2017年2月22日水曜日

【こちら人事部】大成建設/環境整備進み女性の入社が急増

 1873年に創業し、140年以上の歴史を誇る大成建設。「人が生き生きする環境を創造する」というグループ理念の下、時代を切り開く多くのプロジェクトを手掛けてきた。その企業活動の基になる人材の確保では、大きく土木、建築、事務の3部門で募集し、年間約300人を採用している。

 採用を担当する高岡勇樹人事部人事室課長は「ものづくりに興味があることが基本。それと現場では多くの人と関わることになるので、技術系であってもコミュニケーション能力を重視する」と求める人材について話す。

 新入社員教育では、入社後1週間は全体の研修を行い、この中でコミュニケーション能力を養うためにグループワークを行う=写真。新入社員がいくつかのグループに分かれ、決まった材料で与えられたテーマの形を作るスピードを競う。グループ内で話し合いながら、最適な手法を導き出す。何問か繰り返し、互いに慣れたころにグループ替えをすることで、他者への意思の伝達能力と集団の中での協調性を養っている。


 少子化の進展で就職活動は売り手市場となり、業種を問わず企業の人材獲得競争は年々厳しさを増している。そうした中で強みとなっているのが、今、同社が力を入れているダイバーシティー(人材の多様化)経営の推進だ。新卒採用に当たり、女性限定、外国籍限定の企業説明会を設けており、特に女性限定は、募集すると100人ほどの定員があっという間に埋まるという。

 2007年に業界で先駆けて設置した女性活躍推進室、現在の人材いきいき推進室の塩入徹弥室長が「能力のある人は性別にかかわらず積極的に採用するのが当社の方針」と話す通り、特に女性が活躍できる環境づくりの取り組みを年々加速させている。

 中でも力を入れている取り組みの一つが、企業説明会などで女子学生からの質問が最も多いという育児休業制度の充実だ。同社では育休を取得した女性の復職率は100%という。

 「男性が育休を取得することで女性も取得しやすくなる環境ができる」(塩入室長)と、男性の育休取得環境を整えるため、16年から5日間の有給化を推進。夫婦参加型で家庭での協力体制を考える両立支援セミナーや父親セミナーを開くなど、男性社員の育児参画意識の醸成に努めている。15年度は3人だった男性社員の育休取得者は、本年度は2月中旬までに90人を超えた。こうした取り組みの効果もあり、女性のエントリーが年々増え、14年度に29人だった女性の新卒採用数は、16年度は52人、17年度は54人に倍増している。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性231人(うち技術系195人)、女性54人(36人)(17年4月入社予定)

 【3年以内離職率】6・6%(13年度新卒総合職)

 【平均勤続年数】男性18・7年、女性18・9年(16年3月末時点)

 【平均年齢】42・8歳(16年3月31日現在)

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