2017年1月18日水曜日

【17年は決断困難な年】英コンサル、17年度版リスクマップ発表

リスクマップ2017(www.coutrolrisks.comから)
世界各地でテロが相次ぎ、主要国での政権交代など先行き不透明感が増した2016年。英国のリスクコンサルティング会社・コントロールリスクスは、グローバル企業にとって17年は、冷戦終結以来最も戦略的決断の難しい年になると指摘している。

 昨年の米国大統領選の結果と英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)で明らかになったグローバリゼーションと自由貿易への脅威が、ビジネスの不確実性がより高まるとみられる17年の前触れとなったようだ。

 コントロールリスクスはこのほど、世界各国の治安や政情の危険度を地図上に表した「リスクマップ」の17年度版を発表。安全リスクと政治リスクをそれぞれ5段階で色分けしている。安全リスクには窃盗や傷害、誘拐などがあり、事業にネガティブな影響を与える政策転換や汚職、経済制裁などが政治リスクに当たる。

 17年に特に注意すべきビジネスリスクには、▽トランプ米次期大統領やBrexitに代表される政治的ポピュリズム▽持続するテロの脅威▽サイバーセキュリティー関連法規の複雑化▽米国での法規制の後退▽激化する地政学的緊張▽偶発的な軍事衝突の可能性-の六つを挙げた。具体的には、米国の環太平洋経済連携協定(TPP)やパリ協定からの離脱可能性とその経済・政治的影響、中国が中央アジアからアフリカ北部にまで広げつつある外交・軍事勢力、南シナ海やクリミアでの紛争などを指摘した。

 発表に当たり、リチャード・フェニング最高経営責任者(CEO)は「グローバルビジネスを活性化してきた地政学的安定や投資・貿易の開放、民主化などが衰えを見せている。国際ビジネスの情勢は複雑化しており、企業幹部はリスクマネジメントの包括的な見直しを行う必要があるだろう」とコメントしている。

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