2017年1月20日金曜日

【回転窓】大切なのは立法の「精神」

 「今」だけでなく「将来」にわたって公共工事の品質を確保する。14年6月に施行された改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)には、そうした基本理念が追加されている▼施行後、国土交通省が真っ先に取り組んだ自治体の工事発注からの「歩切り」撲滅運動や、浸透しつつある「施工時期の平準化」も、将来にわたる品質確保を狙ったものといえる。改正法成立に尽力し、昨夏引退した前参院議員の脇雅史氏は、法律に明記された各種事項を徹底させる上で、法律に込めた「精神」を広く普及させることの重要性を訴える▼例えば、「子どもの読書活動の推進に関する法律」。施行から16年を経ても、子どもの読書活動に変化が生じたとは言い難い状況にあるのは、立法精神が浸透していないためと脇氏は指摘する▼大切なのは、法律を契機に「世の中を変えていこう」とする行為。その際の立脚点が、法の目的や基本理念などに込めた「精神」となる▼施行2年半が経過した改正公共工事品確法の諸施策の実行も道半ば。市町村を含めた徹底になお時間を要するなら、改めて立法精神を説くことも重要ではないか。

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