2017年3月7日火曜日

【回転窓】改名で若者は集まるか

こんなことを言うと頑迷固陋(ころう)とそしりを受けそうだが、地名でも組織名でも、長い間人々の間に定着している名称を変えることには慎重になる必要があるだろう。特に公共機関は▼東京都教育委員会が、都立商業高校の改革の一環で、商業科などすべての科の名称を2018年度から「ビジネス科」に変更するそうである(東京新聞2月28日付)。商業高では授業で簿記などを学ぶが、事務職が多かった就職先が近年、多様化しているのが変更の理由という▼記事によると、商業ではイメージが将来性と重ならず、生徒に敬遠される傾向があったらしい。ビジネスなら将来性に合うという理路がよく分からないが、手あかの付いたカタカナを持ってくるセンスもどうだろうか▼以前に大学の学科名から「土木」が消えると話題になったのを思い出す。最近、大学の新しい学部・学科名でよく見るのがグローバル、コミュニケーション、環境、国際などの言葉。卒業生はいったい何学士になるのか▼名称変更の目的に共通するのは若者集めだが、効果の検証も必要では。イメージで集められるというなら、若者も随分なめられている。

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