2017年2月27日月曜日

【建設業の心温まる物語】村井建設・久保田晃也さん(北海道)

 ◇上司が気づかせてくれたこと◇

 私がまだ若いころの話です。当時の休日は、本社勤務者は、日曜日・祝日は全休。現場勤務者は、休日は第一・第三日曜日のみで、残業は22~23時まで当たり前でした。当時はまだ若く、仕事や給料よりも遊ぶ時聞が欲しく、遊びたい盛りでした。本社勤務の同期入社同僚がいて、その彼の休日が羨ましくてたまりませんでした。

 そんなある日、上司とこんな会話がありました。

 上司「仕事はどうだ、だいぶ慣れたか?」

 自分「はい、まだまだですが随分仕事には慣れました」

 上司「そうか、忙しいけどがんばれ。同期の本社勤務の同僚とは一緒に遊んだりするのか?」

 自分「はい、結構一緒に遊んでいます。彼は残業も少なく、毎週日曜日が休みなので羨ましいです」

 上司「そうか…自分も若いころはなんでこんな仕事を選んだんだろうって思ったことがあるよ。結婚して子供が産まれても、地方での泊まり込みだったり、残業で子供が寝ているうちに出勤して帰宅する。その繰り返しで子どもと遊ぶ時間もなくてな。たまの休みに子供が朝起きてきて、寝ぼけた顔で一瞬『誰この人?』みたいな顔をされたのを覚えてるよ。そんな子供も大きくなり、子供と一緒に市内の地図を見る機会があったんだ。その時、何気なくこの建物は父さんが造ったんだよって言ったんだ。そしたら娘が『すごーい、お父さんの仕事は地図に載るんだ』。その時気付かされたんだ…そうか地図に残る仕事を自分はしてるんだってな」

 今では私も「地図に残る仕事」に誇りを持ち、辛い現場でも頑張ろうと考えられるようになりました。そのことに気付かせてくれた上司に感謝しています。

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