などに当たるとしている。

 仮設オーバーレイに対する事業者側の理解を深めてもらうため、12月1日には建設会社やイベント関連会社などを対象にした説明会を開催する予定だ。

【最優秀賞は田村義巳さん】群馬建協青年経営者部会写真コンテスト、入賞者決定

 群馬県建設業協会青年経営者部会は、社会資本整備や災害対応など建設業の社会的な役割をPRし、イメージアップを図ることを目的にした「建設業イメージアップ写真コンテスト」の入賞者を決めた。

 昨年に続き2回目の開催。会員企業を対象に8月24日~10月17日に募集。33社、98点の応募作品の中から最優秀賞に田村義巳さん(沼田土建)の「せーの」=写真=を選んだ。

 他の受賞者・作品は次の通り(敬称略)。

 【優秀賞】増田安永(増田建設)=天空の生コン打設▽古賀俊樹(石川建設)=働き方改革!女性が働く工事現場

 【協会長賞】渡辺裕之(山藤組)=モノレールでGo!

 【入選】峯岸翼(小林工業)=炎天下…▽金子祐司(金子建設)=山頂到着OK!▽小暮新(小暮組)=入社一年でワンマン測量OK!▽飯島隆行(井上道路)=朝日に映える。

【延べ3万㎡、23年度オープンめざす】新香川県立体育館、基本計画案を公表

香川県は、「新県立体育館整備基本計画(案)」をまとめた。メインアリーナやサブアリーナ、武道施設兼多目的ルームなど延べ3万平方メートルを想定し、21年度の着工、23年度のオープンを目指す。

 基本計画(案)によると、メインアリーナの面積は3744平方メートル(78×48メートル)以上とし、バレーボール4面、バスケットボール3面、ハンドボール2面を確保。観客席は5000~6000席程度。最大収容人数は1万人以上とする。床はコンクリートでスポーツ時は木製床を設置する。天井の有効高さ14メートル以上を確保する。

 サブアリーナは、面積1786平方メートル(47×38メートル)以上、観客席は固定席1000席程度。木製床で天井の有効高さ14メートル以上とする。武道施設兼多目的ルームは、面積828平方メートル(46×18メートル)程度で柔道場または剣道場3面の公式競技が開催可能な広さを確保。観客席は固定席300席程度で武道用の木製床とする。

 ほかにカフェやレストランなどのサービス施設、VIPルーム、会議室、選手控え室、器具庫などを設ける。

 建設場所は高松市のサンポート高松のA1、A2、B1街区。メインアリーナをA2、B1街区付近に配置。サブアリーナはメインアリーナの西側のA1街区東側付近に配置する。

 概算事業費は、建設工事費が延べ3万平方メートルの想定で170億~190億円(税込み)。設計費、工事監理費、地質調査費、インフラ整備費、道路上のデッキ整備費などは含まれていない。備品費は7億円(同)。

 整備スケジュールは、17~18年度で公募型プロポーザル方式による設計者選定手続きを行い、18~20年度で基本・実施設計、20年度に工事発注手続き、21~23年度で建設工事、23年度のオープンとしている。

【ボールパーク化実現へプロジェクト始動】スタジアム大規模改修、プロ野球2球団が近く着工

 関東を拠点にするプロ野球球団2チームの本拠地改修が相次ぎ着工する。西武ライオンズのホームスタジアムで埼玉県所沢市にある「メットライフドーム」は球団創設40周年記念事業として180億円を投資する計画で、12月中の着工を予定する。横浜DeNAベイスターズと横浜スタジアムは11月16日、計画中の球場増築・改修工事を11月25日に起工すると発表した。どちらの球団もスタジアムの「ボールパーク化」を目標に掲げ、来場者がゲームを観戦するのはもちろん、観客席種の多様化や商業施設の充実などで施設自体を楽しめる空間にすることを狙う。

 □バックネット裏に430人収容のVIP席確保□

 西武ホールディングス(HD)は、プロ野球西武ライオンズの創設40周年記念事業として、西武鉄道が保有するメットライフドーム(埼玉県所沢市)の大規模改修工事に着手する。鹿島の設計、鹿島・西武建設JVの施工で12月中に着工し、21年3月下旬の竣工を目指す。総事業費は約180億円を見込んでいる。

 メットライフドームの改修は「ボールパーク化」と「チームの育成と強化」の二つの観点で進める。

 ボールパーク化では、バックネット裏に12球団最大級のVIPラウンジ(約430人収容可能)を設置。ラウンジの最前線には約150席の「砂かぶり席」も設ける。外周エリアも拡張・改修する。1塁側に多目的イベントスペース、3塁側に約1000平方メートルの屋外こども広場を設置。ビジネス部門の拠点として3階建てのオフィス棟を新設する。大型のグッズショップやフードエリアも新設する。

 チームの育成と強化では、大型室内練習場・トレーニングジムなどを完備した選手寮を新設するほか、練習用のサブグラウンド・ブルペンを増設。隣接する西武第二球場にスタンド・観客席を新設する。選手が野球に集中できる環境を整えることで、選手育成をハード面からバックアップする。

□横浜スタジアム改修、11月25日着工□

 横浜スタジアムと横浜DeNAベイスターズが計画するスタジアムの増築・改修工事ではライト側に3800席、レフト側に2700席を増席し、新設する個室観覧席(600席)と合わせて席数を7100席増やす。スタジアムの延べ床面積は約3万4000㎡から約4万6000㎡に拡大。清水建設の設計・施工で11月中に着工する。

 全体完成は2020年3月を予定。2017年11月~2019年3月にライト側スタンドとバックネット裏、2019年11月~2020年3月にレフト側スタンドの工事を行う。スタンドの増築・改修以外にも回遊デッキや昇降機の新設、飲食・物販スペースの設置などの工事を実施する。横浜スタジアムは2020年東京オリンピックの野球・ソフトボール競技の試合会場にもなるため、オリンピック対応のバリアフリー化基準を満たす事業(車いす席や昇降機の増設、動線確保)も行われる。 

【積女ASSALだより】NTTファシリティーズ・上田幸奈さん

 ◇知識習得へ現場訪問を◇

 コスト設計担当として、主に官庁物件の積算を行っています。積算は会計法や公共建築工事積算基準といった各種基準の理解のほか、仕様や工法・工程など広い知識が必要な業務であると日々実感しています。

 特に現場経験の少ない私にとって、仮設計画の検討は一筋縄ではいかない作業です。ストック活用の時代にあるためか、既存運用中の改修工事を担当することが多く、利用者への影響が最小限となる仮設計画をお客様から求められます。

 そのため、周辺環境を含めた現地調査や既存運用方法の詳細なヒアリングが不可欠となり、敷地内外の使われ方を十分に把握した上で仮設計画を検討するよう心掛けています。今後も現場知識の習得に向け、現場を見る時間を増やしたいです。また、今年のASSALの活動にも足を運び、皆様から積算業務に対する姿勢を学び取りたいです。

 (うえだ・ゆきな)

 次回は江島積算の坂本典子さんを紹介します。

2017年11月16日木曜日

【旧国立競技場のレガシー後世に】記念作品25点、新国立での設置場所決まる

旧国立競技場記念作品25点の設置場所(JSC報道発表資料より)
日本スポーツ振興センター(JSC)は、旧国立競技場に設置していた炬火台(聖火台)や彫刻、壁画など25点の最終保存場所を決定した。学識者らで構成するアドバイザー会議の意見を踏まえ、1964年の東京オリンピック開催など旧国立競技場の記憶を引き継ぐ作品として、現在建設中の新国立競技場に配置する。

 美術鋳造の名工だった鈴木万之助が制作に携わった高さ2・1m、最大直径2・1mの聖火台は、大正~昭和に活躍した日本画家・フレスコ画家の長谷川路可が手掛けた壁画「野見宿禰」「ギリシャの女神」ととともに、新国立競技場東側ゲートの正面に設置する。

 「健康美」(作者・北村西望)や「青年像」(朝倉文夫)、「槍投げ像」(雨宮治郎)など7点のブロンズ像はテーマごとにまとめ2カ所のゲート付近などに配置。▽東京オリンピック大会優勝者銘盤(2×54m)▽1976年ユニバーシアード東京大会優勝者銘盤(2・5×6m)▽1991年第3回世界陸上選手権大会優勝者銘盤(2・7×5・1m)-の3点は、スタジアム西側デッキ下の来場者が見やすい場所にまとめて設置する。

 「人と太陽」(大沢昌助)や「躍動」(脇田和)、「躍進」(寺田竹雄)、「より高く」(宮本三郎)など11点の壁画は、風雨の影響を受けにくいスタジアム南西側デッキ下にまとめて設置。散策などで訪れた市民が作品に親しめるようにする。

 25点の作品は1958年3月の完成から64年の東京オリンピック開催までの間に「国立競技場を芸術作品で彩る」という趣旨に賛同した寄付者の協力を得て設置された。聖火台は旧国立競技場の解体に併せて2014年10月に取り外され、現在は宮城県石巻市に貸し出し中。作者の鈴木万之助は鋳造作業の途中で他界、3人の息子たちが仕事を引き継いだ。三男の文吾さんは亡くなるまで、聖火台を磨け上げるために毎年来場していたという。

【利益改善進み過去最高相次ぐ】主要ゼネコンの17年4~9月期決算出そろう

主要ゼネコン26社の17年4~9月期決算が14日出そろった。豊富な手持ち工事が順調に進ちょくしたことにより、前年同期に比べ20社が増収。国内工事の完成工事総利益(粗利益)率の改善はさらに進み、営業利益は15社、経常利益は19社、純利益は17社が前年同期を上回った。

 4~6月期に続き、労務・資材費が安定して推移したのに加え、生産性向上や原価低減の取り組みなどが奏功。粗利益率は16社が前年同期を上回った。高水準の粗利益率が利益全体を押し上げる形になり、中間期の最高益を更新する企業も目立つ。

 大林組は4期連続、鹿島は2期連続で営業利益、経常利益、純利益の過去最高を更新。清水建設は経常利益と純利益が過去最高、大成建設は営業利益、経常利益、純利益、戸田建設は営業利益と経常利益が過去最高となった。安藤ハザマは営業利益、経常利益、純利益が13年4月の合併以降で最高値となった。

 好調な業績を受け、株主への還元を増やすとともに、繁忙が続く社員のモチベーションを高めるため、賞与をアップする企業もある。

 一方、業績の先行指標となる単体受注高は15社が前年同期を下回った。「前年同期の受注高が大きかったための反動減」「受注を狙っていた工事の発注時期のずれ」「施工体制の問題」を理由に挙げる社が多い。「数少ない工事に多くの社が集中して採算度外視で受注するようなことは起きていない」(大手ゼネコン)とし、引き続き堅調な受注環境が続いているようだ。

 一方、これから下期にかけて建設コストの上昇を懸念材料に挙げる社も多い。「現時点で大幅なコスト増加などの利益悪化要因はないが、引き続き資材・労務費の上昇リスクは注視していく」(準大手ゼネコン)との声もある。

 中間期に通期の業績修正を行った社を含め、通期の粗利益率は、回答した23社のうち15社が前年同期を下回ると予想する。準大手ゼネコンの中には「新任所長の予算管理の指導を強化した」という社もあり、現場の生産性向上の取り組みとともに、原価管理の徹底が一段と求められる。

【並行路線の渋滞緩和に効果大】九州整備局、長陽大橋ルートの開通効果公表

長陽大橋ルートの位置図(九州地方整備局・報道発表資料より)
九州地方整備局は、熊本地震で被災し同局が権限代行で応急復旧を行い8月27日に開通させた南阿蘇村道栃の木~立野線の「長陽大橋ルート」(熊本県南阿蘇村河陽~立野、延長約3キロ)の開通1カ月後の交通状況などをまとめた。

 並行路線の1日当たりの交通量は県道北外輪山大津線(通称、ミルクロード)で開通前の約2割、県道熊本高森線(俵山トンネルルート)で約6割の減となり、交通が分散され渋滞が緩和。救急病院が再開し、主な観光施設の利用者数も約1割増加した。

 長陽大橋ルートの1日当たりの交通量は平日で約1万0200台、休日で約1万2100台。時間帯によっては渋滞も発生している。南阿蘇方面へのアクセスルートである国道325号と俵山トンネルルートを合計した南阿蘇の断面交通量は震災前の約9割に当たる1日当たり約1万4200台まで回復した。

 並行路線の1日当たりの交通量はミルクロードで開通前より約3600台減の約1万6300台、俵山トンネルルートで約5200台減の約4100台まで分散。最大1キロ以上だった渋滞長は約300メートルに緩和された。

 開通を受け南阿蘇村唯一の救急病院である阿蘇立野病院は救急患者の受け入れを再開。二次救急医療施設への搬送時間が短縮され、受け入れ態勢に応じて病院を選択できるようになった。

 乗り換えが必要だったバスの所要時間は南阿蘇鉄道の高森駅~JR肥後大津駅間で約半分の1時間に短縮。同区間のバスの便数は1日当たり8往復に倍増した。道の駅や温泉施設など南阿蘇村の主な観光施設の1カ月当たりの利用者数は4施設合計で6000人増の約5万7000人となった。

【堺高校2年生を招待】大阪府建設業懇話会、太陽の塔耐震改修の現場見学会開く

 大阪府と大阪建設業協会、大阪府建団連、大阪電業協会、大阪空気調和衛生工業協会、大阪府中小建設業協会で構成する大阪府建設業懇話会(委員長・前田栄治大阪府住宅まちづくり部技監)が、大阪府吹田市千里万博公園の「日本万国博覧会記念公園太陽の塔耐震改修その他工事(その2)」で現場見学会を開いた。

 堺市立堺高校建築インテリア創造科2年生40人が参加し、万博遺産の耐震改修工事などへの理解を深めた。設計は昭和設計、施工は大林組が担当。

 冒頭、前田委員長が「懇話会では建設業に優秀な人材に来てもらいたいと考え現場見学会を企画した。さまざまな分野の技術者が塔再生事業に取り組んでいる。卒業後の進路として明るい建設業界を考えてほしい」とあいさつした。

 続いて大阪府住宅まちづくり部公共建築室一般建築課の佐藤健哉総括主査が同工事の計画概要を解説。

 その後、大林組の垣内博所長らに引率された一行は現場を見学した。地上から塔の地下1階に入り、エレベーターで生物の進化を表現したオブジェ「生命の木」を間近に見ることができる2階まで上昇。2階付近の施工状況の説明を受け、階段で1階に降り、再び地下1階を経て地上に戻った。塔正面付近の工事の様子も見学した=写真。

 また学生はお祭り広場の控え室で、大林組が作成した改修後の塔内部の3次元(3D)CADによるVR仮想現実(VR)映像を、専用ゴーグルを使って体験した。

 同工事は芸術家・岡本太郎が手掛けた1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」(高さ約70メートル)を耐震補強するとともに建築物として内部の階段を登りながら「生命の木」を鑑賞できるようにする事業。塔内の上部を鉄骨フレームで補強し、下部はコンクリートを打ち増す。塔の周囲の地下を増築し展示室を設置する。規模はRC・SRC・S造地下1階地上2階建て延べ1304平方メートル。工事の進ちょく率は約70%。18年3月の完成を目指す。

【世界最高層ビルの安全、守ります】応用地質、ブルジュ・ハリファに建物安全確認システム納入

応用地質グループは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある世界一の超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」に建物安全性確認システム「OASIS+(オアシスプラス)」を納入した。

 地震計と評価・解析技術を組み合わせたシステムで、大地震の発生直後に建物の継続使用の可否を応急的に判定し、ビル内で働く人の携帯端末に正確な情報を迅速に伝達。不安解消や的確な避難誘導に役立てる。

 オアシスプラスは、同社の海外子会社で地震計の世界トップメーカー、キネメトリクスが開発した小型地震計をビル内に設置し、地震発生時の変形量と揺れの大きさを瞬時に計測。その結果と事前に行った建物の構造評定などから被災度を判定し、スマートフォンアプリを介してビル管理者と、ビル入居者の携帯端末に素早く伝える。危険と判定された場合は建物外に退避させる。

 ブルジュ・ハリファは、商業施設や居住施設、娯楽施設などを含む大規模な複合施設の核として2010年に完成した高さ(尖塔高を含む)828メートルの超高層ビル。近隣国で発生した地震による長周期地震動でビルが大きく揺れたため、入居者らがパニックになり、避難騒ぎが起きたことがあった。このためビルオーナーが今夏にオアシスプラスを導入したという。

 現在は、ビル内に設置した地震計5台で地震動や建物の変位を24時間リアルタイムで監視。地震動が事前に決めておいた値を超えると、管理者や入館者に警報を発出する。キネメトリクスは、都市防災という観点から中東地区の高層ビルなどでオアシスプラスの販売を強化している。

【回転窓】地方駅の立ち食いそば

取材で静岡に出張した帰り、二十数年前に通った大学の最寄り駅で途中下車した。お目当てはホームにある立ち食いそば屋の「天玉そば」。甘めの黒いつゆに、小エビと野菜のかき揚げと生卵をのせたどこにでもある定番メニューだが、たまに無性に食べたくなる▼いつも空腹を抱えた貧乏学生時代、ホームに漂うそばつゆの匂いに誘われ、通学仲間たちと食べた思い出の一品でもある。カウンターで背中に寒風を感じながらすするそばはまた格別。冷え込みが強まるこれからが、駅ホームの立ち食いそばシーズン本番といってよいだろう▼地元で長年愛され続けてきた立ち食いそば屋だが、経営は年々厳しさを増しているという。街中の至る所にコンビニができ、大学も学食などの飲食施設を充実させたことから、利用者は減少の一途だそうだ▼数年前から反対ホームの店の営業を昼だけに限定。天ぷらも注文を受けてから揚げる方法に見直したが、一人で切り盛りするおばちゃんは「そろそろ潮時かな…」と漏らす▼都心部では有名店が集まる「駅ナカ」にスポットが当たる。地方駅の魅力向上も地方創生の大きな課題では。

【CIM利用促進へ情報提供】物価調査会、CAD部品データサイトの試験運用開始

 建設物価調査会はCAD部品データのダウンロードサイトの試験運用を開始した。

 CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の利用促進を図るのが目的。サイトに収録した部品データを検索・閲覧し、効率的に利用できるようになっている。試験運用で利用者の意見・要望を募り、18年度中の正式オープンに向けた改良に役立てる。

 サイトの名称は「i-部品Get」。橋梁付属物やコンクリート2次製品を中心にメーカー約20社分の2次元、3次元のCAD部品データが収録されている。目的に沿った検索ができ、画面上で部品データを自由に回転・拡大・縮小して利用することが可能。

 試験運用を通じてデータ掲載を希望するメーカーも募集。正式オープンに向けて、部品データを拡充するほか、設計など初期段階だけでなく、維持管理段階でも有効に利用できるような属性情報を整備する。

2017年11月15日水曜日

【ブラウブリッツ秋田ら3者選定】スポーツ庁、スタジアム・アリーナ改革推進事業の2期分決定

京都スタジアムの完成イメージ(提供:京都府)
スポーツ庁は多機能・複合型スポーツ施設の整備によるまちづくりを後押しする「スタジアム・アリーナ改革推進事業」の第2期公募分として、ブラウブリッツ秋田とPwCアドバイザリー、東京都中野区の3者を選定した。事業計画策定に向けて設ける官民連携協議会の開催費、関連調査費に充てる補助金(500万円程度)を交付。必要に応じ専門家を派遣し、計画策定を支援する。

 第2期分に選定されたプロサッカークラブ・ブラウブリッツ秋田は今季、3部に当たるJ3で戦っている。J2など上部カテゴリーへの昇格には成績以外にスタジアムの収容人数などで基準をクリアすることが必要になる。今後、「『(仮称)スポーツモールAKITA』を核とした街づくり構想協議会」を立ち上げ、スタジアムの新設を含めた街づくりの構想を取りまとめる。現在のホームスタジアムは入場可能人数4992人のあきぎんスタジアム(秋田市八橋運動公園球技場)。

 PwCアドバイザリーは、日建設計の基本設計、東畑建築事務所の実施設計、竹中工務店・公成建設・長村組JVの施工で整備している京都スタジアム(仮称)の運営や並行して進む亀岡駅北土地区画整理事業(京都府亀岡市)を視野に入れ、「京都スタジアム(仮称)に係る官民連携プラットフォーム」を設けて今後の計画を取りまとめる。

 東京都中野区は、JR中野駅の北側に位置する「区役所・サンプラザ地区」の再整備事業に関連し、区役所本庁舎とサンプラザ両地区の大街区化を図ってアリーナを組み込んだ1万人収容の「集客交流施設」とMICE(国際的なイベント)を想定したホテル、業務・商業施設、住宅などが入る「多機能複合施設」の建設を計画。「(仮称)中野駅新北口駅前エリアアリーナ整備官民連携協議会」を設置して、事業計画を具体的に検討する。

 各協議会にはスポーツ団体や地方自治体、経済界、有識者などが参画。地域特性に応じたスタジアム・アリーナの整備計画をまとめるとともに、地域住民や関係者に対して説明会を開く。第1期公募では大阪市、大津商工会議所、筑波大学、浦建築研究所の4者を選定している。

【JRと京成の二重改札、19年度中に解消へ】成田空港駅変身プロ推進委、機能改善の中間まとめ公表

2020年東京五輪に合わせて、JR成田線と京成本線などが乗り入れる成田空港駅と空港第2ビル駅の改良・改修を検討する「魅力ある成田空港駅への変身」プロジェクト推進委員会は14日、事業の進ちょく状況について中間取りまとめを公表した。成田空港高速鉄道が両駅のホームドア整備を検討することなどを盛り込んだ。

 取りまとめでは、同社が空港第2ビル駅の京成成田空港線のホーム内に多機能トイレを設置することも検討するとした。同駅のJR線の乗降者がJRと京成本線の両方の改札機を通過しなければならない「二重改札」の問題については、19年度中に、入場方向に限られている中央部のJR改札を拡幅し、解消するとした。

 同委員会は20年五輪に合わせて両駅を改善することを目的に昨年度に組織された。JR東日本千葉支社、京成電鉄、成田国際空港会社、成田空港高速鉄道の4社が参画。オブザーバーとして国土交通省と千葉県、成田市が加わっている。

【回転窓】面接あるある

 「どんなアルバイトをしてきましたか?」。入社試験の面接で学生にそう質問すると、「最近は気になる答えがある」とゼネコンの建築系役員にお聞きした▼建築学科の学生でも多くが口にするのは居酒屋でのアルバイトとか。企業側は設計事務所や建設会社で働くなど技術者の卵らしい答えを期待するが、なぜか判で押したように返ってくるのが居酒屋だという▼酔いに任せて横柄な態度を取る客にも笑顔でうまく応対しなければならない場面もあろう。リーダー格となってフロアマネジメントを任される学生もいよう。そんな居酒屋でのアルバイト経験は、入社試験の自己アピールに効果的かもしれないが、「せっかく建築を勉強しているのだから…」とつい言いたくもなる▼産業能率大学が行った17年度「新入社員の会社生活調査」では、転勤を無条件で受け入れると答えた人は約25%。残業が1カ月「30時間以上は許容できない」は男性約63%、女性約80%だった▼こうした意識を持つ若者が社会人になっていく。学生の頃どんなアルバイトをしたかに口を挟むより、「働く」ことを知っているだけでもよしとすべきか。

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/建築家・塚本由晴氏らが講演

 ハノイ建築大学は、東京工業大学教授で建築設計事務所アトリエ・ワン代表の塚本由晴氏、日建設計総合研究所の松村茂久氏を招いて国際ワークショップを開いた。

 塚本氏が「建築のふるまい学」、松村氏が「都市計画への新たなアプローチ」をテーマにそれぞれ講演し、学生や国内外の研究員が多数参加した。

 塚本氏が提唱する建築のふるまい学は、人や自然、建築、都市を総合的に捉える研究で、社会情勢や政策、環境、ツール、技術など建築と都市のあらゆる要素に関わる。塚本氏はそれぞれの研究・専門分野が協力することの必要性を指摘した。

セイ・ズン、11月11日)

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/建設労組が法改正へ強硬策

労働界が第20期国会で建設労働者の「権利伸張」を法制化するために声を高めている。民主労組全国建設労働組合(建設労組)は9日午後、ソウル市汝矣島で自由韓国党本部など全国12カ所の地域にある主要な政党の本部・支部で決起大会を開催した。

 建設労組は今月16日に再び決起大会を開催し、国会の雇用労働小委員会開催日である今月28日にはゼネストに突入する予定だ。建設労組が通過を促している法案は「建設労働者雇用改善等に関する法律一部改正法律案」(建設労働者法改正案)。第18期・第19期国会でも発議されたが、一部議員の強力な反発で通過が失敗に終わった。

 法案には建設労働者退職共済掛け金の引上げを含む△建設機械労働者退職共済掛け金の当然適用△建設現場での電子カード管理制の導入-などの内容が盛り込まれており、現在、国会の環境労働委員会雇用労働小委で法案審査が進行中だ。

CNEWS、11月10日)

【関係閣僚会議で方針決定、収容8万人に】新国立競技場、五輪後に球技専用スタジアムに改修

新国立競技場の整備状況
(JSC・報道発表資料より)
 ◇コンセッション導入、19年半ばに事業スキーム◇

 政府は14日、2020年東京五輪のメイン会場になる新国立競技場(東京都新宿区、渋谷区)の五輪後の運営管理方針を決めた。22年後半までに計8万席の球技専用スタジアムに改修し、公共施設等運営権(コンセッション)を導入して運営を民間に任せる。改修工事を運営権者に行ってもらうかどうかは19年半ばごろまでに判断する。運営権者の公募開始時期は新国立競技場が竣工する19年11月以降を見込む。

 同日開いた「新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議」(議長・鈴木俊一五輪担当相)で決めた。

 新国立競技場は五輪開催時に約6・8万人の観客を収容する規模となる。五輪後は運営収益の確保・向上策として、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールを中心とする球技専用スタジアムに改修し、各球技の日本代表の国際試合や全国大会のメイン会場としての利用を見込む。そのため、陸上トラックを撤去したスペースにプラスチック製の客席を増設。日本でのサッカーワールドカップ(W杯)開催にも対応できるように8万席まで増やす。

 五輪後に増設する客席には家族などで球技観戦を楽しめるボックス席も設ける。フィールドの芝生の敷設・張り替えは客席の上に設置される屋根の影響で日照が減るのを考慮し、作業の省力化に有効なビッグロール工法の採用を想定。耐久性に優れる天然芝と人工芝を組み合わせた「ハイブリッド芝」の導入は今後の技術革新を踏まえて判断する。

 夏季を中心に音楽フェスティバルなど球技以外の多様なイベントも開催できるようにする。
(11月時点、JSC・報道発表資料より)
 五輪後の運営にはコンセッションを導入する。運営権者の公募開始時期は新国立競技場が竣工する19年11月以降を想定。20年秋ごろに優先交渉権者を選定する。契約期間は10~30年間程度を見込む。契約の開始時期は未定。

 政府は19年半ばごろにコンセッション事業のスキームを決める。それまでに球技専用スタジアムへの改修工事を運営権者に主体的に行ってもらうか、新国立競技場を管理している日本スポーツ振興センター(JSC)が自前で行うかを判断する見通し。併せて、新国立競技場のコンセッション事業では、周辺にあるJSC管理の秩父宮ラグビー場(港区)や国立代々木競技場第一体育館・第二体育館(渋谷区)も一括して運営してもらうスキームの導入も検討する。

2017年11月14日火曜日

【対象競技はフィギュアやジャンプなど】冬季競技のNTC、指定公募手続き開始

文部科学省は、トップアスリートの競技力向上に向け指定している「ナショナル・トレーニング・センター(NTC)」のうち、2017年度末で指定期間が満了するフィギュアスケートやスキージャンプなど冬季系競技の次期指定施設を決める公募手続きを開始した。

 オリンピック競技はスキー(ジャンプ)、スキー(ノルディック複合)、スピードスケート、ショートトラック、フィギュアスケート、アイスホッケー、ボブスレー・リュージュ、バイアスロン。パラリンピック競技はバイアスロンとパラアイスホッケー。指定期間は2022年3月末まで(スケート競技は2020年3月末までで、最大2年間延長)。指定期間内は競技団体が行う選手強化活動に対して優先的に施設が利用できるよう、最大限配慮する。

 各競技の国際団体などが定めた施設基準を満たし、トレーニング室・器具などの付帯施設・設備も要件をクリアする必要がある。スキー(ジャンプ)は国際スキー連盟の公認ジャンプ台(ノーマルヒル、ラージヒル)があり、夜間照明やサマージャンプ設備、150㎡程度のトレーニング室を備える必要がある。フィギュアスケートは国際スケート連盟の基準を満たした30×60mの屋内スケートリンクがあり、氷上を整備する機器が設置され上質なコンディションが確保できることなどが求められる。

 公募申請書は2018年1月9日まで、スポーツ庁競技スポーツ課で受け付ける。選定委員会で書類審査を実施し、原則1競技1施設を指定する。

 現在の冬季競技NTCはスキー(ジャンプ)が札幌市ジャンプ競技場(大倉山、宮の森)、スピードスケートが長野市オリンピック記念アリーナ(エムウエーブ)と明治北海道十勝オーバル(帯広の森屋内スピードスケート場)フィギュアスケートが中京大学アイスアリーナ(オーロラリンク)、ショートトラックが帝産アイススケートトレーニングセンター、アイスホッケーが苫小牧白鳥アリーナ、ボブスレー・リュージュが長野市ボブスレー・リュージュパーク(スパイラル)、ノルディック複合が白馬ジャンプ競技場・クロスカントリー競技場、バイアスロンが西岡バイアスロン競技場。

【子どもたちの夢、実現します】土木学会、未来の土木コンの技術検討会開く

 土木学会(大石久和会長)は11日、小学生から未来の街のアイデアを募る「未来の土木コンテスト」の優秀賞に決まった5作品の受賞者5人と、土木エンジニア30人による技術検討会を東京・四谷の同学会講堂で開いた。

 日本建設業連合会(日建連)が全面協力。小学生のアイデアを実現するための技術的な検討を、会員企業の土木技術者が5チームに分かれて実施した。

 検討会の成果は来年1月20日に東京・お台場の日本科学未来館でプレゼンテーションとして提案者が披露する。同学会は当日、プレゼンテーションの結果を踏まえて最優秀賞を決定して表彰式を行う。

 検討チームは次の通り(▽チーム名=〈1〉提案者〈2〉作品名〈3〉チームリーダー。敬称略)。

 ▽チーム秋山=〈1〉秋山隆蔵(埼玉県)〈2〉人の心に寄りそう土木の街〈3〉古市耕輔鹿島土木管理本部土木技術部技術管理部長

 ▽チーム遠藤=〈1〉遠藤萌花(福島県)〈2〉遊びと笑顔で発電公園〈3〉伊藤正憲東急建設技術研究所土木研究グループリーダー

 ▽チーム島児=〈1〉島児明留(東京都)〈2〉うちゅうにうかぶしぜん〈3〉今石尚大成建設技術センター生産技術開発部長

 ▽チーム田中=〈1〉田中楓里(愛知県)〈2〉道路のなくなった町〈3〉岩永克也西松建設執行役員土木事業本部副本部長兼技術研究所長

 ▽チーム安江=〈1〉安江竣(東京都)〈2〉雷電池を使った未来の町〈3〉春日昭夫三井住友建設専務執行役員技術本部長兼国際本部副本部長。

【日頃鍛えた〝技〟を競う!】技能五輪全国大会、11月24日から栃木県内17会場で

厚生労働省は、ものづくりの現場などで働く青年技能者が技を競い合う17年度の「技能五輪全国大会」の開催概要を発表した。55回目の開催となる今回は24日から27日までの4日間、宇都宮市と周辺の栃木県内5市町(那須塩原、さくら、上三川、下野、小山)の計17会場で行われる。「技の日本一」の座を目指し、過去最多の1377選手が出場する。

 主催は同省と中央職業能力開発協会、栃木県。各都道府県ごとに行われた地方予選で優秀な成績を収めた原則23歳以下の技能者が参加できる。

 計42職種で競技が行われ、このうち「建設・建築系」は▽タイル張り▽配管▽石工▽左官▽家具▽建具▽建築大工▽造園▽冷凍空調技術▽とび-の10職種。

【回転窓】あえてアナログを楽しむ

混雑した通勤電車の中で新聞を器用に折り畳みながら読むサラリーマン。周りの迷惑にならないようにページをめくる手さばきは職人芸だ▼数年前までよく目にした光景だが、今はほとんどなくなり、スマートフォンやタブレットに取って代わられた。必要な情報がいつでも手軽に入手でき、アプリをダウンロードすれば機能拡張もお手の物。スマホの本格普及は2010年前後とされる。短期間での爆発的な広がりを見ると、世界を変えた製品の一つと思える▼ある日の電車内で周囲の乗客の何人がスマホを使っているのか数えてみた。ドアの真正面にあるスペースにいたのはおよそ20人。うち7割がスマホに目を落としていた。この数が多いのか少ないのか判断に困るが、改めて意識すると、狭い閉鎖空間でスマホを操作し続ける光景は不思議な感じがした▼2020年に向けて都内などでは高速大容量通信を可能にする環境整備が加速されるそうだ。困った時はさっと調べて即解決。何とも便利な道具だが、度を超せば依存症に陥る危険も▼電車で時間がある時はスマホではなく本を開く。今更ながら習慣にしようと思う。

【東大宇宙線研、18年春着工めざす】岐阜県飛騨市に「ハイパーカミオカンデ」整備へ

 東京大学宇宙線研究所は、岐阜県飛騨市に次世代の素粒子ニュートリノ研究観測施設「ハイパーカミオカンデ」を建設する。

 新たな研究組織として「次世代ニュートリノ科学連携機構」を設立した。18年4月に着工、26年の観測開始を目指す。総事業費は約657億円。

 同市にある神岡鉱山内の地下約650メートルに設置される。検出用の大型水槽は、直径74メートル、深さ60メートルの円筒形タンク。超純水を満たし、壁面に設置される4万個の大型超高感度光センサーでニュートリノが水と反応して発する微細な光(チェレンコフ光)を捉える。規模は、現行の「スーパーカミオカンデ」の約10倍になる。

 15年には「スーパーカミオカンデ」を使った研究が評価され、梶田隆章同研究所所長がノーベル物理学賞を受賞している。大型化と高精度化によって、ニュートリノ研究の進展が期待されている。

【凜】東京メトロ鉄道本部改良建設部・井上千草さん


 ◇現場が働きやすい環境整備を◇

 前身の帝都高速度交通営団時代から事務職員として勤務。父が務める職場でもあり、幼い頃から父の働く姿を通して、東京圏の地下鉄網を整備・運営する仕事を見続けてきた。

 公共機関という固いイメージが強く、当初は役所のような堅苦しさを感じていた。それでも配属先では父のことを知る職員たちから気さくに声を掛けられ、職場の雰囲気にも徐々に慣れていった。父にも同じ組織で働く大先輩として仕事の悩みなどを相談できた。

 実際に働くと、職員のつながりの強さなどファミリー的な面も見られた。そうした職場環境だったからこそ「女性ながら長年働き続けられた」と振り返る。

 建設関係や安全管理の部門など、さまざまな部署を回り、現場の第一線で働く人たちを支えてきた。現在は東西線の駅改良工事などを管理する第三工事事務所で総務課長を務める。現場などの地元関係者からのクレーム処理を初めて担当し、戸惑いもあった。

 慣れない業務に苦労も多いが、対外的な現場業務に関する負担を総務部門が吸収することで、工事担当の技術職員がスムーズに仕事ができる環境が実現する。

 04年4月の民営化から10年以上が経過し、組織や業務の変革も進んだ。長年培った経験を次代を担う若手に伝えながら、今後も変わらず東京圏の交通インフラを支える組織の一員として日々の業務に励む。

 (いのうえ・ちぐさ)

【中堅世代】それぞれの建設業・183

人材不足の中で後継者をどう育てるか。
苦悩する現場技術者は多い
 ◇正しい後継者育成とは◇

 人材不足が叫ばれる建設業界で、各社が後継者の育成に頭を悩ませている。

 中堅ゼネコンに土木技術者として入社し、20年を超す経験を積んだ佐藤浩介さん(仮名)も、同じ悩みを抱える一人だ。今は水道インフラの整備工事で現場所長を務めており、若手を見る機会が多い。「今の若手を見ていると、マニュアル通りには動けるが、それ以上を求めるとなかなか難しい」。そう不満をこぼす。

 これまで、土木一筋で現場を渡り歩いてきた。地下鉄の駅やトンネル、ダムなどのさまざまな土木工事を手掛けてきた自身を「何でも屋」と評する。それだけに、技術とはマニュアルではなく、現場で鍛えていくものという意識が強い。「自分の時代にはマニュアルなんてなかった。みんなが現場に体当たりでぶつかって学んでいくものだった」と振り返る。

 その姿勢は今も変わらない。「現場では想定外のトラブルが起きる。それに焦らず、しっかりと原因を究明して対処することが技術だ」。今の担当現場でも、構造物に取り付けてある変位計が異常値を示したことがあった。土の性状をもう一度調べ直して原因を突き止め、対策工事を行い、無事に切り抜けた。「現場にはこうすればうまくいくという正解はない。正解があるという思い込みを捨てることが大切」。そう強調する。

 だからこそ、最近の若手を見ていると歯がゆく感じてしまう。真面目で、きちんとした知識も持っているが、決まったことにしか対応できていないと感じることが多い。「指示には従ってくれるが、自分で考えることができない。このままでは実践で使える技術は身に付かないのでは」と心配する。

 思い返すと、苦しい状況下に何度も身を置く中で、自分で考える能力が身に付いていった。だが、若手はまだそうした場面に出会っていない。そうした思いから、若手に対して、手掛けている作業の意味を自ら考えさせるように努めている。

 「マニュアルに従うだけなら誰でもできる。なぜ、そうなるのかを考えないことにはいつまでたっても技術は身に付かない」と意図を話す。地下水位の計測作業であれば、数値だけを報告させるのではなく、正常なのか異常なのかを判断させ、なぜそう考えたのかまで問いただす。

 第三者への現場見学会などに若手を登場させ、イレギュラーな状況に慣れさせるようにも心掛けている。「若手にとっても、自分のやっている日々の作業が何につながるかをイメージする良い機会になっているようだ」。

 若手を見ていて、右も左も分からずに懸命に仕事に取り組んでいた若い頃の自分の姿と重なることがある。

 建設業をめぐる環境は当時とは大きく変わっているが、自分で考えて行動するという姿勢が最も大事な点は今も変わっていないと思う。そうしたことを伝えるのが、技術の伝承にとって大事ではないか。そんな思いを強くしている。

【サークル】ジョンソンコントロールズ アウトドアキャンピングサークル

 ◇「100人キャンプ」めざし和気あいあい◇

 東京本社(東京都渋谷区)のキャンプ好きの社員が集まり、「富士山の見えるキャンプ場に行き、星空を眺めよう」を合言葉に、2012年に発足した。キャンプには、部署を問わず多くの社員が参加。その家族や初心者なども温かく迎え入れ、みんなで楽しく活動している。

 最大のイベントは5月に行われる定例キャンプ。今年は約70人が参加するなど規模も大きな活動になっている。代表を務める安藤夏樹さん(オペレーション推進本部本部長)は、「『目指せ100人キャンプ』がサークルのモットー」と話す。

 5月の定例キャンプに向けては、2月ごろから主要メンバーで計画を立て、開催地や催し物を検討していくという。このほかにも10人程度で不定期にキャンプを開催し、和気あいあいと盛り上がっている。

 今後の目標について、安藤さんは「規模を拡大しながら100人キャンプを目指すとともに、自然と接する機会や部署部門を越えてのコミュニケーションの場、ワークライフバランス(仕事と家庭の調和)を拡充させる場として活用してもらいたい」とサークルの発展に情熱を燃やしている。

【駆け出しのころ】長谷工コーポレーション常務執行役員・古泉正人氏

 ◇興味を持てば好きになれる◇

 建築に興味を持ったのは高校生の頃で、超高層ビルの火災を描いたハリウッド映画『タワーリング・インフェルノ』を見たのがきっかけでした。本来なら消防隊による救出劇が見どころの映画だと思うのですが、私の感想は「超高層ビルはすごい」でした。この時の印象が違っていたら、建築技術者ではなく消防士を志していたかもしれません。

 入社して最初に配属された現場は兵庫県内のマンション工事です。現在でもそうですが、会社ではそれぞれの職場に配属された新入社員を定期的に集めてグループ研修を行っています。平日は現場内の事務所兼宿舎に寝泊まりしながら仕事をしていたので、仮囲いの中からほとんど出ることのない生活で、現場を離れて研修会に行くのが待ち遠しくて仕方がありませんでした。

 研修は午後5時には終わるのですが、現場にすぐ電話すると「帰ってこい」となるので、6時ぐらいになるまで待って連絡を入れ、「帰っていい」と言われてから皆で居酒屋に行って楽しく話したのもいい思い出になっています。同期のコミュニケーションを深めることも一つの目的とした研修制度だったのかもしれません。

 入社5年目に担当した現場では、所長から「職人さんをもうけさせるのではなく、もうけてもらうにはどうしたらいいかを考えろ」と繰り返し厳しく言われました。どれだけ自分たちがしっかり段取りや指示を行うのか。そして大事なのは過程ではなく、結果が全てとの教えでした。

 三十半ばの頃、兼任所長の下、一人で施工管理するという現場に配属になりました。頼りない監督を何とか支えてやろうと思ってくれたのか、当社の協力会社の人たちには最大限の協力を頂き、無事に工期通り完成させることができました。このことが自分にとって大きなステップアップになる経験を積むことができたと思っています。

 若い人たちは、真面目に一生懸命仕事をしていますが、加えて良い意味でのプレッシャーとやりがいを感じながら仕事に当たってほしいと思います。きめ細かく研修を行ったとしても、やはり実際に経験しないと身には付きません。そうした環境をつくるのも私たちの役割です。

 いつの時代も「今の若い世代は…」と言われるものです。それは各時代ごとの背景や考え方の違いがあり仕方のないことかもしれません。私たちの世代も言われたはずです。

 でも、時代が移り変わっても長谷工の仕事の基本は同じであり、それに興味を持ち続けてほしいと思います。何事も興味を持てば好きになれます。

 (関西建設部門施工管理担当、こいずみ・まさひと)1980年福岡大工学部建築学科卒、長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)入社。第二施工統括部建設2部長、第一施工統括部長、長谷工リフォーム取締役常務執行役員などを経て、16年4月から現職。愛媛県出身、60歳。
30代前半の頃に研修で訪れた米国で

2017年11月13日月曜日

【回転窓】ふるさとのPRに一役

 15年来の愛車には都内に引っ越す前のふるさとのナンバープレートが付いている。休日だけのドライバーとあって今も都心の交通網に四苦八苦。もたつく運転もこのナンバーのおかげで後続ドライバーは多少大目に見てくれるだろうと勝手に思っている▼2006年に始まったご当地ナンバーもこれまでに29種類が誕生。中でも「富士山」は山梨・静岡両県にまたがる初の地域名表示として注目を集めた。普段見掛けない地域名のナンバーは運転中も目に留まり、「そんな遠方から…長旅お疲れさま」などと車内がその地域の話題になることも▼国土交通省は地域の魅力を発信するナンバープレートの機能に着目し、地元の風景や観光資源を図柄にしたナンバープレートの交付を来年10月ごろ始める。対象に選ばれた41地域がどんな図柄になるのか楽しみ▼図柄入りナンバーには寄付金付きのタイプも。その車が各地を走り地域の魅力を伝えるためにも、交通サービスの改善・利用促進や観光振興などに役立ててもらいたい▼先日、愛車の車検を取り、もう2年の付き合いとなった。図柄はないがふるさとのPRに一役買いたい。

2017年11月10日金曜日

【回転窓】車がミチを鍛える

トヨタ自動車が、18年ぶりに参戦した自動車レース、世界ラリー選手権(WRC)で1年目とは思えない2勝を挙げる活躍ぶりだ。12年にハイブリッドエンジン搭載車で復帰した世界耐久選手権(WEC)もしかり。レース参戦を同社は「もっといいクルマづくり」の一環と捉える▼「道がクルマを作り、道がクルマを鍛える」。自らも「モリゾウ」と名乗って国内ラリーなどに参戦している豊田章男社長がそう語るように、クルマづくりでは道との対話が欠かせない。特に悪路を走るラリーは、乗り心地を追求していく上でも大きな要素となろう▼豊田社長の言葉を逆に捉え、「車がミチを作り、車がミチを鍛える」ともいえるのではないか。実際に道路舗装の分野では、車の乗り心地を客観評価する指数もある▼道路舗装大手の前田道路が、過疎化が進む地方で、重篤患者を乗せて長距離搬送する救急車両とタイアップした「いのちの道」づくりのサポートに乗りだした。車両から得られるデータを補修箇所を特定するのに役立てるのだという▼車の声に真摯(しんし)に耳を傾け、ミチづくりに生かす。そんな取り組みに期待したい。

【高速大容量通信の提供めざす】東京五輪組織委、携帯電話の通信環境整備指針策定

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、大会期間中に観客や大会関係者が快適に携帯電話を利用できるようにするための通信環境整備ガイドラインをまとめた。

 競技会場やその周辺でストレスなく音声通話やデータ通信ができる通信インフラを整備するため、携帯通信事業者と施設所有者、組織委が連携し設備の設置と保守を実施する。

 競技会場では来場者の5人に1人が同時通話しても支障がない環境を確保。データ通信は100%接続を基本に、混雑時以外は動画などの大容量コンテンツが快適に利用可能な状態にする。

整備対象エリアは競技会場、マラソンやロードレース、聖火リレーのコース沿道、選手村や関係ホテルなどの非競技会場、会場までの動線など。テストイベント開始までに安定した音声通話とデータ通信が可能な環境を整備する。整備する通信設備は会場内の仮設置分を除いて恒久的なものとし、大会後も活用できるようにする。

 組織委は大会関連場所の情報、ブロックプラン、図面、観客動線、テストイベントを含めたスケジュールなどを通信事業者に提供。通信事業者は恒久設備の新・増設計画を立案し、施設所有者に電波調査、設備設置・工事を依頼する。

 施設所有者に対して組織委はスペース、電力、工事日程などで協力要請する。

 通信事業者は決められたスペース、電力、工事日程の中で整備基準を達成するため、事業者間で設備配置や設計、工事の調整を実施する。整備状況は、通信事業者ごとに管理表を作成して定期的に確認する。

 大会終了後は整備した通信環境の評価やノウハウを大規模なスポーツイベントに活用してもらうため、関係者で情報を共有する考えだ。